異世界転生 作:魔導科学
黒い〜、証拠の〜、捏造で〜、今日も〜、明日も〜、冤罪だ〜。
俺の脳内で、虎の覆面レスラーがルール無用の悪党に、正義のパンチをブチかますアニメのBGMが、この歌詞で鳴り響いた。
「お兄ちゃん、はい!ア〜ン!」めぐりちゃんが、俺の口にアイスを運んで来る。
けど、俺は真っ白に燃え尽きたかの様に、中空を見つめる。
「ちょっと、めぐりちゃん?リョウさんから、離れなさい?」
ユカさんが、此方を見ながらジュースを飲んでいる。
「嫌です〜。そもそもボクは、お兄ちゃんにあんなに激しくされちゃったんだから、もうお嫁に行けない。だから、責任とってね?お兄ちゃん」
あれ?
前にも、こんな事があったよね?
そう、カオリが悪ふざけして皆の前で、有りもしない事を宣った時だ。
あの時は俺がキレて、ルシファーを抜きかけたっけ?
なんだか、遠い過去の話みたいだな。
「ちょ、ちょっと!押さないで、バレちゃうでしょう!?」
「だって、もう少し近付かないと、声が聞こえないじゃないですか?それに浮気現場なのに、更にまた一人増えてますよ?リョウさん、酷い!」
「・・・リョウ様、やっぱり私の事は遊びだったんですね。訴えますよ?」
「リョウ!?なんで次から次えと、新しい女の子が増えてるのよ!!やっぱりお前は、一級フラグ建築士か?帰ったら、お仕置きよピィちゃん!!その後はママと二人で、仲良く生きて行きましょうね?」
「・・・ピィピピィピィピピィ!ピィ・・・」[・・・パパ、流石にそんな小さな娘に、手を出すのはマズいと思うんだけど、でもカオリママの意見に賛成!お仕置きだね・・・]
「リョウ〜、モテモテだね〜。どうしよう〜、お姉ちゃん〜?このままだと、私たち置いていかれちゃうね〜」
「・・・大丈夫、マリー。いざとなったら、実力行使」
あれ?
なんだろう?
何だか、懐かしい声が聞こえた気がしたな。
まさか此処に、カオリや珊瑚、施設の皆が来てる訳ないよね?
アハハ俺、疲れてるんだな。
今日は朝から、ユカさんにドキドキしっぱなしだったし、めぐりちゃんの一件もあったから、疲れてんだ。
うん、だから光学迷彩を使って、矢鱈と近付いて来てる一塊の集団は、きっと気の所為なんだよ。
そう、光学迷彩の範囲外から、赤い尻尾とか見えてないしね。
「・・・皆さん、どうされたんですか?」
光学迷彩の集団が、ユカさんの一言でピタリと停まった。
「に、ニャ〜!」
「こ、コケコッコー!」
「ピ、ピギィー!」
「え、えっと、わ、ワンワン!」
「お姉ちゃん〜、お腹空いたね〜」
「・・・マリー、此処はフードコート、後で食料を調達する」
「皆さん、それではバレてしまいます。もっと隠密性を上げないと、隠密性を上げるのも、乙女の嗜みですよ?」
「皆さん、此方にどうぞ?」と、ユカさんが光学迷彩集団に声を掛けた。
「ぐ、偶然ね!リョウ、たまたま通りかかっただけなのよ?」と、ネアさんが言い「リョウさん、酷いです!私と結婚して、小さな庭付きの家を建てて、其処で子供と三人で暮らそうね?って、言ったのに」と、ゴモリーさんが相変わらずの妄想全開で、押しかけて来るし「ピギィ!」[パパ、どうして外に出ると女の子が増えてるの?パパは、甲斐性があるけど、小学生にまで手を出すのは、流石にマズいと思うの]と、珊瑚が光学ディスプレイを俺に見せて抗議し「リョウ、ピィちゃんも言ったけど、なんで女の子が増えてるのよ?お前、本当は上◯さんなんだろう?」と、カオリにツッコまれ「リョウ〜、お腹空いた〜」と、マリーさんが席に着き「・・・取り敢えず、ジャンボパフェでいい」と、リリーさんも席に着き「リョウ様、このメガネを私にプレゼントした時、君の笑顔は、なんて可憐なんだろう。出来る事なら、この世の全てを敵に回しても、君を奪い去りたい。と、言っていたのは、嘘だったんですね?訴えますよ?」と、ミリィさんが光学迷彩マントを、綺麗に畳みながら此方にやって来た。
「なんで皆さん、此処にいるんですか?」
俺は一気に現実に引き戻され、皆を見ながら言った。
「お兄ちゃん、この人たち誰?えっ!?レッドドラゴンの子供?カワイイ〜!!」
「こんちには、皆さん。後、はじめましての方もいますね。私は、ユカです。宜しく、お願いします」と言って、ユカさんが挨拶する。
取り敢えず全員、席に着いたな。
今日、俺はユカさんとデートだった筈、なんだけどな?
・・・おかしいな。