異世界転生   作:MSZ-006

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「もうね、玉ねぎとネギは、全俺を滅する為の必殺兵器だと思う!でしょう?」

 

「そうね。リョウは、玉ねぎ、ネギが大嫌いだもんね?」

 

カオリが、よしよしと俺の頭を撫でる。

 

「・・・リョウ、可愛い」

 

リリーさんが、俺を眺めながら感想を漏らす。

 

「そうだね〜!リョウって酔っ払うと、こんな風になるんだね〜!」

 

マリーさんは、料理を口に運びながらビールの大ジョッキを豪快に煽りつつ、ニコニコしながら俺を眺める。

 

「お兄ちゃんが、幼児退行してる!此れは、危険が危ない!」

 

めぐりちゃんが、ジュースを片手にジッと俺を見つめる。

 

「あっ!?マリーちゃん、口の周りが白いヒゲみたい〜!アハハ!面白いね〜!」

 

「と、尊い!」

 

ゴモリーさんが、ココナッツリキュールのコーラ割りを片手に俺を見つめて呟く。

 

「くっ!?ビール苦手だけど、こうなったら私も!」

 

そう言って、ネアさんが飲みかけのココナッツジュースのリキュール割りを飲み干し、ビールを注文する。

 

そして、運ばれて来たビールに口をつけ、俺の方を向いて「リョウ!こっち見なさい!」と、呼びかける。

 

「ネアちゃんも、おヒゲ〜!アハハハ〜!」

 

俺が、楽しそうに笑っている姿を見たネアさんは、満足そうに笑っている。

 

さき程、『カオリ?俺は飲まないぞ?』と言っていたのに、なぜ呑んだのか?

 

それは、俺たちが温泉街の喫茶店から宿に帰った直後に遡る。

 

「リョウ様、明日は私とデートですよ?」

 

ミリィさんが、メガネをクイッと上げながら俺に言う。

 

「はい、お願いします。でも、温泉街で良いんですか?」

 

「リョウ様?温泉街にメガネ美女って、どう思いますか?因みに、浴衣です」

 

自分で、美女とか言ったよ?

 

いや、確かにミリィさんを含めて、此処に居る人たちは全員、美人、美少女集団だよ?

 

まぁ良いや、考えるのはよそう。

 

「確かに、ミリィさんの浴衣姿とか凄く似合いそうですよね?」

 

ススキの簪とかね?

 

「そうですよね!やっぱり、温泉街って言ったら浴衣ですよね?部屋で着替えて来ます」

 

「いや、ミリィさん?そんな無理に着替えなくても、ミリィさんの魅力は充分、伝わってますから」

 

「そんな、全世界で私の浴衣姿が一番綺麗で、この世の光り輝く宝石すらも石ころにしか見えないだなんて、リョウ様は正直ですね」

 

・・・まぁ、いいや。

 

「お兄ちゃん、温泉一緒に入ろう?」

 

めぐりちゃんが超危険な、お誘いをしてくる。

 

「め、めぐりちゃん?流石に、それはマズいかな?」

 

いくら混浴でも、年端も行かない女の子と混浴は、通報案件だろう!?

 

温泉宿の立派な入り口の前に、若い頃はとても美人だっただろうなと言う見た目の着物姿の淑女が佇んでいた。

 

そして、俺を見て此方に歩み寄って来る。

 

「もし?ひょっとして、リョウ様とおっしゃるのは・・・貴方の事で御座いますの?」

 

「はい?えぇ、自分がリョウですが・・・、どちら様でしょう?」

 

「あぁ!やっぱり話通り、いい男ね!」

 

「えっ?あの?」

 

俺の戸惑いを他所に、美人な着物姿の淑女は、俺の腕を取りグイグイ引っ張って行く。

 

「さ、行きますわよ?」

 

「ちょ、ちょっと!一体、何なんですか!?」

 

「ちょっと、リョウ!?美熟女にまで手を出したの?!」

 

ネアさんが、雄叫びをあげる。

 

「リョウさん、酷いです!丁度、一年前に私と一緒に旅行した時『ゴモリー、俺たち結婚しようか?』って、言ったのは嘘だったんですか!?」

 

「いや、ゴモリーさん?一年前って、俺まだ生まれてませんよ?」

 

「そんな細かい事は、良いんです!私の魂がリョウさんと、ずっと前から繋がっているんだから!」

 

ゴモリーさんが、妄想全壊の言葉をぶつけて来る。

 

前もあったけど、『全開』じゃなくて『全壊』な?

 

「あら、やだ!私とした事が、申し遅れましたわ。私、宇治茶の伴侶、宇治茶 美星と申します」

 

俺の腕を離しペコリと、丁寧にお辞儀する宇治茶淑女。

 

宇治茶?

 

宇治茶って・・・宇治茶博士の奥さん!?

 

名前を聞いた瞬間、周りの女性陣が一斉にホッとした様な溜息を漏らす。

 

「な、なんだ!リョウ、ビックリさせないでよ!?」

 

カオリが俺の隣にやって来て、バシッと肩を叩く。

 

痛いよ?

 

そもそも俺が悪いのか、これ?

 

「リョウさん、マザコンだからかなり歳上の方もイケるんじゃないかと、心配になりました」

 

ユカさんが、俺を見てそんな事を言う。

 

いや、俺はマザコンじゃないからね?

 

ただ単に年齢のストライクゾーンの幅が人様より、ちょっとだけ!

 

本当に、ちょっとだけ広いだけなんだからねっ?

 

「ちょっと!?今、なんて言った?!」

 

「そうです!リョウさん?!その方、お名前なんとおっしゃいました?」

 

「リョウ〜!?違うよね〜?もう一回、聞き直して〜?」

 

ネアさん、ゴモリーさん、マリーさんが何故か宇治茶博士の奥さんの名前を聞いて、真っ青に怯え始めた。

 

「大変、申し訳ありません。失礼ですがもう一度、お名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」

 

俺は丁寧に、宇治茶博士の奥さんにお願いする。

 

「えぇ、宜しいですよ?私の名前は『宇治茶 美星』ですわ」

 

「し、失礼しました!」

 

ネアさんが、最敬礼で頭を下げる。

 

「機嫌麗しゅう、『壊星の美星』様!」

 

ゴモリーさんが、怯えながら挨拶する。

 

「こ、こんにちは〜!本日はお日柄も良く〜、いい天気ですね〜!ギルド長〜!」

 

マリーさんが、カタカタ震えながら挨拶する。

 

マリーさん?

 

お日柄も良く、いい天気っておかしいですよ?

 

三人共、何をそんなに怯えてるんですか?

 

「あら、やだ!そんな昔の二つ名なんて、言わなくて良いのよ?今の私は、ただの『宇治茶 美星』ですわよ?」

 

ニッコリと笑って、三人を見る宇治茶博士の奥さん。

 

「貴女たち、冒険者の方かしら?」

 

宇治茶博士の奥さん・・・面倒だから美星さんが、ネアさんたちに話し掛ける。

 

「そ、そうであります!」

 

「はいっ!その通りです!」

 

「ハイ〜!冒険者です〜!」

 

ネアさん、ゴモリーさん、マリーさんが硬直して返事してる。

 

さっき、ギルド長とか言ってたよな?

 

ひょっとして、冒険者ギルドの偉い人?

 

「あらあら、そうなの?じゃ、遺跡の襲撃爆破事件の話は、もうお聞きになられてるかしら?」

 

「はい!その話なら、当事者から聞いております!」

 

「そうです!其処のリョウさんが、一番良く知ってます!」

 

「リョウ〜!説明して〜!」

 

な、なんだ?

 

何で三人共、こんなにビビってるんだ?

 

「あの、遺跡襲撃爆破事件の話なら、俺がしますけど?」

 

俺は、三人を庇う様に美星さん前に出る。

 

「あら!それは大変、助かりますわ!宅の主人に聞きに参りましたのに、何処に居るのか分からなくて、困ってましたのよ?取り敢えず、場所を移動してゆっくりと、お話を伺いましょうか?」

 

そう言って俺の腕に、美星さんの腕を絡めて歩き出した。

 

その姿を眺めながら、ミリィさんが「リョウ様の隣に簡単に入り込むとは、なかなか手強い相手ですね」と言う発言に対して「ミリィ!相手は、『壊星の美星』よ!?」

 

「私たちが、束になっても敵いません?!」

 

「うん〜!大人しくしてるのが、一番良い〜!」

 

「ネアさん、ゴモリーさん、マリーさん?ちょっとお聞きしますが、『壊星の美星』ってなんの話ですか?」

 

ユカさんが、声を潜めて三人に話し掛ける。

 

「現ギルド長にして、最恐の女よ!」

 

「えぇ、その昔、ギルドの破落戸たちを全て殲滅して、ギルドを立て直した勇者と言われる方です!」

 

「それで〜、一度怒らせると、惑星が壊されるって言うくらい〜、苛烈な人なんだって〜!」

 

「うふふ。いやですわ、私の昔話なんて、しなくて宜しいのに。そもそも、私にちょっかいを出していらしたお馬鹿さんたちを、ちょっと撫でて差し上げただけですのよ?それから、悪さをしていらしたお馬鹿さんたちを更生させるべく、その当時のギルド長からそのお友達も含めて、優しくお諭ししただけでしてよ?」

 

後ろをチラッと振り返り、三人に視線を送る美星さん。

 

俺には何やら、ゴニョゴニョと内緒話をしてる程度だったんだけど?

 

「も、申し訳ありません!ギルド長!」

 

「す、すみません!反省してます!だから、ギルド追放は勘弁しして下さい!」

 

「ご、こめんなさい〜!もう、二度と話しません〜!?」

 

「あらあら、別に私は怒ってなんておりませんのよ?このお話が皆に知れ渡れば今後、お馬鹿さんが減ってくださる。私は、そう思っておりますの。でも、今は若くて素敵な殿方とご一緒、ですからそんな殿方に私のお転婆な昔話は聞かせたくありませんの。この女心、お嬢さんたちなら、分かって下さるでしょう?」

 

ふむ?

 

なる程?

 

美星さんの話を要約すると、自分がお転婆だった若い頃の噂が広まるのは、馬鹿が減るから大歓迎だけど、今は私の目の前に『イイ男』がいる。

 

だから、『余計なことは言うな』という意味かな。

 

・・・って、俺の事か!?

 

「因みに、俺も先日、ギルドに登録しましたよ?」

 

俺は、ドギマギしながら、美星さんに声を掛ける。

 

「えぇ、そうね!それから直ぐに、遺跡を発見し起動に成功なさった。そうよね?」

 

美星さんが、ギュッと俺の腕を抱きしめる。

 

あ、あの、それ以上は、ちょっと・・・。

 

色々な意味で危ないので、勘弁して下さい!

 

美熟女の幸せな膨らみによる柔らかさと、俺の理性の限界。

 

そして後ろから、俺を刺すような殺気が犇々と伝わってくるんですけど!?

 

「そして、カオリさんが誕生した。其処までは、施設管理の方から連絡を頂いておりますの。それで昨日、襲撃される前にヴェルダンディさんが生まれた。此処まで、宜しくて?」

 

「はい、その通りです。ヴェルダンディの件は、旦那さんから?」

 

「えぇ、宅の主人からメッセージが届きましたのよ?」

 

そんな話をしつつ、俺は温泉宿の牧場兼釣り堀の広場に案内した。

 

居た!

 

相変わらず、グリーン博士と宇治茶博士が呑んだくれてる。

 

「それでな、儂はカミさんに言われたんだ!『貴方に惚れた!だから、結婚してくれ!』って」

 

「そうなんですか?それは、羨ましいですね!それじゃ、宇治茶博士に今でもゾッコンなんですか?」

 

「そうとも!今ても、儂が居ないと駄目なんじゃよカミさんは!?ガハハ!」

 

俺たちに背を向け、二人で語り合ってる。

 

「あら?貴方?確か、貴方が私に『一目見た時から、貴方に惚れました!お願いですから、一緒になって下さい!』って、仰ってましたわよね?」

 

 

 

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