異世界転生   作:MSZ-006

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「オキヤクサマ ケサノ マカジキノツノヲ オモチシマシタ」と、魔導アナグマが土下座している所に調理専用の魔導ロボが此方にやって来て、長さ1メートル程の刃物の様な角を渡す。

 

「お兄ちゃん!此れって、魔梶木の角だよね!」

 

めぐりちゃんは、興奮しながら魔梶木の角を眺める。

 

取り敢えず、魔導アナグマの事は忘れた様だ。

 

「ユカさんの武器を作るのに、いい素材になりそう!ボクに、譲ってくれないかな?お兄ちゃん!」

 

「いや、此れは俺が獲った訳じゃ無く、ヴェルダンディが捕ったからね?だから、ヴェルダンディに聞かないと・・・」

 

「私は、別に構わないわよ?めぐりちゃんに渡すから、好きな様に使って」

 

ヴェルダンディが、話に加わる。

 

「有難う、ヴェルダンディさん!此れで、ユカさんの魔導武器を作れる!後は、魔導アナグマだね!」

 

・・・忘れた訳じゃ無かったらしい。

 

「めぐりちゃん、魔導アナグマは許してあげて欲しいな」

 

「お、お兄ちゃん!?それなら、ボクの耳元で『めぐり?そうイジワルを言うものではない。あの哀れな魔獣にも、相応の慈悲を与えてやろうじゃないか。私を信じて大人しく従うというのなら、君にはそれなりの『ご褒美』を用意させてもらうよ』って、シュウさんっぽく言って?そしたら、許す!」

 

めぐりちゃんの発言を聞いて、魔導アナグマを取り囲む面々が俺に詰め寄る。

 

「なら、私は『お前が居ないと、駄目なんだ!だから、俺の傍にずっと居ろ!』って言ったら、この魔獣を許してあげても良いわよ?リョウ!」

 

ネアさんが、ちょと赤くなりながら言い放つ。

 

「・・・リョウ『お姉ちゃん!この魔獣は、悪い子じゃないんだよ!だから、許してあげて!』って、目をうるうるさせながら言ったら、許す」

 

リリーさん、相変わらずお姉ちゃんポジションですね?

 

「リョウ様、私は『ミリィ、魔獣なんてどうでも良い。俺は君のメガネを取った姿をジックリと眺めたいんだ』と言って、私のメガネを優しく取った後、目を閉じてますからキスして下さい」と、ミリィさんが難易度の高い要求をする。

 

「リョウ!私は、後ろからギュッと抱きしめて『俺じゃ駄目か?』って、耳元で囁いて!」

 

カオリ?

 

前世のドラマで使われた台詞で、髪が長かった頃の某俳優が言った台詞を要求するなよ・・・。

 

「じゃ〜私は〜『マリー?俺と一緒に魔梶木のフライと、グリムリーパーアリゲーターの唐揚げを食べよう?』って言って〜、頭を撫でながら食べさてくれたら許す〜!」

 

マリーさん、許す許さないじゃ無くて、自分の欲求が先行してきませんか?

 

あれ?

 

他の人もそうかな?

 

「そうねぇ、なら私は『哀さん!俺は、人妻である貴女を好きになってしまった!でも、俺のこの感情は、もう止める事が出来ないんです!』と言いながら、押し倒してくれたら良いわよ?」

 

・・・哀さん?

 

旦那さんに、俺を抹殺させたいですか?

 

「主、私は『瑞?お前は、俺だけ見ていれば良い!』って言って、抱きしめた後、私をお姫様抱っこしてベッドに連行してくれたら許す」

 

瑞?

 

ただ単に、自分のして欲しい事を言ってるよね?

 

部屋に連れて行った後、今度は俺が兵隊に連行されちゃうよ?

 

「リョウさん、私は言葉なんていりませんよ!ただ、獣の様に激しく私を求めて、新しく家族を増やしてくれれば良いです!」

 

ゴモリーさん、言葉云々よりヤバい事を要求してる自覚はありますか?

 

「リョウさん、私は優しく抱きしめながら『ユカ、俺と一緒になろう?』って、踊って歌いながら言ってくれたら良いですよ?」

 

ユカさん?

 

なんで、そんなにミュージカル的な罰ゲームになってるんですか?

 

「お父さん!僕は『ポポ、お前は可愛いな!俺は、お前みたいなボーイッシュな女の子が、大好きなんだ!』って言いながら、押し倒して?」

 

ポポ?

 

確かに、ボーイッシュな女の子は俺的に大好物だよ?

 

でもな?

 

それをやっちゃ、駄目だろう?

 

それをやったら、世間的には俺は軍に連行されかねん!

 

「パパ?私は『珊瑚、お前を娘扱いしていたけど、もう我慢の限界だ!今日から、お前は俺の女だ!』って言って抱きしめて!」

 

珊瑚さん?

 

いくらなんでも、ちょと要求する物が高すぎやしませんか?

 

めぐりちゃん、瑞、ポポ、珊瑚は見た目が幼い少女だから、本当に捕まるんだよ?

 

それとも、君たちは俺を檻に入れたいのかな?

 

ほら、周りのお客さんが、またヒソヒソと俺を見ながら囁いてるよ!?

 

「わ、私は、罵りながら激しくイジメて欲しい!ハァハァ」

 

テア博士?

 

ちょっと、静かにして貰えますか?

 

周りの視線が、かなりマズい物になってるんです。

 

「羨ましいわね!なら、私はどんな要求をしようかしら?」

 

「ヴェルダンディ?お前まで参加しないでくれ!俺のグラスハートは、もう粉々だぞ!?」

 

「リョウ!私は『お前が元男でも、お前を一生大切にする!だから、結婚しよう!』と言ってくれ!」

 

いや、瞳ちゃん?

 

なんで、貴女?まで参加してるんですか?

 

そもそも、魔導アナグマを庇ってましたよね?

 

「キュキュン!キュン!」

 

つぶらな瞳で、俺を見つめる魔導アナグマ。

 

「・・・『女装した姿で、ぼくに愛の告白をして!そして、早くこの場から、連れ去って!』と言っている。やはり、鍋か」と、通訳したリリーさんが剣呑とした瞳で、魔導アナグマを見る。

 

おい!

 

お前は、俺の苦労を台無しにする気か!?

 

落ち着いたと思った面々が、また殺気立つ。

 

流石に、マズいと思ったのか魔導アナグマは、縮こまってガタガタと震えている。

 

「と、取り敢えず、グリムリーパーアリゲーターのステーキとか食べませんか?」

 

俺は、皆に声を掛ける。

 

「リョウ!儂は唐揚げな!」

 

「僕は、ステーキだ!早く持ってきたまえ!」

 

宇治茶博士とグリーン博士が、俺に注文を催促する。

 

・・・皆さん?

 

グリーン博士は、別に悪い人じゃないんですよ?

 

だから、そんなに殺気立たないで?

 

俺は調理専用の魔導ロボに、唐揚げとステーキを人数分注文し椅子に腰掛けた。

 

程なくして、熱々の唐揚げの山盛りと分厚くデカいステーキが運ばれてくる。

 

やべぇ、ステーキがデカすぎて絶対に食いきれない!?

 

「・・・小腹を満たすのに、丁度いいサイズ」

 

「そうだね〜!オヤツには、丁度いいね〜!」

 

はい?

 

オヤツですか?

 

リリーさん、マリーさんが普段から凄く食べるのは知ってるけど、このサイズだよ?

 

ステーキ肉の厚さは、俺の胴体位でサイズは一番小さいサイズで50センチ以上あるんだけど?

 

「オキヤクサマ モシ ノコサレタバアイハ オモウシツケクダサイ オモチカエリヨウノ オミヤゲニイタシマス」

 

調理専用の魔導ロボが、そんな事を言ってくれる。

 

そっか!

 

良かった〜!

 

食材を無駄にするなんて、俺は絶対に我慢できないし許せないんだよね。

 

「・・・リョウ、何も心配いらない」

 

「そうだよ〜!私と、お姉ちゃんが〜、全部食べちゃうもん〜!」

 

「そ、そうですか・・・ハハハ」

 

俺は乾いた笑いで返答し、ステーキ肉を一切れ口に入れる。

 

美味い!

 

プリッ、コリッとした強い食感とステーキソースの味が肉に合っていて、とても美味い!

 

暫くステーキに舌鼓を打っていると、調理専用の魔導ロボが此方にやって来て「オキヤクサマ グリムリーパーアリゲーターノ ソザイヲ オモチシマシタ」と言って、牙や鱗、皮などを次元収納から取り出す。

 

「お兄ちゃん!その素材、ちょっと分けて貰えない?」と、めぐりちゃんがステーキ肉を齧りながら俺に聞いてくる。

 

「う〜ん?魔導アナグマが仕留めた獲物だし、この場合は瞳さんに聞けば良いのかな?」

 

俺は瞳ちゃんと魔導アナグマの方を向いて、話し掛ける。

 

「キュキュン!」

 

「リョウ、魔導アナグマは『別にいらんから、お前にやる!』と、言ってるぞ?」と、テア博士が通訳してくれる。

 

「お前は、優しいな!それに免じて、ちょっとだけ懲罰の訓練を緩めにしてやる!」

 

そう言って、瞳ちゃんが魔導アナグマの頭を撫でる。

 

魔導アナグマは、その言葉を聞いて少しホッとした顔をしながら、グリムリーパーアリゲーターのステーキと格闘し始める。

 

「有難う!瞳さん?俺からも、お願いします。魔導アナグマの訓練を緩くしてやって下さい。他の人たちも、そんなに怒ってないと思いますし・・・」

 

怒ってないよね?

 

大丈夫だよね?

 

チラッと、皆を見渡す。

 

「まぁ、リョウが言うなら良いんじゃない?」

 

「そうですね。リョウさんがそう仰るなら・・・」

 

「リョウ様は、優しいですね。私がこのステーキを食べさせてあげます」

 

「ちょっと!ミリィ、私が最初よ!」

 

「お待ちなさい!此処は、人妻である私が最初に・・・」と、誰が俺にステーキを食べさせるかで、揉め始めた。

 

「皆さんの怒りも落ち着いたようなので瞳さん、お願いします」

 

周りの女性陣がキャアキャアワイワイと騒いでいる中、俺は瞳ちゃんに頭を下げてお願いした。

 

「リョウと皆さんがそう言うなら、今回は許してやる。だが、貴様は私と共に歩む事を決めたんだ!今後は、私と軍人として一緒にやっていく。だから、正式に入隊したらビシビシ鍛えてやるからな!」

 

瞳ちゃんの言葉を聞いた魔導アナグマは、口に咥えた肉をボロリと落とし、プルプル震えながら「キュン〜?!」と、返事する。

 

魔導アナグマだから軍人ってのは、ちょっと違う様な気がするけど、まぁ良いか?

 

 

 

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