死にたくないので炎上上等! クズ少女配信者の銀河最底辺ダンジョン配信に現れた俺は、ただの鎧の傭兵だったが、地球への手がかりを探してると『レオパルドン〇〇説シリーズ』が乱立し神と呼ばれた件について   作:生駒伊織

22 / 50
12話2 レーゾス周辺の光景

 

 

――一方その頃、ミナカ達より早くレーゾスに向けて出されたとある船。

 

 

ドヴェル=スタイン家。

技術系のチャンネル運営で莫大な利益を上げる、帝国の運営貴族の一つ。

その裏では、他の貴族領で動く事も辞さない秘密の部隊を持っている。

 

青く輝くレーゾス。周囲の天体との均衡が釣り合う地点には、建造中のワープゲートが見える。

 

「全員、レオパルドンのデータは見てるな。詳しい事はギルドから横流しされた身体検査記録、そしてキナイから与えられた電子麻薬のデータを見ろ」

 

リーダーの物と思しき男の声が、闇の中で響く。

船内の人数は、私兵隊という仰々しい名前に反して少ない。聞こえて来る者達の声は、僅か四人である。

薄暗がりの中には貨物ボックス――蛍光塗料で記載された『NET』や『Repro Weapon』の文字がぼんやりと浮かんでいた。

直後、船内のスピーカーからアンドロイドの声がノイズと共に響く。船の航行を任せている奴だ。

 

《皆様、コレヨリ大気圏ニ突入シマス。義体ノ換装準備願イマス》

 

大気圏突入すれば、もう剣帯の対応範囲外であるので船内に電力が復旧する。

部屋に存在するのは四体の義体。そして各々の前には銀の球体型の脳と脊椎の一部を収めたコアパーツ。現地で組み立てるのは宇宙船だけではない、人間も同じだ。

 

「仕方ない、先に義体に乗り込むぞ。続きは後だ」

「キキ、待ってました。早くアイツの顔を拝みてぇや」

「……先に下準備と行きましょう。データもそう言ってます」

 

その時、モニターに映る光景を見て一人が呟いた。

 

「何かしらアレ?」

 

 

◇◆◇◆

 

 

惑星レーゾスに存在するダンジョンが励起する。ダンジョンを軸に突如発生した磁気嵐は瞬く間に星を覆った。

 

 

――銀青色の照明が照らす執務室。

真鍮縁の窓には百パーセクも離れたオルムステッド領本星にある屋敷の庭。起きている事柄に反し、窓の中は月明りの中で凪いでいる。

 

オルムステッド領にある研究所が出した最新の報告を、そんな自分の城たる艦=フィアン・ルーの人工重力が効いた執務室で受け取ったキャストリルは一言。

 

「なるほど」

 

眉一つ変えず、短くそう呟いただけである。

しかし、次に取る対応は既に彼女の中で決まっていた。

 

これを手招いてみていれば惑星レーゾスが爆発する。

周辺星系の被害は甚大。予測結果の書かれた報告書にはそう書かれている。

 

そして、つい一時間前もダンジョン外で大規模なモンスターの氾濫。スタンピードがあり、パワードスーツ大隊がこれを処理したとも。原因はこの事に起因するだろう。

彼女は真横に控えていた紺色のローブの老紳士に目線を向けず話しかける。

 

「バルタザール、この後の予定は?」

「十四時にレーゾスに配備する防衛装置メーカー三社との会合が予定されております」

「それはキャンセルしといて頂戴。代わりに、お父様との連絡を……」

 

淡々と彼女はこれからすべき事の算段を立てる。

ビジネスでは即断即決が求められる。今は他の兄弟より早く行動しなくてはならない。ともすれば、惑星レーゾスの破壊にも関わる事なのだから。

 

――その十分後、オルムステッド家名代キャストリルの名の元に惑星レーゾス破壊が決定される。

猶予は帝国標準時で二十四時間。破壊にはオルムステッド家が治める星系より、古代兵器『モルディッギアン』が執り行う。

この全長四百メートルにも及ぶ巨大な人型兵器は、手にした超大型反物質キャノンにより星を因果地平の彼方まで消し去る事が可能だという。

 

神話の時代から受け継がれたオルムステッドの象徴。

余りにも強大過ぎる為、使用には皇帝直々の認可が必要である。

 

皇帝は、それを認可した。

 




ここまで読んで合いそうでしたら、お気に入り・しおりに入れていただけると更新を追いやすいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。