異世界転生   作:MSZ-006

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「それで、リョウさん?昨日、何があったんですか?」

 

ユカさんの冷たい声が、俺に届く。

 

「昨日、店を出た後フラフラと歩いて気付いたら、カオリと初めて出会った遺跡の方に向ってました。その途中で以前、助けたエントに遭いました。それで一緒に遺跡まで行ったら、遺跡の発掘調査をしている人たちが居て、其処でテア博士や他の博士たちに、遺跡の起動方法について説明しました。その際、エントが生贄になってヴェルダンディが生まれた次第です。その後は、軍の基地に行ってエントの件を報告して、帰りにモンスターの襲撃に遭い、遺跡が何者かに襲撃され、軍を呼んだけど来た軍人に殺されかけて、それで軍の謝罪で今は温泉宿に居ます。以上です」

 

「ちょっと!リョウ?聞き捨てならない事が、多々あるんだけど?殺されかけたって、どう言う事?」

 

カオリの身体から殺気が立ち込め、次元収納から魔導ヒートガンを取り出す。

 

「主、怪我は?後、ソイツ殺す」

 

瑞は次元収納から、ゴモリーさんから借りている武器を取り出す。

 

片方の手にトンファー、もう片方の手にサイをそれぞれ握りしめた。

 

「瑞、俺は怪我はしてないから、大丈夫だよ!カオリ、落ち着け!」

 

「パパ?その軍人は、どうしたの?」

 

珊瑚が昨日、めぐりちゃんに作って貰った魔導武器であるヘビのロボットを、棒状に変化させて此方を見る。

 

「投げて他の軍人に、引き渡した。だから、それは仕舞いなさい?」

 

「リョウ〜、大丈夫なの〜?」

 

マリーさんが、次元収納から愛用のバトルアクスを取り出しながら、俺に声を掛ける。

 

「・・・リョウ、ちょっと行って来る。・・・電析!」

 

声を上げたリリーさんの身体が、まばゆい光に貫かれる!

 

まばゆい光が収まると、其処には鈍く輝く銀色のコンバットスーツに身を包んだリリーさんの姿があった。

 

「有難う御座います、マリーさん。俺は大丈夫ですよ!その物騒な物は、仕舞って下さい!リリーさん、ソイツはもう他の軍人に引き渡しましたから、何処にも行かなくて良いんですよ?早く変身を解除して下さい!」

 

「私のお兄ちゃんを、殺そうとした!?赦さん、殺す!」

 

めぐりちゃんが叫ぶと同時に、メガネの奥の瞳に強烈な殺気が宿る。

 

高めのツインテールを片方留めていた、お気に入りの簪をすっと引き抜く。

 

結び目がほどけて片側の髪がハラリと肩へ流れると同時に、その手元で簪の飾りがシャリィンと涼やかな音を響かせる。

 

「そうねぇ、リョウさんに手を出したって事は、ウチの流派に刃を向ける事と同義ね。思い知らせる必要があるわね。めぐり?」

 

哀さんが、スッと手元から黒光りする苦無を取り出す。

 

「めぐりちゃん、俺は大丈夫だからね?哀さん、落ち着いて下さい!大丈夫ですから」

 

「ネアさん、私ちょっと用事が」

 

そう言いながら、ゴモリーさんは柳の葉の形をした、小型のナイフを次元収納から取り出す。

 

「ゴモリー、私もよ?」

 

ネアさんは、腰に巻いたウルミを外して直剣に変化させる。

 

「リョウ様、すみません。緊急の要件が出来ました。暫し、席を外します」

 

ミリィさんが、メガネをクイッと上げながら、次元収納から細剣エピオンを抜き放ち俺に向かって静かに告げる。

 

「ちょっと、行って来る」

 

ポポが、次元収納から珊瑚と共にめぐりちゃんに作って貰った黒い鳥のロボットを出し、陰陽乾坤圏に変化させて立ち上がろうとしながら、ブラック・モルダバイトの声音で喋り続ける。

 

「ちょっと、待て!一体、何処に行くんだ、ポポ?」

 

「お父さんを殺そうとした馬鹿を、始末してくる」

 

「そうね、一緒に行きましょうか?ポポちゃん?」

 

ユカさんが、次元収納からナイフと警棒を取り出す。

 

「ちょっと、ユカさん!待って下さい!その話は、もう終わった事です!だから、ポポも落ち着け!軍事裁判で裁かれますから、落ち着いて下さい!他の皆も!」

 

もうね、一人一人に答える暇が無いんだよ!

 

俺の話を聞いて、店の人とテア博士、瞳ちゃん、ヴェルダンディ、魔導アナグマ以外の全員が席を立とうとした為、俺は慌てて止めた。

 

弘崎君!

 

君も、落ち着いて?

 

「リョウ?カオリの気持ちも分かるわよ?もし、私が逆の立場なら私があの軍人を始末しに動いてたわよ?」

 

ヴェルダンディが、そんな事を俺に言う。

 

まぁ、気持ちは分かるよ?

 

俺も、此処にいる誰かが俺と同じ目に遭ったなんて聞いたら、間違いなくソイツを殺しに行くからね?

 

「まぁ、アンダーソン少佐が直々に、謝罪したしね?で、高級温泉宿を一週間取ってくれた訳だ」

 

「リョウ様、アンダーソン少佐が来たんですか?」

 

「はい、遺跡襲撃爆発事件で直々に来ましたよ?」

 

「・・・そうですか」

 

ミリィさんは、何やら考え込みながら席に落ち着く。

 

「では、話の続きです。『リョウ様は、なぜ一人歩きすると女が増えるのか?』問題について、引き続き話し合いたいと思います」

 

ミリィさんが、考えを切り替えたのか再度、メガネをクイッと上げながら話し出す。

 

あるぇ〜?

 

その話は、終わったんじゃなかったの?

 

「さき程、リョウ様のハーレムに新たに加わった方々の紹介は終わりました。今度は、正妻である私から自己紹介します」

 

「ちょっと、待って!ミリィ?いつから、正妻になったのよ!?でも、リョウがどうしてもって言うなら、わ、私が正妻として・・・」

 

ネアさんが、すかさず反論する。

 

「そうよ!私を差し置いて、正妻なんて赦さないわよ!?」

 

ちょっと、哀さん?

 

貴方には、とても素敵な?旦那様が、いらっしゃいますよね?

 

「パパは、私と結婚するんだから!」

 

うんうん。

 

珊瑚、いつも可愛いね。

 

そんな風に言ってくれるのは後、どれ位なんだろうな・・・。

 

でも珊瑚は既に、三十年生きてるんだよね?

 

「・・・パパ?今、余計な事を考えなかった?」

 

俺は珊瑚の殺気を含んだ言葉に、必死で首を横に振りましたよ!?

 

「主、主は私がお迎えする。だから、何も心配いらない」

 

瑞さん?

 

お迎えって、俺はペットとかじゃないからね?

 

「リョウさん?双六ゲームの時に、リョウさんが『私と一緒に、アイドルやる?』と、誘ってくれましたよね?それは私にとって、将来を共に歩む為の準備だと思ってました!なのに、また新しい女を連れて来て!しかも、今度は美魔女まで居るじゃないですか!?リョウさんは、何処まで属性を増やせば気が済むんですか?早く、庭付き一戸建てを買うか建てるかして、子供を沢山作りましょう!」

 

ゴモリーさんは、相変わらず安定のゴモリーさんだね。

 

「リョウ〜、新しく増やすのは良いけど〜、私たちの事を忘れてない〜?」

 

マリーさんが、優しい笑みを浮かべながらニコニコしているけど、なんか寒いんだよ!

 

おかしいな?

 

施設内は、空調管理が行き届いているから、何処に居ても常に適温な筈なんだけど?

 

「お兄ちゃん!ボクは、お兄ちゃんと知り合ったのは昨日だけど、あんなに激しく色々されたのは、初めてだったんだよ!だから、結婚して!」

 

めぐりちゃん?

 

確かに、色々と説教はしたよね?

 

語弊がある言い方するから、昨日は君のお父さんやお母さんである哀さん、それから此処にいる他の人たちに、凄い誤解をされたんだよ?

 

・・・本当に、勘弁して下さい。

 

「・・・リョウ、リョウはどんなにハーレムを大きくしても、私たちを必ず幸せにしてくれると思ってる。でも、このままだと、ご飯の量が心配になる」

 

リリーさん?

 

確かに、俺はみんな(哀さん以外)には、キチンと責任を取るつもりではいますよ?

 

でも、其処でご飯の心配って、ちょっと話がズレてないですか?

 

俺は扶養者が増えたら、なんとか頑張って稼ぎますけどね?

 

それも責任の内だと、思いますしね?

 

「リョウさん。リョウさんは、とても真面目な人だと思います。だから、一人一人に対して、キチンと答えを出そうとするし、責任を取ろうとする。それも良く分かってます。だから、私は貴方を好きになった。でも、こんな調子で増え続ければその内、国が出来てしまいます!リョウさんは、自分の国を起ち上げる気ですか?」

 

ユカさん?

 

俺はそんなに、信用が無いですか?

 

誰彼構わず、手出ししてる様なナンバな人間じゃないですよ?

 

「お父さん?僕は昨日、瑞と一緒に魔導カプセルから誕生したよね?そして人の姿になって、ご主人と一緒にお父さんと結婚できるって思っていたんだ。たがら、最初から居た人たちは別に構わない。でも、新たに増えた人たちは、僕はいきなり信用は出来ない。だから、僕が新しい人たちを試験する」

 

ポポさん?

 

いつものポポに戻って?

 

なんで、ブラック・モルダバイトの様な雰囲気でいるのかな?

 

俺、凄く怖いんだけど!?

 

「リョウ、貴方は優しすぎるのよ。前世の記憶を、共有している私だからこそ分かる。でもね?時には厳しくしないと、貴方が駄目になってしまいかねない。だからリョウ、今後は自重しなさい」

 

カオリが、物凄く真っ当な事を言ったよ!

 

昨日、俺の性癖暴露した人物と、同一人物とは思えないな!

 

「なによ!その目は!?」

 

「いや、カオリの言う事にも一理あるなと思ってさ」

 

俺はそう返事して、残りのカレーを平らげる。

 

「記憶の共有って言うなら、私も同じよ?リョウ」

 

ヴェルダンディが、カオリの言葉に反応する。

 

「でも、私はリョウの新たな属性『美魔女』を獲得してるのは、間違い無い話よね?」

 

確かに、人妻も歳上の女性も好きだよ!?

 

でも今、言う事じゃないだろう!?

 

「私は、ドMだぞ!リョウ、ハァハァ」

 

テア博士まで、参戦しなくて良いです。

 

「・・・ドMなのは、貴女だけじゃない」

 

リリーさんが、即反論する。

 

いや、変な対抗意識、燃やさないで下さい!

 

「わ、私は元、男だぞ!でも魔導エステで今は女の子だ、どうだ!因みに、SかMかで言ったらドMだぞ!」

 

瞳ちゃん?

 

なにをそんなにドヤ顔で、自慢してるんですか?

 

 

 

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