異世界転生 作:魔導科学
ミリィさんの幽霊の演技が、とても物悲しくて涙が出そうになったよ。
「しかし、面白いと評判の芝居だったが、大した事が無かったな」と、大黒屋の店主が、手下共にそう言っている。
「そうですねぇ。あっしなら、絶対に他の女を探しまさぁ!」
「ぎゃはは!お前そんな事いって、取っ替え引っ替え、女遊びしてるだろうが!」
非常に、イライラする。
折角、感動的な芝居の余韻に浸っているのに、下衆な屑連中の話にイライラする。
「リョウ、ミリィさん達の所に行きましょう?」
「そうだな。ミリィさん達に、とても素晴らしい芝居だったと、伝えないとな」
芝居小屋の奥、役者の控え室に顔を出す。
「リョウ様、如何でした?」
「はい。とても感動しました。ミリィさんの演技もさる事ながら、リリーさんの歌声とマリーさんの演奏が、とても素晴らしい演出でしたね」
「リョウ〜、有難う〜!ベーコンエッグ美味しいよ〜!」
「・・・天使の歌声。ベーコンエッグ、美味しい」
二人は、俺のお土産のベーコンエッグを食べている最中だった。
「御免よ」
「はい。どなたですか?」
ミリィさんが、立ち上がり部屋を出る。
他の役者さん達も、俺の作ったベーコンエッグに舌鼓を打っている。
作った甲斐がある、嬉しい光景だな。
「お帰り下さい!」と、ミリィさんの大きな声が聞こえて来る。
何だ?
「どうしたんですか?ミリィさん」
「大黒屋が来ました。つまらない芝居だったが今度、大名屋敷で披露しろと言われました。もし断れば芝居を出来なくさせてやると、脅されました。因みに、参両はその時の為の手間賃だそうです」
屑が!
「・・・リョウ、落ち着いて」
「私たちは〜、大丈夫だよ〜!」
「それよりも、リョウ様。今晩、御屋敷にお邪魔しても良いですか?是非、リョウ様の手料理を食べたいです」
「はい。素敵なお芝居の御礼を兼ねて、皆で家に来てください」
「私たちも、今朝に続いて、お邪魔して宜しいのですか?」
「なに言ってるんですか、ユカさん?皆でじゃ無いと、駄目なんですよ?」
「やった〜!今日は、お兄ちゃんの家にお泊り?」
「そ、それは、結婚初夜と言う事ですか?」
「めぐりちゃん、お泊りセット持っておいで?後、ゴモリーさん?俺はまだ、独身ですよ?」
「ちょっと、ゴモリー!私だって、居るんだからね?」
ネアさんとゴモリーさんが、いつもの喧嘩を始める。
「主、一緒に住む?」
瑞が俺の腕に抱き着いて、下から見上げてくる。
「お父さん、ご主人と僕と、一緒に暮らす?」
「ちょ、ちょっと!?ポポちゃん!?」と、ユカさんが頬を赤らめながら慌てる。
「では、私たちも仕度が出来たら、リョウ様の御屋敷に向かいますね」
「リョウ〜、今日の晩御飯、何を作るの〜?」
「・・・明日の朝御飯は?」
「そうですね?何にしましょうか」
俺は、家にある食材を思い出し、何を作るか考え込んだ。
「して大黒屋、どうじゃ?」
「はい、お殿様。首尾は上々で御座います。所で、お殿様。今日、芝居小屋に行って来たのですが、其処の役者と演者の姉妹が、中々の上物でして・・・」
「ほう?して、お主はその娘等を、どうするつもりじゃ?」
「勿論、お殿様に献上致します」
「フフフ、弱者を甚振り、金を巻き上げる。お主も悪よのう?大黒屋」
「ハハハ、お殿様ほどでは、御座いませんよ」
「おはようございます」
「お、おはようございます」と、恥ずかしそうに、挨拶を返すユカさん。
「わ、私も、手伝いますね」
「良いんですよ?お客様は、ゆっくりしてて下さい」
「将来の予行演習です」
花嫁修行ですか?
それは、お目出度い。
・・・対象は、俺か。
「二人で、並んで料理するってのは、なかなか新鮮ですね」
「うふふ。リョウさんさえ宜しければ、毎日でも良いんですよ?」
ゆ、ユカさんの可憐な笑顔が、眩しい!
「おはようございます。リョウ様、朝からいちゃついてると、訴えますよ?仕方無いですから私は、おはようのチュウで許します」
「ミリィ!?なら、私も!」
「おはようございます。ミリィさん、ネアさん」
「おはよ〜!お兄ちゃん!」
俺の背中に抱き着いて来る、めぐりちゃん。
「主、私も」
「僕も〜!」
「ちょっと?私が抱き着く場所を、残しておいて!」と、瑞、ポポ、珊瑚も参戦。
「はい、おはよう。めぐりちゃん、瑞とポポも今は料理中だから、ちょっと離れてくれるかな?」
朝から優しい膨らみによる柔らかさで幸せだ。
興奮の余り、一気に言い切ってやったぜ。
「おはようございます。リョウさん。昨日は、とても凄かったですね」
「ゴモリーさん、おはようございます。凄かったのは、料理の話ですよね?」
話だけ聞くと、事案案件になりかねん。
「リョウ?何がそんなに、凄かったのかな?かな?」
「おはよう、カオリ。皆で、雑魚寝してただろう?」
なのに何で『嘘だッ!』とか、急に叫び出しそうな雰囲気なのかな?かな?
怖いんだけど?
此処は、オヤ◯ロ様レベルが、超高度なの?
「リョウ〜、おっは〜!コレ運んでいい〜?」
「・・・リョウ、おはよう。準備する」
「おはようございます。マリーさん、リリーさん。お願いします」