異世界転生 作:魔導科学
「何かな?」
シュウさんが、職員と話をしている。
俺は、カオリ達から説教中だ。
ミラちゃんは、ミッシェルさんと二人で係員から、景品を受け取っている。
最初の敵を倒した数は、シュウさんが一番で、レーシングカートの一番はミラちゃん、最後の迷路はミッシェルさんが一番だった。
「なる程、では話を聞こう」と、シュウさんが職員に言っている。
何かあったのか?
「リョウ君、世界的に有名な映画監督兼俳優が、施設ランドに来ているらしい。先程のアトラクションを見て、我々を新しく作る映画に使いたいそうだ。その話を、私が聞いて来るが構わないかな?」
「ひゃい、お願いしまふ」
俺は、カオリにほっぺたを抓られなら答える。
「では後ほど、合流しよう」
そう言って職員と共に、シュウさんは離れて行った。
「面白かったね!まだ、時間があるから、次は何処に行く?」と、ミラちゃんがカオリと珊瑚、ミッシェルさん、ミリィさんに相談している。
俺は、黙って着いていくよ?
色々見て回って、暫く経った頃、ミッシェルさんがシュウさんと通話している。
「リョウ君、お昼ご飯なんだけど、監督さんが私達も一緒にって言ってるらしいの?どうする?」
「皆が嫌じゃなければ、俺はついて行きますよ?」
「分かったわ。皆はどう?」
「私は、構わないわ」
「お姉ちゃんが行くなら、私も行く!」
「私とピィちゃんも、御一緒します」
「じゃ皆、良いわね?職員さんが迎えに来てくれるから、待ってましょう」
待っていると、すぐに職員が乗った小型バスがやって来た。
「此方に、ご乗車下さい。レストランまで送迎します」
施設ランドの特別レストラン。
此処は、一部のVIPしか入れない場所らしい。
らしいと言うのは、来たのが初めてで、職員から説明されなきゃ分からなかったから。
レストランに着くと、どういう訳かシュウさん以外に、悪の組織の首領キョアクさんと、幹部のファム・ファタルさんも席に着いてシュウさんを含めて、監督らしき人物と何やら話し込んでいる。
「お客様を、お連れしました」
「有難う」
職員が監督らしき人物にそう言って、帰っていく。
「皆、揃ったな。はじめまして、私は映画俳優兼監督をやっているスティーブン・セニョールだ」
身体がガシッとした初老の男性が立ち上がり、皆と握手した。
「新しい映画の撮影で施設ランドに来たんだが、其処で君達を見付けた。そして、私は思った。人質と敵幹部に芽生える恋心!素晴らしいとは、思わないかね?特に君達が道を歩きながら、お菓子を渡したシーン、アレは素晴らしい!」と、どうやら俺がファム・ファタルさんに露店で購入した、お菓子を渡す所を見たらしい。
そういえば、人が見てたっけ?
その後、監督はアトラクションの流れを確認し、此方にコンタクトを取るべく動いたそうだ。
俺は、この世界に転生してから映画を観た事が無いが、スティーブン・セニョールさんは昔、日本に住んでいて合気道を師範まで修得。
その後、帰国して映画俳優になり、東洋の不思議な技を使うアクション俳優で、人気になったそうだ。
監督は、俺達の後を着いてアトラクションを眺めて、ミラちゃんのカーチェイスの素晴らしさを説明し美人揃いだから是非、映画に出演して欲しいと頼まれた。
世界的な大企業の社長であるシュウさんを、セニョールさんは知っており、元軍人で有名企業の社長と言う肩書を、そのまま使って映画を制作したいと言っている。
撮影交渉が進んで行き、午後からの予定を聞かれる。
夕方まで遊んで、後はボア揚げ屋に行って、知り合いと食事する旨を説明する。
すると「なる程!それも、使えそうだ!」と監督が何やら閃いた様な顔をして、今後の説明をしてくる。
「ボア揚げ屋の場所を、教えて欲しい。後、遊んでいる所を撮影させて欲しい。カメラは自動追尾の小型の物を使う、カメラを意識せず遊んでくれれば良い。ただ君達二人は、途中で演技して貰う」と監督が、俺とファム・ファタルさんに声を掛けた。