ダンジョンに家族を求めるのは間違っているだろうか   作:親父

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第3話 世界を揺らす力

 【ステータス】

 エドワード・ニューゲートLv.1

 

 

力:SSS 1800

 

耐久:SSS 1500

 

器用:SS 1028

 

敏捷:SS 1089

 

魔力:I 0

 

《スキル》

世界を震わす者(グラグラの実)

 ・振動を操り、空間を砕くことができる振動人間になる

 ・海に嫌われる

 ・地形に与えるダメージ増加

 

覇王の素質(テリオス・ロード)

 ・周囲に対して圧をかける

 ・格下に対して行動阻害

 ・覇気を扱うことができる

 ・魅了を無効化する

 

家族を背負うもの(ファミリア・アルカ)

 ・守る対象がいるとき全ステイタス上昇

 ・自身が家族と認めた対象の数だけ全ステイタス上昇

 ・家族が危機に陥った時、Lvが1上昇する

 

不帰の進撃(レトログレード・マーチ)

 ・戦闘において決して「背中を見せて逃走しない」ことを条件に発動

 ・背後からの防御力が皆無になる

 ・前方からのあらゆる攻撃、魔法、状態異常を軽減する

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「レベル1でSSSなんて.....それになんなんだいこのスキルの数は.....君はいったいどうなってるんだ!!」

 

 「しらねェな」 

 

 「知らないで済ませるな!」 

 

 「まァいいじゃねェかそんなこと」

 

 「そんなことって....(こんなこと他の神々に知られたらどうなることかわかったもんじゃない!どうにかして隠さないと....)

 

 「・・・それよりも」

 

 白ひげは、まだ呆然としているベルの頭に、大きな手をポンと置いた。

 

 「おい、ベル」

 

 「は、はいっ!」

 

 「明日から、その『ダンジョン』とやらに行くんだろう? 俺もついて行ってやる。……ただし、一つだけ約束しろ」

 

 白ひげの眼光が、父親のような厳しさと慈愛を帯びる。

 

 「仲間を殺すようことだけは絶対にするな。……それが、俺の『家族』としてのたった一つのルールだ」

 

 「……! はい、お父……いえ、ニューゲートさん!」

 

  ベルの瞳に、新たな決意の火が灯った。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

  翌日。

 

 迷宮都市オラリオの中心——ギルド本部。

 

 高い天井、整然としたカウンター、行き交う冒険者たち。

 

 その空気が——

 

 今、明らかにざわついていた。

 

 「おい……あれ見ろよ……」

 

 「なんだあの巨体……」

 

 「新しいファミリアか……?」

 

 視線の先。

 

 堂々と歩く巨漢。

 

 その隣には、白髪の少年。

 

 ベル・クラネル

 そして——

 

 「……落ち着かねェ場所だな」

 

 エドワード・ニューゲート

 

 一歩歩くたびに、床が軋む気さえする。

 

 受付嬢たちも、明らかに動揺していた。

 

 その中で、一人だけ冷静な女性が立ち上がる。

 

 眼鏡をかけた理知的な女性、エイナ・チュール だ。

 

 「おはようベル君、今日はどういった用件できたの?」

 

 「おはようございますエイナさん!今日はニューゲートさんの冒険者登録をしに来たんです」 

 

 「これはまた...随分と、大きな新規登録ですね」

 

 視線が白ひげに向く。

 

 一瞬だけ、言葉を選ぶ間があった。

 

 「グララララ……でけェのは生まれつきだ」

 

 「……そうでしょうね」

 

 わずかに苦笑するエイナ。

 

 だが内心は穏やかではない。

 

(魔力反応が、ほとんど無い……?なのに、この圧……)

 

 完全に未知。

 

 それでも職務を優先する。

 

 「では、この用紙にお名前と年齢と所属派閥をご記入下さい」

 

 この世界の字がわからない白ひげはベルに必要なことを書いてもらっていた。

 

 「これで大丈夫ですか?」

 

 「えっと....はい!大丈夫でしたので登録しておきます」

 

 「ニューゲート氏はダンジョンは初めてなのでしょうか?」

 

 「あァ、初めてだな」

 

 「でしたら、新人冒険者の講習がありますが受けられますか?」

 

 「いや、必要ねェな」

 

 「そ、そうですか。ならベル君がしっかり教えてあげてね」

 

 「はい!わかりました!!では行きましょう!ニューゲートさん、迷宮へ!」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

 迷宮

 

 「いいか、ベル。戦いってのは、ただ相手を倒せばいいってもんじゃねェ。自分の『誇り』をどこに置くかだ」

 

 「は、はい! ……でもニューゲートさん、そんなに堂々と真ん中を歩いて大丈夫ですか? 魔物が……」

 

 ベルの懸念はすぐに現実となった。ダンジョン第1層、天井や壁から這い出してきたのは、十数体ものゴブリンの群れだった。

 

 「ギギッ! ギギギ!」

 

 「出た! ニューゲートさん、ここは僕が——」

 

 ベルがナイフを構えようとした瞬間、白ひげがふっと前に出た。

 

 「ベル、下がってろ。……まずは『挨拶』だ」

 

 白ひげは武器を振るうことさえしなかった。ただ、大きく一歩を踏み出し、肺の奥から空気を震わせるように短く一喝した。

 

 「……退け」

 

 刹那、周囲の空気が「ドォン!」と鳴り、目に見えない衝撃が円状に広がった。それはスキルでも魔法でもなく、彼が長年の死闘で培った圧倒的な「覇気」

 

 「ギ……ッ!?」

 

 襲いかかろうとしていたゴブリンたちは、攻撃するどころか、白目を剥いて次々と地面に崩れ落ちていった。戦意を喪失したのではなく、魂そのものが格の違いに屈した瞬間だった。

 

 「え……? 倒さずに、気絶させた……?」

 

 ベルは呆然と立ち尽くす。レベル1の冒険者が、ただの威圧で魔物を無力化するなど、オラリオの常識ではあり得ない光景だった。

 

 しかし、ダンジョンは静寂を許さなかった。

 

 下の階層から逃げ出してきた、この階層には不釣り合いな「イレギュラー」——巨大なミノタウロスが、地響きを立てて現れた。

 

 「グォォォォォォン!!」

 

 「な...なんで第一層にミノタウロスが!?」

 

 ベルの足が恐怖で僅かに震えた。

 

 だが、その震えを止めたのは、肩に置かれた重厚な手だった。

 

 「ベル。英雄になりてェなら逃げるなよ」

 

 「……ニューゲートさん。でも、あれはレベルが違いすぎます……!」

 

 「レベルだと? グラララ! そんな数字で、男の価値が決まると思うなよ」

 

 白ひげは静かに『むら雲切』を地面に突き立てると、丸腰のままミノタウロスの前に立った。猛然と突進してくる巨牛に対し、彼は右拳を握り、空中に構えた。

 

「いいか、よく見ておけ。これが……世界を揺らす力だ」

 

 白ひげが拳を振り抜くと同時に、パキンッ! と空間にひび割れが走った。

 

壊天(かいてん)!!」

 

 次の瞬間、ミノタウロスだけでなく、第1層の「空間そのもの」が激しく振動した。衝撃波はミノタウロスの巨体を紙屑のように跳ね飛ばし、そのまま背後の壁ごと粉砕。ダンジョンの強固な岩盤に、巨大なクレーターを作り上げた。

 

 「………………。」

 

 静寂。粉塵が舞う中、ベルは見た。

 たった一撃で、本来勝てるはずのない怪物を粉砕し、背中を一切曲げずに立つ「父親」のような背中を。

 

 「……さて。ベル、魔石を拾え。今夜は宴(うたげ)だ。グララララ!!」

 

 白ひげは豪快に笑い、震える手で魔石を拾い集めるベルの頭を、乱暴に、しかし優しく撫でた。

 

 この日、ギルドに「ミノタウロスが一撃で、それも拳一つで粉砕された」という報告が入り、第一級冒険者たち——アイズ・ヴァレンシュタインやオッタルまでもが、その「白い髭の怪物」の正体を追うことになる。

 

 伝説の海賊が、迷宮の深淵にその名を刻み始めた瞬間だった。

 




考えるのがマジで難しい...もっと文章を考える力が欲しいです(´;ω;`)
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