異世界転生 作:魔導科学
「御馳走様でした。河野さん」
俺は、河野さんに礼を言うと、カオリと珊瑚も礼を言う。
ウチは、礼儀を重んじる家族なんだよ。
「いや、喜んで貰えて良かったよ。俺は、ちょっと用事を済ませてくる。1時間後、宿泊施設前で合流しよう。今度は、魔導ジェットじゃ無く車で行く」
「分かりました」
河野さんと別れた後、俺達は施設ランドの外にある売店コーナーに寄り、ミッシェルさん宅に持っていくお土産を購入する。
まだ、入った事が無いから、今度はカオリと珊瑚を連れて行こう。
待ち合わせの場所に到着し、俺の武装を次元収納に仕舞っていると、車を運転して何時もよりキリッとした格好で、髪型をキメた河野さんがやって来た。
俺達には、普段着で良いと言ってた癖に、自分だけ着替えたのか?と、思っていたら「今日は、重大な日になる」と、何やら意気込んでいる。
「結婚式には、呼んで下さいね?」
カオリが何やら察して、河野さんに告げる。
「上手く行ったらな」と、河野さんは答える。
いやはや、転生してから色々な事が有ったが、御目出度い日になってくれると良いな。
「行こうか。今度は、時間が掛かるぞ」
そう言って、河野さんが車に乗り込んだ。
車と言えば、タイヤで走るのを想像するよね?
いや、最初はタイヤで走ってたよ?
でも、砂浜から海の方に向かって行くから、心中でもするのかと焦ったら車が浮き出した。
道理で、運転席が一人で座る仕様な訳だ。
車の機構が作動し、タイヤが収納されてホバークラフト化した。
「コイツは、俺が開発した逸品でね。エアカーなんだが、変形機構を組み込んだのさ。格好いいだろう?」
その気持ち、分かるよ!
やっぱり、変形とか合体は大事だよね!?
「だったら、最初からエアカーで良くないですか?」
「ピピィ?」[確かに、変形する必要は無いよね?]
「・・・カオリ、珊瑚?それは違うぞ!男には、自分の世界がある」
「リョウ、それは歌の歌詞よね?でも、言いたい事は分かったわ」
「ピィ!」[パパは、少年の心を持っているんだね!]
有難う珊瑚、いい事を言ってくれる。
「そうね。男は、幾つ年齢を重ねても子供ね。だから、女は苦労する。ピィちゃんも、きっと大変よ?」
「ピィ!」[でも、パパは可愛いから、大丈夫!]
「リョウ、さっきの言葉は格好いいな!男には、自分の世界があるか。歌なのかい?」
「えぇ、まぁ知り合いから聞いた、歌の歌詞でして・・・」
「そうか!是非、聞いてみたいな!」
「そうですね。機会があれば頼んでみます」
俺は河野さんに、転生者である事を明かしていない。
別に秘密にする必要は無いが、言った後どうなるのか分からない。
リリーさんは、河野さんに転生者である事を話したと思う。
けど、河野さんは興味深い話としか捉えていない。
俺が転生者であると分かった時、人体実験なんぞされたら堪らん。
流石に、それは無いと思うが。
今は、此の問題を先延ばしにしておこう。