異世界転生 作:魔導科学
「リョウ、不定期開催のイベントって、何だろうね?」
「分からんな。まぁ、楽しいなら良いか」
俺とカオリが、そんな会話していると、無人車両が停車した。
アトラクションに、着いたのかな?
「オーホッホ!よくお聞き、此の施設ランドは我々、悪の組織アクラツーが占拠した!命が惜しくば、逆らうな!」(イベントですので、参加したくないお客様は、お申し付け下さい)と、看板を持った悪の組織の手下が近くに居る。
「私は悪の組織の幹部、ファム・ファタル様だ!お前いい男だね、此方に来な!」と、エッチな衣装に身を包んだ女幹部が俺を指差す。
「え?俺?」
後ろを振り返るも、誰も居ない。
そんな事をやっていたら、手下が俺の両脇を掴み、車から丁重に降ろされる。
小声で、足元にお気をつけ下さいとか言われると、イベントなんだなと実感する。
「此のイケメンは、私が預かった!返して欲しくば、我々のアジトまで来い!」
《因みに、お時間は大丈夫ですか?》と、手下が看板を出す。
「あ、はい。一応、夕方まで大丈夫ですけど・・・」
「では、行くぞ!」と、エッチな衣装の女に、俺は腕を組まれる。
どうしよう?
助けて〜とか、言った方が良いのかな?
でも何か、カオリとミリィさんの俺を見る目が、怖いんだよね?
ピィ?[パパ、連れて行かれた?]
「そうね、ピィちゃん」
「悪の組織に囚われた、お兄さんを助けに行かないと!」
「リョウ様は後で、お仕置きですね」
「ミリィさん、私も参加します」と、カオリがミリィさんと話しているのが聞こえる。
ちょっと、待って?
俺は、悪の組織に囚われただけだよ?
決して腕を組まれて、ちょっと嬉しいとか考えて無いよ?
「ミラ、リョウ君を助け出さないとね」
「そうだな。きっと、彼は助けを待っているぞ」と、夫妻は乗り気だ。
「お前達、やっちまいな!」と、女幹部が俺の腕をギュッと締め付けて、手下に指示する。
腕に、柔らかい感触が。
「リョウ、覚悟しなさい?」
「リョウ様、後でお仕置きです」
[・・・パパ、最低]
「いや、俺は捕まっただけだよ?」
「あらあら、リョウ君、大変ね〜」
「これが、若さか」
「お兄さん、待っててね?必ず助けに行くからね?」と、純粋なのはミラちゃんだけか。
「まあ、大変!悪の組織、アクラツーが人質を取ってる!皆さん、此れを使って下さい!」と、何処かから現れた施設の係員が、皆に玩具の光線銃を渡している。
「此の光線銃で、アクラツーの手下をやっつけて下さい!ポイント制で、一番ポイントが高い人には景品が有ります!」
周りから、わらわらと手下が現れて皆を囲む。
「久しぶりに、血が騒ぐな」
「そうね、昔を思い出すわね」と、アスナ夫妻が笑っている。
「こんなに、いっぱい!」と、ミラちゃんは驚いている。
「さて、ピィちゃん。頑張ってパパに、お仕置きしましょう?」
ピィ![うん!]
「私も、頑張りますよ」と、カオリ、珊瑚、ミリィさんが言っている。
俺、捕まっただけなのに、お仕置きなの?
あれか?
敵に捕まる間抜けは、お仕置きだ!って事か?
決して、女幹部の柔らかい感触に喜んでるから、お仕置きじゃ無いよね?
戦闘が開始され、俺は女幹部と二人で施設ランドを歩いている。
「あのファム・ファタルさんは、お勤めされて長いんですか?」
「私は、悪の幹部よ?もう何年も、幹部をやっているんだからね?」
「そうでしたか、大変なお仕事ですよね」
「・・・分かって貰えるの?」
「悪の組織は言わば憎まれ役、小さな子供とかだと泣かれたりして、大変だと思いますよ」
「そうなんです。でも、悪の組織だから、下手に優しく出来ないし、本当は子供が好きだから、泣かせたくないんですけど、でも私は此の仕事が向いていると思ってますし、何より役者として仕事をして行きたいんです」
「偉いですね。そんな幹部様には俺から、ご褒美です」と、俺は戦闘が始まった後に、露店で買ったお菓子を一つ渡す。
「あ、有難う御座います!」
ファム・ファタルさんと雑談しつつノンビリと歩いていると、手下の一人が観光客に何やら話し掛けられている。
おそらく、イベントの説明をしているのだろう。
「お兄さん!」と、ミラちゃんが走って追い掛けて来た。
「何ぃ!手下達は、もうやられたのか?仕方無い、次だ!」そう言って、ファム・ファタルさんに手を引かれ、近くの無人車両に乗り込む俺達。
「オーホッホ!悔しかったら、追い付いてみなさい!」
「まあ、大変!アクラツーが人質を連れ去ったわ!皆で、後を追いましょう!こんな所に丁度良く、レーシングカートが置いてある!」と、説明する係員。
今度は、レーシングカートに乗ってレースかな?