異世界転生 作:魔導科学
「寝てるって、何故ですか?」
俺は、先ほどの音も気になるので聞いてみた。
「簡単な事です。私がハリセンで殴りました」
ミリィさん、貴方が犯人ですか?
「そもそも、妹の誕生会なのに、私に結婚を申し込むとか。どう思われます、リョウ様?」
「いや、あの何と言いますか」
「まぁ!河野君が、やっと?」と、ミッシェルさんが嬉しそうに言う。
「そうか、来るときが来たか」と、シュウさんが感慨深く言う。
「お姉ちゃん、どうするの?」と、ミラちゃんが興味津々で聞いている。
「取り敢えず、保留ね。そもそも、何で今日にするのかしら?もうちょっと、考えて欲しいわね」と、普通に話すミリィさんが珍しく、俺は見入ってしまった。
「何ですか?訴えますよ?」
「申し訳ありません。ミリィさんが、余りにも美しくてつい」
「リョウ様は、相変わらずですね」と、メガネをクイッと上げながら、ミリィさんに言われる。
「お姉ちゃん、照れてるの?」
「べ、別に、照れてないわよ?ミラ、パーティーの準備が出来たそうよ」と、頬を赤くしたミリィさんが、ミラちゃんに言った。
「は〜い、珊瑚ちゃん行こう!」
ミラちゃんが、珊瑚を抱っこして部屋を出て行く。
「河野君、大変ね」
「強敵だな」
と、夫婦で何やら会話している。
部屋を出て、広い食堂に着くと、大きなテーブルの上に、沢山の料理が並べられている。
「今日は、立食形式にしたんだ。楽しんで欲しい」と、シュウさんに言われる。
「お客様もいるから、席に座るより良いわね」と、ミッシェルさんが言う。
「家族だけだと、立食なんてしないからね」
「私は、立食の方が好きだけどね」と、ミリィさんとミラちゃんが話している。
休憩用に置かれた椅子を見ると、河野さんが気を失っている。
「起こして参ります」と、サリーさんが河野さんに近付き、声を掛けている。
ハッとして目覚めた河野さんは、周りを見て場所を移動したのを理解した様だ。
カートにケーキと飲み物を載せて運んで来たメイドさんが、俺達に飲み物を渡してくれる。
「今日は娘の誕生会に集まってくれたことに感謝する。ささやかだが、料理を用意した。皆、楽しんで欲しい。・・・ミラ、挨拶しなさい」
シュウさんが、ミラちゃんの隣に立ち挨拶をする。
「はい、今日は私の誕生会を開いてくれて、有難う御座います」
「では、皆さん。グラスを持ってね?ミラ、誕生日おめでとう!」
ミッシェルさんが、乾杯の音頭を取る。
「ミラ、おめでとう!」
「ピィ!」[おめでとう御座います!]
「誕生日、おめでとう御座います!」
「おめでとう御座います!」
「ミラちゃん、おめでとう!」
「ミラ、誕生日おめでとう!」
「皆、有難う!」
こうして、パーティーが始まった。
料理を食べながらプレゼントは、いつ渡そうと考えていると、ミリィさんがプレゼントを持って、ミラちゃんの所に行く。
「ミラ、おめでとう。此れは、私からよ」
「有難う!お姉ちゃん、開けていい?」
「いいわよ」
ワクワクしながら、プレゼントの箱を開けるミラちゃん。
「綺麗!」
箱の中には5センチ程の、光を反射する粉が舞う水晶玉の様な物が台座に乗っている。
「ミラ、魔力を流して」と、ミリィさんが言って、食堂の明かりを暗めにする。
ミラちゃんが、言われた通り魔力を流すと、水晶玉が光り周りを照らしている。
「明かりを灯す魔導具で、魔力は自動充填、任意で点灯消灯が出来るのよ」
「有難う!お姉ちゃん!」
部屋の明かりが戻り、次に動いたのは河野さんだった。
「ミラちゃん、誕生日おめでとう。俺からは、此れだよ」
「河野さん、有難う御座います!開けていいですか?」
「うん、開けて見てくれ」
「有難う御座います!河野さん、似合いますか?」
そう言って、河野さんのプレゼントを髪に留めるミラちゃん。
「うん、よく似合ってるよ」
俺が行こうかなと思ったら、珊瑚とカオリが先に動いた。
「ピィ」[お誕生日、おめでとう御座います。プレゼントです]
「ミラさん、誕生日おめでとう!私からは此れ」
「有難う御座います!珊瑚ちゃん、カオリさん!開けていいですか?」
「うん、勿論!」
「ピィ・・・」[気に入って貰えると、いいんですが・・・]
「可愛い!素敵!!珊瑚ちゃん、カオリさん有難う御座います!」
珊瑚が渡したポシェットを、ミラちゃんは嬉しそうに肩に掛ける。
カオリの渡したネックレスは、ちょっと大人びたデザインで、凄く似合っている。
「それでね、そのネックレスは魔力を流すと、ある程度の物が収納出来るんだけど、今はまだ何も入って無いから、緊急用の好きな武器を其処に入れてね?因みに、取り出す時に激しく発光するから、目潰しには持って来いよ!装着者には、害が無いから安心してね。掛け声は、ハニ○フラッシュ!よ」
なる程、護身用具ってそういう意味か、でも掛け声は必要なのか?
「カオリさん、掛け声は必要なんですか?」と、ミリィさんが聞く。
「ごめんなさい。掛け声は、冗談よ」
「ハハハ、だが丁度いいな」
シュウさんが、ミラちゃんの側に来て言った。
「私からのプレゼントは、此れだよ」と言って、渡したのは約100センチ程のリボンを付けた白い鞘の細剣だった。
「有難う!パパ!」
「ミラ、ちょっと剣を抜いてみなさい」
「うん、分かった」
ミラちゃんが、細剣を鞘から抜く。
「わぁ!凄く軽い!何だか、身体の一部みたい!」
うん?
ひょっとして、高位の魔導武器か?
「そうか、良かった。その剣は扱いが難しいが、馴染めば恐ろしい力を発揮する・・・。ミラなら、使いこなせるさ。私の子だからな。名前はキャリバーン。カオリさんから貰った、ネックレスに仕舞うと良い」
シュウさんは満足げに目を細めると、ミラちゃんの頭にそっと手を置いた。
「有難う!パパ!そうする」