蜘蛛子さんの休暇、スライムを添えて。   作:自称最悪の邪神

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「蜘蛛さんもたまには旅行でもしてみては?」

「んぇ?」

 

 寝ぼけまなこで返事する。何さ突然。「も」って、アンタ引きこもりでしょうに。

 

「失礼ですねぇ。私だって旅行くらい行きますよ?この前食べた本場のたこ焼きなんて中々でしたね。」

 

 知らない内に大阪旅行に行っている……

 いいなー!私も美味しいもの食べたいなー!ずるいぞこの邪神めー!

 

「お土産は渡したでしょう。」

 

 え?そんなのあったっけ?

 

「ほら、あげたでしょう。鰹節。」

 

 あんな虫のエサでたこ焼きを感じろってんのか?オォン?私でも許せることと許せないことがあるんだぞ?

 

「まあ実際ちっぽけな虫なんですけどね笑」

 

 ああーっ!現実を直視させに来るんじゃない!

 

「ま、それはともかく。休暇です。旅行先はもう決定しているので、楽しんできてくださいね。」

 

 えっと〜?それはどういう事でございますのん?

 

「こういうことです」

 

 

 

 次の瞬間、私は森の中にいた。ホワッツ???

 OK、落ち着け私。

 状況を整理しよう。

 私はさっきまで地球のマイホームでぐーたらしていた。

 そしたらⅮが来て、「休暇です」とか言って私を急に転移させた。

 そもそも休暇って何さ?私はマイホームでゆっくり出来たらそれで満足だって言うのに。

 「それじゃ面白くないでしょう。」とかいうんだろうなーあいつ。

 

 それはともかく、ここはどこだ?

 Ⅾが旅行先って言うからには割と遠いところだとは思うんだけど、ハロウィンの件を考えると地球なら普通に交通機関か何かで引っ張っていくはずなんだよな。

 なんかちょっとおかしい。

 いきなり森の中に放り込む事のどこが旅行だってんだ?

 

 森の中は現代日本じゃ珍しく背の高い木が鬱蒼と生い茂る暗めの森。いや、私がよく知らないだけか?

 足元は森らしくふかふかしてる。

 でも妙なことに、蝉の声一つしない。

 今夏じゃなかったっけ?

 それに、なんか空気が妙に美味しい、ていうか濃い?

 森だから当たり前なのかも知れないけども。

 なんか身体に力がみなぎってくるみたいな感覚がするような……?

 

 ガサッ

 

 そうこう考えていたら何か物音が向こうから聞こえてきた。

 こんな森の中だし野生動物だろうか?

 小腹もすいてきているし、いっちょ仕留めちゃいましょうかね。

 

 木々をかき分けながら物音のするほうへ向かう。

 子蜘蛛サイズからは脱却したけど、未だに人間基準だと子供サイズだから隙間が通りやすいなと思うと同時に、まだ全然力が戻っていないことを実感する。

 どっかにあのロボットみたいに効率のいいエネルギーの塊落ちてないかなー。

 いや、そんなんあったら大問題だけども。

 

 向かった先には巨大な蟻が数匹屯していた。

 少なくとも普通の街路樹程はあろう背丈。

 時折牙を打ち鳴らす音がガチンガチンと金属ででも出来ているみたいに響いてくる。

 蟻の足元にはこれまた大きな穴が開いていて、恐らくこの数匹の蟻はこの巣穴の見張りのために外にいるのだろう。

 

 え、デカ過ぎない??

 こんなんエルロー大迷宮下層レベルじゃないですかー。

 完全に地球じゃないですねありがとうございます!

 まーたⅮが暇潰しにモンスターでも作ったんだろうか?

 でもあいつがこんな二番煎じみたいなことをするとは思えないんだけどなー?

 

 というか、こんなん今の私の能力じゃ無理ゲー過ぎる。

 幸い私の方にはまだ気が付いていないようだ。

 三十六計逃げるに如かず!逃げるんだよー!!

 

 

 バキッ!!!

 

 

 ……アッ




蜘蛛子とリムル達が交流する小説が読みたいんですが、見つからないのでかいてみることにしました。
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