エゴにまみれた危険な悪魔   作:名無しの位階1の虫ケラ六年生

11 / 15



長いです


第十一話 師団披露!!

 

師団披露は、前夜祭、本祭、後夜祭の三日間かけて行われる行事だ。

 

そして、今日は待ちに待った前夜祭。

 

師団披露スタートだ

 

 

 

 

「いらっしゃいませ」

 

 

俺は白いワイシャツに黒のベストとズボンを見に纏っていた。よくある喫茶店のユニフォームをイメージしたオーダーメイドである。

質の良い生地が光沢を帯びて、品を備えてくれる。

 

 

喫茶店は、大いに賑わっていた。

徹夜で覚えた魔術で建てた建物は、大衆の目を惹きつけ、客呼びに大成功した。掴みはバッチリといったところである。

初めましての悪魔から、知り合いの悪魔まで大勢の生徒が足を運んでくれていた。

 

 

「いらっしゃいませ!!お好きなお席にどーぞ」

 

 

俺とケイがホールを担当し、メイが厨房だ。

ケイは人懐っこい見た目と性格で客ウケが良かった。

体力のあるケイに基本的な配膳は任せて、会計は基本俺がすることにしている。お金の計算をこの頃やっとケイはできるようになったのだ…。

 

 

またカラン、コロンとドアベルの音がした。

次から次へとお客が来る

大盛況だ。

 

ドアの方に視線を向けると、3人の着飾った女悪魔たちがいた。

とても、見覚えがある。

 

 

「マルスくーん来ちゃったよ♡」

 

 

「その服、似合ってるねー///」

 

 

「かっこいいー♡」

 

 

語尾に♡が付いた客、知り合いのサキュバス師団の団員がどうやら遊びに来てくれたようだ。

彼女たちは、いつもよりも布面積の少ない、大人っぽい服に身を包んでいた。ヘアアレンジも凝っていて、師団披露に向ける熱意を感じる。

 

この頃話せていなかったので、純粋に会えて嬉しかった。

 

 

「君たちも、とても可愛いらしい。いつもと違う服装もまた魅力的だ」

 

 

「うれしいー///この服おきになんだよー♡」

 

 

「マルスくんに作って貰った香水もお気に入り♡」

 

 

「めっちゃ良い香りでみんな気にいってるのッ♡」

 

 

「これからも、定期的に提供してくれたら嬉しいなーって、団長も言ってたしぃ♡」

 

 

「ねー♡本当ありがとうッ」

 

 

「喜んでもらえて嬉しいな。今後とも香料研究師団をご贔屓に。

今日は精一杯持て成させてもらおう。」

 

 

 

「きゃー///イケメン♡」

 

 

微笑んでやれば、3人は顔を赤くする。

この頃気づいたのだが、顔が良いとどんなにキザなセリフや行動をとっても様になるらしい。

 

 

「先輩!坊ちゃんがなんかキラキラしてるっすよ、いつもかっこいいすけど、なんか今日の坊ちゃんは胡散臭いかっこよさっす!!なんか、変すね!!」

 

 

「猫被りやがって。彼女たちベットでも優しくされてるんですかねぇ……」

 

 

「……ッえ、あの3人とそんな関係なんすかッ」

 

 

「どう見てもそうですよ。坊ちゃんの手を出す早さを甘くみてはいけません。あのサキュバスども顔がメスの顔だ」

 

 

「?それいったら、メイさんもメスっすよね?」

 

 

「なっ」

 

 

 

サキュバス師団の団員というのは、自分がどうすると可愛いか魅力がある(エロい)か正しく理解して行動している。

 

悪魔によっては、計算づくのあざとさは可愛いくないと思うものもいたりする。が、俺はそれを真っ向から否定する。

可愛いと思われたくて可愛い子ぶって努力している子は可愛いだろと。

 

つまり、目の前の彼女たちは物凄く可愛い。

それに元々の顔が良い。華があって美人だ

 

 

他の客への対応もあるので、3人を席に案内し、メニュー表を差し出し軽い説明を行った。

 

 

「注文が決まったら、また呼んでくれ」

 

 

「はーい♡」

 

 

料金は学生でも買えるくらいの価格設定にしている。

他の師団の価格も確認した上での値段だ。ちなみに、他の師団に比べると多少高めではある。

学生レベルの店ではなく、現役メイドが淹れる本格紅茶なので、味については保証するし、店の内装もこだわって作ったので雰囲気も楽しめる。ちなみに店内で流れているBGMは、俺が弾いているピアノだ。クラシックからジャズまでいろいろ弾いた。

 

ひと息ついてくつろげる最適な喫茶店が出来上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

 

最後のお客の背を見送る。

 

 

喫茶店が休憩の場としての役割があるとはいえ、そこで働く店員にも休憩が必要だ。

香料研究師団は3人しか団員がいないため、うまく交代で働くこともできず、店のお休みの時間というものを設けていた。

今から1時間の昼休憩である。

 

 

「流石に厨房1人は疲れました…」

 

 

「先輩お疲れ様っす!思ってたよりお客さん来てくれたっすね。反応も良かったですし。先輩の淹れた紅茶好評でしたよ!!」

 

 

「おまけのつもりでレジの横に置いておいた茶葉も売れたしな」

 

 

「先輩凄いっす!!」

 

 

喫茶店の売り上げは上場。

この結果はメイの貢献が大きい。ケイと2人がかりで褒めてやる。

 

「…褒めても、なにも出ませんよっ」

 

メイは疲れた顔で嬉しそうにはにかんで笑った。

 

 

「では、俺たちも出し物を見てまわるか」

 

「はい!!」

 

 

 

俺はサキュバス師団に直行した。女悪魔とイチャイチャした。

先程の笑顔はなんだったのか、メイが怒り出した

 

 

 

 

午後も午前同様に営業する。

3時が特にピークで多くのお客さんが店の前に並んだ。どうやら午前の口コミと紅茶の香りで客が釣れたのだろう。

 

6時で喫茶店は閉店の時間だ。

なかなか、6時以降に紅茶を飲みにくる客はいないし、茶菓子しか食べ物はないため、ガッツリ系の屋台に客の多くをとられてしまう。

なら、後は休んだ方が効率が良いと判断してでの時間である。

 

 

サキュバス師団での反省を活かし、周りたいものを決めるのはケイに任せた。これならメイにブツブツ言われる心配もない。

 

 

「坊ちゃん!この焼きとうもろこし美味いっすよ!!」

 

「初めて食べるものばかりで新鮮だな」

 

 

ケイがとうもろこしを頬張る姿を微笑ましく眺めながら、俺はイカ焼きなるものを食べていた。

こういったものは、お祭りなどの屋台で買えるという知識はあったが、実際に食べてみることは初めてである。

 

 

「坊ちゃんは、上流階級のご身分。こういったものは初めての経験ばかりですね。」

 

 

「ああ、思ったより楽しいものだな」

 

 

「はい、とても」

 

 

メイもケイも、幼少期から教育の毎日だ。満足に遊んだことなどないだろう。あったとしても僅かで、記憶に微かに残っている程度のはずだ。

このようなものに参加したり、食べたりするのは俺と同じく初めてで、その初めてをこの3人で共有できたことが嬉しかった。

 

 

「ッぷ、ふふ、ケイ、頬にとうもろこしが付いてますよ」

 

「え、あ、ほんとっす……はずかし」

 

 

2人の顔は心からの笑顔で溢れていた

どうやら、2人も俺と同じ気持ちでいてくれるらしい。

 

 

 

ズ、ドンッ!!!!

 

 

なんの脈絡もなく、突然謎の大きな振動に襲われた。

 

 

「な、なんだこの揺れ」

 

「ッ…きゃー!!」

 

 

ここは屋台が並ぶ通り。腹が減る時間帯というのもあり、多くの生徒が集まっていた。突然の異常事態に混乱や悲鳴の声があがる

 

1人が叫ぶと集団にそれは伝染する。

皆の表情が固く強張っていた。

 

 

「お、おさまったのか?」

 

 

「一体なんなんだ」

 

 

「ッ、地震?」

 

揺れは長くは続かず、程なくしておさまった。

お互いの顔を見合ったり、頭を抱えてしゃがみ込んでいたものたちが、ゆっくりと顔を上げて周囲の状況を確認したりし始める。

 

不安な時ほど、悪魔は饒舌になる。

一斉に集団がうるさくなった。

 

出店の中には揺れに耐えきれず潰れてしまったものもあり、それも不安を掻き立てる要素になっていた。

 

 

「……ケイ状況把握」

 

俺は集団を静かに見つめながら、ケイに指示を出す

 

 

「ッはいっす」

 

ケイが返事すると同時に、ケイの身体に魔法陣が何十も出現した。

身体能力の重複強化である。

 

空気が揺れた

 

ケイの姿は消えていた。

 

数分後、ケイは顔を顰めながらもまた空気を揺らして帰ってきた。

 

 

「いってええーー……報告するっす。上空からバビルス全体を確認しようとしたところ、見えない透明な壁にぶつかりました。どうやら、バビルスを覆うようにバリアのようなものが張られているようっす。

校内にも透明な壁が出現しているようで、迷路のようになってるっすね」

 

「一応重複強化して叩いてみたっす。校舎内の壁は一時期に破壊可能なことがわかりました。直ぐに修復するので、……かなり高度な魔術と思われるっす。バビルス全体を覆う外壁はビクともしなくて……破壊は無理でした。めっちゃ痛い。骨折れてるっすよ絶対」

 

 

なるほど。おそらく計画的な犯行だな。

イベントにしてはやり過ぎているし、アナウンスも今のところ無い。これは……

 

 

「おい!なんか学校中に見えない壁があるぞ!」

 

「なんなんだコレ」

 

「私…荷物とか教室に置いてるんだけど、困る」

 

「この透明な壁かてー」

 

「なんかコレ……ヤバくないか?」

 

 

集団の様子は揺れがあった時よりも酷くなっていた。

みんな、異常を感じ取っている。この透明な壁からは危険なにおいがすると。

 

 

「坊ちゃんは、このバリアを壊せますか?」

 

 

俺が、どう動こうかと思案していると突然メイがそのようなことを聞いてきた。

どうした急に、まあ答えてやるが

 

 

 

「…我が家の家系能力には火力はない」

 

 

家系能力、煙生成。

この家系能力の唯一の弱点は爆発的な火力であると言われている。

 

生きているもの、生物には有効だが、無機物にはとても弱い。

この煙は殺すための最強の魔法であって、今回のような魔術を破壊することはできない。

バリアを貫通して煙は通る。が、それは術者は害すことはできてもその魔術を破壊することはできない。

良くも悪くも、この煙は影響しないのだ。

 

 

だから魔王にも敗れた。

この家系能力は人体に作用することしかできない。

 

俺にこのバリアを破壊する術はない

 

 

 

 

というのが従来の我が家の家系能力の評価である。

 

 

俺は家系能力の扱いが天才的である。

生まれながらの才。操り方を知っていた、教えられなくても頭が身体がわかっていた。誰よりも一番理解していた。

 

 

そもそも我が家の家系能力、煙の能力を皆勘違いしている。

 

この煙は、底しれぬ黒。全てを破壊する煙なのだ。

血が混ざった結果なのか、家系能力を研究した結果なのか、なんの原理か無色になったり、毒を付与できたり、魔術を付与できたりと多様な能力になっているが。

その原点は破壊だ。

 

 

 

 

我が家の最も古い文献にはこう記されている。

 

 

 

 

初代の悪魔が操るその煙は、ただただ真っ黒であった。

 

 

全てを煙で覆い隠し、暗闇が訪れる。

 

 

暗闇に呑まれたものは死ぬことはできず毒に侵されたように苦しみながら生かされる

 

 

そして、闇の中で破壊が行われる。

 

 

彼は破壊者と呼ばれた

 

 

 

 

「俺に破壊できないものなど、無い」

 

 

俺の手にドス黒い煙が発生する。

煙がバリアに触れた瞬間、バリンッ!!とバリアは砕け散った。砕けた後も修復する気配はない。

 

 

「おおっ!!すげー坊ちゃんッ!!」

 

「……流石でございます。愚問でしたことをお許しください」

 

 

どうやら、このまま前夜祭を再開。というようにはならないらしい。

透明な壁を一つ破壊しただけであって、どうやらまだ校舎内の壁は多く存在し、バビルス学校全体も覆われている。

 

俺は手に持ったイカ焼きの残りを噛み切り、咀嚼し飲み込んだ。

 

 

フツフツと怒りが込み上げてきた

 

 

 

「前夜祭という楽しみに水を差す不届き者の顔を拝みにいくぞ」

 

 

「了解っす!!ぶっ飛ばすんっすね!!」

 

ケイは、おそらく腕の骨が折れていると言っていた癖に、俺の言葉で好戦的な様子になる。俺が、目の前でバリアを破壊したことに興奮しているのか、その目はギラついている。

 

 

「メイ、首謀者に心あたりは」

 

 

横目でケイの様子を観察しながらも、メイに問いかけた。

 

メイは幼少期から俺のサポートとして育てられてきた。

メイの頭の中は、例えるならば図書館。多くの幅広い知識が詰め込まれている。

仕事柄、特に上流階級に詳しく、おおよその有名な家系は把握していた。

 

 

 

「……この透明なバリア、悪魔屈指の名家アミィの家系能力に酷似しています」

 

 

メイの知識が導き出した答えは、当たりである。

 

アミィという名家がある。

家系能力 断絶(バリア)

防御能力が高く、生物を対象とし閉じこめることにも適している。

確かに、目の前のバビルスに出現している透明なバリアは、一致している。

 

 

「今すぐに生徒名簿を……いや、バビルス悪魔学校に在籍している名家の生徒の名は頭に入れているな?メイ」

 

 

 

「……いえ、ですが。」

 

 

「なんだ、どうした」

 

珍しく、メイの歯切れが悪い。

何か、引っかかることでもあるのだろう。

 

 

「…記憶しています。アミィで現在在籍している生徒は、アミィ・キリヲ。上級生ですが、位階は低く2。名家の汚点として、社交界で話のネタにされていたことがありました」

 

 

メイは怪訝な顔をして、言葉を発した。

 

 

「噂通りならば、この生徒に、このような強力な魔術を行使できるとは考えられません。」

 

 

 

 

「が、現にバビルスはその生徒の魔術で覆われていると」

 

 

俺は笑った。

 

 

「…警戒する必要があるかと」

 

 

メイの表情は険しい。

 

 

「メイ。アミィと我らアバドンが戦えばどちらが優勢だと思う?」

 

 

「それは……」

 

 

 

「そんなの、決まっているだろう?俺が勝つ。バリアは防御あるいは閉じこめることに使う。相性は最悪

俺の煙を防ぐ術など存在しえない、守りだけの弱い家系なんぞ、捻り潰してくれる」

 

 

 

 

「………」

 

 

 

メイが、完全に沈黙した。

なにか悩まし気に、口をつぐむ。

 

 

 

 

やがて、重い口を開け、しかしハッキリと言葉を発した。

稀に見る、有無を言わさない目をしていた。

 

 

「私が一番心配なことは、一つです。

坊ちゃんがアミィ・キリヲを殺さないか。」

 

 

「名家の汚点とはいえ、アミィの血が流れています。

万が一、アミィ家との火種とならないように、慎重に事を運んでいただきたく存じます」

 

 

メイが静かに頭を下げた。

アミィは我が家からすると弱い。が、魔界の基準では強者に分類される家系である。魔関所といったエリート職にも配属されており、影響力は無視できない。

それに我が家は外聞がよくない

 

メイの発言は、我が家の立場を考えたものである。

よっぽど俺よりも家のことについてコイツは考えている。いや、考えることがコイツの仕事だ。

我が家に尽くすために生まれてきたのだから

 

 

「わかったわかった。殺さない」

 

 

 

 

突然スピーカーのノイズ音が走った。

 

今度はなんだと集団がまた騒がしくなる。

 

 

 

「あーあー、…はいはーい、みなさん聞こえるー?」

 

「びっくりしたかな?しかし安心めされい!」

 

「これは魔術開発師団と遊戯師団が共作した、サプライズイベントだよ!」

 

 

無機物のスピーカーから、明るい弾んだ声が流れる

 

 

「透明な壁を避けて進み、ゴールを目指せ!」

 

「学校全体が迷路だ!」

 

「上位ゴール者には商品もあるよ!お楽しみに!」

 

 

「中庭にある中央広場がゴールだ!!さあ急げー!!」

 

 

 

校内放送でアナウンスが入った。

これは…教師だな。仕事が速い

 

 

バビルスの空気が緩んだ

 

 

「どうやら、これはサプライズイベントということらしいぞ」

 

 

「流石はバビルスですね。緊急時も対応が早く的確です。これで、生徒の多くが落ち着く」

 

 

このアナウンス一つで、生徒の混乱と不安が、消えた。

周りを見渡すと、生徒の表情は柔らかく、不安が取り除かれたどころか、サプライズイベントにテンションが上がっている。

 

集団というのは、本当に物事を深く考えずに、簡単に操られる。先程までの不安はどこに行ってしまったのか。

 

今回の場合は、それが非常に助かる要素になっているが

 

 

「どうする?俺たちも中庭に避難するか?少し危険な手かもしれないが」

 

 

「危険…というと?いえ、なるほど。このアナウンスは首謀者にもおそらく伝わっていますし、そもそもこんな大掛かりな計画に避難誘導が想定されていないはずが無い、と」

 

 

「ああ…この学校側の迅速な避難誘導さえも、計画の一部だとしたら。避難場所は、一瞬で危険地帯になる」

 

 

首謀者、おそらくアミィ・キリヲで確定だろう。

かなりの緻密な計画、おそろしく準備が良い。

 

 

 

「えっと、避難場所に爆弾でも仕掛けられてるんすか?」

 

「良い考えだケイ」

 

 

ケイの疑問を評価してやる。

爆弾、かは分からないが、十中八九なにか仕掛けているはずだ。

アミィ・キリヲにどんな考えがあり、学校にバリアを張っているのかは不明だ。が、手段で少し見えてくるものもある。

 

 

「ケイ、一度中央広場に行って戻ってこい」

 

 

「え、あ、はいっ!!」

 

 

バリアをバビルス全体に覆わせていることから、逃げ場を無くしてなにかをしたいのは明らかである。閉じこめる必要がある。

 

そして、校内の通路にもバリアが張られていることから、集団を誘導する意図が伺えもする。閉じこめるだけならば、バビルスを覆うバリア一枚でいいはずだ。

 

最後に、避難誘導だ

 

 

 

「も、戻りました!!」

 

 

隣の空間が揺れる。

ケイが走って中庭の中央広場から戻ってきた。

 

 

「どうだった?」

 

 

「え、っと?…めっちゃ悪魔がいたっす。大体ゴールしてるんじゃないすかね?みんな思ったより速いなーと」

 

「なんで速いと思った?」

 

「え、それは、迷路のように校舎内に透明な壁が……、あ!!」

 

 

「そう、速すぎる。」

 

 

校舎内にバリアが張られて、迷路のようになっている。

だというのに、なぜ、避難が速いのか

 

普通は、避難誘導が行われている場合、それを阻止するはず。

やはり、意図的に生徒を一箇所に集めている。

 

アミィ・キリヲの目的が生徒に危害を加える。その可能性が高くなってきた。

 

 

 

「とはいえ、避難誘導をせず、生徒が混乱をし状況が悪化する方が悪い。教師の対応はどのみちしなければならなかったことだ。それが首謀者の思惑通りのことであってもな」

 

 

「それに避難場所には、警備の教師や生徒会もいるので、大丈夫だと思いますが」

 

 

「そうだ。だから、それをどうにかできる仕掛けが、首謀者にはあるのだろうよ。警戒するに越したことはない」

 

 

「アミィの家系能力は攻撃には向いていない。それにキリヲというのは、……そうだな、大方魔力が少なくて面汚しと言われているのだろう」

 

 

「その通りでございます」

 

 

「ならば、攻撃手段は…火力は、道具に頼るだろうな」

 

 

攻撃手段が乏しい悪魔は道具に頼らなければならない。

これは、なんでも言えることだ。防御手段が欲しい俺は、ケイという道具を使っている。

この家系能力は防御にはあまり向いていない。後手に回るのはどうしても能力が発揮できない。

 

 

「どう、ぐ……?たしか……あ、坊ちゃん!!俺そのキリヲってやつ知ってますよ!!」

 

 

「ウァラクが、この頃魔具研究師団に入団したらしくて、その話をしてた時に、団長の名前が確かキリヲだって……言ってたと思うっす!!もしかして、コレ」

 

 

「…思いがけない、ウァラクのお手柄だ。ということは、ウァラクが入団しているなら、イルマもその師団に入団しているのだろう?」

 

 

ウァラクのようなアホ生命体とケイをつるませるのはなにも益は無いと思っていたが、こんなところで良い情報を得られるとはな。

 

ウァラクとアスモデウスとイルマの3人は、いつも仲良しで一日中くっついて離れない。どうせ、師団も同じものに入っているだろう。

 

イルマか……

 

なら、大丈夫か。

イルマがいるなら、なんとかなると思った。

理由の無い確信

 

いや、根拠はある。

イルマはトラブル体質なのか、入学してからいろいろなことに巻き込まれて、全てに良い結果を出している。

そんなイルマが関わっているのなら、大丈夫なのだろうと。そう勝手に思ってしまった。

なにより、そんなに関わってない俺から見ても、あいつは超のつくお人好しだからな

 

 

本当に、な

 

 

 

「中庭に行くか」

 

 

「…良いのですか?坊ちゃん」

 

 

イルマがなんとかするさ

 

「一応、警戒はするが。俺たちの出る幕はなさそうだ」

 

 

 

「……そうですか」

 

 

メイが納得いかないような表情で俺を見ていた。

 

 

「……坊ちゃん、お楽しそうですね」

 

 

 

「ああ、楽しいよ。本当にな」

 

 

 

 

俺は静かに魔術を発動していた

 

見える、

 

 

 

頭の中にバビルスのマップが展開される。

 

その中にもの凄い速度で動くひとつの光る点があった。

 

それは、明確にどこかに向かっていた。

 

一切の迷いもなく、止まることはない。

 

 

 

 

 

イルマだ

 

 

 

おそらくアミィ・キリヲの居場所を知っているのだろう。

 

異変を感じて、止めにいっている。というところか?

 

 

 

まあ、何しろ、これでなんとかなりそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はイルマの位置を把握している

いや、全ての生徒の位置を把握している。マップには、中庭にたくさん集まる光と、動いている光がいくつか散らばっている。

この散らばった光がの中のどれかが、おそらくアミィ・キリヲ

 

もっと正確に言うならば、俺はバビルスという学校の空間を把握していた。

 

一夜にして、アミィ・キリヲの透明なバリアによりバビルスは覆われた。

 

 

 

 

しかし、それ以前に透明な煙によってバビルスは完全に覆われていた

 

そう、俺の煙だ

 

 

バビルスは俺の支配下にある

 






ネタなので、オリ主はバチクソ強いです。魔法はなんでもありです。
オリ主の能力については、派手なものではないし、最強ではないけど、タチが悪いなというのを詰め込ませています。

最強タグがないのは、時間とか操られると勝てないから。
時間が停止した空間でも動けないと最強とは言えないな(?)

よくある時間停止能力。
どういう原理なんでしょうね。世界は止まっているのに、なんでお前は動いているのか。酸素は止まっているのに、どうやってお前は呼吸をしているのか。お前は生物ではなかったのか。謎空間なのか。そういう魔法だと割り切るしかないのか。


なので、煙の原点は破壊であるとか意味わからんオリジナル家系能力も許してくれ。位置を把握しているのも家系能力の応用。無法で草。ここまで言い訳

結果的に、入間くんの原作主人公補正で原作展開になりました。
入間くんはオリ主のお気に入りになっているので、入間くんを傷つけようとするキリヲ先輩は敵になります。
キリヲ先輩は絶望顔が性癖らしいので、オリ主に襲われて絶望顔になってもらいましょうね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。