異世界転生   作:魔導科学

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「ピィ〜」

 

テーブルの上に出現したソイツは、超危険生物だった。

 

瞳はつぶらで鼻息はピィピィと荒く、口の両端から上に向けて、一本ずつ小さな牙が出ており、身体は仔犬程で黒く丸い。

 

「か、カワイイ〜!」

 

最初に反応したのはユカさんで、黒い仔犬程の生物を見て言った一言だ。

 

その生物にユカさんは、手を伸ばした。

 

危険だ!噛み付かれたら、どうする!

 

なんていう事は、一切無く「ピィ〜!」と、ユカさんの手に自分の身体を押し付けている。

 

其処に居たのは、一匹の可愛い子豚だった。

 

首元に黄色のバンダナとか巻いたら、アルファベット一文字の名前で、水を被ると変身する某漫画とアニメに登場したキャラの姿に、そっくりな見た目だな。

 

でも、雄なのか雌なのか判らんな?

 

そもそも、魔導機械生物とか言う時点で、性別は無いのか?

 

俺は思考しながらユカさんの手に、己の身体を押し付ける子豚を眺めた。

 

ある程度して満足したのか、今度は俺を見上げる黒子豚。

 

ちょこちょこと、此方に寄ってくる。

 

そして撫でろと言わんばかりに、此方を見上げて尻をつく。

 

くっ、可愛いなコイツ。

 

俺は、子豚の頭を撫でてやる。

 

魔導機械生物なんていうから、硬いのかと思えば、全くそんな事もなくとても柔らかい。

 

前にも、こんな事あったな。

 

なんて考えれば、カオリと出会った時だ!と思い出す。

 

此方に身体を擦り付けるのは、自分の匂いを付けている様な感じに見えて、愛着が湧くな。

 

「リョウさん、他に魔導機械生物のカプセルは無いんですか?」

 

「カプセルはありますが、全て魔導機械生物かは分かりません。もし、魔導機械生物のカプセルが出たら、ユカさんに一つ差し上げます」

 

「有難う御座います!子豚ちゃんが、凄く可愛くて」

 

カプセルの残りは6個か、カプセルを開いてみないと、何が入っているか分からないからな。

 

では、次のカプセルを開いてみよう。

 

次に開いたカプセルは、白い球体だった。

 

説明書は、魔導機械生物の説明書。

 

コレは丁度良いと思い、ユカさんに渡す事にした。

 

「有難う御座います!早速、魔力を流してみますね」

 

そう言って、白いカプセルに魔力を流すと「カァー!」と、甲高く一鳴きして一羽の白い烏が現れた。

 

「白いカラスなんて、珍しいですね」と、俺は烏を見て言った。

 

この世界にも、烏は存在する。

 

前世と同じで、大きさも鳴き声も特に変わりは無く、知能の高い鳥類である。

 

白い烏は前世でも、この世界でも非常に珍しい。

 

白い烏は、ユカさんをジッと見つめた後、俺の方を見始めた。

 

その姿は、まるで品定めをしているかの様な感じだ。

 

暫く俺を見ていた烏が、俺の側に居た子豚に視線を移す。

 

「クカァー!カァー」

 

「ピィ!ピィ!」

 

何やら、子豚と会話している様だ。

 

子豚が俺の所からユカさんの方へ移動し、烏が俺の側に来た。

 

そして、俺を見上げて動こうとしない。

 

へ?

 

一体、どうしろと?

 

「ひょっとしたら、その子、撫でて欲しいのかも」と、ユカさんが言うと、それに追随するように「クカァー!」と鳴いた。

 

な、撫でて良いの?

 

俺は、恐る恐る烏の身体に手を伸ばす。

 

すると烏は目をつむり、俺に身体を撫でられている。

 

手を止めると目を開いて、甘える様に啄んでくる。

 

どうやら、まだ満足しないらしい。

 

暫く撫でていると満足したのか、目を開き羽ばたいて俺の肩に止まった。

 

俺の肩に止まった烏とユカさんの腕の中に居る子豚は、お互いに此処が自分の居場所だと言わんばかりに「カー!」「ピィ!」と鳴いた。

 

その光景を見た俺は、ユカさんに提案した。

 

「ユカさん、もし宜しければ子豚とカラスを、交換して頂けませんか?」

 

「リョウさんが良ければ、お願いします。私は、この子が凄く気に入りました!」と、ユカさんは黒い子豚を抱き締めている。

 

交渉成立、ユカさんに喜んで貰えて良かった。

 

さて、残りのカプセルを開けてみよう。

 

結果は、透明な魔導機械生物のカプセル1つ、黒い魔導機械生物のカプセル1つ、メダルゲーム機のメダル引き換え券(10000枚)、抽選券3枚、お菓子引き換え券だった。

 

しかし、1つのカプセルから、3枚の抽選券が出て来た時は、ゴミでも入れられてるのかと思ったのは内緒だ。

 

魔導機械生物の入っていたカプセルは、魔力遮断されているカプセルなので、うっかり魔力を流してしまう事も無いから、このまま次元収納に入れて仕舞おう。

 

後は、券の引き換えに行こう。

 

抽選券は、全部で8枚になった。

 

ディフォルメされた猫の着ぐるみを着た店員に「お願いします」と、全ての券を手渡す。

 

烏と子豚は大人しく、俺の肩とユカさんに抱かれている。

 

「イラッシャイマセ、ケンヲイタダキマス」

 

着ぐるみを着た人かと思ったら、ロボットだったのか。

 

全ての券を口の中に突っ込み、着ぐるみの胸の辺りが、上にスライドして光学パネルが出現し、次元収納から特大のお菓子袋を1つ出してくれる。

 

サンタかよって、ツッコミが入りそうな袋だな。

 

 

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