異世界転生 作:魔導科学
「乾杯!」
「何年ぶりだ?」
「最期に会ったのは、3年前か?」
「違うわ、ミリィの14の誕生日だから4年前よ」
アスナ夫妻と、ケーシーが会話している。
「あの時のプレゼントは、今も大事に飾ってありますよ」と、ミリィが言う。
「私も、ケーシーおじさんのプレゼントは、大切に仕舞ってあるよ」と、ミラも言う。
「それは嬉しいな。そんなお姫様達に、今日はプレゼントを持ってきたんだ」
ケーシーが、小さな箱を娘達に手渡す。
「リョウ、お前の言う通り人間の食料は上手いな!」と、口いっぱいに料理を頬張っているファム・ファタル。
「いらっしゃいませ!」
店でウエイトレスをしている瑠璃が、来客を告げる。
中年の男を先頭に、若い男と若い獣人族の娘、その娘に抱っこされたドラゴンの子供が入店し席に座る。
「・・・へ、平和な光景だな」
若い男が、楽しく酒を飲んでいるアスナ夫妻達を眺めて呟く。
「まだ、馴れない?」と、獣人族の娘が若い男に聞く。
「す、すみません。未だに緊張していて」
「ピィ!」[キョウ、君の初仕事は宇宙指名手配犯の逮捕だ。緊張するのは、仕方無い事だと思う。しかし我々は、宇宙の平和を護らなければならない]
ドラゴンの子供が、仲間内でしか表示されない文字で会話する。
「わ、分かっています」
何やら、緊張気味の若い男。
「いらっしゃいませ。ご注文はそちらのディスプレイで、お願いします」
お茶をテーブルに置きながら、客に説明する瑠璃。
「俺は、決まったぞ。お前は、何にする?」
髭面でイケメンの中年男性が、若い男に声を掛ける。
「お、俺は、同じ物で」と、若い男が答える。
「私は、此れが良いな。ピィちゃんは?」
「ピピィ」[私は、此れにする]
「了解。では、注文します」と、中年男性がディスプレイを操作する。
料理が運ばれ、食事をしながら中年男性が若い男に言う。
「この星の食事は美味いな。俺達は奴等から、この星を守らねばならん。此れから、頼むぞ」
「は、はい。必ず逮捕します」
暫くして、二人の男と獣人族の娘、ドラゴンの子供が食事を終え店を出る。
「有難う御座いました!また、どうぞ」と、瑠璃がドラゴンの子供に手を振ると、愛想良く手を振り替えしている。
「そんなに食べて、大丈夫?」
「全く問題無い。腹が減っては征服出来ぬ!が、此れで止めておく」と、やたら食べるファム・ファタルを心配する俺。
「うん。よく分からないけど、具合が悪くならないか、心配だからね」
「リョウ、お前は私を心配するのか?」
「そりゃ、心配するよ!当然だろう?」
「当然なのか・・・」
何やら思考にふける、ファム・ファタル。
「今日はもう遅いし、送って行くよ」
「送って行くだと?!い、いや大丈夫だ!すぐ近くだからな、問題ない」
「でも夜遅いし、女の子を一人で帰すのは、心配なんだよ」
「お、女の子だと?!り、リョウは私を、お、女の子だと言うのか?」
頬を赤らめるファム・ファタル。
「えっ?可愛い女の子にしか見えないよ?」
「か、可愛い?!そ、そそそ、そそ」
「そ?」
首を傾げて、聞き返す俺。
「そんな事いわれたら、惚れて仕舞うだろう!馬鹿〜!」
顔を赤くして、店を飛び出すファム・ファタル。
「ちょっと?!ファム?待って!マスター、御馳走様!」と、ファム・ファタルを追い掛ける俺。
「騒がしいね?」と、ミラが店の出入り口を眺める。
「そうね、何か叫んでいたけど・・・」と、ミリィが首を傾げる。
「若いって事は、羨ましいな」
店の出入り口の方をを眺めて、ケーシーが言う。
「そうだな、俺達も歳をとった」
感慨深く言葉を発する、シュウ。
「ちょっと、私はまだ若いわよ?」と、笑いながら言うミッシェル。
「ハハハ、そうだな。君は、昔から変わらず美しいよ」
妻を眺めながら、シュウが言う。
「いや、失礼!ミッシェル少佐は昔と変わらず、お若く美しいままでした」
立ち上がり、挙手の敬礼をしなが言うケーシー。
「楽しい時間は、あっという間に過ぎて行くな。俺は、此れで失礼するよ」と、敬礼をした後にケーシーが言葉を続ける。
「久しぶりに会えて、楽しかったよ」
ケーシーと、握手しながら言うシュウ。
「そうね、お互いに元気で良かったわ。また、会いましょう」
ミッシェルが、握手する二人を眺めながら言う。
「久しぶりに、ケーシーさんに会えて嬉しかったです」
微笑みながら、言うミリィ。
「ケーシーおじさん、またね」
寂しそうに、手を振るミラ。
「次に会うときは、今よりもっと素敵なお嬢様になっているな」と、ケーシーが笑顔でミラの頭を撫でる。
カッート!!
撮影が終わり、映像の確認をする。
「ふむ、弘崎君が台詞を噛んでいるのは、アドリブかい?」
「す、すみません!緊張のあまり、言葉が出て来なくて・・・」
「いや逆に、その緊張感が合っているんだ。初仕事で、緊張している。そんな感じが伝わって来て良いね」
「有難う御座います」
「だが、今後の台詞は噛まないでくれよ?」
「任せて下さい!俺が覚醒すれば、問題ありません!」
「そうか、それは楽しみだな」
弘崎君と、セニョールさんが話しているのを聞いていると、此れで終わりかな?
「今日の撮影は、此れで終了だ。明日から、個別に撮影するシーンが出て来るが皆、宜しく頼むよ。後、今後の連絡を取るために、魔導通信機の登録をして欲しい」
セニョールさんにそう言われて、俺達はそれぞれセニョールさんの魔導通信機を登録して今日の撮影は終了となった。