異世界転生 作:魔導科学
リリーさんの店を出て、暫く街を散策し部屋に帰ったが、カオリと珊瑚はまだ戻っていない。
俺は弘崎君に連絡する為、魔導通信機を起動する。
『・・・私だ』
「こんばんは、リョウです。今、話して大丈夫ですか?」
『リョウさんでしたか、失礼しました。てっきり、組織からの連絡かと思って』
「いえ、良いんです。俺は極秘任務を依頼する大統領や組織の人間なんかより、多くの秘密を共有する弘崎君の同士ですから」
『リョウさん、やっぱカッコイイっす!』
「アハハ、例の件なんですが、上手く行きました。会うと約束してくれましたよ」
『ま、マジっすか?』
「いつが良いですか?弘崎君の都合を聞いてから、また話をしてみますけど」
『俺は、店が終わればいつでも大丈夫です』
「そうですか?では今日行った店に、一緒に行きたいと思います」
『分かりました。基本的に瑠璃の家は二日営業して、一日休みなので明日は休みですね』
「有難う御座います。では、また詳しく話を纏めて連絡しますね」
『はい、お願いします』
そう言って通話を終えると、カオリと珊瑚が帰って来た。
「お帰り」
「ただいま〜」
「珊瑚、昨日はゴメンな。此れで、許してくれないか?」
俺は、加工して貰ったミラージュスパイダーのネックレスを見せる。
「・・・ピィ、ピピィ」
「綺麗ね!良かったわね、ピィちゃん!」
どうやら、気に入って貰えたらしい。
珊瑚の首に、ネックレスを着けながら「カオリ、明後日の夕方にリリーさん達と、出掛ける事になると思う」と言って、弘崎君の事とリリーさんを合わせる話をした。
「そう、リリーさんが迷惑じゃ無きゃ、良いと思うけど」
「勿論、確認は取るし、無理強いはしないよ」
「ピピィ、ピィピィ?」
珊瑚が俺に何か言っているが、俺は未だに理解できない。
「そうだ!ピィちゃん、此れ!」
カオリが珊瑚のネックレスに、小さな苺型のアクセサリーを取り付ける。
「ピィ!」
珊瑚が目の前に現れた、光学ディスプレイを操作し画面を見せる。
[パパは、異世界人?]
「おぉ!此れで、意思の疎通ができる!そうだよ、俺は異世界からの転生者なんだ。有難う、カオリ。此れは?」
「魔導通信機よ。ピィちゃんと話せないかと思って、店を回ってみたの。そうしたら、魔導通信機で出来るって言われたの」
今度は、手を触れなくてもディスプレイに文字が流れる。
[そうなんだ。でも、私のパパである事に、変わりはないよね?]
「当然さ、俺は珊瑚のパパで、カオリは珊瑚のママさ!」
[有難う!]
「便利だな。此れで、文章の送受信が出来れば完璧だな」
「出来るわよ?」[出来るよ?]
「え?そうなの?」
「リョウ?魔導通信機を買った時、説明を聞いてた?」
「いや〜、実は良く聞いてなくて」
「魔導通信機は、通話以外に文章を送受信する機能もあるって、お店の人に説明されたわよ?」
「マジか?!」
「リョウって、ちょっと抜けてるわよね」
[パパ、説明書とか読まないタイプ?]
「すまない、そうなんだよ。取り敢えず、弄って覚える感じだな」
その後、カオリに文字の送り方を教わった。
因みに、最初に設定さえしてしまえば、頭の中で考えた文字を送信する事や、ディスプレイに表示する事も可能なんだって、凄いね。
その他にも、色々な機能があるらしいけど、通話とメールが出来ればそれで良いか。