異世界転生 作:魔導科学
ゴシャ、ズドン。
凄まじい音がした。
結構な高さから、落ちたらしい。
俺は女神様から頂いた強運のお陰か、蔓の様な草に上手く引っ掛かって、地面に激突せずに済んだ。
下は薄暗くて、見えにくい。
取り敢えず、魔法で照明を出す。
下まで、10メートル程度か。
上を見れば、100メートル位の高さか。
俺、危なかったよね?
女神様、有難う御座います。
俺は女神様に御礼を言いながら、何とか下に降りた。
降りると、そこは広い空間になっている様だ。
周りには、何やら祭壇の様な物が置かれて居る。
どうやら、遺跡の跡らしい。
牛のロボットと幌車が半壊しており、その下にキラーハウンドが潰されている。
牛のロボットも幌車も、買ったばかりなのに、泣きたくなる。
脱出しないと。
魔法の灯りで、周りを照らして出口を探す。
出口は見当たらず、上に行くしか脱出が出来そうに無い。
やれやれ、困ったな。
明日になれば、ミリィさんが探しに来てくれるかな?
上を見上げて、随分と高いなと思う。
差し込む光を見て、フラ○ダースの犬で、ネ○とパトラ○シュが絵を見た後に、教会で一緒に寝るシーンを思い出す。
そんな事を考え腰程の高さの柱に手を置くと、ブュィンと音がして一気に明るくなる。
現在居る場所から少し離れた場所、其処はキラーハウンドと牛のロボット、幌車が半壊した場所だ。
その下に、白く眩い光が円形に描かれている。
まるで、魔法陣だ。
キィンと音がして、一層白く眩く光る。
一体、何だ?
どうなってる?
光が収まると魔法陣の中に、体長70センチ程の銀色の犬のロボットが居た。
犬のロボットの見た目は、フランダー○の犬だ。
そう、パトラッ○ュだ。
キラーハウンドとロボットの残骸が何処にも無くなって、居るのは1匹の銀色のパト○ッシュ風ロボットだけ。
ピン〜ピロリ〜ン「御利用、有難う御座います。生贄と機械素材を元に、アナタのイメージを具現化しました。またの御利用、お待ちしております」
え?
何、今の?
訳が分からん、パトラ○シュが此方をジッと見つめている。
「やぁ、パトラッシ○元気かい?」
「ワン!」
何気なく声を掛けてみると、犬のロボットが尻尾を振りながら、此方に駆けてくる。
あれ俺、食われるの?
でも唸ったり吠えたりせず、滅茶苦茶尻尾振ってるのは敵意が無いのかな?
あっと言う間に、間合いを詰めて飛び掛る犬ロボット。
押し倒される俺。
「俺は、美味しく無いよ〜!?」
「ワン!ワフゥ?ワンワン!」
普通の犬みたいな反応だ。
何より、噛み付いて来ない。
どうやら、食われる訳じゃ無いらしい。
取り敢えず、頭を撫でてみるか。
「よしよし、いい子だ」
「ワンワン!」
うん、どうやら喜んでくれているらしい。
それにしても、見た目と違って金属っぽく無くて、生身な感じだな。
俺は起き上がりながら、犬ロボットを撫でる。
「さて、どうしようかな?上に行くには、魔法を使うにしても大変そうだ」
上を眺めながら、呟くと「ワン!」と、犬ロボットが吠える。
犬ロボットを見ると、何かを言いたげな顔をしている。
「お前が、俺を上に運んでくれるのか?アハハ、まさかそんな事は無いか」
「ワン!ワンワン!」
犬ロボットが俺に、身体を当ててくる。
まるで、掴まれと言っているかの様だ。
「ひょっとして、掴まれと?」
「ワン!」
俺は、犬ロボットの首辺りに抱き付いてみた。
すると、犬ロボットが「ワン!」と一鳴きして、地面を蹴った。
「は?」
犬ロボットが、壁を蹴って反対側の壁に足を掛け、直ぐにまた壁を蹴って上に上がって行く。
繰り返す事、数回。
俺は、地上に戻って来た。
「有難う。お前、凄いな!」
「ワン!ワンワン!」
犬ロボットの頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振っている。
周りを見回すと、穴の周りにキラーハウンドが集まっている。
今度は、穴に落ちない様に戦闘か。
俺は、出来るだけ穴から遠ざかり、近寄って来るキラーハウンドを胴田貫で斬り捨てる。
犬ロボットを見ると、大立ち回りをしている。
噛み付いて振り回し、肩から魔力バルカンを掃射、更に腰の横から鉛筆程度の小型ミサイルランチャーを発射して、全て命中させる。
あっと言う間に、戦闘終了だ。
俺が倒したのは2、3匹程度なのに、残りを一瞬にして、犬ロボットが殲滅してくれた。
犬ロボットを見ると、周りのキラーハウンドが収納されて行く。
次元収納あるの?
全て収納すると、俺の所に来て座り込む。
頑張ったから、褒めて撫でろと言っているかの様だ。
「本当に、凄いな。有難う、助かったよ」