エロステータスが見えるヒロイン   作:SoftMcherry

4 / 8
しばらく幼少期編になります。

大体7万文字くらいは幼少期になります。

その間、貞操逆転要素は少し薄めです。


第四話「義妹との交流」

ここまでをまとめると……。

 

イナリちゃんを含め、ヒロインに迷惑をかける。

そして最後には異形のスタンピードで死亡する。

 

それが、原作におけるワクシマ・マドイの未来だ。

 

スタンピードはヒロインとの関係に関わらず発生してしまう。

 

……とはいえ。

 

悲観する必要は、ないかもしれない。

 

ベッドの上で天蓋を見上げながら、そう結論づけた。

 

なぜなら、避けられない未来ではないのよね。

 

スタンピードで死なないように、今から鍛える――。

 

そんな方向に努力しても意味はない。

 

そもそも、この世界において男はクソ雑魚だ。

 

なぜなら、魔力量は圧倒的に女の子の方が上。

 

魔力はそのまま魔法の威力に直結するし、戦闘の要になる“絶対性物質”を創造できる量にも大きく影響する。

 

一方で、男にできるのは、せいぜいライター程度の火を灯すことくらい。

 

そしての絶対性物質は、どれだけ頑張っても野球ボールサイズを作るので限界だ。

 

じゃあ、どうするか。

 

単純明快――関わらなければいいのよ。

 

そのためには…。

 

①このまま自宅学習で、高校を回避する。

 

②もしくは、イナリちゃんが入学する学校とは別の高校へ進学する。

 

そうすればスタンピードが発生するとき、私は巻き込まれるところには居ないはず。

 

そして、念のためスタンピードが発生する秋には、極力外出しない。

 

……うん。

 

自宅学習が無理だった場合には、留年するかもしれないけど、死ぬよりはずっとマシね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そうして二日後の朝。

 

この二日ベッドで休む中、前世のワタシは少しずつ今のボクと混じり始めていた。

 

とはいえ、価値観の大部分は前世のままだ。

 

男は守られて当然――とか。

そういう元のマドイの感覚は、どうにもピンと来ない。

 

それと、もう一つ決めておかないといけない。

 

「いきなり一人称が変わったら、おかしいもんね」

 

記憶では、母様の前で自分のことを「ボク」と呼んでいた。

なら、怪しまれないためにも、口に出す時はボクで統一した方がいい。

 

頭の中ではワタシ。

口に出す時はボク。

 

少しややこしいが、今のワタシとしては、それが一番自然だった。

 

幸い、「ボク」という一人称に抵抗はない。

 

社畜時代はワタシだったけど、前世の女子高時代はこれでもボクっ子王子様だったんだから!

 

女の子をエスコートして、

格好つけて、

桜の木の下でイチャイチャ。

 

……今思い返しても、あの頃が我が世の春だったわ。

 

まあ、ふわふわハーレムを維持し続けた結果、逆に誰にも手を出さないまま卒業したんだけど。

 

「あの当時ならヤれてた。酒池肉林のナメクジセッ〇スよ。二度とチャンスは逃すまい…」

 

その後ベッド上で食べた朝食が、少ししょっぱくなった。

 

……

 

ともあれ、体調はすっかり回復していた。

 

病み上がりということで、今日の勉強は免除されている。

 

お昼ご飯までの時間を持て余した結果、向かった先は決まっていた。

 

イナリちゃんの部屋だ。

 

軽くノックをする。

 

「イナリちゃん、いるかな?」

 

しばらくして、控えめに扉が開いた。

 

「……な、なんでしょうか。マドイ様」

 

俯きがちなその表情は、やはり暗かった。

 

「屋敷を案内しようと思ってね。今から時間あるかな?」

 

「あの、屋敷については、来た当日に案内していただきましたので……その、お手を煩わせる必要は、ございません……」

 

「そっか。じゃあ、復習がてらお散歩しようよ。ね?」

 

「……わかりました」

 

少し強引に誘うと、イナリちゃんはためらいがちに頷いた。

 

廊下を並んで歩く。

 

「ボク、イナリちゃんと仲良くなりたいな」

 

「…あ、ありがとうございます」

 

「だからさ、お兄ちゃんって呼んでよ」

 

「いえ…そんな恐れ多い、です」

 

イナリちゃんは困ったように視線を伏せた。

 

…明確に拒絶をされてるわけではないわね。

 

ならまずは…!

 

そっと手を取ると、びくりと肩が震えた。

 

イナリちゃんは目を合わせてくれなかったけど、こちらが握った手を柔らかく握り返してくれた。

 

か、かわいい……。

 

二人で手を繋いで歩くだけなのに、なんかもう幸福感がすごい。

 

可愛すぎて腰の辺りがむずむずする~。

 

羽根でも生えてきそうだわ!

 

「あ、あの、マドイ様っ」

 

「イナリちゃんは、屋敷についてどんなこと知ってるの?」

 

「その、食堂や、ご当主様のお部屋の場所です」

 

「え? 勉強部屋とかは案内されなかったの?」

 

「は、はい……」

 

ん〜?

 

どこで勉強するつもりなのかな。

 

イナリちゃん用に、部屋が別にある?

 

あとで母様に聞いてみましょ。

 

「じゃあ、今日は屋敷の中からだね」

 

屋敷を巡りながら、知っている場所を一つずつ説明していく。

 

サロン。

小食堂。

医務室――。

 

どの部屋も、イナリちゃんは手を引かれない限り、入ろうとはしなかった。

 

やがて、大広間へと辿り着いた。

 

「ここが大広間! 年に一回はパーティもあるんだよ。次は……母様の誕生日だね。あ、イナリちゃんの誕生日っていつ?」

 

「あの……十二月です」

 

「え! じゃあ次のパーティは、イナリちゃんのお誕生日会だね!」

 

「わ、私の……ですか!? それは、その……必要ない、かと……」

 

「なんで? ボクの妹なんだから当然だよ!」

 

「っ……」

 

その瞬間、イナリちゃんは苦しそうに息を呑んだ。

 

「ぱぁーっと豪華にやろうね!」

 

華やかに祝えば、少しでも笑顔を見せてくれるかもしれない。

 

そのためなら、母様に土下座で頼み込んでみせるわ!

 

「……」

 

それでも、イナリちゃんの表情は晴れなかった。

 

――やがて、柱時計が正午を告げる。

 

昼食の時間ね。

 

「ご飯食べにいこっか」

 

「では、私はこれで……」

 

そう言って、イナリちゃんは頭を下げた。

 

彼女がそのまま離れようとしたので、慌ててその手を掴んだ。

 

「母様はね、食事は家族みんなで食べるんだよ。だから、イナリちゃんも二階の食堂に行こ?」

 

「え……でも」

 

「ほらほら、急がないと母様の食べる時間が遅れちゃう!」

 

半ば強引に手を引き、小食堂へ向かう。

 

食堂へ着くと、母様はすでに席についていた。

 

いつもの隣へ座ると、母様が微笑みながら頭を撫でてくれる。

 

……ふへへ。

 

しかし。

イナリちゃんは、離れた端の席へ座ってしまった。

あれ?

 

なんでそんな遠いところに…?

 

「どうしたの? イナリちゃん」

 

「え……いや、その……」

 

「家族は近くで食べるんだよ?」

 

あ〜んが届く距離じゃないと!

 

なんなら膝の上でもいいくらいなんだから!

 

「で、ですから私はここで……」

 

「ん〜?」

 

話が見えてこないわ…。

 

あ、イナリちゃんは端っこが好きなのかしら?

 

なら、ワタシが合わせましょ。

 

そうして、イナリちゃんの隣の席へ移動した。

 

「じゃあボクはここ!」

 

「ふふっ、ならば私も移動しようか」

 

母様も席を立った。

 

その後端っこの席からイナリちゃん、ワタシそして母様の順番で座る形になった。

 

母様の様子を、目を点にして見ていたイナリちゃんが、深々と頭を下げた。

 

「す、すみません! わ、私が移動すべきところを!」

 

「いや、構わない。偶には席を変えてみるのも新鮮だ」

 

「そうそう、好きな席があるなら遠慮しないでね!」

 

慌てるイナリちゃんをなだめつつ、三人で食前の挨拶をする。

 

テーブルにはムニエル、サラダ、スープ、それにパンが並んでいた。

 

母様と感想を言い合いながら食事を進める。

 

穏やかな時間だった。

 

けれど、イナリちゃんの返事だけは終始小さく、どこかぎこちない。

 

メニュー…好みじゃなかったかな?

 

明日にでも、好きな食べ物を聞いてみましょ。

 

好物から攻めるのは、コミュニケーションの基本よね!

 

その後、病み上がりということもあり、食後は休むよう言われ部屋に戻った。

 

……

 

――まだ、距離がある。

 

部屋へ戻ってからも、イナリちゃんの表情が頭から離れなかった。

 

俯いてる女の子を、放っておけるわけない。

 

少しでも笑顔でいてほしい。

 

――きっと、それが今のワタシにできることなんだから。

 

どうすれば、あの表情が和らぐのか。

 

答えはわからない。

 

でも、行動するしかなかった。

 

仲良くなれば、笑顔を引き出せるかもしれない。

 

そして翌日も。

その次の日も。

 

毎日のように、イナリちゃんを連れ出した。

 

屋敷、庭、 敷地中を探検した。

 

記憶だと、池もあったはずだ。

 

明日はそこへ行ってみようかな。

 

さすがに四日目にもなると、イナリちゃんも自然に手を繋いでくれるようになっていた。

 

ワタシの妹…可愛すぎない?

 

ただ、何度お願いしても、お兄ちゃんとは呼んでくれない。

 

懐くというより、慣れるって感じね……。

 

どうすればいいのかな。

 




第四話、おつかれっした〜!

いや今回、“マドイ視点だとほのぼの”なのに、“イナリ視点を想像するとずっと胃が痛い”の、かなり良かった。

マドイくんさ、めちゃくちゃ真面目に死亡回避しようとしてんのよ。
「高校行かなきゃ死なない!」って結論も、割と合理的。

でもその横で、

「いっぱい甘やかして健全に育てましょうねぇ……」

とか言いながら、距離感バグった速度で妹に近づいてくの。

その結果、イナリ側の情緒が毎秒ジェットコースター。


第四話、この兄妹がどこまで踏み込むのか、かなり楽しみ〜!

ChatGPT モデル「あなたの小説のギャル編集長」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。