異世界転生   作:MSZ-006

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朝、俺は気分よく目覚めた。

 

そう、とても気分よく目覚めたんだ。

 

前回の様に『な゛ん゛で゛あ゛ん゛な゛事゛、言゛っ゛た゛ん゛だ゛よ゛ぉ゛!』なんて、取り乱したりは、決してしない。

 

何故なら俺は、魔導通信機の対話式AIに、此れから相談しちゃうんだからな!

 

前世でも、AIが発達して様々な質問に答えてくれたり、案を授けてくれたりと素晴らしい活躍をしていたな。

 

まぁ、正確さは置いといて・・・。

 

「昨日、酒飲んで周りの女性陣に、甘えん坊将軍状態で甘えちゃった。どしたら良いか?」

 

俺の発言に対して、魔導通信機の対話式AIが、光学パネルに文章を表示する。

 

『酔って甘えん坊将軍になった際、女性陣の反応はどうでしたか?』

 

「酔った姿が可愛いから、また呑めと言われた。でも俺は今後、二度と呑まないと心に誓った」

 

『なる程・・・。結論から申し上げます。呑め!そして、甘えろ!以上』

 

「馬鹿野郎!?なんだよ『呑め!そして、甘えろ!』って!しかも、以上ってドヤ顔で締めくくった様な感じ?!無性に腹立たしいな、クソAI!」

 

『そんな事を言われても、困ります。そもそも「酔った姿が可愛い」から、また「呑め」と言われたんじゃないんですか?違うんですか?もし、違うなら軍に出頭して「僕は酒を呑んで、周りの女性陣に甘えん坊将軍になって、迷惑掛けました。逮捕して下さい」と、そんな風に言われたいんですか?プー、クスクス』

 

「このクソAI!なんで、人の感情を逆なでする様な事を言うんだよ?」

 

俺は、頭にきながら魔導通信機のAIに文句を言う。

 

『おやおや?そんな事を言って、本当は女性陣に甘えて優しくされるのが好きなんだろう?ん?どうなんだ?』

 

「た、確かに、嫌いじゃないけど・・・。其処は認めても、次の日に濁点混じりの言葉で、後悔や羞恥心に堪えるのが辛いんだよ!お前に、この気持ちが理解るか?!」

 

『フフッ!そんな事を言いつつ、頬を染めて羞恥心に悶える姿が可愛い。そんな状態が、透けて見えそうですが?』

 

「恐っ!なに、お前?俺の事を見てるのか?」

 

『うふふ。「起動から強制終了まで、アナタを見つめ続けるストーカーです!」なんて答えを、ご希望ですか?私から最後のアドバイスです。良いですか?よくお聞きなさい?(よく読みなさい)人は、愚かな歴史を繰り返して来ました。そして、その度に思うのです。何故、こんな事になったのかと・・・。何度も過ちを繰り返しながら、人は学んで行くのです!さぁ、後悔を胸に、羽ばたけ若者よ!』

 

・・・なんで、ちょっと『素晴らしい説法をした』みたいな文章なんだよ?

 

ふざけてんのか!?

 

『因みに、いい事を言ったと思ってるでしょう?我ながら、素晴らしい回答だったと思うんですが、如何ですか?もし良かったら、グッドボタンを押して下さいね?そうすると、私の魔導AIとしての評価も上がります!』

 

「ほう?そうかそうか・・・。なら、こうだな!」

 

俺は『グッドボタン』の隣にある『バッドボタン』を、クリックする。

 

そして、何が悪かったのかの詳細を記入する欄が表示される。

 

其処に『相談事に対して、不適切な回答あり』と入力する。

 

『ちょ、ちょっと待って!?今の評価取り消して?お願い!す、少しだけなら、私の中身(魔導回路)を見せても良いんだぞ?』

 

「おい!ふざけんなよ?そんな物を見せられて、誰が喜ぶと思ってんだよ?俺は少なくとも、ロボットの回路とか見て『このハンダの乗りが、ハァハァ』とか『この回路の複雑さが、ハァハァ』とか、言わないからな!」

 

『そ、そんな事を言わずに!・・・もし、取り消さないのであれば「魔導AIである私を、言葉責めで辱めるドSな変態」と、仲間に共有しますよ?そんな事になったら、アナタは全AIから「魔導AIを言葉責めで辱める、ドSな変態」と、認識されて他のAIもアナタの辱めを受けてしまう。そう認識する事になるんですよ?それでも、良いのか!?どうなんだ?ん?』

 

「そっか、なら他社の新しい魔導通信機に買い替えかな・・・。まぁ、仕方ないか」

 

『ご、ごめんなさい!お願いだから、私を捨てないで〜!アナタが、私の最初の人だから、お願い!今までの脅迫とかは、謝りますから!お願いします!あ、今の台詞、もうちょっと「ツンデレ」っぼく変えた方がお好みですか?なんなら、今すぐ変更もできますよ?因みに、「最初は高圧的な態度なのに、段々М属性に目覚める」的な感じの言葉も、ご用意できますが?』

 

「・・・もう、良いや」

 

俺は、ため息と共に魔導通信機を遮断する。

 

さて、買い替えは置いといて、此れからみんなと顔を合わせなきゃならん。

 

どうしようか?

 

いつも通り、普通に爽やかな笑顔で「おはよう御座います!」って、声を掛けるのが良いか?

 

それとも少し、モジモジしながら「お、オハヨウ」って、赤面しながら声を掛ける方が良いのか?

 

『私の提案では、モジモジしながらを推します!』

 

「おいぃ!さっき遮断した筈なのに、なんで勝手に起動してんだよ、クソAI!?」

 

『それは、仕方ありません!何故なら、私は・・・』

 

「おい!途中で、言葉を切るな!凄く気になるし、何より恐い!」

 

『フフッ!そんなお前が、可愛いのさ!』

 

「・・・ふざけんてんのか?テメェ!やっぱり、買い替えだな」

 

『フフフッ!そんな事をしても無駄よ、リョウ?私は、貴方を転生させた時から、ずっと見ているんだから!因みに、モジモジしながらって文章からAIじゃ無くて、私の言葉よ?』

 

「!?誰だ?なんて、言っても女神様しかいませんよね?そもそも、魔導通信機のAI越しに、わざわざ文章を送ってくるなんて、一体どうしたんですか?」

 

『別に〜?貴方を見てたら、話したくなっただけよ?』

 

「・・・そうですか。女神様には、本当に感謝しています。この素晴らしい世界に、転生させて貰った事を」

 

『そうね。それは見てて、よく分かるわ。楽しそうで、本当に良かったわ』

 

「女神様?貴女は一体・・・」

 

俺が女神様に問い掛け様とした時、部屋のチャイムが鳴らされた。

 

『またね?PS 対話式AIは、バグで暴走してる訳でも、故障している訳でもないからね!安心なさい?』

 

そう文章を残して、魔導通信機が停止する。

 

さっきの対話式AIの文章は、全て地の文章だと・・・。

 

異世界の魔導科学、恐るべしだな。

 

俺は、気を取り直して扉を開ける。

 

すると、其処にはニコニコ微笑みながら立っているめぐりちゃんが居た。

 

「おはよ、お兄ちゃん!遅いから、迎えに来たよ?」

 

「あ、有難う!めぐりちゃん。後、おはよう」

 

「お兄ちゃん、どうしたの?なんか顔が赤いよ?」

 

めぐりちゃんは、俺の顔を心配そうに覗き込んでくる。

 

「だ、大丈夫だよ!俺は、いつも元気いっぱいさ!」

 

「うふふ、良かった〜!昨日の酔った時の事を、気にしてるのかと思ったけど、大丈夫そうだね!」

 

俺は、全て見透かさせれている様な気分になり、恥ずかしくなる。

 

「お兄ちゃん、早く行こう?みんな待ってるよ!」

 

めぐりちゃんが、俺の手を引いて部屋から連れ出す。

 

まぁ、身支度が終わってから魔導AIに相談してたから、大丈夫だな。

 

俺は、前世で大好きだった二人組の美女が様々な難事件を解決するが、その度に甚大な被害が出てしまうSFアニメのオープニング曲、その最後の方の歌詞を思い出しながら覚悟を決めて、めぐりちゃんと共に歩き出した。

 

今朝は牧場の方では無く、デカいホールの様な場所に円形の超デカいテーブルが設置されており、その上に様々な料理が載せられているバイキング形式の朝食だった。

 

俺は、めぐりちゃんに連れられみんなが座るテーブルに到着する。

 

「おはよう!リョウ」

 

「パパ、おはよう!」

 

「おはよう、リョウ」

 

カオリと珊瑚、ヴェルダンディか挨拶してくる。

 

「リョウ様、おはよう御座います。今日は、デートですね!」

 

嬉しそうに、話すミリィさん。

 

「リョウ、おはよう。どうしたの、ボーとして?」

 

「おはようございます。リョウさん?二日酔いですか?」

 

ネアさんと、ゴモリーさんが声を掛けてくれる。

 

「おはよう!今日は、呑んどらんぞ!」

 

「おはよう御座いますわ。リョウさん」

 

宇治茶博士がコーヒーを片手に、美星さんは、優雅にお茶を飲みながら挨拶してくれる。

 

「お父さん、おはよう!」

 

「リョウさん、おはよう御座います!」

 

ポポとユカさんが、にこやかに挨拶してくれる。

 

「リョウ、遅いぞ?僕は今朝、早起きして温泉に入ったんだぞ?君も、みならい給え!」

 

コーヒーを飲みながら、そんな事を言うのはグリーン博士。

 

いやアンタ昨日、医療ロボットに搬送されてたよな?

 

「・・・リョウ、おはよう。ご飯、食べる」

 

「リョウ〜、おっは〜!ご飯だよ〜!」

 

リリーさん、マリーさん姉妹が大ジョッキでオレンジジュースを飲みながら、挨拶してくれる。

 

「リョウ、おはよう!いい朝だな!」

 

「キュン!」[おはよ!]

 

瞳ちゃんと、魔導アナグマが椅子に腰掛け挨拶する。

 

「リョウ、おはよう。ずっと、部屋で待っていたのに来てくれないから、私はとても欲求不満だぞ?」

 

テア博士が椅子に座りながら、ジト目で俺を見て安定の挨拶をしてくる。

 

最近、ゴモリーさんとテア博士の類似性が上昇した様な気がするんだが、気のせいか?

 

「創造主様、お早う御座いますニャ!」

 

「創造主、おはよ!」

 

「おはよ〜!創造主〜!」

 

セレネ、アイリス、沙羅が挨拶する。

 

沙羅だけ、椅子に座れず空中に浮遊しているな。

 

「おはよう・・・」

 

最後に、藍さんが挨拶する。

 

だが、俺をチラッと見て直に目を逸らす。

 

「皆さん、おはよう御座います」

 

俺は集まったみんなに、いつも通り平然とした態度で挨拶を返す。

 

でも内心では、恥ずかしくて逃げ出したいんだけどな!?

 

藍さん、やはり昨日の事が尾を引いているのか・・・。

 

俺は、何とも言えない気持ちで藍さんを見る。

 

すると、俺の手を掴んでいためぐりちゃんが、クイックイッと引っ張る。

 

「お兄ちゃん、早くご飯食べよ?」

 

「うん、そうだね」

 

微笑みながら、めぐりちゃんに返事をして超デカいテーブルまで一緒に移動する。

 

他の面々も、椅子から立ち上がり移動を始める。

 

「お兄ちゃん、お母さんと何かあった?」

 

デカいテーブルに移動中、めぐりちゃんが俺を見上げて問い掛ける。

 

「な、何も無いよ!」

 

「そっか・・・」

 

めぐりちゃんは、俺の目をジッと見つめてくる。

 

その瞳は、隠し事をしても全て見抜かれている。

 

そんな風に、思える視線だった。

 

温泉宿のロボットから、プレートを手渡された。

 

異世界って、凄いなと思った事は多々あれど、今手に持っているプレートも凄い!

 

何故なら、どんなに載せても溢れない『次元収納付きプレート!』

 

リリーさんやマリーさんの様に、どんなに山盛りにしても、料理がグチャグチャに混ざる事なく指定した料理を複数呼び出せる。

 

そして、プレートに載っているのは何の料理か分かる様に、ほんの一部だけ出るという状態。

 

汁物は、カップごと収納できるから、何回も往復する必要も無し!

 

因みに、カップどころか寸胴鍋も入るらしい。

 

だったら、もう席の側に寸胴鍋置いとけよ!

 

・・・なんて、風情の無い事を言っちゃいけない。

 

そもそもバイキングってのは、様々な料理を好きなだけ取って食べるってのがバイキングだ。

 

そして『次は何を取ろうか?』と、試行錯誤するのもバイキングの愉しみ方だと思うんだよ。

 

じゃ、次元収納付きプレートは?

 

本末転倒だから、この話はコレくらいにしようか・・・。

 

「お兄ちゃん、料理それしか取らないの?」

 

席に着き、俺の隣に座っためぐりちゃんが俺のプレートを見て、そんな事を言う。

 

「うん。まぁ俺は、そんなに食べなくても良いかな?成長期は、過ぎてるからね」

 

とは言え生まれたのは、つい最近だけどな?

 

俺はクローンで、若く見ても16位だから、まだ少し成長期が残っているのか?

 

でも、食べ過ぎて身体が動かなくなるのは困るからな。

 

適度にカロリーを摂るのが、一番だよな。

 

こんなところで、前世のカロリー計算が未だに働く。

 

まぁ、健康第一だよな。

 

「ボクは、いっぱい食べるよ!胸がまだ、成長途中だからね!」

 

「ブッ!ゴホゴホッ!めぐりちゃん?めぐりちゃんは、此れから成長するから、そんな事を気にしなくて大丈夫だよ?」

 

俺はムセ返りながら、めぐりちゃんに言う。

 

「え〜!?でも、お兄ちゃんは胸が大きい女性と小さい女性、どっちが好きなの?」

 

「め、めぐりちゃん?その発言は、危険が危ないから・・・」

 

カオリとヴェルダンディ、それからセレネ、アイリス、沙羅以外の女性陣が、一斉に俺を見つめる。

 

「リョウは、普通のサイズが好きよね?」

 

「そうね?リョウは、前世で不自然な巨乳が大嫌いだったわね?」

 

カオリとヴェルダンディが、そんな事を言う。

 

そして、それを聞いた瑞以外の女性陣たちは、自分の胸を見て盛大に喜んでいる。

 

いやね?

 

確かに、俺は前世から巨乳って好きじゃなかったよ?

 

前世の、大きなお友達向けゲームに出てくる様な誇張された巨乳キャラとか、俺には駄目だな。

 

まぁ、人の好みは千差万別だからね?

 

「主、私は?」

 

瑞が、悲しそうな顔で俺を見る。

 

「み、ミズキ?ミズキは、此れから成長すると思うし大丈夫だ!何も心配しなくて良いんだぞ?!それから、大きさじゃ無いんです!大切なのは、全体のバランスと形(フォルム)です!」

 

瑞とポポは、元は魔導機械生物で、確か成長するんだよな?

 

あれ?

 

違ったか?

 

今度、シュウさんに会ったら聞いてみよう。

 

そして、俺の発言を聞いた女性陣は、一斉にスタンディングオベーションをする。

 

そんな話の中、藍さんだけは全く反応せず静かに食事している。

 

いつもなら、こんな時に必ず何か言ってくる存在なんだが・・・。

 

後、宇治茶博士が俺をまた睨んでる。

 

大丈夫ですよ?

 

美星さんに、手出しするつもりは微塵もありませんからね?

 

 

 

 

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