オリジナル回は難産になりがち
ギリギリ毎日1話投稿続いてる!えらい!
あのあと、家に帰った俺たちはブレイズとのコラボ配信の告知を兼ねた、みんなからの質問募集配信を開始した。
【緊急】で【配信】を回しているんですけど【質問募集】
『待機』
『かぐやっほー』
『何があったの?』
『気になる』
『質問募集?何かやるの?』
「かぐやっほー!今日はね告知があるよ!」
「みんなが集まるまで雑談しよっか」
「かぐやたち今日は海に行ったんだ〜!めっっっちゃ楽しかった!」
『配信は?』
『動画は?』
「ないよ!友達もいたからね!」
さすがにね。テコ入れ回はフヨウラ!
『嘘だろ…』
『かぐやちゃんの水着見たかった…』
『お兄ちゃんは見たんだよな?』
「おう、見たし俺も行ったよ。ファッションとかはよく分からんけど、元気が貰える感じのオレンジ色の水着だった」
『ずるい』
『嫁ちゃ〜ん!こいつ浮気してますぜ!』
ははは、残念。かぐやは嫁の過去みたいなもんだからな。ノーカウントだ。
…ノーカウントだよな?
「あっ、あと!いろh「ピーッ!アウト!」
「っは!セーフ!」
アウトだよ。油断も隙もない。
『アウトです』
『セウトです』
『ちくわ大明神』
『セーフなわけないだろ』
『かぐやちゃんはちゃんと怒られろ』
『誰だ今の』
『それで何を言いかけてたの?』
「そうそう!かぐやのいろPがまた新しく曲作ってくれるんだって!めっちゃ嬉しい!みんなも嬉しいよね?」
こいつ鬼だな、外堀を埋めやがった。
勉強中の彩葉すまん…俺には暴走列車は止められない。俺は無力だ。
『まじ!?』
『ありがとうありがとう』
『嬉しい』
『楽しみ』
『いろーぴいつもありがとう』
そうやって、今日あったことや楽しかったことなどの他愛のない雑談をして視聴者も集まってきたところで。
「そろそろ告知の時間だよ!」
『待ってました』
「なんと!かぐやたち、ツクヨミ内で流行中のカードゲーム『ブレイブ』の制作ライバーとコラボ配信をするよ!」
「な、なんだってー」
『うっそだろ』
『ブレイズ初コラボ配信ってこと!?』
『は!?』
『まじ!?』
『サイン入りカードください』
『活動休止中では?』
『ブレイズって男?』
『かぐーや、嘘だよな?』
『ブレイズは男女2人組でしょ』
『やばすぎ』
『ヤチヨとの関係性を聞いてくれ』
『動画に出てくる対戦相手の女の人との関係を聞いて欲しい』
『』
『』
『』
コメントが加速する。元々かぐやの配信は普段からコメントの速度は早い方だったが、今ではほとんど読むことができないまま流れていく。
が、かぐやの超動体視力と超記憶能力はその全てを完璧に捉える。
「ねー、かぐやも知らなかったんだけど、ブレイズってこれまでコラボ配信してなかったらしいじゃん!」
「活動休止中じゃないの?ってのはかぐやも思って聞いたんだけど、これ見て!」
あっ、おい!
…ふぅ、さすがに住所のところは上で切ってるか。あぶねぇ、ここ最近で1番ヒヤッとしたぞ。
『活動休止中じゃないの?
別に他の人の配信にお邪魔しないとは一言も言ってないからね
あと、かぐやちゃんは推しなんで特別扱いしまーす
うれしー!』
「どう?ブレイズはかぐやちゃんにメロメロなんだよ!」
『幻滅しました…ブレイズのファンになります』
『サイン入りカードください』
『こいつは俺たちの仲間だぜ』
『ブレイズお前そんなフランクな感じだったのか』
『もっと寡黙なのを想像してた』
『腐ってもオタクってことか』
オタク言うなし。合ってるけど。
「で、この際だからブレイズに聞きたいことの質問を募集しちゃおー!ってわけ」
『いいね』
『1年前にいきなり現れた超大型新人ライバーだもんな』
『聞きたいことは山ほどあるが、この余白はそれを書くには狭すぎる』
「それじゃあ質問募集を…」
こうしてかぐやが話して視聴者が相づちを打つ、いつもの賑やかな夜が更けていった。
さあさあやってまいりました。
中央線立川駅徒歩5分の好立地にある『極上空間を味わうデザイナーズタワマン』、かぐやたちがヤチヨカップ以降に引っ越すタワマンだね。
3LDKで35万は安い!…と思うよ?
管理費も月2万だしな。
勇者かぐや、賢者彩葉、遊び人俺の3人パーティーでこの旅はお送りします。
魔王ユキには一足先に魔王城で待ち構えて貰っています。鍵を開けてくれる人がいないとね。
俺がガチャリ、ってしてもいいけど玄関先でネタばらしするのは面白くない!あと、そんなところで騒ぐと迷惑だしな。
「うお〜!高ぇー!」
見上げすぎて、逆に見下しているポーズをするかぐや。
「35万円のタワマン…いや、今のかぐやなら…」
渋りに渋ったが俺たちが心配で、結局ついて来た彩葉。
「ここがあのブレイズのハウスね」
ここに帰ってくるのは2週間ぶりぐらいの俺。
いろヤチかぐやの3人が寝る時に、彩葉に気を使ってタワマンで夜を明かしたのが最後だな。
一応、掃除はユキがこまめにしてくれているらしい。瞬間移動って本当に便利だな。いつもありがとう。
それにしても、どうやってもギャグにしかならんぞこれ。
あと、あれやこれやに関しての言い訳はどうするべきか…ぐぬぬ。
ヤチヨに丸投げするか。困った時のヤチエモンよ。
「じゃあ、かぐやがインターホン押すね?」
「おう、いいぞ」
「待って、心の準備が「えいっ」ポチっとな。
『はーい』
ん?ユキでもヤチヨでもない声だな。ここではまだネタばらししないようにしたか。
ヤチヨもなかなかに悪よのう。
いえいえ、何をおっしゃいますやら。優希ほどではございませんよ、と念話が届く。
…お前それ、現実でも使えるのかよ。どういう仕組みだそりゃ。
てか、やっぱり思考盗聴されてるじゃねぇか。
アルミホイル被らなきゃ…意味ないけど。
そうやって戦慄してる間にもかぐやは前へと歩み出す。
「たのもーう!かぐやだよ!」
「本日はよろしくお願いします」
『鍵は開いてるからどうぞ〜』
ガチャリ、とドアを開け靴を脱ぎ、中へと進んでいく2人。
俺は勝手知ったる自分の家とばかりに後ろ手に鍵を閉める。
社長室の椅子に座るようにゲーミングチェアに背中を預けてこちらからは顔が見えないユキ。
そのユキが振り向き、
「いらっしゃ〜い」
「「…え?」」
「やほー」
と、手を振る。
「「えええええええ!?」」
「ユキ!?」
「ユキさん!?」
その状況を1歩後ろで見守っていると…
ん?なんか持たされたな…ってドッキリ大成功の看板、こいつこの状況を楽しみすぎだろ。まあ持つけど。
「優希!?これってどういう…」
「優希さん!…はあ!?」
2人は俺が持つ看板を見て驚く。
「「テッテレーン、ドッキリ大成功〜」」
4人で椅子に腰掛け、一旦休憩。
「はいどうぞ、お茶だよ〜今日も暑かったからね〜」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとう…って!どういうことなの!?説明してユキ!」
ニコニコと笑うユキ。笑顔がかわいいね、ってこれも思考盗聴されてるのか。
かわいいかわいいかわいいかわいい…お、顔赤くなった。おもしろ。
「どういうことも何も、ユキさんがブレイズだったってことじゃないの?」
「って、なると優希も!?」
「「いぇーい」」パシン
俺たち2人のハイタッチを見て確信したのだろう彩葉は、
「優希さん…ちゃんと働いてるじゃないですか」
「だから、あんなにお金持ってたんだ…」
と、理解が追いついてきたのかこれまでの状況を振り返り始める。
かぐや関係の散財、それに彩葉芦花真実と遊んだ時の支払いは全て俺が払ってたもんな。
まあかぐやの散財が1番高かったけど。冷静に考えたら50万は大金だわ。
「いやーごめんごめん、わざわざ無職なのを訂正する必要も正体を明かす必要もなかったからね。実際にこの2ヶ月は無職みたいなもんだし」
「私もここまで来たらいつネタばらしするのか楽しみにしてたんだ〜」
「もっと早く教えてよー!」
「「だって、それじゃあつまらない!」」
俺たちの息はピッタリだぜ。
「え!じゃあ2人はめっちゃお金持ちなの!?」
「そういうこと、ほら」
っと、ユキがかぐやたちに口座を見せている。
「桁多すぎ!」
「一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億、十億、百億…こんな大金現実で初めて見た…」
お、いつの間にか百億超えてたんだな。まあその資産も運営費用に充ててるから増減を繰り返すんだがな。
元の世界だと、預金保険制度で1つの銀行に預けるのは基本1000万円が推奨されてたけど、この世界だと集約しても大丈夫なんだよな。
銀行経営が破綻しても、ちゃんと預金全てが国に保証されるって素晴らしいね。そもそも経営破綻自体滅多に起こらなくなってるんだけど。
さて、そろそろ彩葉は気づくかな。
「うん?じゃあどうして2人はあんなボロアパートで…」
まあ疑問に思うよな。
困った時のヤチエモン〜!
「いや〜それがね?2ヶ月の休暇を貰って何するか悩んだ時に、ヤチヨのお悩み相談で『東に行くべし!西に行くべし!』って助言をもらって、それに従って東に西にあっちこっち行ってると彩葉たちの住む場所にたどり着いたんだよね」
「そうそう!これも何かの運命なんじゃないかって即日入居したの!」
実際、「命」を「運」んで来ると書いて「運命」とはよく言ったものだよ。
かぐやをボロアパートに誘導したのはヤチヨだしな。
「はあ…まあそういうことにしておきますけど…」
「?」
かぐやは何のことかわかってない様子。
彩葉だから怪しいと思う気持ちがあるんだよな。1年で手に入れたカード資産もそうだけど、そのお世話になってる運営が隣に引っ越してくるってどんな確率だよ。
「あとあと!あれだよ?ヤチヨに『汝の隣人を愛せよ!』って言われたから彩葉ちゃんたちとも仲良くさせてもらったの!いや、ヤチヨに言われなくても彩葉ちゃんたちとは仲良くしてたけどね!?」
さすがのペラ回し、その場で考えたにしては言い訳が上手いな。
彩葉たちと仲良くする理由は考えてなかったわ俺。
「それは、ありがとう…ございます?」
あと彩葉が思ったよりもこの状況を飲み込んでる理由もあって、彩葉とヤチヨとの間でのお悩み相談で『近くの人をもっと頼ってみてもいいかも?』みたいな文章をヤチヨが投げてたんだよね。
こいつ裏から手を回しすぎだろ。
「ふーん。で、優希たちがブレイズなのは分かったけど、どうするのー?」
「そうだね、コラボ配信やっちゃうか」
「元々コラボ配信するためにここに来たからね!」
「彩葉はどうする?一応狐のお面とかあるけど、いろPとして出る?」
「私は…」
「私も出ます。おふたりにはお世話になってますし、コラボ配信?ってわけじゃないけど、実験検証配信は一緒にしたことがあったので」
げっそりする俺とユキ。
「「あー…あったねそれ…」」
「なになに?何があったの?」
かぐやが来る前のことだからね。
「いやー彩葉がね…」
「ええ!?すっご!彩葉どうなってるの!?」
「マジでどうなってるのか俺にもわからん」
「いやー私もビックリしたよーまさかあの時の狐少女が彩葉ちゃんだったなんてー」
おい、驚くの遅いし棒読みすぎるだろ。
「あはは…ほんとどうなってるんですかね…」
「って、そういえばかぐやもそれ当たったよ!」
「ツクヨミに初ログインした時に引き当ててたね」
「かぐやちゃんもすごーい!ってことはヤチヨにも会ったんだね!」
「あー!思い出したらムカついてきたー!ヤチヨめ!また今度会ったらとっちめてやる!」
ふんすふんす、と鼻息を荒くするかぐや。
「話を戻して、改めてコラボ配信するか!」
「「「おー!」」」
「配信タイトルは…」
【緊急】で【コラボ配信】を回しているんですけど【ブレイズの正体】
『お、枠立った』
『キター』
『リアル配信?』
『近くに住んでるのか』
『かぐやっほー』
「かぐやっほー!みんな今日は告知した通りコラボ配信だよ!」
「さっそくだけど、みんなも気になってるでしょ?ブレイズの正体!」
『いつもと部屋が違うな』
『気になる』
『wktk』
『サイン入りカードください』
『はやくしろ』
『全裸待機』
「夏でも風邪ひくから服は着てねー」
『触れんでいい』
『厚着待機』
『触れるのか』
『着るの早いな』
「じゃあ登場してもらうよ〜!ブレイズの2人だよ〜!」
『は?』
『え?』
『お兄ちゃん?』
『は?』
『嫁ちゃん?』
『お兄ちゃんじゃん』
「はいどうも〜ブレイズで〜す」
「かぐやちゃんとの料理対決で見たことあるかな?レアキャラの嫁ちゃんだよ〜」
『えええええ』
『えええええええ』
『えええ』
「かぐやたちもめっちゃ驚いたよ?」
「一緒に配信してた人がまさかすごい人だったなんて!」
「まあ聞かれてなかったからね、あとこれ証拠ね」
と言って、3人の写真を撮ってSNSにアップする。
『うわマジだ』
『ブレイズのアカウント見ろ』
『お兄ちゃんを僕にください』
『サイン入りカードください』
「ダメだよー、優希は私のだからねー」
『ごちそうさまです』
『たすかる』
『もっとイチャイチャしろ』
「サイン入りカードは頑張って当ててね〜」
『はーい』
『10枚持ってる』
『これまで出た全種類持ってる』
『持ってない』
「あと、今日はかぐやのいろPもいるよ!」
『まじ?』
『超レアキャラの?』
『いろPもいるのか』
「い、いろっぴぃ〜…いろPでーす…」
声ちっさ。恥ずかしいならその挨拶やめればいいのに。
「もっと元気に言わないと!!!聞こえないよー!!!」
「聞こえてはいるだろ…」
『声かわいい』
『狐のお面はしてるけど隠せない美少女感』
『声かわいい』
『いろーぴいつもありがとう』
「あ、どうも。声かわいい?ありがとうございます」
「「いや、そこは照れないのかよ!」」
『www』
『www』
「はい、では改めて今日はかぐやいろPとブレイズのコラボ配信で〜す」
「わーぱちぱちぱち」
『わー』
『なにするの』
『いぇーい』
「この前みんなで考えた質問を返しながら雑談かなー?」
「よく考えたらこれまでもずっとコラボ配信してたようなもんだしな」
『それはそう』
『俺たちの知らないうちにコラボ配信をしていた!?』
『スタンド攻撃を受けているぞッ!』
『サイン入りカードください』
サイン入りカードくださいしつこすぎるだろ。あとそうやって荒らしてるうちは絶対に当たらないぞ?
ヤチヨは確率を上げる依怙贔屓はしないけど、悪質なユーザーの確率を下げることはするからな、残念無念また来年。
まあこれは隠し仕様だから言わないけどね。1年も運営してるし気づいてる人は気づいてるっぽいけど。
確率の仕様についての質問もこの箱に入ってるしな。
かぐやが紙を入れた箱に手を突っ込む。
「じゃあ、さっそく聞くのは…《ヤチヨとの関係性》これだね!」
「おーこれか、と言っても俺から言えることはあんまりないんだよな〜」
「ツクヨミ内でカードゲームやりたい!って思って構想してたら、いつの間にかヤチヨに祭り上げられてたんだよ」
「えー?本当はここまで有名になるつもりはなかったってことー?」
「…そうだったんですね」
ユキはニコニコとしている。お前のことやろがい。あと本当の関係性って意味なら嫁になるぞ。
『そんな始まり方だったのか』
『ヤチヨのせいってこと?』
「いや、今ではヤチヨに感謝してるよ。ここまで大事になるとは思ってなかったけど」
『俺も感謝してる』
『ヤチヨありがとう』
『こんな逸材が在野にいただなんて』
「じゃあ質問の答えとしては、ブレイズとヤチヨの関係はスカウトしたされたの関係ってことだね!」
『ヤチヨが凄腕スカウトってことが分かった』
『ヤチヨ道は奥が深いな』
「次行くよー…《対戦動画に出てくる女の人との関係》って、これは答えなくてももう分かるね」
『嫁』
『嫁じゃねぇか』
『嫁だったのか』
『結婚したのか、俺以外のヤツと…』
「はい!次!」
…
こうやって視聴者が考えた質問をかぐやが引き、俺とユキが答える配信は大盛況のまま幕を閉じた。喋りすぎて喉いてぇ。
あと質問の在庫切れてから、コメントでいろPとの関係をやけに聞いてくる人がいたのはなんだったんだ。
続きません
なんでいろPとの関係を気にする人がいるんでしょうか
親しい間柄なら顔が隠れてても声と姿だけで誰か分かったりしますよね