異世界転生 作:魔導科学
「面白くなって来ましたね。次は、私が行ってきます」と、ユカさんが行動を開始する。
「いってらっしゃい!ユカさん」
「ユカさん、気をつけて下さいね」
俺とゴモリーさんが、声を掛ける。
「はい。行ってきます」と、笑顔でユカさんが手を振ってくれる。
「えい!」と、掛け声と共にサイコロを投げるユカさん、出た目は5。
「ユカさんも、ここなんだ〜。私は、自家用クルーザーだったよ」と、めぐりちゃんが、自慢気に言う。
「そうなの?私は、何が出るのかしら?」
「チャッチャ〜チャ〜ン。おめでとうございます!此処では、何かしらの乗り物が手に入ります!何が手に入るかは、運次第!そして貴女は、魔導戦闘車両(変形機構付)を手に入れました。魔導戦闘車両は必要な時に、使用される為、現在は倉庫で保管します。尚、此処で手に入る各種道具の一部以外は、お持ち帰り出来ませんので、ご了承下さい」と、アナウンスが流れる。
魔導戦闘車両(変形機構付)?一体、どんな代物なんだよ?
見てみたいとは思うけど、実物は必要時にしか出て来ないらしいから、見れない。
「変形機構?」
「変形機構って言ったら、やっぱりアレだよ〜」
ユカさんと、めぐりちゃんが会話している。
「よし!コレに決めた!」と、カオリが何やら叫んでる。
気になり、カオリの方を見ると、手に
しているのは、赤い紐が巻かれた藁人形。
「この藁人形で、ランダムに誰かを身代わりにして、私は脱出するわ!」
おいおい、とんでもないアイテムを見付けたな。
「いっぺん、身代わりになってみる?」と、カオリが呟き藁人形の赤い紐を引っ張る。
すると、俺の視界が一変する。
「ティロリロリ〜ン!残念!貴方が居る場所は、魑魅魍魎が跋扈する世界、全て退治するまで脱出不可能、一回休み!武器を、選んで下さい。・・・身代わり藁人形の効果のせいだから、ちょっとだけ優しくして、あ・げ・る」
「喧しいわ、ボケェ!?で、武器の一覧は?」と、眺めてみると藁人形が✕がになっている。どうやら、一度選んだ武器は使用不可らしい。他の物は、在り来りの剣や槍、ナイフ、銃火器等。
そんな中で、うん?となった物がある。
「・・・此れだ!!」
俺が選んだのは、マイク。
「此れで、24時間蠢く街を、Tonight tonight 駆け抜けてやるぜ!」
俺は薄暗い廃墟で、マイクを握りしめ叫んだ。
俺の姿を発見した魑魅魍魎が低い唸り声を上げて、此方に迫ってくる。
先制攻撃の為か、人魂が此方に向かって飛んできた。
「俺の歌を聴けぇぇぇ!!」
俺の叫びと共に、飛んできた人魂が一瞬ビクリと震えて停止する。
そして、流れる音楽。
攻撃の為の人魂が、今は俺を照らす照明状態。
俺の周りに群がっていた魑魅魍魎共も、最初は動揺していたのに、次第にノリノリで俺の歌に引き込まれて行く。
フッ、流石だぜファイ◯ーボンバー!
「リョウさん、頑張ってますね」
「本当だ〜、リョウ、歌上手いね〜」
「マリーさん、サイコロ振って良いですか?」
「うん〜、私は最後で、いいよ〜」
「有難う御座います!じゃ行ってきますね」
「うん〜、いってら〜」と、マリーさんが手を振る。
「では、行きますよ!」
ゴモリーさんが、サイコロを放り投げる。
出た目は、1。
「チャッチャ〜チャ〜ン!おめでとう御座います!貴女は、大量のご馳走様を手に入れました。此れで、食糧危機も安心ですね?食糧は、倉庫で保管します」
「ゴモリーさんも、此方に来たんですね」
「はい、ミリィさん!でも、せっかく手に入れたご馳走なのに、味見も出来ないなんて、ちょっと残念ですね」
「ゴモリーさん、確かに残念な気持ちもありますが、逆に今後、どんな展開になるか不安でもありますね」と、ミリィさんが、メガネをクイッと上げながら話す。
「最後は〜、私だね〜」
マリーさんが、サイコロを振ると出た目は4。
「チャッチャ〜チャ〜ン!このマスに止まったアナタ達は、次回のサイコロの数が増えます!やったね!では、もう一度、サイコロを振って下さい」
「珊瑚ちゃん〜、瑞ちゃん〜、ポポちゃんだ〜。え〜と〜、サイコロを振れば、良いんだよね?〜」マリーさんが、再サイコロを振ると出た目は3。
「3か〜、珊瑚ちゃん達に、追い付けないね〜」
さて、そんな会話が繰り広げられる中、俺の歌は女性ボーカルの曲。
お菓子と同じ名のガンダ◯の祝福された歌を、披露していた。
このマイクの何が凄いって、音楽が勝手に再生される。
脳内再生した音楽を勝手に再生してくれて、更に自分の声を全く違う声に変換できる。
転生前の世界のカラオケ屋にも、声を変える機能はあったけど、此れは完全に本人を再現できる優れものだ。
とは言え、歌ってるのが俺だから、本物の歌手の様に上手くはないんだけどね。