異世界転生 作:魔導科学
外に出るには、ちょっと遅い時間だな。
何をしようかと考えて、俺はカオリと街の散策をする事にした。
まだまだ、この街は知らない事が多い。
面白そうな店を、冷やかすのも悪くない。
「カオリ、街を散策しよう」
「うん、まだ知らない事が多いしね」
カオリは俺のプレゼントした魔導光学ソードを、次元収納に仕舞い返事する。
「そう言えば、カオリの次元収納って、どれ位なんだ?」
「次元収納は、私の基になった素材がベースだから、リョウの300倍かしら」
マジか?!幌車の能力を、そのまま継承してるのか。
道理でキラーハウンドを、何十匹も収納出来た訳だ。
今後は、カオリの次元収納を借りて狩りをしよう。
別に、上手いこと言ったつもりは無いよ?
カオリと2人で街を散策していると、道の端に屋台の様な店を発見した。
この世界で、屋台なんて珍しいなと思い見てみると、[占いの館]と書かれている。
カオリが興味深そうに、店を眺めている。
「寄ってみるか?」
「良いの?有難う!」
2人で、屋台に近付くと「フシュー、プシュー」と、変な音が聞こえる。
暖簾を上げて中を覗くと、俺は直ぐに回れ右をした。
「カオリ、逃げるぞ」
「リョウ、どうしたの?」
「アレは、駄目だ!色々な意味で危険が危ない!」
「危険が危ないって、おかしいよ?何が、そんなに危険なの?」
「取り敢えず、早く行くぞ」
カオリを連れて、俺は逃げようとした。
しかし時すでに遅し、俺の肩をガシッと掴む、物凄い逞しい手の平が置かれている。
「フシュー、いらっしゃい、プシュー」
低い低音ボイスが響き、ゆっくり振り返ると、目の前にガスマスクみたいなのを顔に着けた、矢鱈とガタイのいい人物が居る。
こ、怖ぇ?!
「こんにちは!私達の相性を、占って下さい」
カオリは、笑顔で普通に会話してる。
俺は、それどころじゃ無い。
「フシュー、分かりました、お掛けください、プシュー」
「リョウ、座ろう?どうしたの?固まって?」
「うん。いや、大丈夫」
俺は、緊張しながら席に着く。
「フシュー、始めます、プシュー」
「はい、お願いします!」
店主が、目の前の水晶球に手を翳す。
「フシュー、相性は、とても素晴らしい、男性の方は、女性運に混乱有り、プシュー」
女難の相ありか、うん、何となく分かる気がする。
「リョウ、女性運に混乱って一体、誰に何したの?」
「それは、今朝の話の延長か?」
そんな事を話していたら、占い師が俺の方を向いて静かに言った。
「フシュー、貴方は、前世の記憶がある、プシュー」
「いや〜、そんな事は無いですよ?きっと勘違いですよ、アハハ!さ、帰ろう」
怖っ?!
何で前世の記憶がある事を、言い当ててくるの?
俺はカオリの手を取り、逃げる様に屋台を出た。
代金は、ちゃんと支払われているから問題無い。