転生したら生命の祖でした   作:なちゅらりゅう

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急ピッチで書いたので雑です。ご了承ください。
仕事が終わったのが21時だったので前回の投稿予定時間をこっそりずらしていたのは内緒ですよ。


次の話は22時投稿予定です。

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感謝感激感無量です
高評価も、とても励みになってます
今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m


第十話 水神様

蒼き深淵の戦場は、両陣営が撒き散らす鮮血によって赤黒い死地へと変貌していた

 

海を統べる覇権を巡る、人魚と魚人による数百年の血みどろの抗争

誰がこの大海の覇者か、誰が神になるか

その決戦の地、水神が誕生した海では、人魚族と魚人族による死闘が繰り広げられていた

 

人魚族たちは、真珠の輝きを放つ尾鰭で海中を自由自在に駆け抜け、両手から不可視の斬撃を乱れ打つ。

圧縮された海流の刃は周囲の岩盤を破壊し、空間もろとも切り刻む。

対する魚人族の長は名こそないものの、ヒヒイロカネの如き屈強な筋肉を鎧のように隆起させ、数トンはあろうかという『暴食の重錨』を暴れ狂う台風のように振り回していた。

振り抜かれる錨が海底に接触する度に海水を爆発させ、生み出された物理的な衝撃波が人魚族の水刃を真っ向から粉砕していく。

 

「どこにいやがるピオーズ!!!

今日こそ貴様の首を捩じ切ってやる!!! 深海の支配者は我ら魚人だ!!!」

「怯むな!!こちらには水神様より名を賜りし我らが女王がいるのだ!!!好機は我らにあり!!!」

 

――ズガガガガガガッ!!!

 

斬撃と重錨が交差した瞬間、莫大な運動エネルギーが衝突し、海底にクレーターが穿たれた。

衝撃で海水が弾け飛び、一時的な真空のドームが形成。

 

――ズガガガガガガッ!!!

 

何度も何度も…

そんな戦争を、彼らは何十年も絶えず続けていたのである。

 

(……メチャクチャじゃないか)

 

とは、現地視察した星王竜の第一声である

 

精神体(スピリチュアルボディー)の状態で地獄門を経由して、やっとたどり着くことのできる悪魔界に住まう悪魔でも、階級というものが図らずとも誕生し、貴族社会が生まれたと言うが…

 

しかしここはどうだ?

 

一族の長か、それ以外。

食うか、食われるかという単純な構造だ。

ヴェルダ視線の先ではその単純さが原因となる光景が見えた。

重傷を負った魚人族の肉体を食いちぎる同族の姿。

骨一つ残さず平らげた後、水刃で首と胴体を分けられ、その魚人は命を絶った

そしてその死体を、再び別の魚人族が…

 

ヴェルダナーヴァは一連の食物連鎖を観測し、『勢力図が簡単にひっくり返りそうだ』と結論付けた。

彼の創り出した天使と悪魔の住まう地では、心核が破壊されない限り不滅となる。

『竜種』と同じシステムだ。

しかし物質世界(ここ)ではそんな都合のいい救済措置(弱くてコンティニュー)は設定されていない。

 

 

純然たる弱肉強食こそ、私の体現したかった世界なのですよ、ヴェルダ()()()()

 

 

そんな幻聴が、彼には聞こえたそうな…

「普通自分の子供だったら甘やかすのが道理だと思うんだけど…

というか…おじさんって言うのをいい加減…ん?」

 

「……創造神様?どうかされましたか?」

 

「………いや、なにも。それよりその話だ。

僕に1つ、良い策があるよ。」

 

「本当ですか?」

 

「ああ、君のおかあさんが思い出として残していた卵の殻を1つにくっつけて、大きな卵にするんだ。

そこに多少僕の因子を注ぐ…するとあら不思議…」

 

「練れば練るほど強い弟が…」

 

「そゆこと!」

 

「なるほど!おかあさんの因子と創造神様の因子を融合させて神の子を創るということですね!!

流石です創造神様!!」

 

 

輝く水滴のような丸い瞳を輝かせ、全身で喜びを表現している水神の子供は、創造神の提案をこれでもかと無邪気に褒めちぎる。

裏表のない純度100パーセントの称賛である。

 

それが彼には、堪らなく嬉しかった。

普段妹たちから「予算(魔力)の無駄遣い」、「威厳がない」「加齢臭がする」などと小言ばかり言われている創造神にとって、この小さな理解者からの賛辞は、まさに待ってましたと言わんばかりの、五臓六腑に染み渡る甘言だった。

 

(ようやくボクを褒めてくれる人が現れた……っ!)

 

だが、彼は忘れていた

水神は異常だということを

 

 

◇◇◇

 

 

目撃者が少ないため語られることが少ないが、水神はたまに癇癪を起こすときがある

周期は不定期だ

ほんの少し機嫌が悪かったというだけで大陸を三つ海に沈め、暇つぶしに大津波で山脈を削り取った、歩く自然災害。

自らの手で創りだした生物の悲鳴をBGMにお茶を啜る、

正真正銘の狂神である。

一番たちが悪いのが、それを本人は知らないこと。

 

だから定期的に物質世界の様子見をしなければならなかったし、

妹達にも監視を勤めさせることもあった。

その結果

癇癪の後、眠りについていたら、それは彼女の本質が満足したことを表し普段と同じいつも通りのサファイアが現れる。

という法則性が判明している。

 

(……考えてみれば、こんなにも純真で心優しい天使のような子を育て上げたんだし。彼女も親としての自覚に目覚めて、穏やかな性格になっているに違いない)

 

完全なる誤解である。

普段表の人格であるサファイアこそ、肉塊だったピオーズを子と認識し愛情を向けていたし、慈愛は誰よりも大きかった。

しかし、彼女の本質である水神が問題だったのだ。

 

 

そして今、生命(いのち)に『シードラ』という名をつけ、

海へ向かおうとする彼女は、

サファイアと水神様

果たしてどちらなのだろうか…

 




数日寝ただけで、周りが急に成長する理由をサファイアは知りません。
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