スキル屋のバイトになりまして   作:何処にでもある

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希望、或いは崖

 

 

 チリン、チリン。

 

『ようこそ、ヌルイのスキル屋へ。お買い求めの能力は……おやおや』

 

 余りにも場違いで、()しくは1番らしい存在でした。

 紅い眼に、コウモリに似た翼に、濡れてるように鮮やかな黒い髪に、聞いた事のない言葉に、昔の英国紳士が着ていそうなアンティークな服を来た、背の低い……それこそ幼いとすら表現できる女の子。

 

「失礼、この言葉で合ってるかな? 見かけない服装と思考言語だ。

 改めて、ここはヌルイのスキル屋。あなたに相応しい力を与える悪魔のお店。

 どうやら只事ではない様子。相談料は無料でお話ししましょう。

 災難にあったのは私かあなた方か、知る必要がありますので」

 

 そんな飄々とした悪魔のロリっ子が、この訳のわからない状況で唯一の手がかりだったのです。

 

 

 $ ・ヌルイのスキル屋(出張版)

 

 

「なるほど、異相牢(ダンジョン)禍に巻き込まれたようだ。私も学生さん方も運のない」

 

「ダンジョン化…ですか?」

 

「我々の世界では子守唄としても有名な災害です。最初は神隠しと呼ばれてました。

 世界と世界が、その間にある異空間を伝って繋がる災害。

 とはいえ、繋がるのは一瞬。大抵の場合は私達側の方が切れて、相手の世界に通路だけ残る事態となります。

 そして、大抵1人か2人、私達の世界の誰かが巻き込まれ相手の世界に取り残される」

 

「つまり…ここはダンジョンで、あなたは二度と元の世界には戻れなくて、私達は帰れるかも知れない…?」

「ちょ、言い方…!」

 

「御名答。そしてお気になさらず。

 これ見えて23です。悪魔の中では若造でも、あなた達より少しだけ年上ですよ」

 

「人換算だと…?」

「大体9歳くらいですかねぇ? 大体3掛けでしょうし」

「わっっッ!!!」

「つまり最高年齢300歳…ん?」

「……あれ、倍率3の9歳は2…むー!」

「しーっ! 野暮だよそれは…!」

 

 ……3倍計算だとしたら9じゃなくもうすぐ8歳になる7歳では? とツッコミたくなるのを堪え、余計な口を塞ぎます。

 突然訳のわからない空間に飛ばされた者同士なのを折角分かり合えたんです。それをポシャらせるなと、精一杯睨み付けます。

 大人ぶろうとする、幼い身でありながら不思議な店を構える悪魔。

 実に小説か漫画かゲームにでも出てきそうな流れですが、そんな都合の良い相手と不仲になるのは勘弁願いたかったんです。

 

「事情は分かりました。ですが私達も余裕がないのです。突然な訪問で不躾なお願いではございますが、どうか」

「安全が欲しいと。畏まりました。当店のサービス外ではありますが、異相牢(ダンジョン)禍の緊急事態。新天地に来たついでに新規事業の開拓でもやってみましょう」

「ありがとう御座います!」

「5千円、其々お手持ちに御座いますか? 地形や遷遺者の情報でも構いませんが」

「あ、はい」

 

 そんな風にとんとん拍子で、私達5人はこのダンジョンの中で真っ先に安全を手にすることが出来ました。

 

「ふぅ…」

「やっと一息付けた…」

「疲れた……」

 

 一先ずお掛けにというヌルイちゃんのお言葉に甘え、口々に息を吐きます。

 

 仕方ないですよね。

 突然荒野に放り出されて、訳の分からない追いかけてくる岩から何とか逃げて、そこに休める場所があれば誰だってそうすると思いますし。

 

「……現実味がないなぁ」

 

 それは私、赤地坂あさみも同じことでした。

 あの悪戯放送から10分が経った途端、テレビのチャンネルを変えたように此処に迷い込んでしまって、死ぬかどうかの徒競走をするハメになった。

 正直、今でも半分夢なんじゃないかって考えてます。

 

 それはみんな同じみたいで、非日常への興奮を抱えながらも、冷静になった皆は次第にこれからについて話し始めました。

 

「まず、ヌルイさんの言葉は信じよう」

「悪魔って名乗ってたよ?」

「僕らはキリスト教徒じゃないし、本当に異世界人なのは見ての通り。最初の応対から言葉は相手がこっちに合わせてるってわかるだろ。単に特徴が似てるからそう名乗ったって考えた方がいい」

「まあ信用しないと始まらないか」

 

「でもあの子がこれを起こしたって線は?」

「掛け算も出来ない子がこんな事出来るか?」

「それもそうか」

「でも強かだよね。お金要求してたし」

「親の教育だろ」

「なら計算は?」

「異世界の一商人の教育事情はこの際どうでも良いんだよ。これを見ろ、光源が蝋燭だぞ? 中世なんて家庭によるし、ましてや時間感覚も違う種族の子供だ。こっちの常識で測れる相手じゃない」

「落ち着いて、この話は終わりだ。これからどうするか話し合おう」

 

「第一は脱出だ。第二はそれまでの僕らの安全の確保、第三に他に巻き込まれた生徒を此処に呼ぶ事でどうだろう」

「一と二は賛成、三はもっと余裕が出来てからで良くない?」

「救助の心得は習っただろ? 初期対応は時間は命。ましてやダンジョンなんて空想上の危険地帯。今も誰かが死んでるかも」

「それは最初の1〜3時間とか、そのレベルじゃん。此処に避難するまで1時間は経ってる。それに巻き込まれたのは私らだけかもでしょ?」

 

 ……このままだと会議が進ませんね。

 今まで書記役として発言をまとめてたが、助け船を出すとしましょう。

 

「あの…ヌルイさんに助けられる望みはあるか聞いては? 幼くても、ダンジョンに関して私達より1日(いちじつ)の長です。議論に参加させましょうよ、彼女、見た目より年上ですし」

「俺も賛成。よくよく考えりゃ誰も詳細を知らないで話し合うとか無駄だわ。ちょい呼んでくる」

 

 良かった、いい方向に進んでくれそう。

 

 

「結論から言えば400人近くがこの異相牢(ダンジョン)にいます。

 だから私も最初は街中に居ると勘違いしたのです。

 けど、スキルもないあなた方が助けられる状態である保証はない。

 乱れた空間と時間、遷遺者(まもの)の脅威。

 異相牢(ダンジョン)は噂に聞くだけでも理解の及ばない領域ばかりだから」

 

 話はそこで詰まりました。

 どういう選択を取るにしても、私達は必ず此処から外に出なければならない。

 それは脱出口を見つける為でもあり、探索に当たっての中継ポイントを見つける為でもあり、巻き込まれた遭難者を助ける為でもあります。

 

 どういう目的であれ、取るべき行動は「外に出る」しかない。

 だからこそ、力が無ければ先ず死ぬという言葉は絶望を齎した。

 思わず、ヌルイちゃんに質問します。

 

「……なら、どうすれば」

 

「スキルを買えば宜しい。当店は最低Cクラスを販売する高級店。値は張りますが、学徒のあなた方でも一端の戦士として振る舞える」

 

 酷くお堅い言葉だった。

 そっちにとっても緊急事態なのだから無償で出して欲しいと不安を零す。

 

「お金持ってない……」

 

「問題ありません。それを言ったらあなた方のお金は異世界のもの。やり方は企業秘密ではありますが、当店は「価値」其の物を金銭にする「両替機」がある。

 お金が最も穏当な取引材料ですが、最悪、運命でも寿命でも、なんだって当店は「お金」と看做しますよ。

 

 誰か、自らを切り売りする勇敢な者は?」

 

 ………私は無理だ。

 

 

 会議はそこで終わりました。

 実の所、この場にいる私を含む5人は見ず知らずの関係。

 偶然お互いが近くにいて、成り行きで一緒にいることになった、同じ高校に通うという薄い共通点を持つだけの烏合の衆ですから、仕方ない事なのかも知れません。

 

「……全員で分割して払うのは?」

「不可能です。元から金銭なら兎も角、曖昧な物から創られた「価値」で得た物は自分だけのもの。

 それを無償で他人に渡すような真似は出来ないのです。世界の法則としてそうなっている」

「そう…です、か」

 

 そのトドメとなる言葉に、私達はお互いを気不味そうに見やっては目を背け、場を膠着させました。

 命を賭けるには値しない相手に対して、人はあまりにも他人事で済ませてしまう。

 

 私がやるのは不当だ。私だけが損をするのは嫌だ。

 それはこんな緊急時代でも……いや、「命」をより意識させられた今だからこそ、自分が惜しくなります。

 ヌルイちゃんが元の場所に戻っても、そのまま気まずい時間だけが過ぎて、私達は無為に時間を過ごし……世界はそんなの知るかとばかりに新たな遭難者が訪れたんです。

 

 チリン、チリン。

 

「いらっしゃいませ。ここはヌルイのスキル屋。私は悪魔のヌルイ。

 現状を知りたいのでしたら、先に来店した御同輩とお話し下さいませ。

 スキルを、商品を見たくなりましたらお声がけ下さい」

 

「うわ硬派。てかここ…不思議なダンジョンのショップ枠か?」

「あ、見ろ! 他学年の人がいる! っぱ俺達だけじゃ無かったんだよ!」

「マジかよクラス転移超えて漂流教室じゃん」

 

 ぞろぞろと…十人以上は居るでしょうか。

 聞こえてくる話の内容からして西側から階層を渡って来た方々のようで……。

 

 そういえばヌルイちゃんは此処をダンジョンと言ってましたね。

 私はゲームをあまりやらない方ですが、ダンジョンが何階と表記されるのは知っています。

 あるのでしょう。入り口が。上か下か知りませんが、彼らはそこから此処にやって来た。

 

「別れよ。ヌルイちゃんとあっちに事情聞く側の二手で」

「おけまる水産」

 

 そしてある程度こういう状況をモチーフにした創作物にも触れて来たに違いありません。

 集団の中でも一際興奮した様子の2人が、どこか浮き足立ったまま別れ、私達に駆け寄って来ました。

 

「ちょっといいですか?」

「ああ…」

 

 その時。

 流れでこのグループのリーダーをしていた男子が応じたその時、私に嫌な予感が走ったんです。

 マズい、そのまま話せば今後私は集団に埋もれる…!と。

 

 そうなればいざという時見捨てられる1人に成り下がる。

 こんな状況です。最低限情報が先に回ってくる側に立たなければならない。

 多少強引でも、私は間に割って入りました。

 

「あ……必要な情報なら私に。さっきまでのことを紙にまとめてましたから」

「へー、用意良いじゃん」

「さっきまで私達で会議をしてたんです。私は書記をやってました」

「うっわ、グループディスカッションが役立ってるの始めて見た!」

「……どうぞ」

「ふむふむ……ちょい借りていい? 回し読みしたい」

「ならついて行きます……座っても何も出来ないので」

「おけおけ」

 

 彼は流し読みで内容を把握すると、一言断って紙をあちら側に持って行きます。

 それに着いて行くと、丁度ヌルイちゃんは重要な話を始めてたんです。

 

「聞いた限り、その通帳というのもスキルの代金にできますね。

 信用と金の差はあれど、要は王都の貸金庫。それなら確かに通帳が手元に無くても、所有権がある限りそれらの「価値」はあなた達に付随する」

 

「!! つまり、パパとママが貯めた大学用の貯金を使える!」

 

「大学…親が…はい、問題ありません。

 誰が集めてようと、管理しようと、「価値」はあなたの方にある」

 

 聞き捨てならない言葉でした。

 私の家はかなり裕福な方でしたから、その分の貯金が納められた、私の通帳がある。

 確か500万。失うには手痛い額だけど、寿命や運命を無くすよりずっとずっとマシは選択だった。

 

 だが……()()()()()()()()()()()()

 

「お、君も買う?」

「……いえ。私の家庭は最近お金の余裕が無くて、私の大学用の金を崩してるんです。考えさせて下さい」

 

 嘘だ。

 もっと重要な役割で安全で、脱出した後も使い物になるスキルを得る為の嘘。

 

「ならしゃーないか」

「お前どう? 俺は親を信じるなら200万」

「300」

「うわ貯めてんなぁ!」

「横から失礼。大学ではなく独り立ち用の150。大してないが、俺も参加しよう」

「えっマジかそれ聖人だよお前」

 

「じゃ、俺ら三人が"救助遠征班(パーティ)"な訳だ!」

 

 彼らが浮き足立ってゲームと現実を混同してるのは分かってました。

 そんな人が安全圏を得て取る行動なんて、準備を終わらせて即座に冒険に出ると推測したんです。

 取らないならそれまでの保険で、自分の為の嘘。

 

「‭─‬‭─契約成立。ご購入ありがとうございました。

 こちらサービスの……端的に言えば弱体化コイン10枚です。本体に当てれば効果を発揮します」

 

「……あの、応援してます! 絶対、生きて帰って来て下さい!」

 

「おう! へへ、初めて女の子に黄色い声挙げられたわ」

「慢心乙」

「いいじゃないか、悪い気分で出るよりは。俺は嬉しいぞ」

「あれだね、キミ結構明け透けで話しやすいタイプだな?」

 

 その為なら苦手な笑顔も愛嬌も使おう。

 例え同じ女子に嫌な顔をされようと、危険を買って出る奴を踊らせない馬鹿にはなりたく有りませんから。

 

 その間に私は‭─‬‭─。

 

「…さて、そろそろ宿泊施設を創らなければ」

「‭─‬‭─少し話を聞かせて貰っても?」

 

 

 $ ・ヌルイのスキル屋 地下5階 夕方

 

 

 「錬金機関(アルケミットオルガン)」は最強だ。

 

 貯金の殆ど……450万を叩いて手にした超能力(スキル)は、そう断言できる性能を発揮し、見事ヌルイちゃんの店をダンジョン仕様の立派な物に変えてみせました。

 それこそ、今日だけで色々あったのに、すぐに思い出せるのがこのスキルの事だけな程に。

 

「……等価交換さえ守っていれば、無機物ならなんでも変えられる。石を黄金にするのは序の口。使い方さえ理解すれば、懐中時計を量産可能な精密性と想像力の補完すら持ち始める……ふふふ」

 

 始めこそ全然使い熟せないハズレスキルでしたが、それもヌルイちゃんのサポートで簡単に乗り越えられました。

 やはり、あの子は表面こそ立派でも中身は突然親元から離された、余裕のない子供です。

 実の所マニュアル通りに動いてるだけなのでしょう。

 でなければ、遠征班にこれを施さない理由がない。ああ、可哀想に。

 ヌルイちゃんが抜けてなければ、150万の男が死ぬ危険もグッと減って、生きてたかもしれないでしょうに。

 

「あっはっはハハ……あーホント、笑いが止まらない。もしかして、余裕が出来ると結構楽しい状況なのでは?」

 

 ホント、楽しくなって来た。

 思えば非日常。それもとびきりの環境と力。

 ヌルイちゃんなんてとびきりのヒロインも居るし、もしかしたらこの事態は生徒の誰か主人公にでもなったから起きたのかも知れない。

 

 だとしたら、私は悪役なんでしょうねぇ……。

 

「ん? んー? んんー…あー、マジですか。もしかして()()()()?」

 

 ああいや、訂正。絶対に悪役ですね、これは。

 

「いいね、いいね‭─‬‭─楽しい火遊び(スリリング)になって来ました…‼︎」

 

 ヌルイちゃんは私が手にしたスキルを使って大改築する時、地下五階を立ち入り禁止区域にしてました。

 実に楽しい夢で心の弾む経験でしたが、これが私に大きな違和感を持たせたんです。

 ヌルイちゃんの見えない使い魔が活用するわけでも無く、必要もないのにわざわざ作って道を封鎖した。

 そんなの、ヌルイちゃんが居ない間に見たくなるじゃないですか。

 

「誰も通したくないなら創らなきゃいいのにと思ってましたが……なるほど、「帰り道」!」

 

 しかも、そこに何が映ってたと思います?

 ああ、現実に帰る道なのは前提で、その上で映ってる景色のことです。

 

 それはですねぇ……"私の楽しみの為に適当に殺した一家の生き残り"!

 

「水浦くぅーん…キミだったんですねぇ? 私の為にこんな事をしたのは」

 

 あーあ高笑いしちゃって。時間が止まってても分かる躍動感、ホントにこれで殺せるって確信してるんだ。かわいいねぇ?

 囲んでるのは…1人知ってる。一年下の、ヤケに人懐っこい女の子だ。

 そっか、どんな経緯かは知らないけど、私ですら悪戯だと思った放送に真面目に付き合ったんですね。

 

「あれでも違いますかね? 一瞬彼の仕業かと思いましたが、こんなの(ダンジョン)が出来るのは想定外だった線も? うーん…でもそうなると」

 

 不可解だ。仮にこれが彼がスキルを使ったせいだとすれば、ヌルイちゃんの存在が怪しくなる。

 スキルは元々異世界にも現実にも有ったとすれば矛盾しないけど……ああそう言えば、東京に行く時に使うテレポとか怪しいのがありますね。

 

 だったらおかしな話ではありません。

 現実には昔からスキルがあって、異世界と一瞬だけ繋がるダンジョンがあって、その戦利品が世の中に紛れ込んでいる。

 その上で……私のスキルは高級品。これまでのスキルとも一線を画すに違いない万能性があります。

 

 仮にダンジョンを作るような物でも、負ける道理が見えてきません。

 

「楽しみ…ぃ。私、人が死ぬ間際の顔が好きなんですよぉ? 水浦くぅん…。

 だから、あなたが1番苦しい思いをする結末を用意してあげます。

 そこで何も知らないまま待ってて下さいねぇ…?」

 

 ああ、最高の楽しみができました。

 ここならどれだけ死んでも問題ないですし、ヌルイちゃんとシェフの子さえいれば幾らでも先はあります。

 

 上手に、楽しく、趣味に走りましょう。そう……最高の修学旅行にするんです。

 現実では警視総監の父が揉み消せる範囲でしか出来ませんでしたけど、ここなら親世代の犯罪とか、沢山の被害者の恨みがある人とか、ヤクザ者とか、そんなのに限定せず好き放題殺せますし。

 

 水浦くんの親御さんは冤罪だったみたいですけど、世間にえげつな〜い批判をされてて、いつ死んでもおかしく無かったもんね? 私も最っ高に理不尽になれたからよく覚えてます。

 なんだったら水浦くんにはキスの一つ、初めての一つあげたいくらいです。

 月並みな仕込みですけど、恋人が仇って知った時とか、とても楽しそうだもんね?

 

「あっはハハハ‭─‬‭─さて、暫く潜伏しましょう。誠実に、ホシにならない程度には。

 ヌルイちゃんは悪魔だけど善人ですし、帰り道を見つけて言わないだけの理由がありますよね?

 なら、それを知るまで‭─‬‭─そうだ、最初に読心してたなぁ。どこまで読めるか聞いて、記憶の調整もしなきゃ。使い魔用の商品リストにそういうの、ありましたし。絶対鬼門だけど、上手く行ったら楽しいだろうなぁ…!」

 

 さて、頑張ろう。

 ここを私の地獄にする為に。

 

 

 

 

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