三度目の生は蛇の姿で   作:鯱タクワン

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13.二匹で、地上100メートルの攻防戦④

 奪う。

 

 そう決めてから、戦い方が変わった。

 

 俺が急に無敵になったわけじゃない。

 蜘蛛子が完全に回復したわけでもない。

 ただ、止まりかけていたものが、ぎりぎり動き続けられるようになっただけだ。

 

『右下、二匹!』

 

『分かってる!』

 

 俺の声より先に、意図が蜘蛛子へ滲む。

 

 右下。

 猿の腕。

 爪。

 岩壁を蹴る足。

 投石の角度。

 

 蜘蛛子はそれを受け取り、自分の意思で動く。

 

 糸を出す。

 一本目が猿の腕に絡む。

 二本目が脚を取る。

 

 俺は蜘蛛子の影から、黒い影を細く伸ばす。

 猿の肘を横から弾く。

 

 体勢が崩れたところへ、蜘蛛子の毒が落ちた。

 

 猿が落ちる。

 その瞬間、俺は崩れかけた魂へ【強欲】を差し込んだ。

 

 今は魔力。

 MP。

 寄せる……。

 寄せろ……!

 

《スキル【強欲】の効果により、対象からスキルポイントを奪取しました》

 

 違う!

 今欲しいのはそれじゃない!

 

 いや、ありがたい。

 ありがたいが、今じゃない。

 

 やっぱり完全には選べない。

 

 俺にできるのは、せいぜい方向を寄せることだけだ。

 魂へ触れられるから、確率を少し歪められる。

 それだけだ。

 

 今の俺には、それ以上の精密な操作はできない。

 

『……くそっ』

 

『影蛇?』

 

『なんでもない! 右下、次!』

 

『なんでもなくない声だったけど!?』

 

『今は右下!』

 

 蜘蛛子が文句を言いながらも動く。

 

 ありがたい。

 この状況で、質問を後回しにしてくれるだけで十分だ。

 

 大猿の一体が、岩壁を蹴った。

 

 バグラグラッチ。

 普通の猿とは重さが違う。

 速さも、圧も、何もかも違う。

 

 黒い巨体が下から跳ね上がる。

 

 しかも、ただ真っ直ぐ跳んでくるわけじゃない。

 途中の岩肌に腕を叩きつけ、無理やり軌道を変えてくる。

 

『左へ逸らす! 糸!』

 

『了解!』

 

 蜘蛛子が糸を出す。

 大猿の右腕へ絡める。

 

 俺は影を伸ばす。

 

 岩壁の影から、蜘蛛子の影へ。

 蜘蛛子の影から、大猿の腕の下へ。

 黒い杭のように固めて、軌道を押す。

 

 重い。

 重すぎる。

 MPが一気に削れる。

 

 けれど、さっきよりは押せる。

 

 【強欲】で広がった分。

 奪った分。

 ほんの少しだけ、余裕がある。

 

『今だ! 引け!』

 

『重いって!』

 

『知ってる!』

 

『キツイ!』

 

『頑張れ!』

 

『頑張ってるよ!』

 

 糸が軋む。

 

 蜘蛛子の体が岩壁から剥がれかける。

 

 俺はSPを流す。

 蜘蛛子の脚へ。

 踏ん張る力へ。

 

 蜘蛛子の足が、崩れた岩壁を掻く。

 

 岩が削れる。

 それでも、体は持っていかれない。

 大猿の軌道がずれた。

 

 直撃ではない。

 爪が蜘蛛子の横を掠め、岩壁を抉る。

 岩片が飛ぶ。

 

『いったぁ!?』

 

『直撃よりマシ!』

 

『それはそうだけど痛いものは痛い!』

 

 大猿は岩壁に爪を食い込ませ、落下を止めようとする。

 そこへ、普通の猿たちが群がった。

 

 大猿の背中、腕、そして肩。

 それを足場に、こっちへ登ってくる。

 

 こいつら、本当に何でも足場にする。

 

『足場にしてきた!』

 

『顔に毒!』

 

『また無茶を!』

 

『できる!』

 

『できるって言えばできると思うなよ!?』

 

 蜘蛛子が体を捻る。

 毒玉を作る。

 俺は【不快】を撃つ。

 

 大猿の咆哮。

 毒による苦痛。

 そこへ、不快感をねじ込む。

 

 大猿の顔が歪んだ。

 

 ほんの一瞬。

 でも十分。

 蜘蛛子の毒が顔面に命中する。

 

「GAAAAAAAッ!」

 

 大猿の咆哮が岩壁を震わせる。

 

 蜘蛛子の意識が揺れる。

 俺の影も揺れる。

 

 うるさい。

 重い。

 怖い。

 

 でも、ここだ。

 

『首! 右足! 糸!』

 

『はいはいはい!』

 

 蜘蛛子が糸を出す。

 

 首に絡める。

 右足に絡める。

 岩壁の出っ張りへ糸を張る。

 

 大猿が暴れる。

 普通の猿が糸へ飛びつく。

 

 噛んだり引いたりして、切ろうとする。

 

 俺は影を広げた。

 

 一匹。

 二匹。

 弾く。

 

 三匹目は間に合わない。

 糸が一本切れる。

 

『切れた!』

 

『まだ足りる! 引け!』

 

『言われなくても!』

 

 蜘蛛子が全身で糸を引く。

 俺も影で大猿の足元を押す。

 

 重心がずれる。

 大猿の腕が岩壁から剥がれる。

 

 だが、まだ落ちない。

 太い指が岩に食い込んでいる。

 

『しぶとい!』

 

『もう一発、毒!』

 

『MPきつい!』

 

『俺が流す!』

 

『じゃあ早く!』

 

 MPを流す。

 蜘蛛子の魔力が増えたわけじゃない。

 けれど、毒を作る瞬間の負担を、影の奥から肩代わりする。

 

 蜘蛛子が毒を作る。

 黒紫の毒玉が落ちる。

 

 大猿の目に当たった。

 大猿の手が一瞬緩む。

 

『今!』

 

『落ちろぉ!』

 

 蜘蛛子が糸を引いた。

 

 影で押す。

 毒が回る。

 

 大猿の体が、壁から剥がれる。

 

 落ちる。

 

 途中の猿を巻き込みながら。

 

 下へ。

 下へ。

 

 そして、轟音。

 

 地上近くで、何かが砕けた。

 

 バグラグラッチを一体、やっと倒した。

 

 経験値が流れ込む。

 今までの猿とは量が違う。

 

 一体ではレベルアップには足りない。

 けれど、かなり近づいた感覚はある。

 

 大猿の魂が崩れる。

 普通の猿とは比べ物にならないほど濃い。

 

 そこへ【強欲】を差し込む。

 

 今度こそ、燃料。

 MPでもSPでもいい。

 寄越せ!

 

《スキル【強欲】の効果により、対象から平均攻撃能力を奪取しました》

 

 違う!

 

 力が流れ込む。

 体の芯が、少しだけ強くなる。

 蛇の体の奥に、猿の剛力の欠片が縫い込まれる。

 

 ありがたい。

 ありがたいけど、今欲しいのはそれじゃない!

 

『……くそっ』

 

『影蛇?』

 

『なんでもない! 左、石!』

 

『なんでもなくない声だったけど!?』

 

『今は左!』

 

 蜘蛛子が体を捻る。

 石が通り過ぎ、岩壁を砕く。

 

 破片が飛ぶ。

 糸が一本切れる。

 蜘蛛子が次の糸を出す。

 俺はSPを流す。

 

 影を伸ばす。

 通常猿を落とす。

 その魂へ触れる。

 

 今度はSPが欲しい。

 寄せろ!

 

《スキル【強欲】の効果により、対象からSPを奪取しました》

《SP最大値が微上昇しました》

 

 来た!

 

 熱が戻る。

 体の奥に、動くための余力が戻る。

 現在値ごと押し上げられる。

 

 蜘蛛子の足に、影越しで力を流す。

 

『まだ踏ん張れる!』

 

『助かる! でもほんと何してるの!?』

 

『後で話す! 多分!』

 

『多分!?』

 

 後で話せるかは分からない。

 だが、今は話す余裕がない。

 

 下にはまだ大猿がいる。

 

 一体倒した。

 

 だが、残り四体。

 

 さらに普通の猿。

 

 猿、猿、猿!

 

 終わっていない。

 それでも、さっきまでとは違う。

 

 倒せる。

 バグラグラッチも、倒せる。

 そう思えるようになった。

 

 その代わり、俺の中の空白も広がっている。

 

 MPを奪った。

 SPを奪った。

 スキルポイントも、攻撃力も奪った。

 

 それぞれが、俺の魂に継ぎ足されている。

 だが、器が広がるたびに、空いた場所がもっと欲しがる。

 

 魂が欲しい。

 力が欲しい。

 

 もっと。

 もっともっともっと!

 

 すぐ近くに、蜘蛛子の魂がある。

 

 だが、呑まれない。

 呑まれていない。

 

 【外道無効】が、余計な干渉を削る。

 【自己理解】が、欲望の輪郭を切り分ける。

 

 これは今選ぶものじゃない。

 今奪うのは、猿。

 猿からだ。

 

『右、二匹! 下の大猿も動く!』

 

『もう!? 休憩なし!?』

 

『あると思うか!?』

 

『ないですね!』

 

 蜘蛛子が糸を出す。

 俺が影を伸ばす。

 猿が落ちる。

 

 また魂へ触れる。

 また【強欲】を差し込む。

 

 今度はMP。

 頼む!

 外れるな!

 

《スキル【強欲】の効果により、対象からMPを奪取しました》

《MP最大値が微上昇しました》

 

 よし!

 

 影を固める。

 蜘蛛子の回避に合わせて、猿の腕を弾く。

 大猿の跳躍軌道を、ほんの少し押す。

 

 蜘蛛子が糸を出す。

 軌道をずらす。

 大猿の爪が空を切り、岩壁に突き刺さる。

 

『今ならいける!』

 

『何を!?』

 

『あの腕、絡めろ!』

 

『はいよ!』

 

 蜘蛛子が糸を出す。

 大猿の腕に絡める。

 

 俺は影で肘を押さえる。

 通常猿が邪魔に入る。

 

 【不快】を飛ばす。

 【幻痛】を重ねる。

 蜘蛛子が毒を落とす。

 

 落とす。

 落とす。

 

 さっきから、結構な通知が来てる。

 

《熟練度が一定に達しました。――》

 

 見る暇はない。

 

 また通知。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル【並列思考LV9】が【並列思考LV10】になりました》

 

 その瞬間、頭の奥で何かが分かれようとした。

 

 もう一つの思考。

 

 いや、違う。

 思考じゃない。

 意思になろうとしている。

 

 俺と同じ記憶を持ち、俺と同じように考え、俺と同じように感じる、もう一つの俺。

 

 【並列意思】そのものが悪いわけじゃない。

 戦闘中に使う分には、きっと強力な武器になる。

 

 考える頭が二つになる。

 判断が速くなる。

 処理できる量が増える。

 

 だが、俺の場合は駄目だ。

 

 今の俺は、蜘蛛子の影の中にいる。

 蜘蛛子の魂が近い。

 【強欲】で器が広がっている。

 【魂欲】も強くなっている。

 影へ沈みたい衝動も、まだ消えていない。

 

 そんな状態で、俺と同じ欲を持つ「もう一つの俺」を増やすわけにはいかない。

 

 考えを分けるのはいい。

 処理を分けるのもいい。

 

 けれど、意思にするな。

 

 俺に必要なのは、もう一つの俺じゃない。

 俺という一つの意思のまま、全てを処理する力だ。

 

 普通なら、このままシステムが次の段階へ押し上げる。

 【並列思考】を、【並列意思】へ。

 

 だが、その進化先は閉じる。

 

 少なくとも、俺にとっては不要だ。

 危険すぎる。

 

 俺は【自立】を発動した。

 【並列思考LV10】に関わる魂の処理領域を、一瞬だけシステムの補助から外す。

 

 【自己理解】で、分かれかけた思考の構造を見極める。

 そして、【影憑】の応用で、魂の奥に伸びかけた枝へ触れる。

 

 分かれるな。

 考えるための枝でいろ。

 俺以外の俺になるな。

 

 魂の奥で、分かれかけたものを無理やり畳む。

 並列した思考を、意思ではなく演算へ押し戻す。

 

 頭が焼けるみたいに痛い。

 

 止めた、というより、進化先を閉じた。

 少なくとも、普通の【並列意思】へ進む道は閉じた。

 

 それでいい。

 

 俺が増えれば、そのぶん欲望も増える。

 そんなものは、今の俺には抱えきれない。

 

 必要なのは、分かれることじゃない。

 俺が俺のまま、全てを捌き切ることだ。

 

 今は、それだけで十分だった。

 

『影蛇!?』

 

 蜘蛛子の焦りが、感覚越しに流れてくる。

 

『後! 今は大猿!』

 

『絶対後で説明してよ!?』

 

『生きてたら!』

 

 どうにか、押し込めた。

 意思になる前に畳めた。

 

 息をつく暇もなく、次の通知が響く。

 

《条件を満たしました。称号【魂へ触れる者】を獲得しました》

《称号【魂へ触れる者】の効果により、スキル【外道攻撃LV1】、【腐蝕攻撃LV1】を獲得しました》

 

 魂へ触れる者。

 外道攻撃。

 腐蝕攻撃。

 

 また物騒な単語が聞こえた。

 

 だが、確認している暇なんてない。

 今は、目の前の大猿を落とす。

 それだけだ。

 

 その瞬間、影の中で猿たちの魂の輪郭が、さっきより少しだけはっきりした。

 

 崩れかけた魂の中にある、魔力に近い部分。

 肉体を動かす力に近い部分。

 スキルや経験の残滓みたいなもの。

 

 ぼんやりとだが、区別できる。

 

 完全に選べるわけじゃない。

 けれど、さっきよりは寄せやすい。

 それだけで十分だった。

 

 大猿が腕を引こうとする。

 蜘蛛子の糸が軋む。

 俺の影が押し返される。

 

 重い。

 まだ足りない。

 だが、さっきよりは動く。

 

 蜘蛛子の感覚が、俺に流れる。

 

 右の糸が切れそう。

 左はまだ持つ。

 毒はもう一発いける。

 でも、体勢が悪い。

 

 その情報が、言葉になる前に分かる。

 

 逆に、俺の判断も蜘蛛子へ流れる。

 

 左を軸にしろ。

 右は捨てろ。

 大猿の膝。

 そこへ毒。

 

『左を軸! 右は捨てろ!』

 

『言われる前に分かった! 気持ち悪い!』

 

『俺もだ!』

 

 蜘蛛子が糸を切る。

 大猿の力が空振りする。

 体勢が崩れる。

 

 膝へ毒。

 影で押す。

 糸で引く。

 

 大猿の巨体が、岩壁から剥がれかける。

 だが、片腕が岩を掴んだ。

 

『しぶとい!』

 

『首!』

 

『分かってる!』

 

 蜘蛛子が首へ、口へ、目へ、次々と糸を出す。

 

 大猿が暴れる。

 普通の猿がその体に群がる。

 

 助けるためか。

 足場にするためか。

 どっちでもいい。

 まとめて落とす。

 

『全部、引け!』

 

『無茶だな!』

 

『でもやってくれ!』

 

『やってる!』

 

 糸が軋む。

 蜘蛛子の体が悲鳴を上げる。

 俺のSPが削れる。

 影が薄くなる。

 

 それでも、引く。

 

 大猿の腕が岩から剥がれる。

 

 今度こそ落ちた!

 

 巨体が、下の猿を巻き込んで落ちていく。

 大きな衝撃が、岩壁を震わせた。

 

 経験値が流れ込む。

 今度は、はっきりと分かるほど。

 

 蜘蛛子の体が熱を帯びる。

 同時に、俺の中にも同じ熱が届いた。

 

《経験値が一定に達しました。個体、スモールグレイヴウンブラペントがLV2からLV3になりました》

《各種基礎能力値が上昇しました》

《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》

《スキルポイントを入手しました》

 

 レベルが上がった。

 

 HPが戻る。

 MPが戻る。

 SPが戻る。

 【強欲】で広がった最大値まで、全部。

 

 普通にレベルアップした時よりも、戻る量が大きい。

 器を奪い、広げた分だけ、回復も大きくなっている。

 

 同時に、影へ沈みかけていた輪郭が戻る。

 自分が蛇で、生きていて、影ではないともう一度思い出せる。

 

 助かった。

 本当に、助かった。

 

『影蛇?』

 

『レベルが上がった! MPもSPも戻った!』

 

『じゃあ、まだいける!?』

 

『いける! 今はな!』

 

 蜘蛛子の方からも、体の重さが抜けた感覚が流れてきた。

 

 レベルアップしたのだろう。

 

 俺に蜘蛛子の天の声は聞こえない。

 だが、影憑で繋がっているから、回復したことだけは分かる。

 

『こっちもレベルアップ来た!』

 

『助かる!』

 

 蜘蛛子の糸を出す勢いが戻る。

 足の踏ん張りも戻る。

 MPもSPも立て直る。

 

 俺の補助がなくても、動ける余裕が戻る。

 その余裕が、俺にも戻ってくる。

 

 だが、安心はできない。

 俺の中の空白は、消えていない。

 強欲で継ぎ足した器は、そのままだ。

 満たされていない空白が、まだ口を開けている。

 

 そして、下にはまだ大猿が残っている。

 

 一体。

 二体。

 三体。

 

 倒したのは二体。

 残りは三体。

 通常猿も、まだいる。

 

 勝てる。

 そう思いかけた。

 でも、その言葉を信用するには、まだ早すぎた。

 

『蜘蛛子』

 

『なに?』

 

『まだ終わってない』

 

『知ってる! 言わないで!』

 

 下で、大猿たちが動く。

 普通の猿たちも、また壁を登り始める。

 俺の中では、奪った分だけ広がった空白が、さらに深く口を開けていた。

 

 それでも、まだ動ける。

 まだ、支えられる。

 

 だったら、奪う。

 

 この場を生き残るために必要なものを、猿から全て奪ってでも。

 ここを生き残ってやる!




TIPS:【並列思考】と【並列意思】

【並列思考】は、複数の思考を同時に走らせるための思考系スキルである。
索敵、演算、魔法制御、戦闘判断など、異なる処理を同時に行う際に有効であり、高速戦闘や複雑な魔法行使において大きな効果を発揮する。
【並列思考】が極まると、その先には【並列意思】という段階が存在する。
【並列意思】は、単に思考を分けるのではなく、独立した意思を生み出すスキルである。
低レベルでは、もう一つの自分に近い意識が生まれる程度に留まる。
戦闘時に限定して使用するなら、処理能力を大きく引き上げる強力な力となる。
ただし、常時起動すれば、どちらが本来の自分なのか分からなくなる危険もある。
複数の意思を持つことは、処理能力の向上と引き換えに、自我の在り方へ影響を与える。
そのため【並列意思】は、強力であると同時に、使用者の自我境界や精神状態によっては扱いの難しいスキルでもある。
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