柩が神の恩恵を受けて数日後、柩はダンジョンには潜らず机に向かい合っていた。
「………………………………」
柩の教師役を務めるリヴェリアは席を外すと手の中の紙束を眺める。
「リヴェリアどうしたんだい?君にしては珍しく悩んでいる様だが」
そこにフィンが現れリヴェリアに調子を尋ねる。
「ああ、柩にダンジョンの事を教えていたのだが、少しな」
「あまり芳しくないのかい?」
「いや、寧ろ今までの中では優秀な類に入るだろう」
リヴェリアはそう言い今までのテスト用紙をフィンに見せる。
「これは…………」
1回目のテストはリヴェリアの選出した難易度もあって散々たる結果であるが2回目以降はまるで別人かのようにリヴェリアの問題に付いてくる様になっていた。
「これが徐々に点数が上がると言うなら分かるんだ、しかしいきなりこうも躍進している。最後の紙を見てくれ」
フィンはリヴェリアに言われた通り最新の日付の物を見る。そこには何の変哲も無い高得点が並んでいた。
「それはまだ私が教えていない範囲の問題集だ」
「教えていない?」
「ああ、余りに連続で高得点を取るものだからちょっとしたイタズラのつもりで渡してみたんだが、アイツは予習もしていたらしい」
「彼は確かアイズやレフィーヤとそう年も変わらない筈だよね?」
「ああ、アイズは兎も角学区を出たレフィーヤですら私の問題を解くので精一杯だ、当初の予定の範囲はとっくに終わってしまった、と言うかもう私が教えられる事は大体教えてしまったからな…………次は」
「ダンジョンでの実戦訓練というわけか、有望な若者がうちに来てくれた、実に嬉しい話じゃないか」
「……………………そうだな」
こうして柩の初ダンジョン攻略が決まった。
ダンジョン1階層
「危なくなったら助けてやるからまずは好きな様にやってみろ」
「はい」
リヴェリアにそう言われ柩はこの世界に来て初めての実戦を見せる。
その手にあるのは巨大な剣、否、それは剣ではなくかと言って槍でも斧でもこの世に存在するあらゆる武器ではなかった。
そんな武器の最初の餌食はゴブリン、真正面からバカ正直に突っ込んできたゴブリンに寸分の狂いなくその武器を放つ。次の瞬間、ゴブリンは地面になぎ倒され首をガッチリと何かで固定されていた。
ドンッ!!
と鈍い音と共にゴブリンの首が跳ねる。
柩の武器、それは柩の父が開発した暴れる相手を安全な距離から即座に沈黙させる持ち運びが出来る断頭台【ギロチン包丁】
そのギロチンを即座に戻し柩は次なる獲物を狩るため動き始めた。