ホンダローネの実に原神な日常   作:わたぬき※

7 / 10
【注意・必読】
・本作は本多真梨子さんの配信スタイルをリスペクトした「中の人(配信者)憑依もの」です。
・本多さんの役(サンドローネ)周辺以外の情報は「初見プレイ時と同じ知識量」という設定で進行します。
・メタ発言、ローアングル等の不審者ムーブ、配信内のセリフ引用を含む配信ネタが多く含まれます。
・ご本人様およびHoYoverse公式様とは一切関係のない、ファンによる二次創作です。


見上げるれば、そこは風薫る牧歌と自由の国、モンド、四風守護の神殿前。 
そして自分の体は、なぜかファデュイ執行官『傀儡』サンドローネ。 
中の人の本多真梨子(ホンダローネ)が持つ知識は、自分の役の周辺情報のみ。 
目の前に広がる光景が「ゲーム」ではなく「現実」となった世界で、彼女は持ち前の情熱と、なぜか知らないうちに備わった「十万超のプロンニア群団を呼ぶ力」を武器に、夜のモンド城で暗躍を始める。
これは、中の人がサンドローネとして、驚きと感動、そして数々の勘違いを巻き起こしながら進む、前代未聞の冒険譚。 
いま、運命の歯車が回り始める。


エピソード2.0:「酒カス」を捕まえるたった一つの冴えたやり方

四風守護の神殿攻略――。

 

過酷な試練を、なんやかんやありつつもクリアしたホンダローネであった。肉体は執行官サンドローネ。どれだけ激しく動こうが疲労などしないし、そもそも今回の戦闘はすべてプロンニア軍団に丸投げしたので、ホンダローネ自身は指一本動かしていない。

だが、一般人メンタルの本多さんにとっては、凄まじい実戦の光景を「特等席で眺めていただけ」で、精神的ストレスが限界突破していた。

 

(一歩も動いてないのに心が死にそう……! 今すぐベッドにダイブして丸まりたい……!)

 

内心は涙目で阿鼻叫喚の嵐。だが、鉄面皮(ポーカーフェイス)がその限界パニックを完璧に遮断する。激しい気疲れを隠すため、完全に無言のまま、冷酷に微笑んでみせた。それを見つめる同行メンバーのアンバー、ガイア、リサ、そして旅人一行は――ガチで戦慄していた。

 

「(息一つ乱さず、冷徹に任務を遂行するなんて……これが執行官……!)」

「(魔物の群れを前に、表情一つ変えず、一歩も動かずに命令を下していたな……)」

「(ふふ、恐ろしいお嬢さんだわ。これが噂のファデュイ最強の遊撃戦力ね)」

 

「あ、あの、事後報告はオイラたちに任せて、先に休んでていいぞ……!」

 

パイモンが怯えながら提案してくれたのは、ホンダローネにとって神の救いだった。丸投げ大歓迎である。ホンダローネは一刻も早く逃げ帰るため、無言のまま精神的に傷だらけの状態で神殿を後にした。

 

 

 

 

「はぁ、早く帰って寝たい……」

 

精神的な気疲れから、トボトボと歩くホンダローネ。その様子を見ていたプロンニアが、スッとタテカンを掲げた。

 

【今後の高度な戦略のために、あそこの酒場でモンドの最高級酒を数本仕入れることを提案いたします】

(あ、ワインか。モンドのアカツキワイナリーのワインなら有名だし品質も確かだろうから、ちょっと買って帰ろうかな)

 

深く考えず、ホンダローネはコクリと冷酷に頷いた。

向かった先は酒場『エンジェルズシェア』。だが、重い扉を押し開けた瞬間、ホンダローネは心の中で絶叫した。カウンターに立っていたのは、たまたま店番をしていたオーナー、ディルックその人だったからだ。

 

「……何の用だ、ファデュイ」

 

ディルックの瞳に、隠しきれない鋭い警戒の炎が宿る。いつでも神の目を起動し、大剣を叩き込めるような一触即発の殺気が店内に満ちた。

 

(うわああああこの人知ってる星5の人!! なんでかガチで睨まれてる超怖い!! え!?あ!?わたしがファデュイだからか!?この人ファデュイ絶対殺すマンのだったわけ!?)

 

突発的な恐怖により、ホンダローネの表情は1ミリも動かない絶対零度の鉄面皮へと変貌する。震える声を無理やり押し殺し、地を這うような低音で最高級ワインの棚を指差した。

 

「……これを、数本お願いするわ、土産として包んでいただけるかしら?」

 

ディルックは一瞬、情報戦の可能性を疑った。だが、目の前の執行官には一切の動揺がない。それどころか、自分が放つ殺気を完全に無視しているように見える。ディルックが無言で包んだワインを受け取ると、本多さんはカウンターにそれなりにモラの詰まった袋をガシャリとおいた。

 

 

「釣りは、取っておきなさい」

 

お釣りを受け取る時間すら惜しい。とにかく逃げたい。

さっさと店を出ていくホンダローネ。残された静まり返る酒場で、ディルックはゆっくりと腕を組んだ。

 

「……釣りは取っておけ、か。僕の素性も、この店がファデュイを監視する中枢であることも、全て知った上での挑発というわけか」

 

 

「『傀儡』サンドローネ……。噂通りの鉄面皮、そしてとてつもない胆力の持ち主だ。これほどの怪物がモンドに滞在しているとなれば、こちらも相応の覚悟を持って監視を強めねばならないか……」

 

ディルックは、かつてない強敵の出現に静かに闘志を燃やすのだった。

 

 

 

 

酒場を出た裏路地。

最高級の(ワイン)を抱えたプロンニアが、嬉々としてタテカンを掲げた。

 

【高級酒の調達完了。これより、重要参考人の確保のための罠を設置いたします】

(重要参考人の確保? 何する気……?)

 

不穏な予感を抱えるホンダローネの前で、プロンニアがドヤ顔のような雰囲気でトラップを設置した。

 

地面に置かれた最高級ワイン。それを覆うように斜めに傾けられた、巨大な「ザル」と、それを支える「一本の木の棒」、そしてプロンニアの手に握られた「紐」。

(……いやザルと棒じゃねーか!!! 10万機の軍団率いておいて出すのが古典の小鳥捕獲トラップ!? ナメてんの!? ダメだ、これはダメ!!)

 

ホンダローネは無言のまま、冷徹な目で首を左右に激しく横に振った。ガチのダメ出しである。まさかの不合格に、タテカンを掲げることすら忘れて完全フリーズするプロンニア。

すると、背後に控えていた数体のプロンニア集団が一斉に、頭を抱えてのけぞったり、こちらを表情はかわらないが真顔で見つめたりと【マジか!?!?】という驚愕をパントマイムだけで完璧に体現し始めた。

路地裏が異様な静寂と激しい動きでカオスになる。

 

「……はぁ」

 

精神的なため息を押し殺し、ホンダローネが冷たい視線を送ると、プロンニア軍団は大慌てで次善策へと移行。大急ぎで設置されたのは、どこから調達したのか知らないが頑丈な鋼鉄で作られた、入り口の扉が落ちるタイプの【イノシシ用の箱罠】だった。一番奥には、同じ最高級ワインが餌として美しくセットされている。

 

(……うん、まぁ、イノシシ用の箱罠だけど。さっきのザルよりは100倍マシか。何捕まえるか知らないけど、これくらいガチガチの鉄檻じゃないとね……)

 

ホンダローネが安堵の笑みを浮かべて頷いたため、プロンニアは罠を複数セットするために裏路地へ数体消えていった。その様子と見てホンダローネはボソッと短く尋ねた。

 

「……で、これで何を捕まえるの?」

 

プロンニアはタテカンを掲げる。

 

【それは明日のお楽しみで……】

「そう。ならいいわ」

 

極限の精神切迫に襲われたホンダローネは、それ以上の追及を諦め、一刻も早く横になるためにゲーテホテルへと帰っていった。一晩おけば、プロンニアも冷静になるだろうと信じて――。

ホテルの自室で今日のことを思い出しつつ、諦めたような声でこう言った。

 

 

「―――実に原神ね…。」

 

 

ちなみに、その後諜報活動に力を入れたディルックの影響でその配下の従業員たちは必要以上に忙殺されて疲労困憊になったそうな…。ドンマイ

 




最後までお読みいただきありがとうございます。 

今回は旅人たちが神殿をクリアしてモンド城に戻ってくるメインストーリーの裏側で、ホンダローネがどれだけ精神をすり減らし、裏路地でどんな暗躍を繰り広げていたのかを描いてみました。早く寝たい一心で買ったお土産ワインのせいで、ディルック旦那に「全てを知った上での挑発」とガチ勘違いされ、裏では国家レベルの警戒網を敷かれていることなど、ホンダローネは夢にも思っていません。というか眠くてこの回のことを覚えてないでしょう。
※物語の整合性を保つように今回は完全に妄想となります。

これからも、本多さんの「初見プレイ時」のピュアな驚きをベースに、サンドローネとしての旅を時系列順に描いていく予定です。 

次回、牧歌と自由の国:風神ゲットだぜ(今度はほんと)

「…………実に、原神ね」

※この作品は思い付きと見切り発車で書いています。
※本編の展開やキャラ解釈は独自の妄想100%であり、ご本人や公式のイメージを損なう意図は一切ございません。何でも許せる心の広い旅人さん向けです。
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