エゴにまみれた危険な悪魔 作:名無しの位階1の虫ケラ六年生
中途半端に戦争についてぼやぁっと書いていますが、難しいことは考えずに、なんとなくで読んでください。
俺は香料研究師団の師団室で、一枚の紙と睨めっこをしていた。
「…研修だと?」
「はい、どうやら生徒会に目をつけられたようですね。」
紙の内容は、特例での師団設立は許可するが、活動については現在存在している師団の各団長から推薦を貰い、かつ生徒会の許可が必要である。というものであった。
ご丁寧な文章で、団員数や位階が規定に満たしていないからどうたらこうたらと書かれているが、実際のところは違うだろう。
生徒会長の名は、アザゼル・アメリ。
これが、何を示しているか?
アザゼル
アザゼル・アンリ
アメリ会長の父親で、魔関の魔界警備局長を務めるお偉いさんだ。現13冠の1人でもある。バールといい、アザゼル・アンリといい、13冠がぽんぽんと関わってくるな。
魔関所。アバドンをコソコソと嗅ぎ回る鬱陶しい犬ども。
アメリ会長はとても崇高な野望をお持ちになっていると聞く。さぞかし父親のように、魔界を取り締まり正しく導きたいとでも思っているのだろうよ。
魔関所を身内に持つやつが、アバドンを知らないなんて早々ない。
アバドンの危険性。
反逆が失敗して戦争が終わった直後なんて、それは酷いものだったらしい。アバドンの家系能力への恐怖。恐怖が増大するとそれを排除しようと思うのが常だ。
アバドン大量虐殺未遂事件
学校の教科書なんかには全く書かれていないその出来事は、家の書庫で見つけた本に書かれていた。
これについて語るには、まず前提として戦争の話をしなければならない。
歴史において忘れてはいけない、反逆の130日。説明しろと言われれば、多数のものはアバドン家が魔王軍に反逆を企て起こした戦争のこと、と答えるだろう。
しかし、アバドンのことをよく知っているものからすれば、その説明は三角。いや、バツと言ってもいい、不正解だ。
アバドン家が反逆したのはもちろんのことだが、
家系能力、煙生成。
煙に効果を付与して魔力がある限り無限に生み出すことが可能。
反逆を企てた当主は、煙に洗脳の効果を付与した。
いや、洗脳というのは少し大袈裟かもしれない。ただ、魔王への反感を植え付けただけ。ただそれだけ。
それだけが、戦争の引き金を引いた。
最初は些細なことだった。魔王のお膝元で少数のデモが始まった。
だんだんと回数が増えて、人が増えて、過激になって、暴動鎮圧にまでなり。
死者が出た。
そこからは早かった。だんだんと各地を治める魔王の部下、一部の13冠の動きが怪しいものになってきた。なぜか、いろいろな物資が徐々に高騰して、物資が不自然に箇所に集まって、人の流れが不自然に多くなった。
13冠同士の戦争が起きた。
言わなくてもわかるだろうが、片方は洗脳された13冠、もう片方は洗脳されていない13冠。
勝利したのは、洗脳されていた方。ほぼ奇襲のような形で攻め入り呆気なく勝負がついた。洗脳された13冠は領地を占領。敗戦したその土地の民を徴兵し、戦力とした。
戦争が広がっていった。
徐々に、しかし確実に、自分の思考を保った魔王を支持するものたちが間引かれていった。中には
だって、勝てそうだったから。魔王に勝てそうだったから。
いける、勝てる。そうだこれからは自分たちが
戦争で掲げられていたのは、民主主義のようなものだったかもしれない、いや、そうだな。強者による支配の根本的原因の
平等を求める弱者による革命だったのかもしれない。
まあ、当時を経験していない俺からすれば真意はわからないが。
ともかく、それを主導していたのがアバドンだったというわけだ。
全面戦争が始まった。魔界は一つの国のようなもので、主権は魔王であった。そのため、さながら世界大戦のようなものであったという。なんだその地獄絵図。
戦況はアバドン優勢。
しかし、魔王が単身で前線に乗り込んできて戦線は崩壊。当主が身を置いていた場所を特定し乗り込み、殺害。
煙が消滅した。
アバドンの当主が殺されたことにより、士気は低下、洗脳も解けた。一部、最後まで戦い続けたものたちもいたようだが、抵抗虚しく制圧された。
これが、反逆の130日。多くの死者を出した戦争である。
で、ここらが本題である。
アバドンの力を恐れた魔王は、ある命令を下した。アバドン皆殺し。まあ、反逆者の末路なんて公開処刑なんてものが主である。仕方ないことかもしれない。
大勢が死に、それを起こした原因である罪人に死を持って罰を与えなければ気がすまなかったのかもしれない。大切なものは失われて、悲しみを抱えて残されたものが多いだろうから。
魔王はこれからの未来で、二度とこのような悲劇を起こしてはならないための判断だか、どうたら言っていたと文献には書かれているが、魔王の席を脅かされたくないだけだろうとも思ってしまうことも仕方ないだろう。
まあ、しかし、なぜだか、こうして
アバドンは死ななかったのだ。
歴史はいい具合にところどころ明記されてないものが多い。戦争から多くの年月も経ち、アバドンへの恐怖や憎しみも薄れて、なんならアバドンの家系能力は劣化しているとまで言われている。
ただ魔関だったり、高位階の悪魔になるとそうはいかない。
アバドンについて、警戒心を持っていることが多い。
なんなら、未だにアバドンは殺した方がいいと訴えているようなやつや、アバドンの家系能力の使用を制限する法を作った方がいいなんていうやつもいる。後者の方が多数派だな。
ともかく、もう敗戦して痛い目をみたアバドンからすれば、たまったものではないと。大昔の罪で、今を生きる自分たちが不利になるようなことは決して認められるようなものではない。
説明が長ったらしくなってしまったが、何が言いたいかといえば、
アバドンは魔関が大っ嫌いということだ。
俺たちが何をしたというのか(後ろめたいことは山ほどある)
俺は自然と手に持ったその紙を握り潰していた。
「…危惧していたことが、現実になったな」
「はい、ですが。この研修を乗り越えれば、また正式に活動できるかと」
とりあえず、俺はこの学校で悪いことをした覚えはない。
別に葉っぱを売店に卸したのは、ルールで禁止されていないし、教師には手を出しているが、露見はしていない。生徒に危害を加えた覚えもないし、師団で煙を悪用したこともない。
「生徒会長か……」
アザゼル・アメリ。
この研修の意味は、なんだ。探りか?それともアバドンである俺への牽制か。
ともかく、厄介な相手であるのは間違いない
「起床ーーー!!!!」
「寝具をたため!」
「制服に着替えろッ!!」
「残り130秒ッ!!」
「貴様らは何者だ!!」
生徒会長、アザゼル・アメリが声を張った
「「「悪魔学校バビルス生徒会であります!!」」」
ビリビリと肌を刺激するような、怒声に近い声。
おい、聞いていないぞ。生徒会の皮を被った軍隊か
「整列が遅い!!声が小さい!!腕立て!!」
「「「イエッサ!!」」」
いや、俺はなんで軍隊に入らされているんだ。
おかしいだろう。
俺は難しく考えすぎていたらしい。多分、アザゼル・アメリ、こいつ脳筋だ。おかしい、俺はもっと裏を読みあった会話を繰り広げることを予想していたのだが…
「アバドン!!お前は、生徒会に入っている間、全ての交際関係を禁止する!!!」
「な、」
俺は、生徒会長の言葉に絶句さぜるおえなかった。
ばっくれていいか?
俺は、生徒会長アザゼル・アメリに目をつけられ、生徒会にて数週間の研修を受けることになった。
まさかの、泊まり込み。
早朝に起き、支度も早々に生徒会の業務を行う。
会議、ランニング、教師との打ち合わせ、登校者のチェック、花壇の手入れ、見廻り……etc
「アバドン!会議中に連絡をとるな!!」
「ッアバドン!どさくさに紛れて俺に触るな!!」
「教師にボディタッチをするな!!アバドン!!」
「アバドン、女子生徒にセクハラをするな!」
「イチャつくなアバドン!!」
「制服を着崩すな!!コラ、生徒の服を脱がせない!!」
「アバドン!!」
「アバドン!!」
…………
一週間だ、一週間してない。
俺はどうしたらいい?家にも帰れず、学校でも満足に生活できない、軍隊生活。人肌が恋しい。触れたい。ぬくもりが欲しい。熱が、熱が欲しい。
生徒会のメンバーを視姦するだけで、俺の欲求が解消されるわけもなく。
俺は、ストレスが溜まっていた。
そもそも、なぜ、俺が誰かの下につかないといけないのか。雑務をやらなければならないのか。あり得ないだろう。
ふざけるな。
……せめてメイがいればよかった。
あいつが、いれば。まだ、マシだったのに。
俺は初めて、自分で起きた。
俺は初めて、自分で服を着た。
俺は初めて、自分で髪を解いた。
俺は初めて、自分で身体を洗った。
俺は初めて、自分で生活した。
ここまで、面倒くさいのか、生活というものは。
いつもとは違う生活、いつもとは違う環境。
髪は傷んでいる気がするし、飯は不味くて喉も通らない。寝具は最悪の寝心地で魘される日々。
なによりも軍隊生活が苦痛でならなかった。
煙を使おうと何度思ったことか、使用していないのは、まだ理性が戦っている証拠である。
「あ、アバドンくん。大変だけど頑張ろう!ねッ」
イルマも所属している師団が、規定の条件に満たしていないということで、一緒に、研修を受けている身であった。
最初は俺と同じように、イルマは慣れない様子であったが、すぐ軍隊生活に適応していった。やはり、お坊ちゃん気質ではないな。
ここでは、俺が坊ちゃんなのだろうな……。
今まで、身の回りの世話を使用人たちにやらせていたため、見様見真似で生活をするしかなかった。風呂など、あんなに入るのが面倒だとは思わなかったし、髪を乾かすのも面倒だった。
当初は、服を着替えるのにも苦労したものだ。
イルマが励ましてくれたから、なんとかここまで頑張ってこれた。
俺が目の前のイルマを襲わず、視姦だけで留めていることから、俺の努力を察して欲しいものだ。
禁欲生活、限界に達するのも時間の問題であった。
そんなある日、生徒会長アザゼル・アメリが、
校内放送で、放送師団から生徒会長への呼び出しがあった。
のだが、これは何者かが会長を陥れるために行った罠であったらしい。
乙女になった。というのは、どういうことか。
実際に接したら、わかりやすい。
「会長、おはよう」
「ごきげんよう」
ごきげんよう?
あの鬼軍曹みたいな怒声を響かせる女悪魔はどこにいったというのか。
別人格になったのかというほどに、変化したアメリ会長がいた。
喋り方だけではない、見た目も大きく変わった。
前の派手な服装をやめて、普通の一般女子生徒が着ている指定の制服を着るようになった。キリッとした表情は、ほわほわとしたものに変わり、目力も無いと言っていい。
お前は、誰だ。といえる別人であった。
だが、とても可愛い。
可愛い、これが重要である。
生徒会メンバーの一同が、会長の突然の変化に困惑しているが、俺は1人嬉しい気持ちでいっぱいであった。
可愛いげのない子より可愛いげのある子の方が見るにも接するにも、良いものだ。
それに、軍隊生活と禁欲生活の諸悪の根源はアメリ会長であったのだ。俺からすれば、そんな悪の親玉が、丸くなったと言われれば、テンションも上がるものである。
少し、それが態度に出過ぎていたのかもしれない。
そんな、俺を不審がったものがいた。
ジョニー、白と黒の髪をキッチリと整え、メガネをかけた目つきの悪い生徒会メンバーの1人である。
俺を視線が突き刺し、胸ぐらを掴まれる。
このジョニーという先輩は、怒るとガラが悪くなる。この手慣れた感じから、元ヤンかなんかだと俺は見当をつけていた。
そんな悪魔が、生徒会で規律を取り締まっている現実がなにやらギャップを感じた俺は、このジョニー先輩を視姦のターゲットによくしていたりもする。
はあ、禁欲生活の影響もあってか、なんか興奮してきた。
「会長は、呼び出された先で、謎の煙を浴びたと言っている。………まさか、お前の犯行じゃないだろうなぁ?」
俺の心のうちを気づくはずもなく、ジョニー先輩は俺を脅すように睨みつけてくる。……煽ってんのか?……これは、誘われていると思っていいだろうか?
アメリ会長は事件現場で、謎の煙を吸い込んだらしい。
煙。
そう言われるとどうしても俺の家系を結びつけるものが多くである。
何度、心当たりのない罪を着せさせられたことか。冤罪もいいところだ。
ジョニー先輩もその1人であったというだけのこと。
俺は、胸ぐらを掴まれたまま、冷たい目で見下ろし、口を開いた。
「…すぐ解ける精神魔術にかかっていると聞いた。もし、俺がかけるなら、一生解けないようにする」
「ッ、」
ジョニー先輩は息を飲み、思わずといったように俺から手を離した。
無意識だろうが、足が一歩後退している。
…
「俺の魔術は、素人レベルじゃない。
…そうだな、もし、俺が使うのなら、会長が突然乙女になっても、お前たちがそれに違和感を持たないよう、バビルスの悪魔全員に魔術をかける。
こうして、誰か1人でも俺を犯人だと問い詰めている時点で俺の犯行ではない。わかるか?」
「なんだ、と」
「まあ、例え話だ。そんなことをしても人形遊びのようでつまらないからしない、安心しろ」
あまりの狼狽え具合に、どこか可愛さや可笑しさを覚えて笑いが込み上げた。ああ、おかしいな。
アメリ会長はどうやら、素人レベルの精神魔術にかかっているようだった。
素人の粗い魔術のせいで術式がこんがらがり、解除が不可能と教員は判断しているらしい。
俺は精神魔術にはかなり精通しているし、今回は
乙女モードのアメリ会長は目の保養だ。
俺が話しかけると、怖がって怯えた様子を見せるので、あまり近づけないのが悲しいところだな。
「生徒会長が抜けた穴はデカい。ハッキリと言って、今の乙女モードの会長は可愛いが、役に立たない。愛玩動物と化している」
「てめ、」
怒ったり、怯えたり、忙しい先輩だ。
「まあ、落ち着け。会長が行っていた業務が全て俺たちに回ってきて、かなりの疲労を感じているのが現状だ。
そこで、だ。ひとつ、俺に学校の治安維持を任せて貰えないか?」
「……なに?」
「腕っぷしには、自信がある。任せろ」
研修が終わったら、ジョニー先輩を絶対に抱こうと心に誓った。
カッ!!!!
廊下に革靴の音が響く
「ッ、おいやべーぞ」
「みんな壁に寄れ」
「ッこわ、」
「ひぇ」
「………」
「ヒッ」
「おはよう」
「「「おはようございます!」」」
会長、アザゼル・アメリが乙女モードになった数日後、バビルス悪魔学校は、恐怖による治安維持が行われていた。
生徒会メンバー、見回り1名
アバドン・マルス
男は、力があった。
規範から外れた生徒を全て保健室送りにし、威圧を振り撒き生徒の行動を抑制していた。気の弱い教師もそれに当てられて、男の言いなりになりつつあった。
「規範を守れ。少しでもダメだと思ったらするな。隠すことなら、わざわざ行うな。少しでも、規範を乱せば、相応の処分を下す」
つまり、コロス。
男の目は殺意を物語っていた。
これにより、バビルスは歴代一治安が良い言っても過言ではないほどに、恐ろしい静寂に支配されていた。
誰かが、言った。
「今の生徒会長って実質的に、アバドン・マルスなんじゃないのか?」と。
男は、力がありすぎた。
我が物顔で、歩く暴力の権化に、生徒の思考は麻痺してしまった。
「いや、乙女モードのアメリ会長可愛いけど、会長ってなるとなぁ」
「頼りないよなぁ」
「このまま、アメリ会長なのかな?」
「変えるべきだろ」
「アバドンくんかっこいいし、会長でいいんじゃない?」
「俺は反対だな。アバドンのせいで最近学校が息苦しく感じる。」
「んー、確かに、そうかも」
「でも、やっぱり、強いし!!」
解散選挙
それは、
複数の生徒が現生徒会に不満を持った場合、代表の師団を選び、現生徒会と一騎打ちの全校投票を行う。
敗れた師団は即時解散!!
乙女モードになった生徒会長アメリの人望は薄れ、それが、アバドン・マルスに乗り代わっていくという現象が起きていた。
アバドンを持て囃し、持ち上げる集団。
日に日に、それは生徒会にも伝わり、アバドンは生徒会の中で孤立するようになった。
現生徒会メンバーは、アメリ会長を慕っている者ばかりで構成されている。乙女モードになった気弱なアメリでさえも、彼らにとっては、会長なのであった。
すれば、当然、この頃アメリの代わりに会長と呼ばれているアバドンは面白くない存在である。
生徒会室には、重い空気が漂っていた。
アメリを除く、生徒会メンバーが部屋には揃っていた。皆が、アバドンを囲むようにして、立っている。
「……アバドン、解散選挙。するのか」
重い空気の中、言葉を発したのは、ジョニー。メガネをクイと上げて、真剣な顔で、アバドンに問う。
その目には、敵意と不安、焦燥がうかがえた。
「?……ッ、クハ、ははは。するわけないだろうそんなこと」
「ッ、は?」
「いや、それはこちらの疑問なんだがなぁ」
笑うアバドンに重い空気は、一瞬にして破られた。
ジョニーは、ただただ困惑する。覚悟を決めて聞いたことが、呆気なく否定されたものだから無理もない。
それは、他の生徒会メンバーもであった。
唯一、驚いていないのは、イルマだけである。
「俺には、俺の師団がある。生徒会業務なんて、やってられるか」
「それにな。俺は、集団が嫌いなんだ。コロコロと態度を変えて、手のひらをくるくると返す。深く考えずに、その場の雰囲気で流される。
そんな奴らに、持ち上げられて、天狗になってトップに立つなんざ、俺はごめんだな」
「……そう、か」
「なんだ、ほうけた顔して」
「いや、……少し安心した」
「俺が、アメリ会長の座を奪うとでも?冗談もほどほどにしてくれ」
「俺は、いや、俺たちは、お前のことを勘違いしていたらしい。」
「……ふ、」
「な、何がおかしい」
「いや、生徒会に入って案外良かったとな」
生徒会室は重い空気は何処へ行ったのか、明るい雰囲気に包まれていた。生徒会メンバーの口元は緩められている。
「早いところ、犯人を見つけ出すぞ」
「「「もちろん!!」」」
生徒会メンバーはこのとき一致団結した。
精神魔術をかけた犯人をいち早く見つけて、捕まえると。
アバドンが会長にならずとも、このままのアメリ会長では、生徒会の運営が成り立たないし、示しもつかない。
そのため、この状態が長引くようであれば現生徒会を解散させる。ということを学校側から伝えられていた。
今こそ、会長を自分たちが支えるのだと。
皆、意気込んだ
こうして、会長の座はとりあえず守られたように、見えた。
一致団結したように、見えた
………
……
…
…
誰もいなくなった生徒会室にはひとつの人影があった。
「勘違い……ね、」
アバドン・マルスは1人、生徒会室にいた。会長の使う椅子に手を置いて
「はは、おかしいな」
なにも間違えていないというのに。
俺は、
「あれ?…あ、アバドンさん?もう、遅い時間なのに、どうしたんですか」
アバドンの思考は突然の人物の登場により、断ち切られる。
ギィ……とゆっくりと生徒会室の扉が開き、ひょこっと可愛らしい顔が覗いた。以前精神魔術にかかったままのアメリ会長であった。
「そちらこそ、どうしたんだ?アメリ会長」
アバドンは、悪びれる様子もなく、アメリの質問を無視して逆に質問をし返す。確かに、アバドンがこんな遅くに部屋にいることもおかしいが、アメリがこんな時間に生徒会室に来るのもおかしいと言えた。
ただ、アメリはこんなになっても生徒会長ではあるため、一生徒役員であるアバドンが本来こんな口を聞くべきでは無い。
しかし、ここにはジョニーなどの生徒会役員がいないため、それを指摘するものはいなかった。
乙女モードになったアメリはとてもオドオドしていて、落ち着きがない。堂々としていないと表すべきか。
慌てると顔にすぐにでる。
「私は、そのっ、忘れ物を取りに」
そして、今アメリはどうやら聞かれて欲しくないことを聞かれたらしい。表情に、焦りが出ている。
アバドンは、笑う。
「ふむ……忘れ物か……落とし物になら、心当たりがあったんだがな」
「え、あ、」
アバドンの左手には、一冊の本があった。
可愛い絵と、文字。
「
「あ、ありがとうございます」
「それにしても…アメリ会長は、異文化の本などを嗜んでいるとは。驚きだ」
アバドンは手に持った本の表紙をみる。そこには、悪魔が使う文字ではない、普段見かけない文字が書かれていた。
「ッ、……あ、」
アメリ会長の顔が見るからに青くなっていく。
「なんと書いてあるんだ?なあ?参考までになんの文字か教えてくれるか?」
「ッ…、その、それは」
「ああ、嫌なら無理には言わなくてもいい」
アメリが言葉を詰まらせる様子をみて、アバドンは気を使ったのか、わざわざ質問しておいてあっさりと引き下がる。
まるで、答えなくても答えを知っているかというような態度だ。
「そういうわけで、はい」
「あ、ありがとう…ございます」
アバドンはニッコリと笑い、アメリに近づいたかと思うと手を取り、しっかりと掴ませるように本を持たせた。
「もう、落とさないようにな。それは、悪魔には、劇物だ」
「え、」
「おやすみアメリ会長」
アバドンは、未だに状況の理解が追いつかないアメリを1人残して、生徒会室を出て行った。
集団というものは、勝手である。
アバドンが会長の席を辞退したならば、他の者をまた持ち上げれば良いだけの話。
そう、アメリ会長は以前乙女モードのままであるし、その犯人の特定も難航していた。
アメリ会長のカリスマが戻らない限り、集団は、他のカリスマを求める。
「やぁ庶民……ん僕だよ!!」
悪魔学校風紀師団
ロノウェ・ロミエール
「我々が、解散選挙を申し込む!!」
>「俺は反対だな。アバドンのせいで最近学校が息苦しく感じる」
視姦の被害者
本当に、申し訳ない
今までで1番長い。
今日まで毎日書いて8時までに投稿することを気をつけていましたが、ちょっと難しくなってきたのと15話まで書いたのでペースを落とします。