ガキン!ガキン!と金属音が響く。
金色に煌めく刀が火花を散らす。
一瞬にして九つの閃光。
金色の剣閃とオレンジといえる刃が
軌跡を作りながらぶつかり合う。
ギャリリ!という音がなり縦方向に火花がまき散らされる。
そして姿が現れた。
全身に傷を作った王狐とそれを冷たい眼差しで見つめる銀色の髪の男だった。
「お前って奴は.....!まだわかんねぇのか!?」
「わかるわからないの問題では無いだろう。
俺達は創られた存在だ、主の命令を遂行する義務がある。」
「義務とかじゃねぇ!その命はてめぇのもんだろうがッ!」
「なら俺は主の命令を遂行することを選ぶ。」
「こんの....分からず屋がッ!」
瞬間、大きな火花が舞い散り、砂煙が舞う。
既に刃を鞘に収め、手を添えた状態で滑る王狐。
刀を握り締めた瞬間、その姿が掻き消された。
「白金流....」
瞬間、黒い髪の男の頭上に現れる王狐。
回転するように刃を抜きはなった。
「桜....!?」
ざくっ、という肉の斬れる音。
鮮血が舞い散り、その口から血液が零れる。
その脇腹から、オレンジ色の刃を生やし、そのまま無様に
地面に落とされる。
「がはっ.....げはっ......」
「........貴様の命まではとらん。
そこで見ているがいい。」
「まて......しんかー.....っぐ....!」
シンカー、そう言われた男は背中を向け、地面を蹴る。
キィイン!という音と共にシンカーの姿は消えていた。
「ハハハハハ!!凄いじゃないかッ!アリーヤ・シンカー!
君こそが僕の最高傑作だっ!」
狂ったように笑い声を上げる白髪の男。
その顔はしわだらけで口を大きく釣り上げ笑う。
血走った目は焦点が定まっておらず、皿のように見開かれていた。
「....ふふふ、王狐、君は逃げ出したようだね。
まぁいい、旧型にようはない。」
「α-01-.....今度こそ手に入れさせて貰うぞ.....!」
「もう、提督!刀はちゃんとあそこに置いて下さい!」
「いや、それだと落ち着かな...「何か?」いえ、何でもありません。」
鳳翔と鳳初は夫婦みたいだなぁ、と榛名は二人のやり取りを見ている。
鳳初は武士のように礼儀と誇りを重んじるものの、狐のように周りをよく捉え
騎士のように皆を守るその様はまるで父のようだった。
一方鳳翔は昭和の女性というべきか、男性をたてるお淑やかで謙虚な女性の
印象がある。和食を作らせたら右にでるものは居ないだろう。更に
決して挫けない意志と誇りを合わせ持ち、提督以上に土壇場の立て直しに
強いその様は母親だ。
事実自分も二人を親のように見ているし、二人も親のような愛情を注いでくれている。
木曾はこの前ゲームソフトを買って貰っていたし、榛名自身も欲しかった洋服を
買ってくれた。ここに、皆がいたらどれだけ楽しいのだろう。
「あぁ、ワクワクするなぁ~」
「....!どけ!鳳.....!?」
瞬間、刀がきらめき火花を散らす。
その火花が窓から走り、反対側の扉まで突き進み、散る。
ガギャァン!!と甲高い弾くような音。
急いで鳳翔と榛名がそれに目を向ける。
瞬間、海が破裂した。
パパパパパパパァン!と海が連続ではじけ、火花が散らされる。
そのすぐ後に甲高い音。
そこには腕から出ているレーザービームのような武器で鍔迫り合いを
している黒い男と鳳初がいた。
ギリギリと音をたてるも束の間。
また、今度はパキィン!と音が鳴った。
ガラスの破片を細かく砕き、その刃を投げつける。
粉は腕を振り払われた時に舞い散り、太陽の光を受けて金色に輝いた。
しかしそれは意図もたやすく振り払われる。
瞬間、既に刃を突き立てる構えに入った鳳初が肉薄している。
「白金流.....!」
ギャガガガガ!
オレンジ色の刃を突き通すものの攻撃を逸らされる。
しかし、それだけでは終わらない。
「旋風」
回転。
そして切り上げ。
左から右に向けて一閃。
しかし、相手の傷は浅いらしく刃を振り下ろしてきた。
それに合わせて叫ぶ。
「撃てぇーッ!」
「ハァ!」
鳳翔の矢が三本、打ち出される。
それを払う為に刃をふるが、本命はこっちだ。
「白金流奥義......九尾」
一閃。
それは黒い狐の尻尾が突き刺さるかのように太く巨大な
突きだった。
そのまま海が大きくへこみ、弾ける。
戦艦の砲撃すら赤子のような一撃。
瞬間、鳳初の腕から鮮血が舞う。
体が負荷に耐えきれなかったのだろう。
「っく.....」
「提督!!」
視界が安定しない。
ゆっくりと体が倒れる感覚に身を任せてそのまま倒れた。
ぼやけた視界には光が写り込む。
体の違和感にAPを確認するが殆ど残っておらず
コジマ粒子は実質供給不可能な状態だ。
そういえばここは、と思考を巡らせる。
そして戦いを思いだしガバッと起き上がった。
「....!!ここは....っ!!」
「あぁ!動いちゃ駄目、傷がまた開いちゃう....!」
そこにいたのは緑色の髪の女性だった。