三度目の生は蛇の姿で   作:鯱タクワン

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(後書きに書いてあるステータスに違和感があったら教えてくれるとありがたいです)


10.ダイジェスト!

 その後しばらく、俺たちは下層を慎重に探索しながら移動を続けていた。

 

 岩陰から岩陰へ。

 強い反応を避け、小型の魔物だけを狙う。

 

 蜘蛛子が糸で拘束し、俺が影から奇襲する。

 逆に、俺が索敵で危険を察知し、蜘蛛子が高速で離脱することもあった。

 

 仮同盟。

 そう呼ぶには、妙に連携が取れていた気もする。

 

 ……まあ、お互い死にたくないだけなんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上層でも見かけた魔物や、比較的弱そうな魔物を見つけた時は、一度だけ鑑定して脅威度を測ってから襲って、食事にしたりもした。

 

 ちなみに、魂は普通に喰えた。

 いや、喰えてしまった。

 

 問題はその後だ。

 

 魂を喰われた魔物の死体は、まるで中身を失ったみたいに塵となって崩れ、そのまま消えてしまったのである。

 当然、普通の食事にはならない。

 

『ちょっ!? 食料消えたんだけど!?』

 

『……すまん』

 

『いやいやいや! そこ謝って終わる話じゃないからね!?』

 

 蜘蛛子にめちゃくちゃ怒られた。

 

 なお、今のところ、一匹分の魂を喰えば【魂欲】も落ち着いている。

 

 ……正直、少し安心した。

 もっと際限なく魂を求め続けるような状態だったらどうしようかと思っていたのだ。

 

 少なくとも今は、理性を失うほどじゃない。

 

 小型の魔物を一匹。

 それだけで、魂の奥を引っ掻くみたいな飢えはかなり静まっていた。

 

 もちろん、油断はできない。

 相手や状態次第ではどうなるか分からないし、そもそも魂を喰うなんて性質自体、危険すぎる。

 

 だが。

 少なくとも、即暴走するような状態じゃないと分かったのは大きかった。

 

『……とりあえず、今のところは大丈夫そう?』

 

『多分な』

 

『多分って言ったなぁ……』

 

『俺も手探りなんだよ』

 

『それで魂喰う性質なの怖すぎるんだけど』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 他にも。

 

 エルローゲーレイシュ――タニシ虫を発見した時は、どこまで不味いのか気になったのと、【腐蝕耐性】のレベルを上げたいという理由で食べてみたりもした。

 

 結果。

 

『っっっっっ!?!?!?』

 

『ぐぇっ!? まっっっっず!?』

 

 蜘蛛子と二人して悶絶した。

 

 なんだあれ。

 腐ってるとかそういう次元じゃない。

 味覚への暴力だった。

 

 しかも無駄に耐性だけは上がるから腹立つ。

 

『二度と食わない……』

 

『同意するよ……』

 

『なんで食べようと思ったさ……』

 

『耐性が欲しかったんだよ……』

 

『欲張るから……』

 

『お前が先に食っただろ!』

 

『影蛇は私の様子見てから食べたじゃん!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで、少しずつ。

 本当に少しずつだが、下層での生き方にも慣れ始めていた。

 

 仮拠点を作り、交代で休息を取る。

 

 蜘蛛子が寝ている間は、俺が巣の外で警戒。

 俺が休む時だけ、蜘蛛子の巣へ入れてもらう。

 

 ……ちなみに、最初はかなり嫌そうな反応をされた。

 

 まあ、魂を欲しがる蛇を寝床へ入れるとか、普通に怖いよな。

 

 俺でも嫌だ。

 

『……そこから先、入ってこないでね』

 

『入らん』

 

『絶対だよ?』

 

『お前、毎回言うな』

 

『毎回確認しないと怖いからね!?』

 

 なので、必要以上には近づかない。

 この距離感が、今の俺たちには丁度良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、蜘蛛子が休んでいる間。

 

 俺は【影憑】と【自己理解】を使い、自分自身とスキルの解析を進めていた。

 

 影へ潜る感覚。

 魂へ干渉する感覚。

 【魂欲】の波。

 

 まだ分からないことだらけだ。

 

 だが、少しずつ。

 本当に少しずつだが、自分が今どんな状態で、どんな存在なのか理解できるようになってきている気がする。

 

『……また影の中?』

 

『落ち着くんだよ』

 

『ほんと影好きだねぇ』

 

『お前も巣で籠るの好きだろ』

 

『あー……否定できないかも』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに蜘蛛子の成長具合だが、【鑑定LV7】に到達したことで、ようやくスキル詳細を見られるようになったらしい。

 

 その情報を聞く限り、蜘蛛子の成長自体は、俺の知っている流れから大きく外れてはいない。

 

 ……少し安心した。

 いや、本当に少しだけだが。

 

『おお……ついにスキル詳細見れた!』

 

『おめでとう』

 

『鑑定様がまた進化してしまわれた……』

 

『お前、鑑定に信仰向けすぎじゃないか?』

 

『だって便利なんだもん!』

 

 なお、俺の方も【鑑定LV8】になったことで、新しい機能が解放されていた。

 

 現在所持しているスキルポイントで取得可能なスキル一覧。

 いわゆる、スキル取得候補の表示機能だ。

 

 これを蜘蛛子へ話した結果。

 

『鑑定様マジパネェっす!』

 

 とか言っていた。

 

 テンション軽いなこいつ。

 

『で、何取れるの?』

 

『色々』

 

『雑ぅ』

 

『いや、まだ見終わってないんだよ』

 

『そんな多いの?』

 

『まあな』

 

 ちなみに、その一覧に表示されていた【風魔法LV1】と【土魔法LV1】を、それぞれ200ポイント使って取得済みだったりする。

 

 魔法の幅は広げておきたい。

 

 特に下層では、対応できる手段が多い方が生存率へ直結する。

 

『属性魔法かぁ』

 

『選択肢は多い方がいい』

 

『分かる』

 

『お前もそのうち使えるようになるさ』

 

『その前に【探知】を使いこなさないと……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ちなみに。

 

 スキル獲得候補の一覧を見た時、一つだけ、明らかに異質なスキルが混ざっていた。

 支配者スキルである、七大罪スキル【強欲】。

 必要ポイント、100。

 

 七大罪スキル。

 原作知識が正しければ、強力無比な代わりに、精神へ強い影響を及ぼす危険なスキル。

 それが100ポイントで取れてしまう状態だった。

 

 しかも最悪なことに。

 今の俺は、その名前を見た瞬間、「欲しい」と思ってしまった。

 

 ……だから怖い。

 

『影蛇?』

 

『……なんだ?』

 

『なんか今、すごい嫌な顔してなかった?』

 

『気のせいだ。そもそも蛇の顔なんてわからないだろ』

 

『そうだけどさー』

 

 意外と鋭いんだな。

 

 ……なので、とりあえず今は見なかったことにしている。

 いくら【外道無効】があったと分かった所で、取得するのは普通に怖いからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな風に。

 

 少しずつ、この危険な下層での生活にも慣れ始めていた頃。

 

 俺にとって、そして多分、蜘蛛子にとっても。

 

 大きな転機となる存在が現れた。

 

 ――猿だ。

 

 しかも。

 

 原作知識が正しければ、最悪クラスに面倒なタイプの。




TIPS:現在のステータス(称号除く)

《スモールグレイヴウンブラペント LV1 名前 なし
 ステータス
 HP:56/56(緑)
 MP:109/109(青)
 SP:50/50(黄)
   :42/42(赤)
 平均攻撃能力:52
 平均防御能力:35
 平均魔法能力:103
 平均抵抗能力:34
 平均速度能力:58
 スキル
【魂欲】【HP自動回復LV2】【MP回復速度LV4】【MP消費緩和LV4】【SP回復速度LV1】【SP消費緩和LV1】【魔力感知LV9】【魔力操作LV7】【毒牙LV8】【毒合成LV1】【念話LV2】【集中LV8】【並列思考LV8】【演算処理LV5】【記憶LV9】【鑑定LV8】【熱感知LV9】【隠密LV9】【無音LV2】【影憑LV2】【風魔法LV1】【土魔法LV1】【外道魔法LV7】【影魔法LV8】【毒魔法LV3】【過食LV1】【闇耐性LV4】【毒耐性LV5】【麻痺耐性LV3】【石化耐性LV1】【酸耐性LV3】【腐蝕耐性LV3】【恐怖耐性LV3】【外道無効】【苦痛耐性LV5】【暗視LV10】【視覚領域拡張LV1】【魔量LV3】【瞬発LV2】【強力LV2】【堅固LV1】【術士LV4】【神性領域拡張LV4】【自立】【自己理解】【禁忌LV1】【n%I=W】
 スキルポイント:280》
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