異世界転生 作:魔導科学
木人が頑張ってくれたおかげか、先ほどはすぐに終わった組手が、今度は10分ほど続いている。
カオリと珊瑚の動きを見て、学習したらしい。
格闘プログラムが入っているとは言え、凄いな木人ゴーレム。
組手が終わり、木人と珊瑚が此方に戻って来た。
「ピィ!」[木人、凄いね!さっきより、強くなってる!]
珊瑚が俺とカオリにそう言うと、木人は照れたように頭を掻いた。
そして『自分なんて、まだまだですよ』という風にジェスチャーをしてみせる。
動きが、人間臭いな。
運動が終わって、いい時間になった。
木人ゴーレムは、どうしようか?
カオリの次元収納に、仕舞って貰うか?
買ってすぐ連れてきたから、説明書を読んで無いな。
いつも、説明書をよく読まないで失敗するから、今回はちゃんと説明書を読むか。
そう考え、帰ろうかと思ったが説明書を開く。
「リョウ、飲み物買って来るわね」と、カオリは珊瑚と木人を連れて行った。
「うん。俺は此処で、木人の説明書を読んでいるよ」
木人ゴーレムは、魔力を自動充填するが自動充填できない場合は、手動充填で使用者の魔力を充填する事が可能。
インストールしたプログラムを基に、様々なゲームや格闘訓練を経験し、更に学習能力により性能が上がる。
木人ゴーレムの性格は、使用方法や接し方により決定される。
緊急停止は、付属の緊急停止釦を使用する。尚、緊急停止となった場合、法律により使用状況の確認をする必要がある。
この世界の法律に、ロボット保護法という法律が存在しており、上記の緊急停止釦を使用した際、この法律により使用に問題が無かったか、確認される事になる。
あとは、メンテナンスの方法や『故障かな?』と思った時の対処法などが記載されている。
メンテナンスに関しては、木人ゴーレムが自己判断し、汚れたと思えば風呂に入るし、破損箇所は己で修復する。
食物を摂る必要性は無いが、摂れば魔力として蓄積される。
食事に関しては、前に誰かから聞いた様な話だな。
次元収納に仕舞う事は可能であるが、次元収納内では魔力の充填が出来ないので、外に出しておく方が良いらしい。
「リョウ、戻ったわよ」と、カオリに声を掛けられる。
「木人君に、何か飲む?って聞いたら、最初は遠慮してたけど、珈琲牛乳を指差してね。リョウの分は、同じ物を買って来たわ」
「有難う。珊瑚は、何にしたんだ?」
「ピィ!」[私は運動したから、スポーツドリンク!カオリママは、イチゴ牛乳!]
「そっか。じゃ、飲んだら帰るか」
居住施設に戻り、俺だけ河野さんの部屋を訪ねたが、留守だった。
代わりに、メイド服を着たショートカットのアンドロイドに、要件を聞かれる。
お土産を渡しに来た事を伝え、河野さんがいつ戻るか聞いてみた。
すると、お土産を受け取り、河野さんは現在、行方不明であり不在の間は、自分が全権を移譲して管理するとの事だった。
このメイドロイドは一定時間、管理者が不在になると起動する様に、システムが組まれているそうだ。