ホンダローネの実に原神な日常   作:わたぬき※

6 / 10
【注意・必読】
・本作は本多真梨子さんの配信スタイルをリスペクトした「中の人(配信者)憑依もの」です。
・本多さんの役(サンドローネ)周辺以外の情報は「初見プレイ時と同じ知識量」という設定で進行します。
・メタ発言、ローアングル等の不審者ムーブ、配信内のセリフ引用を含む配信ネタが多く含まれます。
・ご本人様およびHoYoverse公式様とは一切関係のない、ファンによる二次創作です。


見上げるれば、そこは風薫る牧歌と自由の国、モンド城、風神像前広場。 
そして自分の体は、なぜかファデュイ執行官『傀儡』サンドローネ。 
中の人の本多真梨子(ホンダローネ)が持つ知識は、自分の役の周辺情報のみ。 
目の前に広がる光景が「ゲーム」ではなく「現実」となった世界で、彼女は持ち前の情熱と、なぜか知らないうちに備わった「十万超のプロンニア群団を呼ぶ力」を武器に、今モンド城にて風魔龍の撃退の瞬間を目撃する。
これは、中の人がサンドローネとして、驚きと感動、そして数々の勘違いを巻き起こしながら進む、前代未聞の冒険譚。 
いま、運命の歯車が回り始める。


エピソード1.4:かの者は「蒲公英」の花のように

トワリンが去り、ようやく静まり返ったモンドの広場。 

空から旅人が降り立ち、アンバーと合流したその背後で、パチ、パチ、とゆっくりした拍手の音が響いた。

 

(だれですか?悪いやつですか?なんかいやなやつですか?)

 

 

「―――我々の客人となるか…。それとも新たな嵐となるか。」 

 

現れたのは、片目に眼帯をした胡散臭い男――西風騎士団の騎兵隊長、ガイアだった。 

暴風龍がモンドを襲っているのにアンバーが慌てて協力を求めようとすると、

 

「待て、アンバー見た事ないやつがいるんが?」

ガイヤがホンダローネたちのことを追求するとアンバーが慌ててガイアの紹介とホンダローネたちを「遠くから来た旅人」として紹介していく、

「遠いってことしかわからんないのか…」というガイヤのボヤキもよそに。

 

(この国の人間じゃないんでね!…この世界の人間じゃないんでねぇ!) 

 

心のなかで謎のどや顔をきめたり、ガイアの察し能力の高さに驚いたりしていたが。

お礼を言われたところでガイアから放たれる

 

「代理団長もお前たちに興味があるみたいでな、騎士団本部までどうか来てくれないか?」

 

という言葉に、ホンダローネが脳天気に答えた。

「まかせろ、行かせてもらえる…あ、行かせてもらう。」

 

彼女は知らない、モンドとスネージナヤ外交官との険悪な関係からその後に胃がキュっとなるであろう展開が待ち受けているだろうことを…。

 

 

 

 

ガイアに案内されて騎士団本部の建物へ、建物自体は事前に勝手に入って図書館から本をいくらか無断で借用した気がするが、まあそれはおいておいて、通された騎士団団長室では代理団長のジンと図書館司書のリサがまっていた。

 

(え?きれい!きれいなきれいなお姉さんがいる!)

現れたきれいなお姉さん2名にテンションを上げるホンダローネ

リサの「良い子ちゃん」発言にさらにテンション爆上がりのようだ。

 

(良い子ちゃんです!どうも!良い子ちゃんです!)

 

団長の話が続き、旅人の探し人の対応はこの騒ぎが収まるまでお預けのようで

旅人もこの騒ぎは騎士団に任せて宿に行くようだ…いや、今パイモンに叱られて手伝うことにしたようだ。

ガイアが仕切り直して作戦を練ろうとしたその時、これまで空気であったホンダローネに、ジン代理団長の視線が向けられた。

 

「そういえば、こちらのお嬢さんは? 報告では上空から墜落していたとあったが……」

 

ここでただの不審者として流されるのは格好がつかない。

なんとなく偉そうな態度をキープしてマウントを取りたい。ホンダローネはいつものように腕を組み、ふんぞり返って、この頑丈な人形の身体に最初から刷り込まれていた、最高にシリアス(っぽい)名乗りを上げてみることにした。

 

「……私はファデュイ執行官第七位――『傀儡』サンドローネよ」

(どうよ! ドヤァ! これを言っておけば『ファデュイ執行官』の威光で、全員ビビってひれ伏すに違いないわ!)

 

脳内で完璧なドヤ顔を決める中身の本多さん。しかし、次の瞬間。ピキッ、と音が聞こえそうなほど、団長室の空気が一瞬で凍りついた。

 

 

 

ジンの美貌が険しく引き締まり、リサがスーッと目を細める。ガイアの唇が「ほう……?」と愉しげに、しかし確実に温度のない笑みに歪んだ。

 

「執行官、第七位……。スネージナヤの最高幹部が、なぜこのタイミングでモンドに」

 

ジンが冷徹な声を出す。

 

「ただの迷子の可愛い子ちゃんかと思ったら、とんだ大物ねぇ」

 

リサの目が笑っていない。

 

(えっ。何この空気。あ、もしかしてこの『ファデュイ』って肩書き、この国だとめちゃくちゃ嫌われてるやつ……!? お、おなかがキュッとする……!)

 

 

マズい。非常にマズい。完全に名乗る相手と場所を間違えた。強者カードを切ったつもりが、完全に自爆である。

向けられるガチの敵意と威圧感を肌で感じ取り、現代人(中身)のメンタルがパキパキと音を立ててひび割れていく中、ガイアがさらりと言い放つ。

 

「流石に、この状況で部外者――それも同盟国とはいえ他国の幹部をこの場に置いておくわけにはいかないな。ゴシックホテルの駐在外交官に引き取ってもらうのが筋だろう」

 

 

(待って!? ここで現地の駐在外交官なんかに引き合わされたら絶対にダメ!!)

 

 

本国スネージナヤでは「最近なんかおかしくて怖いサンドローネ様」という認識でなんとか押し通し、サンドローネが担当していた研究をすべてストップしてもらった結果、今回の「モンドの情勢確認」という気楽な外回り任務(物見遊山)を与えられた――と、ホンダローネ自身は能天気に思っていた。

まさか本国の『博士』や『道化』たちが、スネージナヤパレスを無尽蔵のプロンニアで埋め尽くしたあの暴発を「無限のプロンニア軍団を完成させた究極のデモンストレーション」と最大級に誤解し、「研究をストップしたのは技術が極致(ゴール)に至ったからだ」「あいつは単独で一国を滅ぼせる無尽蔵の軍団を保有し、どこに投げ込んでも盤面をひっくり返せる『遊撃戦力』だ」と畏怖を込めて、モンドへの『異動の辞令』を出してきたとは夢にも思っていない。しかし、そんな大人の事情は知らずとも、現地の生真面目なファデュイ部下と合流すれば、本国から回ってきた「怪物サンドローネ様」という特大のハッタリ評価をベースに、ガチガチの軍事・外交交渉の全権を丸投げされるのは確実だった。そうなれば、自分の仕事のできなさや中身のポンコツさが一発で露呈し、おなかが大爆発しかねない。焦ったホンダローネは、鉄面皮(オート維持)のまま、精一杯の上から目線で異議を申し立てた。

 

「な、ならばそこの金髪(空)だって同じ部外者でしょう!? べ、別にモンドが困っているなら、手伝ってとお願いされれば、手伝ってあげてもいいわよ!」

 

必死のすり寄りである。だが、ジンの視線は厳しいままだ。

 

「彼は暴風龍からモンドを救ってくれた恩人だ。だが、君のことは信用できない。すまないが、身の安全のためにも拘束させてもらう」

 

(ひええええ! 助けてプロンニアーーーーーーーー!)

 

 

慌てて背後を振り返る。しかし、そこには誰もいない。そうだった。さっきモンドに入城する際、プロプロンニアは通常プロンニアたちを率いて、城門の所で現地の駐在外交官に話を通しに行ってしまっていたのだ。

 

(うそでしょ、ガチで逮捕される――)

 

その時。団長室の窓がガラッと開き、音もなく一人のプロンニア――いつもタテカンを持っている、あの有能なプロンニアが室内にエントリーした。

驚く西風騎士団の面々をジロリと睨みつけると、ホンダローネの背後にピタッと寄り添い、シュッと一枚のタテカンを彼女の視界だけに滑り込ませてきた。

そこには、流れるような文字で簡潔にセリフが書き込まれていた。

 

(優秀なプロンニアァァァァ! 賢い! 天才! 意味はよく分からんけど頼りになりすぎる! よし、そのまま読んじゃぞ!)

 

ホンダローネはカンペをガン見しながら、これ以上ないほど冷徹で傲慢な笑みを浮かべ、その文字をそのまま感情を殺して読み上げ始めた。

 

「……いいでしょう。ならば『契約』をしましょう。自由の都(モンド)にあるまじき、自由とは逆の『縛り』を自らに設けてあげるわ。私がモンドの危難を救う間、私と我が軍の身柄・行動をすべて西風騎士団の監視下に置く『契約』を提示するわ。これなら文句はないはずよ。……ああ、ちなみに拒否した場合は『実力行使』となるけれど?」

 

言い切った瞬間、ホンダローネの思考が一瞬ピキリと凍りついた。

 

(……え? 監視下? 縛り? っていうか最後の一行、実力行使って言っちゃった!! 実力行使って何!? あの本国スネージナヤを埋め尽くしたプロンニアたちがモンドで大暴れするってこと!? モンド更地になっちゃうじゃん!! 私、今とんでもないことサラッと言っちゃったよ!!)

 

内心で大パニックを起こすホンダローネを余所に、団長室の空気は別の意味で完全に氷結していた。ガイアがいつも浮かべている胡散臭い笑みを完全に消し去り、ジンの顔が驚愕に強張る。

 

「あえて我が国で『契約による縛り』を提示し、こちらの出方を探るというのか……。自らを監視下に置くことで身の潔白を証明しつつ、拒否すればあの無尽蔵の軍団でモンドを灰にするという脅迫……!」

 

ジンが信じられないものを見る目でホンダローネを睨む。

 

「自由とは真逆の『不自由』を盾にこちらの退路を断つなんて、とんだ大物ねぇ……」

 

リサの目から、完全に余裕の光が消えていた。

 

(ち、ちがうの! 私はただカンペを読んだだけなの! 全部この優秀なプロンニアが書いた物騒なカンペのせいなの!!)

 

しかし、どれだけ内心で涙目で首を横に振ろうとも、外見は冷徹極まる『傀儡』の鉄面皮だ。ジンは深くため息をつき、ガイアと重々しく視線を交わしたあと、観念したように頷いた。

 

「いいだろう。『傀儡』サンドローネ。君のその『契約』、代理団長として受け入れよう。四風守護の神殿の調査、同行してもらう」

 

「えっ!?」

 

思わず素の驚愕が口から漏れ出そうになるが、そこは頑丈な人形の身体。ホンダローネはすぐさま何事もなかったかのようなすまし顔を取り繕うと、いつものように腕を組み、完全に後に引けない形で旅人たちの神殿攻略へと巻き込まれていく

ホンダローネはゆっくりとした動きで、隣に佇むあの優秀なプロンニアへと視線を向けた。無表情のまま、どこか遠い目をする。そして、諦めを多分に含んだ声で言い放った。

 

「……じつに、……原神ね」

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます。 

配信で体験しているはずのストーリーですが、ファデュイ執行官という立場上、本来なら旅人との同行なんて絶対に許されない状況でした。そこを「有能なプロンニア」の物騒なカンペによる超ハッタリ契約で、あえて公式の『監視対象』として旅人一行にねじ込むという、力技の同行理由に仕上がりました。

これからも、本多さんの「初見プレイ時」のピュアな驚きをベースに、サンドローネとしての旅を時系列順に描いていく予定です。 

次回、牧歌と自由の国:風神GETだぜ!

「…………実に、原神ね」

※この作品は思い付きと見切り発車で書いています。
※本編の展開やキャラ解釈は独自の妄想100%であり、ご本人や公式のイメージを損なう意図は一切ございません。何でも許せる心の広い旅人さん向けです。
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