自分の投稿した小説がネットで予言書扱いされてるんだが   作:そこのけ

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第1話

 ここまでの菱餅若葉のあらすじ!

 TS転生して美少女に生まれ変わった私は人生勝ち組である事を確信していたが、しかしながら性別が入れ替わった事によるギャップとか人生二周目である事から来る年頃らしさの欠如とかが原因で、幼少期は完全にぼっち生活を送っていたのだった。

 それでもなんだかんだ人生二周目なんだから転生リードを決められるだろうと思っていたが、しかしながら人生二周目であって基礎値が上がっていたわけではない事を完全に忘れていた私。

 学生時代はそんな訳でおもっくそ大失敗をし続け、気づけば自信の喪失どころか精神的に病ん病んしている痛々しいTS美少女が出来上がってしまったのだった!!

 

「いや、美少女て。若いからギリギリ美少女を保ててるけどあと数年経てばそれも無理になるだろうし。ていうかそもそも少女って年頃じゃないよね――いかんいかん、お薬お薬」

 

 引きこもりの癖に一丁前に目が覚める時間は朝七時と規則正しい生活を送っている私は、お母さんが作ってくれていた朝食を食べ、それから毎日飲んでいる薬を合計三錠、水と一緒に飲む。

 緩やかに効果が出てくるタイプらしいのでこれで調子が良くなったとかそういう気持ちは一切ない、何ならプラセボ効果すらないような気もするのだが、だがまあ飲まないよりはずっとマシなのだろうと私は飲むようにしている。

 

「ていうか大きい方のお薬はなんだか喉に突っかかる感じがするし……やだなー、最近独り言が増えているような気がする」

 

 いかんせんぼっちで話し相手もネットにすらいないような存在なので独り言がデフォである。

 まあ、年中家にいるのでそれを聞く人もいない。

 聞いてくるような奴がいたらこんな事にはなっていないし、聞いてくるような奴がいたら今の私は多分死んでいる。

 面倒臭い奴である、我ながら。

 

「ぬうん……しかし今日は何をしようか」

 

 独り言。

 しかし今日は何をしようっつったっても、事実として何もやる事はないというのが正解である。

 ぼっち、引きこもり、無職、社会不適合者。

 ネットの海にすら居場所がない存在の私なので、ネットサーフィンで時間潰しする事すら結構大変である。

 

「はあ……」

 

 ちらり、とカレンダーを見る。

 2016年、8月3日。

 世間は今頃どんな感じなのだろうか?

 そもそも今、何曜日なのだろう。

 何もかも分からん、クソである。

 

「……ネットでも見るかな」

 

 外に出るのも嫌だし、寝るのもなんだかそんな気分ではない。

 なので仕方なくパソコンを開き、適当にブラウザを開いてSNSを確認してみる事にする。

 

「……ん?」

 

 なんかトレンドに見知らぬ単語があった。

 

「カクダケ……?」

 

 とは、何ぞや。

 首を傾げて調べてみると、どうやら最近出来た新しい小説投稿サイトらしい。

 ネット小説というと「ライターになろう」というものがあったけど、それとは違うのだろうか?

 いろいろと調べてみて、そこでふと気になったものが出てくる。

 

「え゛……お金貰えるの?」

 

 なんでも、小説を投稿すると広告費としてお金が貰えるらしい。

 凄い、新時代だ。

 ちょっとしたお小遣い稼ぎは出来るのかも……なんて甘い考えが頭の中を支配する。

 

「べ、別に小説を書いて投稿するだけならただ、だし……ね」

 

 ドキドキしながらとりあえずサイトを開き、ユーザー登録をしてみる。

 それから……どうやら当たり前だけど最近出来たサイトなのでまだユーザー数自体は少ないらしい。

 なら、今のうちにいろいろと活動を始めた方が絶対お得じゃん。

 

「え、えーっと。それじゃあどんな小説を書こうかな……」

 

 そもそも小説の書き方が分からん。

 とはいえ文字を書く事は流石の私も出来るので、丸一日を掛けて何とか5000文字の小説を書き上げる事に成功する。

 

「よ、よし……投稿」

 

 タイトルは「ポイズンデッド・レコード」。

 ファンタジー世界を舞台に王様がゲームの世界に入り込んでしまう――みたいな物語。

 あらすじも頑張ってみた。

「これはこの世界を舞台にした、いずれ来る未来を綴った物語である……」なんて。

 

「こ、これは結構良いんじゃないかな……ふへへ」

 

 久しぶりにいい気持になれた。

 投稿を実行し……とはいえ、そのまま監視をし続ける勇気もないので今日はそこで寝る事にする。

 明日になったら、いい結果が出ていると良いな。

 

 なんて、そう思っていたのだったが。

 

「ふむ……3000pv……?」

 

 なんか思ったよりも少ないな。

 

「まあ、そんなもんか」

 

 がっくしと肩を落とす。

 そんなもんだろうな、現実なんてそんなもんだとは思ったが、とはいえ結構来るものがある。

 それにしても、次の小説は何を書こうか……なんだかんだ小説を書くのも悪くはなかったし。

 もしかしたら次の話を投稿したら、もっと数字が跳ねるかもしれないしね。

 

「んー」

 

 とはいえ、いいアイデアが湧いてこない。

 パソコンの前に座っても指が動かない。

 

「むむ……おしゃけ飲も」

 

 倉庫の方から冷えてないおビール様を取ってきて、かしゅっと飲む。

 そうすると体がぽかぽかしてきて――

 

 

 

 

「――はっ!」

 

 気づいたら翌日になってた。

 

「や、やべー」

 

 パソコンの電源落ちてるけど、開いて様子を確認出来ねー。

 こえー。

 ……こえー!

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