エゴにまみれた危険な悪魔 作:名無しの位階1の虫ケラ六年生
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『さて2日目!!朝を迎えてもリタイアは続々でます!』
『生徒たちが力つきてますね〜』
『しかし!初日夜の救出作業で教師陣もヘロヘロ!』
『このままでは生徒たちピーンチ!』
『そこに現れし救世主こそ……高潔にして冷血悪魔のエリート!!バビルス生徒会!!』
本部では教師による実況と解説が行われていた。
言葉通りに、2日目からは運営として生徒会も業務に参加している。収穫祭会場の森林の中にアメリ生徒会長はいた。
「大体のリタイア者の回収は終わりましたね」
「ウム」
「今年は誰が優勝しますかねぇ?やっぱり候補は、アスモデアスかオロバスか……いえ、そういえば今断トツトップがいましたねえ、マルスくん♡」
「最近…アバドンへの好感度が高くないか?」
「ウフフまあ…ちょっと特別な思い入れがあるので、ね」
「……まあ、確かにあいつは、1日で大量のポイントを稼いだ化け物だ。だがまだ勝負はわからない」
「ふふふ、伝説のリーフを獲得したらまた話は変わってくるかも知れませんね。ただ…多くの生徒がもうマルスくんに勝つことは不可能です」
なんてたって、もうこのジャングルに魔獣は生息していない
全ては一日目の夜にポイントになった。
2日目に入ってからリタイアは激減した。
リタイア内容は、植物によるもの、疲労の蓄積からくるもの、生徒同士のいざこざで直接攻撃で失格、といろいろあるが魔獣によるリタイアは0件。
これは森林に魔獣がいないことを意味していた。
当然、他の生徒がポイントを稼げる方法は激減する。
「アバドン…侮れない男だ。」
アメリは名前のわからない大きな不安を胸に抱えながから、生徒会業務に走った。それがなんなのかは一日が終わってもわからなかった。
なにか重要なことを見逃しているようで、嫌な汗が引くことは無かった
2日目
幻のリーフはまだない育てましょ
タネと鉢植え手に入れろ
夫婦のお嫁さん百歩お散歩姑さんのまわりをぐるっと下におりればぽっかり口あけおでむかえ
おなかに眠るは始まりのタネ……(略)
魔獣たちから聞いた歌をメモしたものだというそれを手に取り、リードはうーんと唸った。
「二つ、アイテムがいるのか…なら、手分けをするのが効率いいね。なら、元々のチームで別れて探すっていうのは」
「それは、断るわ」
「え?いい案だと思ったんだけどなー」
作戦会議では、今後の方針が話し合われていた。主にリードとケロリの2人が中心としてだ。
「確かに、その案は伝説の鉢の入手率は上がるかもしれない。けど、私が達成したい勝利には、伝説のリーフだけでは弱い」
「伝説なのに?」
「それだけ、強敵だということよ」
「おっけー、じゃあどうするのさ」
「他のクラスメイトに応援を呼ぶ。それもうんと強力な助っ人をね。…だから、私たちの方はそちらに力を入れたいと思ってる。だから、貴方たち2人に伝説のリーフを頼みたいと思ってる」
ケロリの顔には、自信があった。それはあの泣いていたケロリではない。カリスマのあるケロリの顔だ。
それを見て、リードはそうこなくっちゃと不敵に笑って答えた。
彼は根っからのギャンブラーである。
「いいよ!攻略が難しいほど燃えてくるってもんでしょ!!ね、イルマくんもそれでいいでしょ!イルマくん聞いてる?イルマくん!」
「え、あ、うん。なんだっけ」
「僕たちで伝説の鉢を探すってこと」
「あ、うん。わかったよ」
そしてイルマはどこか上の空だった。頭にはある男子生徒で埋め尽くされている。
締まらない作戦会議は、そのまま解散という形で終わった、
土の外に露出した根っこに腰掛けてぼっーと虚空を見つめていあイルマの所にカムイがやってきたのはリードは鉢植えを探しに行ったというのに、未だ出発する気配の無いイルマを見兼ねてのことであった。
お隣失礼しますね、とカムイが言ってその根っこに腰掛けた
「イルマさん。ずっと上の空といったご様子ですが、何か気になることでも?」
「あ、カムイくん。いや、アバドンくんのことをさ、考えてた」
イルマとカムイの身長はかなり違う。平均より少し下くらいのイルマに対して、カムイはそれを大きく下回る。なんせ鳥である
上半身と下半身の長さの問題ではない、それは生物としての違いだった。当然、大きいイルマと小さいカムイの対比の構図が出来上がるのだが、何故かカムイの背中は差を感じさせないほどに、ずっと大きくみえた。
「アバドンさん…ですか。彼は女悪魔を侍らせてうらやまけしからん奴!!コホン、ですが同時に謎が多い悪魔です。
ケロリ嬢は、魔獣がああなった原因はアバドンさんだと考えておりそれに私も同意見です。そしてそれにはなんらかの強い魔術を使っていると予想しています。」
「魔術」
「そんな、難しい顔をせずに…気になるなら、彼の家系について調べてみるのもいいかもしれませんね。歴史は案外と、役に立ちますよ。」
カムイは笑った。そこにはいろんな複雑な感情が込められている、そんな気がした。ただそれがわかるほどの知識をイルマは知らなかった。
カムイの言う通り、イルマはもっと魔界について知るべきなのだ。
その上で、とカムイは付け足し続ける
「一つ覚えておいていただきたいことが、知識を踏まえた上でそれに囚われず彼という存在だけを見て全てを判断してほしいということです」
やはりカムイは笑っていた
「アバドンくんを、みる」
「ええ、その通りです。自分をありのままみて接してくれる方の存在は、それは嬉しいものだと思いますよ」
「うん。わかったよ、ありがとうカムイくん」
「いえ、私は特に何もしてませんよ」
イルマは気合を入れて、立ち上がった。
イルマの心のつっかえが完全に取れたわけではなかったが、カムイとの会話で前に歩き出したことは確かなことであった。
イルマは今日含めてあと3日で伝説のリーフの入手に必要な始まりのタネを見つけなければならない。
そして同時刻、第二ブロック
「あぁ〜〜…師匠も随分と鬼畜な試練を与えてきたもんだ」
「ハードモードすぎル」
黒と白のボーイのような服を着た2人の悪魔がいた。
問題児クラスのアンドロ・M・ジャズとアロケル・シュナイダーであった。
「あー3番ブロックでは顔ばれしたし、…丁度いいタイミングだけどなぁ〜やる気は出ねぇよなー」
「コレにノリ気にナルオカシイ」
「だな」
2人は顔が隠せる黒いマスクを装着していた。それは彼らの収穫祭にとって必要なものだった。
なぜなら彼らの戦術は相手を騙す、ということだからだ。
戦果は上場といったところで、一日で10000Pは稼いでいる。がしかし、彼らはチームで行動しているため必然的にこのポイントを割らなければならない。
すると1人5000Pとなってしまう。優勝を目指している2人は、ポイントをもっと集めなければならなかった。
だが、忘れてはいけないのが2人には優勝よりも難しい課題というものが彼らの特別講師から割り当てられていた。
「
フルフルが笑って出したその課題は、2人からしてみれば地獄のようなものにしか見えなかった。
マルスを出し抜ける未来を思い浮かべることができないという結論に2人は辿り着くからだ。
「はーどーっすかなぁ。出し抜くって言ってもいろいろあるしな」
「むずかしいのもカンタンなのモ」
「そこだよな。収穫祭で出し抜くってなると…やっば他の生徒にやったように騙してポイントを奪うだけど……なぁ」
ため息を吐いてジャズは続けた
「アバドンってクズの兄貴と同じタイプだから……色仕掛けが一番効果的だと思うんだよな」
「アバドン女好き間違いナイ」
アロケルはジャズの言葉にウンウンと同意を示す。
それを見て、ジャズは意を決したようにゴクリと喉を鳴らして口を開いた。それは覚悟を決めた男の顔をしていた
「魔術で女に変装してハニトラ作戦!…どうだ?」
「プライドを捨てル。…ダガ、看破られるンジャないカ」
ジャズは全てを諦めた目をしていた
「兄貴と違って、あいつ男もいけるし最悪……ははは、は?」
アロケルと喋りながら歩いていたジャズだったが、目の前のある人物の登場に思わず足を止める
「ジャズ?」
ジャズには、アロケルの言葉はもう届いていない。
ジャズ、彼の苦手なものは、自分の兄であった。クズすぎて、どれだけ迷惑をかけられてきたかは数えきれないほど。
そしてそれが、なぜか目の前にいた
「よぉ坊主」
ジャズの兄、アンドロ・M・ロックはぐにゃっとその顔を歪めた。
この状況は間違いなく、オロバス・ココの幻覚魔術によるものだったが、そんなことを知っている者はここには誰ひとりいない。
2日目にして、初めて問題児クラスが森林から消えた
収穫祭3日目
極限状態のサバイバルが続き、もはや魔獣を狩る余力は残っていない生徒ばかり、というわけでもない。
なぜなら、魔獣が全くいないのである
まるで霧に包まれたかのごとく、存在が確認できない。跡形もなく消えてしまったのである。
そのため大半の生徒は植物の収穫を余儀なくされ、ポイントを獲得することに躍起になっていた。
そしてそれは前半戦の話、ここからは後半戦である。
『では、ここで中間発表を行う』
本部から森林全体に放送が流れる、声の主はどうやらカルエゴのようであった。当然カルエゴも教師の1人だ、収穫祭の業務に駆り出されるのは当然といえた。
『アスモデアス 15000P、サブノック 11800P、イチロ 10100P、ニロ 10100P、クロケル 7870P、カイム5030P、ウァラク 3090P、イクス 9700P、オロバス 10000P、アガレス 6100P、ガープ6100P ……いや、省略しよう。こいつらはボーダーラインに立っていた、それは過去形だ』
カルエゴのアナウンスで粛々と名前とポイントが読み上げられいく
『断トツトップ3
アバドン 50000P、メイ 50000P、ケイ 50000P』
それは、今までに読み上げられたポイントとは隔絶した数字だった
『収穫祭がなぜ一年生の最終実技なのか?それは、それほど重要な試験だからだ。
この祭りは生存演習。この森は魔界の縮図だ。チャンスも窮地も平等に訪れ…興奮と刺激と絶望とひらめきに溢れている
これから魔界で生き抜く力があるかを試す場。その中で頂点に立った者は歴代の優勝者も呼ばれてきた誉れ高い称号を手にするのだ
その名も…若き魔王候補 若王!!
先程名を挙げたP上位者は現時点で若王に近い者たちだ、せいぜい互いに意識しあうがいい、では以上』
カルエゴのアナウンスが終わる。最初から最後まで鼻にかけたやつだなと聞いていたプルソンは思った。とりあえず、あの教師は性格が悪いことは確実に言える。
「性悪教師だな、生徒を焚き付けやがった」
そして、それはマルスも思ったことらしい。プルソンとマルスは互いに顔を見つめあって笑い合った。
『現時点で、』
先程、以上と言って放送を終えたカルエゴの声が話の続きがあるというように、また再開された。
「あれ、終わってない?」
「……らしいな」
プルソンは首を傾げ、マルスはカルエゴの言葉の続きを聴くように押し黙った。
『獲得0Pでありながら生き残り、行方がわからないアホ生徒が一名いる。どこで何をしているか知らんがリタイアするならしろ…
だが、優勝する気があるなら、さっさと上がってこい。馬鹿者が。私からは以上』
「…?あぁ、これ、エコ贔屓ってやつだよね」
「だな」
「ふーん」
プルソンは、マルスの顔を数秒見つめた。それ以上は何も言わなかった。カルエゴが誰について話していたのか、その特別扱いした生徒について深掘ることはしなかった。
変な空気になったのをマルスは察したのか、改めてという風に口を開いた。
「それにしても…本当に良かったんだな、これで。同じチームだろう」
「確かに、僕たちは4人チームだ。だけど、僕はずっとこの城の中にいた。魔獣にもあっていないし、植物すら触ってない。ポイントを分けて貰う資格なんて無いよ」
それに、とプルソンは付け足す。
「僕は、目立ってはいけないんだ。それが家の掟だから」
「…そう言われたら、無理は言えないな」
「相談してくれて、ありがとう。働いてない僕にポイントをわけようとしてたことには驚いたけど、ちょっとその、なんというか、僕たち、チームだったんだなって思った。」
「そこは、素直に嬉しいで良いだろうが、」
「そっ、か」
「ああ」
コンコンコンと軽くノックの音がなる。マルスが短く、入れとだけ言うと失礼します、とメイとケイの2人が入ってきた。
「やはり、魔獣が見当たらない原因は坊ちゃんでしたね。その手腕流石としか言い表せません」
「そうだな」
「引き篭もってただけじゃなかったんすね!!」
「……余計だそケイ」
メイとケイの言葉はそれぞれ違うが、表情はどちらとも嬉しさが隠せていなかった。その理由はメイの次の言葉ですぐにわかった
「それにしても……私たちにPを当分してくださるとは思いませんでしたが」
「そうか?お前たちがいなければ俺はとっくにリタイアしていただろうから、当然の配分だと思うがな」
メイとケイは、この収穫祭で得たポイントを全てマルスに献上するはずだった。そうするのが従者として普通だった
しかし、マルスが2人のことをチームの一員として扱っていたと思うと、何故だかとても嬉しかったのだ。
マルスの言葉通り、実際2人がいなければこのボンボン育ちのこの男は初日でリタイアしてたことは目に見えている。
食事も風呂も、最悪徒歩さえもが1人でままらない男がマルスという悪魔であった。
このわけられたポイントは、そういう意味での報酬だった。
チームではなく、従者への褒美という意味の
対等では無い、そこが根本的に違うのだ。ただ、誰もそこのすれ違いに気づくことなく指摘はされずに話しは変わっていく
「3日以降は、生徒同士の蹴落としあいになる…どうみる?」
「はい…十中八九私たちは狙われるかと、魔獣がいない理由をこのPさで馬鹿でも理解しますよ。自分たちはアバドンにPを根こそぎ取られたのだと」
「そうだよな」
マルスが提出した獣たちのポイントは15万。それは、明らかに隔絶していたため目立つことは必然であった。
マルスは困ったように、あからさまにため息をはく。生徒の全員が馬鹿であったら良かったのに…と叶わない理想を思ってみるが、それは意味のないことであるこはわかっていた。
「坊ちゃんに仇なすやつは処せばいいんすね!!」
「いえ、直接攻撃は失格なのでダメですよ」
「えでもこの前は…あ」
マルスはもう一度、生徒全員が自分に直接攻撃してくるようなケイのような阿保だということを願って…やはりそんなに大勢に狙われるのは嫌だなと考え直す
「絡め手でくるかもしれませんからね。気をつけることに越したことはありません」
「とりあえず、間違いなくケロリあたりが動くだろうな。どうやら獣王国を築き上げていたらしくてな、それを俺が全壊させたような状況だから相当恨んでいるだろう」
マルスはなんてことのないように、数匹の獣の頭の中を覗いて知った情報を話題に挙げた。頭の小さい生命の情報というのは、大した価値にはならないなとマルスは心の中で独りごちた。
ケロリとカムイが聞いたら、ブチギレそうなことである。
「そのほかにも坊ちゃんの行動により獲物を狩れなかった生徒は大勢います。いえ、全員がその対象に含まれます。徒党になって襲ってくるでしょう」
「数は暴力だって、よく言われるっすよね!」
「もしかして…結構僕らやばい状況だったりする?」
今まで黙って聞いていたプルソンがようやく今4人が置かれている状況に気づいたようだった。
それにメイはなんてことの無いように返す
「ええまあ、この城目立ちますし。時間の問題かと」
「なら、これ以上嫌われても変わらないよな?」
そしてマルスは、ニヤリと悪い笑みを浮かべた。
相変わらず、美しい顔をしていた
「……なにをなされるおつもりで」
メイは嫌な予感がした。
「妨害だ。森を、破壊する」
「スージー先生あたりが鬼のように怒りそうですね、いえ、もう破壊はしてますか」
マルスは一日目に、拠点を建てるために自然破壊という手段をとった。これは逃げては通れない道だった。場所の確保には空いたスペースが必要であったし、なによりその材料が必要だった。
今いる城もこの室内の家具も全てが、今の空白地帯に元々あった植物や岩などで出来ているのだ。家具に関しては木が上質なものであったので完成度は高く、美しい木目と落ち着きのある光沢を放ち洗練されていた。
少し話が逸れた
つまりは、今度は妨害のために自然破壊を行うらしい
「それをするのはお前だメイ」
メイが
「…はい?」
それは予想外のことだったのだろう、メイは今日一番のほうけた顔をした。
「嫌です!絶対に嫌だ!!」
「いける!お前ならいける!!お前の魔術で植物を枯らすことくらいできる!!とりあえず氷点下まで行ってみよう!!」
「だから嫌です!!私のメリットがない!!」
「数時間もすれば、生徒たちがここを嗅ぎつけてやってくる。ならば、籠城だ。城の周り一帯を氷点下にして行動を妨害、植物の収穫も妨害。まさに一石二鳥」
うわー、とこぼしたのは死んだ目をしたメイの口か、はたまた流石の行動にドン引きしたケイの口か、そのまた毎日ドン引きしている気がするプルソンの口か、あるいは全員かもしれない。
ともかくないわ、というのが3人の思いであった
命令されたメイは逆らえることもなく、それを行動に移したのはすぐだった。メイの目は死んでいた、だが手は止まらなかった
まず最初にポイント15万は全ての魔獣を一日目に狩り尽くしたにしては、低いことを一旦置いておきます。
本作の収穫祭はオリ主が初日に害悪プレイて魔獣を狩り尽くしたので、原作とはPが大幅に変動します。
全生徒がPが低くなるのはもちろんのこと、獣を従えていたクロケルチームは手足が減ったわけなので大幅にPが獲得できません。
魔獣がいないということは、危険が少ない=リタイアする生徒が少ないということなので、逆にエリザベッタ姐さんは男どもを魅了してPが増えるのではないかなと思います。植物とかは残っているので
ワンチャン姐さんがオリ主に色仕掛けすれば、若王いけるんじゃないかなあ。魔術使わなくても多分落ちる