異世界転生   作:MSZ-006

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「り、リョウ!その笑顔は、駄目だ!君は私を、どうしたいんだね!?ハァハァ」

 

テア博士が、俺の悪い笑顔を見て身悶えている。

 

えっ?

 

俺の顔、そんなにおかしい?

 

そう思って、周りの女性陣を眺める。

 

皆、なぜか頬を紅く染め、俺から目を逸らしつつもチラチラと、此方を盗み見ている。

 

「あの、ミリィさん?」

 

「な、なんですか?リョウ様!そんな悪い笑顔で、私に話し掛けないで下さい!訴えますよ!?」

 

ミリィさんは真っ赤になって、そっぽを向く。

 

「さ、珊瑚?」

 

「ぱ、パパ?!今は、駄目!話し掛けないで!?」

 

珊瑚も顔を赤くしながら、目を逸らして両手でパタパタと顔を扇ぐ。

 

あるぇ〜?

 

非常に、ショックなんだけど?!

 

後、前世で顔を両手でパタパタと扇ぐ女がいたけど、俺はああ言う女が嫌いだ。

 

いや、別に否定するつもりはないんだよ?

 

でもさ、俺から言わせるとブリッコか?!

 

って、思っちまう訳で・・・。

 

でも、珊瑚は赦す!

 

だって、超カワイイんだもん!

 

・・・さて、話を戻そうか?

 

俺は瞳ちゃんの方を向いて、話し掛ける。

 

「瞳さん?」

 

「り、リョウ?!駄目だぞ!此処は、喫茶店で、皆いる!昨日のゲームコーナーの様に人が居ない場所なら、その笑顔で口説いてほ・・・」

 

「いや、ちょっと!?なんで今、その話なんですか?瞳さん、しっかりして下さい!俺は、施設の安全を護る軍のお偉いさんである『男山 瞳大尉』に、お願いがあるんです!」

 

「うぅん!コホン、お願い?」

 

瞳ちゃんが頬を紅く染めながら、咳払いして俺に聞き返す。

 

「はい、コイツら三人の話は聞いてましたよね?で、おそらく法定教育時間を、きちんと満たしてないと思うんですよ」

 

「ふむ、なる程?おい!貴様ら、今まで会社から出された勤務形態や勤務時間、または勤務表は所持しているか?」

 

瞳ちゃんが、ピシッと軍人の顔になり三人に話し掛ける。

 

「おい!昨日の可愛い子ちゃんじゃないか!」

 

「ハジメ、お前、名前聞けよ!?」

 

「そうッス!アルの言う通り、ハジメが聞くッス!」

 

ハジメ、アル、トロワが瞳ちゃんに話し掛けられて、テンション高く話しだした。

 

・・・さっきまで、会社クビになったって泣いてたのに。

 

まぁ、笑える様になったんだから良いか?

 

俺は三人を眺めながら、残りのクリームソーダを飲み干した。

 

「勤務表なら、ちゃんと持ってますよ!俺の名前は、ハジメです!美しい貴女のお名前を教えて下さい!」と、ハジメが立ち上がり、腰を直角に曲げる。

 

「お、俺は、アルです!勤務表、ちゃんとあります!」

 

アルまで、立ち上がる。

 

「俺の名前はトロワッス!お姉さん、凄く可愛いッス!是非、お名前を聞かせて下さいッス!」

 

そして、トロワまで立ち上がって何故か手を出している。

 

まるで、告白して『お願いします!』とか言って、手を握ったらカップル成立みたいな感じだな?

 

そんな事を考えていたら「リョウ〜?昨日のゲ〜ムコ〜ナ〜って、一体なんの話〜?」

 

マリーさんが、優しい笑顔で俺を見つめながら聞いてきた。

 

優しい笑顔なのに、何でこんなにプレッシャーを感じるのかな?

 

「お父さん?正直に話してくれるなら、まだ間に合うよ?」

 

ポポが、またブラック・モルダバイトに戻ってる!?

 

本当に、怖いんだよ!?

 

瞳ちゃん、ヴェルダンディ、テア博士以外の女性陣が、さき程とは全く違う視線で俺を見つめる。

 

「あ、あの皆さん?今は、三人の若者の未来が・・・」

 

「リョウ?其処の三人の未来より、昨日のゲームコーナーの話よ?」

 

ネアさんに、速攻で突っ込まれる。

 

「・・・リョウ、正直に言う。そして『お姉ちゃん、ごめんなさい〜!』って、可愛く言ったら許す」

 

リリーさん?

 

何故、泣きながら可愛く謝罪なんですか?

 

しかも、お姉ちゃん呼びで!

 

さぁ、早く白状しろ!と、プレッシャーを掛けられている俺を他所に、瞳ちゃんが三人に語り始める。

 

「私は、作戦司令本部アンダーソン少佐殿の直属副官、男山 瞳(おやま ひとみ)大尉だ!本来の性別は男だが、今は魔導エステで女になっている!そしてリョウとは昨日、婚約した!後、コイツは、私の相棒兼部下の魔導アナグマのメスだ!名前は、まだ無い」

 

胸を張り自慢気に、自己紹介と魔導アナグマを紹介する瞳ちゃん。

 

ちょっと!?

 

婚約なんて、してませんよ?!

 

瞳ちゃんが、俺を見てから周りに宣言する。

 

「リョウ、私は昨日の酒の席でお前に言われた、プロポーズ言葉・・・。『瞳ちゃん、優しい〜ね!おねぇちゃんみたい!大人になったら、ぼくと結婚して!』と言われた時、私はお前に出会う為に生きてきたんだ!そう思ったんだ」

 

瞳ちゃんは目を瞑り、昨日の事を思い返す様にうんうんと頷きながら、腕組して皆に聞かせる。

 

「私は、『大好き!』と、言われたぞ!」

 

テア博士が、ドヤ顔で自慢する。

 

「私は、ヴェルママって呼んで貰ったわ。凄く、可愛いのよ!」

 

ヴェルダンディまで、自慢気に話し出す。

 

ちょっと!?

 

そんな事を言われたら・・・。

 

「リョウ、此れから呑むわよ!いや、呑ませる!」

 

カオリの目が、ヤバい!!

 

「私たちより、後に知り合った存在に負けた・・・!?ゆ、許さん!そんな事は、認めない!リョウ、今すぐ私に告白しなさい!」

 

ネアさんが、椅子から勢いよく立ち上がり雄叫びをあげる。

 

「そうです!リョウさん、酷いです!私と一緒に秋の夜空を見上げて、『ほら、アレが秋の星座である「ペルセウス座」と「アンドロメダ座」だよ!王女アンドロメダが、魔物の生贄にされそうになっていた所を、偶然通りかかった勇者ペルセウスが命がけで救い出して、祝福された結婚をするんだ。その後、二人は結ばれて幸せな家庭を築く。そして、夫婦並んで星になったって伝説があるんだ!俺たちも、そんな夫婦になろう?』って言ったのは、嘘だったんですか!?」

 

ゴモリーさん、相変わらずだな。

 

後、俺たち知り合って間もないし、秋ってまだ先ですけど?

 

「え〜と、皆さん?色々と言いたい事があると思いますが、今はこの若者たちの為に、時間を使ってやって下さい。お願いします」

 

「・・・リョウ、分かった。じゃ、この話が終わったら、ゲームコーナーの話をする。ちゃんと、お姉ちゃん呼びで」

 

リリーさんが、俺に対して威圧感を込めて言ってくる。

 

ゲームコーナーの説明は分かるけど、何故にお姉ちゃん呼び?

 

他の女性陣も、リリーさんの言葉に賛同している。

 

そんな俺を、ハジメ、アル、トロワの三人組は瞳ちゃんの自己紹介で、ショックを受け、更に俺をモンスターでも見るかの様な目で見ている。

 

「あ、アニキ、やっぱりアニキ程の人になると、色々と違いますね」

 

「うん・・・。俺には、真似できないな」

 

「そうッス!絶対にリョウアニキみたいな事、俺たちには無理ッス!」

 

君らの評価は一体、俺の何を見ているのかな?

 

俺の生き様か?

 

それとも、俺が皆の尻に敷かれている、この現状か?

 

取り敢えず、話を戻そう。

 

そうじゃないと、このコントじみた話が延々に終わらないからな。

 

「それで、お前等は勤務表持ってるんだろう?男山大尉に見せて、色々と説明しろ」

 

俺は、空になったクリームソーダのグラスを、新たに注文したソフトクリーム持った◯ッパー君に渡す。

 

やって来たのは丼の様な器に、これでもかと乗せられたソフトクリーム。

 

俺は、ソフトクリームをパクパク食べながら、瞳ちゃんと三人のやり取りを眺める。

 

「お前たちが、最初に勤務した日、この時から既に現場に出ていたんだな?」

 

瞳ちゃんが、三人の魔導通信機で表示した勤務表を眺めて問い掛ける。

 

「はい。初日は、入ったばかりだから、工場の守衛として勤務しました」

 

「次の日、契約先に行って警備センサーの交換や取り付けを手伝って、仕事を覚えさせられました」

 

「三日目から、夜勤、日勤、夜勤、日勤と、連続で勤務をさせらてたッス!」

 

まるで、俺の前世で勤めてた極悪ブラック警備会社みたいな勤務だな。

 

「分かった。ちょっと待ってろ!」

 

瞳ちゃんが、魔導通信機を起動させ何処かに連絡をし始める。

 

「私だ、憲兵分隊に繋げ」

 

『お疲れ様です!憲兵分隊、分隊長ボリス中尉であります!』

 

「さき程、N警備保障の元従業員から内部告発があった。内容は法定教育の偽装の疑いだ。至急、当該企業への臨検に入れ!追って、証拠として元従業員の勤務表データを送信する」

 

『了解いたしました!ただちに捜索令状を執行、臨検班を編成し突入いたします!』

 

「リョウ、これで臨検の手筈は整った。後は、証拠だな。とは言え、目の前に既に証拠は出ている。言い逃れはできんがな?」

 

「瞳さん、有難う御座います」

 

俺は、瞳ちゃんに頭を下げる。

 

「わ、私は、真っ当な軍人だからな!?当然の事をしたまでだ!」

 

フンスっと、胸を張る瞳ちゃん。

 

・・・元男と分かっているが、可愛いな。

 

い、いかん!

 

俺は一体、何を考えてるんだ!?

 

「リョウさん?さっきの話の続き、お願いしますね?」

 

ユカさんが、とても優しい笑顔を浮かべながら、俺を問い詰める。

 

 

 

 

 

 

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