異世界転生   作:MSZ-006

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「リョウ様、どうされたんですか?」

 

俺の泣き声を聞いてミリィさんが、駆け寄って来た。

 

「ふぇ〜ん!ミリィちゃん、ぼくの秘密セレネとアイリスと沙羅と猪八戒型の魔導鎧にバレてる〜!?」

 

「リョウ様、大丈夫ですよ?その秘密は私たちからしたら、もう皆の共有財産ですからね?」

 

ミリィさんの一言に美星さん以外の女性陣、全員が頷く。

 

「リョウさん、泣かないで?ほら、私の魔導具の説明がまだですよ?早く、教えて下さい?」

 

ユカさんが、ニッコリ微笑みながら俺の頭を優しく撫でて言う。

 

「ユカちゃんも他の皆もぼくの事、嫌いにならない?」

 

俺は涙目で、ユカさんを見上げる。

 

「大丈夫ですよ?ほら、立って下さい?リョウさん!男の子が、地面に座り込んでちゃ駄目ですよ?それに、リョウさんのアブノーマルな性癖は、私は、その・・・。な、何でも無いです!」

 

ユカさんは、顔を赤くしながら俺から目を逸らす。

 

「ふぇ〜ん!?ユカちゃん、やっぱりぼくの事、嫌いなの〜?」

 

「ち、違います!私的には、全く問題なく受け入れられます!だから、大丈夫ですからね?恥ずかしいから、早く魔導具の説明をして下さい!」

 

ユカさんは、真っ赤になって俺に捲し立てる。

 

「り、リョウ?私も、大丈夫なんだからね!?」と、ネアさん。

 

「リョウさん?私は、今すぐでもオッケーですよ?」

 

ゴモリーさんが、優しく俺に言う。

 

事情を知らない美星さん以外の面々が、俺に優しい言葉を掛けてくれる。

 

アレ?

 

美星さんが、ミリィさんに何か聞いてる様な気がする。

 

気のせいかな?

 

後、哀さん?

 

貴女は、旦那さんが居るから駄目ですよ?

 

ほらまた、めぐりちゃんに拘束されてる!

 

「みんな、有難う!大好き!じゃ、ユカちゃんの魔導具『魔導和傘』について、説明するね?じゃ、さっきみたいにまた『魔導和傘』を開いて?」

 

ユカさんは言われた通り、さき程と同じ様に『魔導和傘』を開き、肩に乗せて佇む。

 

「それで、魔力を流してみて?」

 

ユカさんが『魔導和傘』に魔力を流すと、傘と柄の部分から二つに分離する。

 

そして、傘が10センチ程の円形ラウンドシールドに変形し左手首に装着され、右手に持った柄の部分は12センチ程度の棒状になった。

 

「それでね?ユカちゃん、CQCやってるけど、相手の攻撃が当たったら危ないでしょう?だから、傘の盾を創ってみたの!更に、魔力を流してみて?」

 

俺はニコニコしながら、ユカさんに声を掛ける。

 

ユカさんが、魔力を流す。

 

すると、左手に装着された傘の盾がユカさんの身体全体を覆う様に巨大化し、右手の柄は長さ1メートル程まで伸びる。

 

「その『魔導和傘』は、みんなの装備と同じ、エルダーエント製の高位魔導武器だから重量は度外視できるし、大抵の攻撃は無効化できる。盾を飛ばして攻撃ができて、ちゃんと使用者の思考を読み取って、手元に戻る安心設計なんだよ!柄の警棒は魔力刃で、SKH51鋼鉄すら簡単に切断できる仕様だからね?」

 

「リョウさん、凄いです!有難う御座います!この傘のシールド、内側は無色透明で向こうの景色が見えるんですね!?」

 

そう言ってシールドを俺の方に構えて、此方を見るユカさん。

 

「うん!シールドって、構えると見えなくなるでしょう?だから、ちょっと小細工して内側からは、透けて見えるようにしたんだ!それに、サイズも取り付け場所も自由に変えられるから、戦況に合わせて臨機応変に調整してね?でも他の魔導具と同じで、弱点があるんだ」

 

俺は、ションボリしながら言葉を続ける。

 

「当たり前の事ながら、傘って外側で雨を弾く仕様だよね?で、内側に水が染みてきたら、水滴で傘をさしてる人が濡れちゃう。それが、弱点なんだ」

 

「つまり、どう言う事ですか?」

 

ユカさんは、俺の説明が理解できず首を傾げる。

 

「分かりづらくて、ごめんね?要は内側からの攻撃には、物凄く弱いんだ。どれ位、弱いかと言うと身体を鍛えていない大人が殴った程度で、壊れちゃう位、弱いんだ!ごめんね?でも、ちゃんと自動魔力充填機能付きで、オートリペアはあるんだよ?だけど、内側からの攻撃だと完全破壊されてもおかしく無いんだ。因みに、完全破壊されると修復不能なんだ・・・」

 

俺は更に、自信を無くして地面に膝を付く。

 

「し゛か゛た゛な゛か゛っ゛た゛ん゛だ゛よ゛〜!」

 

俺は泣きながら、『魔導和傘』を創った経緯を説明する。

 

「『ユカさんって、CQCの使い手だよね?→だから近接戦闘は、滅茶苦茶強い→でも、やっぱり怪我して欲しく無い→ユカさんって、黒髪の美人だから、和傘とか凄く似合いそう!→なら、エルダーエント製の「和傘」を創って、それがユカさんの得意な武器と、防御に使える盾になれば良いじゃん!?』って、考えたんだよ〜!そしたら『和傘』だから、内側からの衝撃に凄く弱くなっちゃったんだよ〜!うわぁ~ん!?ユカちゃん、こ゛め゛ん゛ね゛〜!」

 

「リョウさん、大丈夫ですよ?本当に、有難う御座います!そもそも、『内側』に入られなければ、問題ないって事ですよね?それに、シールドの取り付け場所が任意で変えられるって事は、ナックルガードとしても使えるから、物凄く画期的な事なんですよ?」

 

ユカさんは、俺の傍に寄り添い俺を慰めてくれる。

 

この世界は、魔導科学の発展した世界。

 

だから当たり前の事ながら、俺みたいな凡人が考えつく事は、既に他の人間がやってる。

 

CQCで、可変シールドを使用するってのはこの世界じゃ、もう一般的な話なんだよね・・・。

 

何故なら、魔導具作成はイメージ力が、非常に重要になる。

 

こんな変態じみた能力がある可変式シールドを製作できる人間は、変態以外の何物でも無い!

 

そして、こんな変態じみた『魔導和傘』を、わざわざ創作する変態も、俺以外いないって訳だ。

 

因みに、思考を読み取って手元に戻って来る高位の魔導武器は、俺が持つ『No.13・DEATH』のタロットカードもそうだし他にも色々とある。

 

では何が、そんなに変態的なのか?

 

それは・・・。

 

「ユカちゃん、ちょっと『魔導和傘』の状態に戻してくれる?」

 

俺はユカさんに、そうお願いする。

 

「えっ!?はい!戻しましたよ?」

 

ユカさんが、さき程と同じ様に肩に『魔導和傘』を乗せて佇む。

 

「ユカちゃん、それが動いたらどう思う?」

 

俺はニコニコしながら、ユカさんに聞く。

 

「動く?どう言う事で・・・」

 

ユカさんの言葉が終わる前に、『魔導和傘』が、独りでにピョンと飛び跳ねる。

 

「きゃっ!?」

 

ユカさんの手元から飛び跳ねた『魔導和傘』は、柄の下部分に下駄を履き、傘の部分に真ん丸の目ん玉と口がが一つ付いており、口から長い舌が出ている。

 

「その『魔導唐傘おばけ』はね?雨の日は、ちゃんと傘としても使えるけど、戦闘補助も出来るんだ。で、どれ位の実力かと言うと・・・」

 

俺は次元収納から新たに標的を複数出して、離れた地面に突き刺して行く。

 

十個位、刺した所で俺は『魔導唐傘おばけ』に、声を掛ける。

 

「いいよ〜!」

 

『魔導唐傘おばけ』は、その場で回転しながら、丸鋸の様に標的の一つを粉微塵にし、ピタッと停まったかと思うと今度は己の下駄を飛ばして標的を粉砕。

 

そして、傘と柄に分離。

 

傘は丸鋸へ、柄は魔力刃を帯びた直刀の様になり、バッサバッサと標的を斬り刻んで行く。

 

あっという間に全ての標的を破壊し終わり、合体した『魔導唐傘おばけ』が、ピョンピョン跳ねて下駄を回収しに行く。

 

「り、リョウさん?凄く可愛らしいし、凄い攻撃力を持ってますけど、下駄は戻って来ないんですか?」

 

ユカさんが、『魔導唐傘おばけ』を見て感想を聞いてくる。

 

「ユカちゃん!版権問題とか大人の事情で、下駄が思考を読み取って足元に戻って来る仕様にしたら、大変な事になりかねないんだよ!?だから自分で、ちゃんと回収させるようにしたんだ!」

 

俺は、腕を組んでドヤ顔で説明する。

 

「ごめんなさい・・・。ちょっと、意味が分からないです。版権問題って何の話ですか?」

 

ユカさんは、困った様な顔で俺を見る。

 

「気にしないで!単にる、独り言だから!そうだ!ポポ、ミズキ、ヴェルダンディ!また売店まで、お願いして良い?」

 

「別に、構わない」

 

「僕も大丈夫!今度は、何を買って来れば良いの?」

 

「私まで、どうしたの?」

 

瑞とポポが笑顔で返事して、ヴェルダンディは、困惑しながら聞いて来た。

 

「ごめんね?今度は、瑞とポポ、それからポポの『猪八戒型の魔導鎧』とこの『魔導唐傘おばけ』、それからヴェルダンディも魔導通信機を持ってないから、魔導通信機を買ってきて欲しいんだ」

 

「主、私の分も?」

 

「お父さん、僕の分まで買ってくれるの?」

 

「リョウ?私まで良いの?」

 

「勿論だよ!だって何かあった時に、すぐ連絡が取れないと困るだろう?それにミズキとポポ、ヴェルダンディはまだ魔導通信機を、買ってなかったからね?丁度良いよ!デザインは、好きな物を選んでね?」

 

俺が笑いながら瑞とポポ、ヴェルダンディに言うと、三人はとても嬉しそうな笑顔で答える。

 

「主、有難う!大好き!」

 

「僕も!お父さん、大好き!」

 

「リョウ、愛してる!」

 

三人が、俺に抱きついてくる。

 

うんうん。

 

何ていうか可愛い娘と奥さんが、お父さんに抱きついてる。

 

そんな感じの光景だよね。

 

「しかし男は、幼気な少女二人と美魔女を値踏みする様な視線で・・・」

 

「ちょっと!哀さん!?変なナレーションを流さないでよ〜!」

 

「・・・しかし、男の必死な弁明も虚しく響くだけであった。二人の少女と美魔女を己の歪んだ欲望で支配せんとするその姿は、まさに現代の歪みが生んだ悲しきモンスターそのものであった。我々、取材班は今後も・・・」

 

「何で、ぼくをモンスター扱いするの〜!後、勝手に変な番組を終わらせようとしないで!?その重々しいBGMって、魔導通信機から流してるの!? 」

 

「リョウさん、唐傘ちゃんの分まで、買って貰えるんですか?」

 

ユカさんが、驚いた様な顔で聞いてくる。

 

「だって、ぼくが創った作品だからね?言わば、ぼくがお父さんみたいなものだよね?だったら、責任持たないと!」

 

「リョウさん!有難う御座います!私も、唐傘ちゃんと一緒に行って来ますね?」

 

ユカさんは、ニコニコしながら俺にそう言って、『魔導唐傘おばけ』と瑞、ポポとヴェルダンディと共に買い物に行こうとしたが、其処に待ったが掛かった。

 

「ちょっと、待つニャ!吾輩も、魔導通信機が欲しいニャ!」

 

セレネが魔導煙管を『ビシッ!』と、俺に向けて言い放つ。

 

「そうだね?じゃ、セレネも一緒に買い物に行ってくると良いよ!好きなデザインを選んでね?」

 

俺がセレネにそう言うと「じゃ、ちょっと行ってくるニャン!」と、みんなと一緒に出掛けて行った。

 

「お兄ちゃん!さっきの撮影シーン、編集し終わったよ!観る?」

 

めぐりちゃんが、ハンディカメラ的な魔導具を手に持って俺に話し掛けてくる。

 

「そうだね!みんな戻ったら、鑑賞会しようか?」

 

「因みに、編集内容なんだけどね?さっき撮ったお兄ちゃんの姿を『罪を犯す前の幸せな時間』として使って、その後にさっきのシーンを繋げて、最後にみんなが仲良くBBQしてるシーンで、エンディングにしたんだよ!」

 

なる程?

 

さっき俺を撮影してたのは、そんな編集をする為の物だったんだ?

 

でも、俺はセレネに性別を聞いただけなんだけどね?

 

 

 

 

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