異世界転生   作:魔導科学

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ユカさんと、瑞、ポポと共に武器防具の一覧を眺めては、あーでもないこーでもないと話をしていると、外から聞き覚えのある音楽が聞こえて来た。

 

「お?来たな。兄ちゃん、さっきの爆弾の製作者が来たぜ」

 

『電子、レンジマン

電子、レンジマン

誰かが何処かで、ボヤいてる

何処かで誰かが、嘆いてる

温かいの〜、飲みたいな〜

レンジでチンだ〜

頭にきらめく、電子レンジ

(レンジマン、レンジマン)

クッ◯パッドの恩恵は、レンジでチンだ(チンだ〜)

加熱調理、安心安全に済む

あ〜あ〜

毎日の家計を、守る為

ガス代節約、でも電気代掛かる

電子レンジ 電子レンジ

おぉ~!

レンジマ〜ン』

 

音楽が終わり、店の扉が勢いよく開く。

 

「おっちゃん、来たよ〜」と店に入って来たのは、デニム生地のつなぎを着て足元を何度か捲り、メガネをかけた高めのツインテールの女の子。

 

そばかすが、印象的だ。

 

「おぉ、この爆弾は、返品だ。お客に怒られたぞ?」

 

「え〜?!でも、スイカみたいな頭のキョンシーは、最後自爆したんだよ〜?」

 

「何だよ、そのスイカみたいな頭って?そんな事より、返品だ返品!」

 

「ちぇ、仕方無いな〜。じゃ、この装着爆弾は回収するよ。今度は、無敵超◯ザンボッ◯3みたいに、体内に爆弾を仕込む様な・・・」

 

「おい!ふざけるなよ!!その危険な発想をやめろ!」

 

俺は黙って聞いていられず、つい声を荒げてしまった。

 

「何?アンタ、誰?」

 

「お前の言ってる事に、我慢できなくて怒ってる転生者だよ」

 

「えっ?転生者?!マジで!?」

 

「リョウさん?転生者って、何の話ですか?」

 

「すみません、ユカさん。その件に関しては後で、お話します。お前、ちょっと来い。店主、すまないが、ちょっと外に出るぞ」

 

「痛っ!?何、ちょっと痛いってば!」

 

「お前、一体なにを考えてるんだ?そもそも、何でこんな事を言われてるのか、分かるか?」

 

「痛いってば、離してよ」と少女は、俺が掴んでいた腕を振りほどき、此方を睨みつける。

 

「誰、アンタ?転生者だからって、なに偉そうにしてる訳?それから、ボクには、ちゃんと名前があるんだからね」

 

「そうだな。名前は、大事だな。俺はリョウ、君の名前は?」

 

「・・・ボクは、囃子原めぐり」

 

「めぐりか、では先程の話に戻るぞ。何でこんなに、怒ってるか分かるか?」

 

「知らな〜い」

 

「君は、自分の大切な存在が、他者に傷つけれた時、怒らないか?」

 

「だって、此処はゲームの世界でしょう?ゾンビだって、キョンシーだって、他のモンスターだって、殺される為に存在してるんでしょう?それを、効率良く殺すのに、何の問題があるの?」

 

「君は、悲しい人間なんだな。前世にしろ今世にしろ、今知り合ったばかりだから、偉そうに言える立場じゃ無いとは思う。けど、君のやっている事は、生き物の尊厳を傷つける行為だ」

 

「ふん。だから、何?現実の世界でやってる訳じゃないし、ゲームの中なら何も問題ないでしょう?」

 

「もしそれが、現実世界で実行されたらどうなるか、君は考えた事があるか?」

 

「勿論あるわよ。ボクは、バカじゃないもん」

 

「なら、例えゲームの世界であっても、その世界で生きている存在だって居る事に気付けないか?転生者なら分かるだろう?この世界が、ひょっとしたらプログラムの世界で、俺を含めて生きている人間が全てプログラムだったら、そう考えたら君のしている事は、酷いとは思えないかな?」

 

下を俯いて、俺の言葉を聞いている少女が顔を上げた。

 

「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛。うわ〜ん」

 

俺は泣いている少女の傍に近付いて、片膝を着いた。

 

「ごめんな。キツい言い方してしまって」

 

「うわ〜ん。ボクは、今まで何も考えずに酷い事をしてたんだ〜」

 

「此れで分かってくれたのなら、問題ないさ」

 

「うわ〜ん。お兄さん、ごめんね〜」

 

「うん。もう謝らなくて良いんだよ」

 

「びぇ〜ん」

 

「さ、ほら、もう泣かなくて良いからね?端から見てると、絵面がヤバい事になるから」

 

「・・・リョウさん?何でその子、そんなに泣いてるんですか?まさか、その子に暴力を振るったんですか?」

 

「ち、違います。ユカさん!誤解しないで下さい!?」

 

「わ〜ん」

 

「ちょっと?いい加減、泣きやんでくれないかな?流石に、通報されかねないんだけど?」と、オロオロしていると、めぐりが俺に抱き着いて来た。

 

「ちょ、ちょっと?!どうしたのかな?おぜうさん?」

 

「うふふ。ちょっと仕返し、したいんだもん。でも、さっきの言葉は凄く心に刺さる言葉だったよ。お兄ちゃん?」と、ペロッと舌を出しながら、耳元で可愛い笑顔を浮かべて囁く。

 

ちょ、ちょっと、耳元は駄目だよ?

 

「リョウさん。この子、さっきまで泣いてたのに、今度は抱き着いて。一体、なにをしたんですか?」

 

ユカさんの視線がとても冷たく、更に重苦しいプレッシャーを感じるのは、何故なんでせう?

 

ユカさんって、ニ◯ータイプだったっけ?

 

今、俺の脳内にピキィーン!って音が響いた気がしたよ?

 

こう言うの、何て言うんだっけ?

 

前門のケルベロス、後門の獄卒だったっけ?

 

赤い着物で、地獄に流す少女が「いっぺん、死んでみる?」って、囁いた気がした。

 

藁人形の赤い紐を解かれる前に、自首した方が良いのかな?

 

 

 

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