超普通人!   作:読み手のコットン

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続きました
毎日1話滑り込みセーフ!
今回はダイジェストかつ短めです


家族になろうよ

 

コラボ配信の後、駄々っ子かぐやがタワマンに住みたい住みたいと暴れてそのまま居座ろうとし、俺たちはもちろん大歓迎ということで即座に了承した。

 

しかし、ここで渋るのが酒寄彩葉。

彩葉とは、かぐやがやって来る1ヶ月前から本格的に交流を開始して、まだ2ヶ月しか経っていないのに、ここまで懐に潜り込めたことが奇跡ではある。

 

まあかぐやも2ヶ月であそこまで仲良しになれてたし、ノーと言えない性格は損するぜ。

 

だからこそ、俺たち3人は彩葉の落とし方を熟知している。

 

「俺たちって既に半同棲してるようなもんだし彩葉も一緒に来なよ、迷惑かけろっていつも言ってるしな」と俺が言い、かぐやは「かぐやも彩葉がいないと寂しいよ…」といつもの泣き落としを始める。

 

かぐやはもう移り住む気満々だな。

この時点で彩葉は落ちかけていた。ちょろはすぎる。

 

ここですかさず追い討ちをかけるのがこの女。

「ボロアパートで1人寂しく…学校とバイトから帰ってもおかえりの声が1つも聞こえてこない…冷蔵庫から冷たいご飯を取り出して電子レンジでチンして食べる…おやすみもおはようも言う相手がいない…行ってきますも虚しく部屋に響く…なんて、なんて悲しいの…ヨヨヨ」

 

おい、迫真の演技すぎるだろ…心が痛てぇよ。

独りぼっちは、寂しいもんな。

 

生活レベルが上がった今の環境から前のぼっち生活に戻れるのか、ってのもあるよな。

彩葉、諦めろ。お前はもうかぐやの賑やかさと美味しい食事に捕まえられてるんだ。

 

 

この怒涛の3連撃を受け、

「うっ、ぐ…うぅ…お世話になります…」

と、彩葉は遂に折れた。

 

カンカンカーン!KO!

WINNERかぐやTeam!

 

「「いぇーい」」パシン

ハイタッチをする2人と項垂れる彩葉。なんだこの既視感。

 

…あれ?ヤチヨカップが終わる前に彩葉たちが引越ししたけど、竹取神戦後のお兄ちゃんへの頼み事は何になるんだこれ?

タワマン契約の保証人はもういらないぞ。

 

いや…この擬似家族ごっこを認めてもらうことか…

 

どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

タワマンに居を移したかぐやは配信モチベーションがブチ上がったようで、今まで以上のハイペースで激辛食品実食動画、恵方巻1口食べ切りチャレンジ、自作ペットボトルバズーカ発射動画といった…変な…いやいつも通りか、いつも通り変な動画を上げていた。

 

激辛食品実食動画、俺は辞退しました。刺激物を食べるとその後のおトイレがね…痛いよね。

 

その代わり、ゲテモノ枠としてショートケーキ味の焼きそばをみんなで食べたよ。この商品を開発した人は天才なのかな?かぐやのくそまじいが聞けたのは嬉しかった。

 

恵方巻1口食べ切りは…ノーコメントで。かぐやの沽券に関わる、ってほとんど言ってるようなものか。

 

彩葉は相変わらず、勉強とアルバイトに勤しんでおり、それに加えてかぐやの楽曲提供までする超人っぷりを披露している。

 

 

「彩葉ちゃん、今日の夕飯はビーフシチューだよ〜」

「ち・な・み・に、明日の歌枠配信いろPが30分伴奏してくれたら、150時間コトコト煮込んだタンシチューにアップグレードされるけど…どうする?」

「私も彩葉ちゃんの演奏聞きたいな〜?」

 

こいつら、ほんとかわいいな。

 

てか、150時間ならもうすでに仕込みしていないと今日の夕飯に間に合わないだろ…これが彩葉への信頼か。かぐやの頼みは断られないという信頼だな。

 

 

「みんなー、今日の歌枠は久しぶりにいろPが演奏してくれるよー」

「バイヴスが高まったらワンチャン着ぐるみ脱ぐかもだから、みんなばっちり盛り上げてねっ!」

 

ぶんぶんぶん、と首を激しく横に振るいろP。ウケる。

 

あと、俺たちがブレイズだってことはみんな分かってるだろうに、遠巻きに見るだけで接触して来ないんだよな。ツクヨミの民度が本当に心地よい。

 

俺が知らないうちにヤチヨが消してる可能性もあるけどね。

どちらにせよヤチヨには感謝だな。ありがとう。

 

いえいえ、どういたしまして〜。

 

歌って踊るかぐやも、それに合わせて演奏する彩葉も楽しそうだ。

 

「みんなー、かぐやのこと好きー!?」

好きー!

天性のアイドルだわ。ほんと。

 

ん?彩葉と目配せして何か会話してる?って今ミスったな。

「えへへ、やっちゃった☆逆に神回かな?」

楽しそうだし、いっか。

 

 

 

ある日、かぐやにゲームを教えてーと言われたが、俺もツクヨミ内で出来るゲームは詳しくないんだよな。うーん、あっそうだ。

 

「綾紬さんと諌山さんに頼めば?」

「芦花と真実に?いいね!この家に呼んでいい!?」

「おう、いいぞ」

「やったー!」

 

 

「「お邪魔しまーす!」」

「いらっしゃ〜い、2人とも久しぶりだね〜」

「芦花〜、真実〜、教えて〜?」

早速だな、おい。俺にも少しは挨拶させろ。

 

「俺は…そんなに久しぶりでもないか。この前の海水浴ぶりだね」

「音本さん!音本さんたちがブレイズだったんですね!?」

「私もかぐやちゃんの配信を見ていて驚きましたよ!」

「驚いてくれたなら何よりだよ」

 

「別に改めて畏まる必要もないからね。前までと同じように接してくれればおこづかいも上げちゃうっ!」

 

「彩葉は?」

あれれ?無視ですか?

「彩葉ちゃんなら部屋で勉強してるよ〜あとで様子を見に行ってあげてね」

…そうですか。

 

「…本当に一緒に住んでいるんですね」

「あはは…まあなんか成り行きでね」

本当にどうしてこうなった。

 

「あっ、2人とも今日は晩御飯食べていくでしょ?ユキが張り切ってたよ」

「はい!是非!ユキさんのご飯!」

「お世話になります!」

 

「ねー!2人とも!早くー!」

 

 

 

後日に起きた求婚コメントの流れに乗じて投げ銭をするプチ目標は無事に達成出来たが、コメント欄が『お前には嫁がいるだろ』一色になったのは申しわけなかった。

 

あと彩葉の28連勝すごすぎてびっくりした。あんまりゲームしてる所見たことなかったけど、ゲームも上手いんだよなこいつ。

 

かぐやとのタッグでお兄ちゃん倒せるぐらいゲームIQも高いし。いや、あれはお兄ちゃんが舐めプしてたから、勝ちを譲ったみたいなもんではあるか。

 

 

なんて、日々をドタバタと過ごしているうちに、かぐやいろPはグイグイとヤチヨカップの暫定順位を上げていった。

 

それに付随して集まってくるのが、

「うひひひひ、ふじゅ〜がこんなに。うひひひ」

ファンの方々からのありがたいお布施である。

 

笑い方のクセが強い。

 

「うひひひ、大判小判がザックザック〜〜〜」

露骨に調子に乗っとるな、この宇宙人は。

 

「あのね、かぐや。こんなのは所詮あぶく銭、水物なんだよ」

「うーん、でもここまで稼いでるならもう立派な職業だと思うけどな」

「それに合法でございましょ〜〜〜?」

 

こいつ、クソガキに戻ってねぇか?

 

「せめて自分の部屋は片付けなよ」

 

「えー、無理だよー。全部大切な小道具なんだもん」

「わかる、もう使わないかもしれなくても捨てるに捨てれないよね」

「かぐやも優希さんも!はあ…」

 

「そろそろ時間だよ2人とも」

「うん!」

「はい」

 

「じゃ、行こっか、彩葉」

 

今日はかぐやの初めてのソロライブ。いつもの歌枠配信ではなく、ツクヨミ内のライブハウスを予約して、宣伝を打って、スタッフを雇って、お客さんを入れて行う正真正銘のコンサートである。

 

ここまで長かったようで短かったようで…やべ、泣けてくる。

 

ヤチヨはすでに会場入りして2人を待っている。

 

「…本当に私も行くの?」

 

こいつ、本気で言ってるのか?

お前しかいないだろうが!

 

かぐやはそんな彩葉の不安を溶かすようにますます笑顔の輝度を上げ、

「来て。い・ろ・は!」

目潰しでもするようにじゃんけんチョキを突き出した。

 

「ピースからの〜、チョッキンからの〜、こんっ!」

「かぐやと彩葉の合図。仲良しのやつ♡」

 

あら^〜もうこの世界だけを見ていたい…。

 

ってトリップしてる場合じゃない!

送り出してあげないと、

「楽しんでおいで2人とも!」

 

 

幕が上がる。

熱狂が押し寄せる。

今日のライブを俺は生涯忘れることはないだろう。




続きません
次は彩葉が倒れます
疲れてんのよ
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