異世界転生   作:魔導科学

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「君は、誰と口づけを交わすんだろう」

 

「・・・私?それとも、もう一人の私?」

 

今、ゴモリーさんと二人で、三代目銀河の歌姫による三角関係な名曲を熱唱中。

 

歌っている二人の映像が、この広い双六会場に、デカデカと映し出されており、画面の端には生中継と書かれている。

 

 

「お兄ちゃん、凄い!」

 

食事処のスクリーンで、映像を眺めるめぐりちゃん。

 

「・・・二人とも、ノリノリ」と、普段ほとんど表情が変わらないリリーさんが、少し微笑みながらサイコロを振ろうとしている。

 

「主、カッコかわいい」

 

「そうだね〜!流石、ご主人の旦那さんで、私のお父さん!」

 

「そっか。ポポちゃんは、パパの魔力から生まれたんだよね?私も将来、パパと結婚するの!!」

 

ビーチで、楽しそうに遊んでいる瑞、ポポ、珊瑚の三人。

 

「最高の音楽ですね」と、アサルトライフルで、ゾンビ共を爽快に蹴散らすミリィさん。

 

「テンション、上がって来た〜!」

 

人質を上手く躱し、悪党に制裁を加えるネアさん。

 

「次のデートは、ピィちゃんと一緒に、カラオケね」と、カオリが呟く。

 

「二人で歌ってるの、楽しそうですね」と、ユカさんが羨ましそうにスクリーンを眺める。

 

「うわぁ〜!、リョウ、プロの歌手みたいだね〜、ゴモリーちゃんも、凄く上手〜!」と、マリーさんは拍手している。

 

「リョウ君たちか?此れも、使えるな」と、スクリーンを眺めている身体がガシッとした、髪を後ろで束ねた初老の男性が一人呟く。

 

リリーさんがサイコロを振ると、出た目は6。

 

「チャッチャ〜チャ〜ン!貴女は、荒廃した世界の修道院を救うヒーローになりました。是非、上手く修道院を助けて下さいね?助けた際の報酬は、ランクによって高価になります」

 

瞬間移動してやって来たのは、荒廃し、荒んだ人間の行き交う風景の町。

 

「オラァ!金が返せぇねぇんなら、出ていけ〜!」

 

「や、止めて下さい!子供たちには、手を出さないで下さい!お願いします。もう少しだけ待って下さい」

 

「そう言いながら、一体どんだけ待たせるつもりだ?」

 

柄の悪い数人のチンピラが、修道服に身を包んだ老女に、文句を付けている。

 

そのすぐ近くには、子供達が一塊になって様子を伺っている。

 

すると、チンピラの一人がリリーさんに声を掛ける。

 

「おい!何を見たんだ!?ゴラァ!」

 

「・・・チンジャオロースは好きだけど、チンピラは嫌い」

 

「アァん!?何だと!!」

 

リリーさんに、チンピラが詰め寄って来る。

 

「・・・汚い手で触るな」と、リリーさんは、チンピラの手を掴む。

 

「イデデデ!?」

 

掴まれたチンピラの手首が、ミシミシと音をたてる。

 

「は、離せ!?」

 

騒ぎを聞きつけたチンピラが、リリーさんの周りに集まって来る。

 

「おい!どうした?何だ、このチビは?」

 

「お前等、やめろ!お嬢ちゃん、ウチの若いのが済まないね。でもね、ウチも金を貸して、返してもらって無いんだよ。だから、取り立てに来てんだ。まぁ、今日は引き上げるが、また明日来るからな?明日には、荷物を纏めて出ていけよ!」と、デップリした中年男が偉そうに去って行く。

 

「お、覚えてろよ〜!」と、リリーさんに手首を掴まれていたチンピラも、後に着いて行く。

 

「有難う御座いました。助かりました」と、修道服の老女が、頭を下げる。

 

「・・・何もしていない」

 

「おネェちゃん、中に入って!」

 

「遊んで〜!」と、キャアキャア言いながら、子供達がリリーさんの周りに集まって来る。

 

リリーさんは、子供の頭を優しく撫でながら老女を見る。

 

「もし、宜しければ、中にどうぞ。何のお持て成しも、出来ませんが・・・」

 

「・・・分かった」

 

「私の番ね?」

 

ユカさんがサイコロを転がすと、出た目は2。

 

「チャッチャ〜チャ〜ン!貴女は、近くに居るプレイヤーと共に、他のプレイヤーが居る物語の世界へ、転送されます」

 

「と、言う訳で、お願いします。先生ぇ」と、醜い笑顔を浮かべるデップリした中年男。

 

ユカさんが瞬間移動した先は、リリーさんが居る世界。

 

どういう訳か、目の前のデップリした中年男が自分の事を、先生呼ばわりして頭を下げている。

 

「え〜と?一体、何の話ですか?」

 

「惚けてもらちゃ、困りますぜ?先生、アンタは腕の立つ用心棒だ。今後、邪魔な修道院を借金の形に地上げしようとしてるんだが、其処に妙なチビが居ましてね?で、先生にソイツの始末を、お願いしたいんでさぁ」

 

「はい?」

 

困惑するユカさん、しかし、施設ランドでファム・ファタルを演じるユカさんの役者魂に火をつけた。

 

「・・・分かった。相手が誰かは知らないが、やってやろう。その代わり、礼は弾めよ?越後屋」

 

「え、越後屋?何だか、分かりませんが、お願いしますね」と、手揉みしながらニヤニヤ笑う中年男。

 

俺は、歌を歌い終わり気分よく、会場の皆に手を振る。

 

「みんな〜、ありがとう〜!ゴモリーさん、最高のライブでしたね!」

 

「はい!とっても、楽しかったです!」

 

と、そんな会話をしていると、急に視界が暗転。

 

「チャッチャ〜チャ〜ン!貴方は、近くのプレイヤーに呼び寄せられて、他のプレイヤーの物語の世界に転移しました。因みに、ライブは生配信(勝手に)した収益を、現実世界で使える通貨に換算しました!大いに、役立たせて下さいね?」

 

おい?ちょっと待て?ライブ配信って、さっきのライブを勝手に配信してたのか?

 

この世界の肖像権とか、個人情報保護法とかどうなってんだ!?ミリィさんじゃないけど、訴えるぞ?

 

「因みに、もしライブ配信映像を使用した場合、そちらに契約金及びCM料として、振り込みがされます」

 

なら、良いのか?

 

でも、ゴモリーさんの意見も聞いてないし、そもそも承諾許可とってからにしろよなって、話なんだけど?

 

まぁ後で、ゲームセンター側に文句つけてやる。

 

そして今度は、古くて小さな建物の中にいた。

 

身体が小さくなったような違和感を覚えていると、リリーさんに「・・・リョウ? カワイイ」と抱きしめられた。

 

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