(あ、慌ただしいわね・・・・・・)
遠ざかっていく足音に、霊夢は思わず苦笑いを浮かべた。
「とりあえず現状を整理するとしますか。」
中央に置かれた座椅子に座ると、霊夢は目を閉じて、言葉の通り、今朝からの出来事を頭の中で整理しはじめた。
(え~と・・・・・・、今朝は適当に境内の掃除をして、それから吸血鬼に貰ったビスケットを昼食代わりにして、それから・・・・・・)
「気づいたらこっちに来ていた、と」
(はぁ・・・・・・整理したところで特に何もないじゃない・・・・・・・・・・・・あ、)
そこまで考えて、一つだけ思い当たることが浮かびあがった。
(あの魔理沙そっくりの服装・・・・・・)
秋葉原で見たあのコスプレイヤーのことだった。
(紫は特に珍しいこともなんともない、なんて言っていたけど、いくらなんでもおかしいわよ、どう見ても魔理沙の服だったもの。)
普段から嫌というほど一緒にいる魔理沙の服装を霊夢が見間違えるわけもなかった。
(あぁ~もう、整理してもなんにも解決しないじゃないのよ! むしろ
謎が深まっただけじゃない・・・・・・)
言いようのない苛立ちに慣れないこちら側の世界での一日の疲れが重なって、霊夢は長机に突っ伏した。
その直後、「トントン」と襖をノックする音と共に、その向こうから
「霊夢、入っていいかい?」
と、翔の声が聞こえた。
「あ、はい、どうぞ~」
霊夢の返事で、襖が静かに開いて、なにやら大量の衣服と大きめのノートパソコンを抱えた翔が慎重な足取りで入ってきた。
「ふぅ、」
畳の上に衣服を置くと、翔は大きく溜息をついた。
「こ、こんなに持ってきてくれたの?」
「あ、あぁ、正直君の服の好みがわからないから、よさそうなものを片っ端から持ってきたんだ。まぁ、全部男物だから、あまり期待はしないでもらいたいんだけどね。」
どこか照れたような笑顔で翔は頭を掻きながら言った。
「ううん、ありがとう、とりあえず着替あえてみるわね。」
「わかった、それじゃあ夕食ができたら呼びにくるよ。とその前に。」
「どうしたの?」
「さっき言っていたゲームを起動しておこうと思って。」
翔はノートパソコンを机の上に置くと、慣れた手つきでパスワードを打ち込み、起動した。十秒ほど経ってから、ちょっとしたメロディが流れ、画面がパッと切り替わった。
(これが、霖之助さんの言っていたパーソナルコンピューター?私の見たものとは比べ物にならないくらいに薄いけど・・・・・・)
そんなことを考えているうちに、翔はゲームのディスクを読み込ませ、ゲームの起動アイコンをクリックしていた。
「さてと、これでしばらく経ったら起動するはずだ。ここにあいつからもらった操作説明書を置いておくから。適当に遊んでくれていいよ。」
「あ、は~い」
「それじゃ、夕食の準備ができたらまた呼びにくるから、それまでゆっくりしておいてくれ。」
そう言い残して、翔は部屋を後にした。
「さてと、どれに着替えようかしら」
と丁寧に畳まれた衣服のひとつに手を伸ばそうとしたところで例のゲームが起動したらしく、どこか癖になるようなメロディがパソコンから流れ始めた。
「えっと・・・・・・とりあえず着替えないとね。」
服を選ぶこと数分、白色のゆったりとしたワイシャツにこれまたゆったりとした紺色のカーゴパンツという組み合わせに落ち着いた霊夢は、起動したゲーム画面を見て唖然とした。
画面には『東方紅魔郷』というタイトル名の下に、一人の少女のイラストがあった。
「・・・・・・私だ・・・・・・」
そう、紅白の巫女服に身を包んだ、いつもの博麗霊夢の姿が。
どうも、うp主です。
学校の試験やなんやらで、なかなか続きを書くことができませんでしたが、ついに更新することができました。
そして、やっと出すことができました、紅魔郷を。ほんの数行でしたが。
さて、次回とその次あたりで一度霊夢編はお休みにできればと思っています。一話ほど翔編を挟んで、次は魔理沙編を書こうかなと考えています。まぁ、不定期な更新に変わりませんけども・・・・・・
とりあえず、今回も読んでいただいてありがとうございました!