異世界転生 作:魔導科学
「そうですね。情報屋なら、瓦版屋がいいですかね?」
と、ゴモリーさんは瓦版屋に決定。
「私は、リョウの愛人兼同僚で良いわよ?」
「カオリ、愛人ってのは駄目だろう?」
「じゃ、恋人で良いわよ?」
「それは〜、駄目〜!」
「そうよ!カオリさん!」
今度は、カオリ、マリーさん、ネアさんが三つ巴の争いをしている。
「・・・リョウ、私は三味線屋か組紐屋が良い」
なるほど?
リリーさんは、絞殺系の仕事人がいいのか。
「・・・やっぱり、蛇味線屋にして欲しい。三味線だと、猫を殺さないといけない。武器は、魔導絹糸と牛鬼の角で作ったツメ」
それは、とっても必殺っぽい!!
「分かりました。では、リリーさんは、蛇味線屋で決定ですね」
「私は、飴売りが良い!」
「珊瑚は、飴売りか?」
「うん。普段は飴を売りながら、闇稼業の時は串でプスっとやるの!」
「そっか!それは、素晴らしいな」
「主、私は魔導提灯屋が良い。武器は、魔導提灯の持ち手の部分に、細い刃物を仕込んで、相手の首筋を斬るの」
瑞は、とても芸が細かいな。
「うん、分かった。じゃ、瑞は提灯屋だな」
「お〜い?そっちは、終わったか?此方は、いい感じに決まったぞ?」と、俺はカオリに声を掛ける。
「ゼェ〜ゼェ〜、と、取り敢えず休戦よ」
「ハァハァ、カオリさん。分かったわ。でも、必ず決着をつけるんだから!」
「でも〜、最終的に選ぶのは、リョウなんだよね〜?みんな、一緒なら問題ないね〜」
なんだか、話が決まったらしい。
「で、何の職業にします?」
「私は、大道芸人にする。南京玉すだれを武器に戦うの」
と、ネアさんが、大道芸人をチョイス。
「私は〜、笛方が良いな〜。普段は、珊瑚ちゃんの飴売りに、着いて行ったり〜、ミリィのお芝居で鉄の篠笛を吹くの〜」
なるほど?
マリーさんは、鉄笛使いか。
「最後は、私ね。私は、リョウと、同じ同心がいいわ」
ふむ?
最後の方の必◯シリーズでは、確かに二人の同心が仕事人してたっけ?
「分かった。マリーさんが、笛方。カオリは、同心だな?」
「チャッチャ〜チャ〜ン!配役が決定しました!では、此れから物語が本格的に始動します。死して屍、拾う者なし!では、LETS.START!!」
「彩刃さん?、貴方は、普段から禄に仕事してないんですから、今日から新たに監視役として、優秀な方をつけますからね?いいですか?彩刃さんをしっかり監視して、サボらない様にして下さいね?真毅村さん?」
場面が変わり、煩く金切り声を上げる上司。
俺とカオリは、その前に二人で並んで座っている。
「はっ、仰せのままに」と、カオリが頭を下げる。
「ちょっと?彩刃さん?私の話を聞いてましたか?返事は?」
「はい、承知しました」
煩い上司が去って、二人きりになる。
「リョウ、やっと二人きりね」
「か、カオリ?ちょっと、駄目だよ!?こんな所で・・・」
「ずっと、我慢してたんだからね?」
「いや、帰れば一緒だろう?」
「彩刃さん?言い忘れていました!」
と、さっきの煩い上司が、帰ってきた。
ナイスタイミング!
「最近、市中で物騒な事件が相次いでます。其処で、貴方は真木村さんと一緒に、聞き込みして来て下さい?真毅村さん、お願いしましたよ?」
「はっ、承知しました。お任せください」
「いいですね?彩刃さん?」
「はい、承知しました」
「では、サッサと行ってきなさい!」
外に追い出された俺達は、取り敢えず町中を歩いて回る。
「物騒な事件ねぇ、一体なんだろうな?」
「分からないわ。でも、それを調べるのが私たちの仕事でしよう?」
「確かに、その通りだな」
そんな会話をしつつ、とある大店の前に来ると「テメェ!使えねぇヤツだな!?今日の賃金は、無しだ!」
「そ、そんな!?今日の賃金が入らねぇと、子供が飯を食えねぇんだ!」
店の中から、若い男が転がり出てくる。
店の名前は、大黒屋。
あぁ、俺が仕込んだブラック企業の連中の店棚。
「おい?一体、どうした?」
「あ、お役人様、ご苦労さまで御座います」と、怒鳴り散らしていた店の奴が、此方に頭を下げる。
「大丈夫?」と、カオリが転んだ若者に手を貸す。
「いえね、コイツが禄に働きもしないのに、賃金寄越せって煩いんでさ」
「禄に働かない?本当か?」と、俺は若者に目を向ける。
「そ、そんな事ねぇずら!オラ毎日、一生懸命、働いてるだ!それなに、やれ仕事が遅いとか、やれ早く来て夜遅くまで働けとか、酷いもんでさ!それなのに、賃金を払わねぇと言われりゃ、困りますだ。家には女房、子供が居るのに・・・」と、悔しそうに涙目で訴える若者。
「チッ、テメェ・・・」
「おい?やめろ。お役人様の前で、はしたない」
店の奥から、デップリした男が出てくる。
「お役人様、お恥ずかしい所を、お見せしました。申し訳御座いません」
「お前が、店主か?」
「はい。大黒屋の主をしております、大黒屋五平で御座います」
そう言って、俺に頭を下げる大黒屋。
「コイツは、ちゃんと働いてると言ってるが、どうなんだ?」
「えぇ、働いてはおりますが、仕事が遅く雑な物で・・・」
「そ、そんな!?オラ、必死こいてやってるだ!」
「煩いね。番頭さん、コイツに賃金をやりなさい。お前は、今日で暇を出します」
「そ、そんな!?オラ、明日からどうすれば良いだ!?」
「そんな事、俺の知った事か!」と、番頭と呼ばれた男が、小銭をぶつける。
「おい!」
カオリが、黙っていられず大黒屋に声を掛ける。
「・・・お役人様、ウチの店は、大名家にも出入りしている店。ですので、あまり余計な詮索は、困りますな」
「・・・分かった。取り敢えず、行くぞ。お前も来い」
と、若者を引っ張り、その場を離れる。
「ちょっと!?リョウ?」
少し離れた場所で、飴売りの少女と黒い篠笛を吹く少女がいる。
「仕事は、俺の知り合いに話をしてやる。後、子供が居るんだろ?だったら、コイツを持って行ってやれ」
そう言って、俺は珊瑚とマリーさんの店で飴を購入。
「毎度あり!優しいねパ・・・。お役人様!」
マリーさんは、楽しそうに篠笛を吹きながら此方を眺める。
「オラ、悔しいだ!でも、お役人様が居てくれたから、明日からも生きていけそうずら!有難うごぜぇます!」
「うん。取り敢えず、瓦版屋に行ってみるか。彼処なら、何か働き口も見つかるかも知れん」
「リョウ、優しい。そんな所に、痺れる、憧れるゥ!」と、カオリが悶えてる。