BlueArchive:Arrive a DaemonSultan   作:シーフード梶木

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いくつか書ききってから出そうと思ったけど、書くペースが遅いので書いた順に投稿することにしました。是非最後まで読んでいってください。


プロローグ
どおしてこんな所に来てしまったのか


 

 

 

 視界がボヤける。体が言うことを聞いてくれない。

 

 消え行く意識の中でただ、後悔だけが募っていく。

 

 あぁ、もっとちゃんと、可愛がってあげたかったのに。

 

 

 

 ごめんね、ホシノちゃん。

 

 

 

 ×××

 

 

 

「……空が青くて綺麗です」

 

 

 

 目が覚めると、俺は砂漠のド真ン中に放り出されていた。

 

 何があったか思い出して率直に言うと、トラックに轢かれてしまったところまで覚えている。

 

 確か学校の帰りにスタレでマネウォをしようと思って、ポケットからスマホを抜いたら、手が滑ってスマホが地面に転げ落ちて、それ拾おうとしたら、横からガツンと。

 

 多分、夜8時を回ってて相当暗かったし、屈んだ時の高さ的に運転席から見えなかったんだろうな、と予測はできる。

 

「てかなんで砂漠? あと何故TS?」

 

 意外と冷静だな俺。とりあえず、起き上がって自分自身の確認をしよう。砂払って……すげぇ女子ボディだわ、何がとは言わんがデッカ、重ッ。異世界系の小説読み漁ってるから分かるが、おそらく転生か憑依かナニカサレタヨウダ状態というワケだけど……

 

 改めて何がとは言わないが、大きい。あと背もある程度は高くて髪も、膝裏くらいまで伸びてるし綺麗な浅葱色をしている。白シャツに黒のチェック柄スカート、髪と同じ色のネクタイ。両足の所々に絆創膏が貼られている。

 

 ……既視感が1000%くらいある。いや、ありえないことは無いかもしれないが、ちょっと待ってほしい。

 

 なんか遠くの空にでっかい光輪が浮いている気がするが多分気の所為だろう、木の精だよな、マジでキノ聖であれ。

 

「……わぁ、すげー見た事ある光景だァ……」

 

 サンクトゥムタワーとか見えてませn……いや現実逃避はよそう。ここは砂漠は砂漠でもアビドス砂漠だ。

 

「……ひぃん」

 

 何となく声に出してみたが、うん、似合いすぎて合致がいった。というかこの展開、前に書いたぞ……

 

 

 

「自分が書いたブルアカ二次小説の世界に……転生してしまった……などというクソッタレた状況です……」

 

 

 

 設定だけ書き溜めて執筆も投稿もしなかったブルーアーカイブの二次小説があった。

 

 スマホのメモにめっちゃ書き連ねたのは覚えている。なんならスマホを落としてトラックに轢かれるまでの流れも書いた通りだ。なんと素晴らしい、未来予知してたんですか私。ワァオ。

 

 スゲェ現実逃避してぇ……というか、冷静ではあるけど未だ実感が湧いてないのも理由か、この調子は。

 

「今回の走法はキャラセッティングの都合上Any%も可能ですが……100%NTA(Not Time Attack)を目指そうと思います。色々なアチーブも拾っていこうと思うので、対戦よろしくお願いします……」

 

 完走はどれだけ掛かるだろうか……かの尊敬すべき高潔なる南瓜は、与太が混ざりに混ざって大変なことになっていたから、だいぶ掛かっていたイメージはある。

 

 てか何故よりによってユメ先輩ボディなのだ……南瓜も言っていたな、俺も叫んでおこう……

 

「……えぇい、冗談ではない!!」

 

 ホシノ曇らせ案件だぞ。好きだよ? 曇らせ。自分が曇らせる側である場合を除けばよォ〜。何、俺もしかして常時オリチャ発動しなきゃいけないの? えぇ……

 

 とはいえだ、俺の考えた設定が本当にこの世界に適用されているなら……ここは何のトンチキも取り込んでない、僅かな与太だけが混じったブルアカ世界線である筈だが……どう生き抜くやら。

 

『先生ェ──ーッ!!』

 

「ドゥオワァァアアア!?」

 

 ビックリした……何処だこの声の発生源は……

 

 周りを少し探してみると砂に埋もれたスマホが目に入る。砂を払ってやると、画面から白い制服みたいなのを着た水色とピンクの髪の少女がコチラを睨んでいる。

 

「テメェは……ただの木っ端役人じゃねえか」

 

『誰が木っ端役人ですか! 誰が!』

 

 イカン、びっくりさせられた怒りで喉から野生のイグアスが。

 

「いやスマン。あと君に気づけなくてダブルでスマン」

 

『謝ってくれたので許します! ふふん』

 

 居るよなぁ……だって設定に書いたもんなぁ……

 

 

 

 連邦生徒会長ことアロナ。なんと本人の姿のまま、俺用のシッテムの箱の中に居る。これも含めて、ほぼ設定に書いた通りである。

 

 連邦生徒会長=アロナ説は俺も推しているが、なら何故シッテムの箱に居るのか、幼女化しているのか等々の疑問も絶えず出てくるので、俺も少し気がかりではあった。

 

「んでアロナさんや、一応確認なんだけど俺の事どこまで知ってる?」

 

『大丈夫です! 5周年募集で300連も回したのに水着のミカさんとナギサさんを引けなかったこととか、その後臨戦Ver.のエイミさんも引こうとして、天井に行く手前で終わってしまったこととか!』

 

「よし分かった君は砂漠に置いていく」

 

『なんでぇぇえええええ!?』

 

 

 

 ───

 

 

 

 閑話休題。

 

 とりあえず、設定に書き込んだ通りの能力が使えるかどうかを確認しておかなければならない。

 

「姿見、出てこい!」

 

 適当に手を前に出してそう念じると、砂漠の上にポツンと思った通りの全身鏡が現れ……重力に従ってパタンと倒れた。

 

「……出てきたな」

 

『出てきましたね』

 

 とりあえず浮くように念じると、全身鏡が宙に浮き、俺の今の姿を映してくれた。

 

「……改めて思うけどユメ先輩って色々とデカイと思うんだ」

 

『先生、私失望しました』

 

「なんでさ」

 

 率直な感想を言っただけだというのに。下から抱えるだけでこの重みやぞ……いやデッケェな。

 

 

 

 改めて、真面目に鏡に映る自分を見る。浅葱色のなっがい髪。砂金のように煌びやかな瞳。再度認識させてもらったがやはりユメ先輩である。あと……

 

「やっぱりこのヘイローか」

 

 キヴォトス人と言えば、このヘイローが浮かんでいる。ユメ先輩の場合、二重の円の中にアビドスの校章のような太陽の紋が浮かんだヘイローのはずだが……

 

 ……二重の円の中に、本来あるはずの太陽が無く、六角形のような青く光る黒い紋章が浮いていた。これが何かと言われると、ちょっと難しい。ネットで、ある紋章を調べて出てきたやつをそのままデザインにした、なんて言えよう筈もない」

 

『声に出てますよ』

 

「おっと、漏れてしまった」

 

 

 

 まず、ブルーアーカイブについておさらいしておこう。

 

 ブルーアーカイブは、透き通るような世界観で送る学園RPG。などと言っているものの、中身を見てみれば美少女版GTAなんて言われていたりするヤベーゲームでもある。

 

 ちなみに俺はGTAを知らなかったのでこの言葉を知った後に検索した。プレイ動画とかを見たが、確かに言い得て妙といったところ。

 

 舞台となるのは数千もの学園が合わさって出来た超巨大学園都市、キヴォトス。プレイヤーこと“先生”は、そんなキヴォトスの外から招かれ、行政を統括している連邦生徒会が新しく設立した部署、独立連邦捜査部S.C.H.A.L.Eに赴任。頭にヘイローが浮いてる生徒達から日夜舞い込んでくる相談や問題に応じ、彼女達の抱える問題を解決していく……というストーリー。

 

 また、キヴォトスには基本的に人間の大人がどこにも見当たらない。どこもかしこも獣(人)と機械ばかり……といった様子。しかもいたる所に子供から搾取することしか考えてない阿呆共が点在している。

 

 そしてなにより、このキヴォトスは銃を持っていない方がおかしいとまで言われる銃社会。生徒一人一人が銃火器を携帯している。キヴォトス人たる生徒達は、小口径の弾丸なら受けてもちょっとデコピンを受けた程度だったり、砲弾に直撃しても気絶で済むほどの頑丈さ故、コレがまかり通ってしまっているし、“先生”は普通の人間なので弾丸が刺さる刺さる……

 

 また、生徒は神秘というものを持っている。大体神様であったり、神話や叙事詩の人物とかがモチーフ・根源になっていて、これが生徒を守ってくれるので弾丸が当たっても平気でいられるのである。

 

 これが強かったりすると、キヴォトスでの上位勢に数えられたりする。例を挙げるとヒナ。弾丸に神秘込めるとかできるしビームも出る。

 

 だいぶざっくり説明したが、ブルーアーカイブについてはお分かりいただけただろうか。形だけでも覚えておいてほしい。

 

 

 

 これを踏まえた上で話すが、ユメ先輩の神秘は推定だが“オシリス”とされている。間違えても天空竜ではない。

 

 植物の再生を神格化したとされる神、死と再生を司る神。また神話においてオシリスは黄泉返りの逸話があり、本来ストーリー開始時点で死んでいるユメ先輩も復活するのではないか、なんて期待を寄せているユーザーも多数存在した。

 

 ていうかしろ。

 

 あと“ラー”という説もある。どっちやろか。

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 

 では今の俺の神秘はというと……と話す前に、諸君はクトゥルフ神話をご存知だろうか。

 

 20世紀にアメリカで創作された架空の神話で、御大ことハワード・フィリップス・ラヴクラフト氏が、友人たちの文通の中で固有の名称や地名、架空の神々を貸し借りしながら制作された世界観である。

 

 その中でもトップクラスにヤバい神を1柱だけ紹介するとすれば、やはりアレだろう。

 

 

 

アザトース

 

 魔皇、万物の王、白痴の魔王などとも呼ばれ、クトゥルフ神話における外なる神々の始祖とされている。

 

 無限とも言える宇宙の最奥、渾沌の中心、時間とも切り離された次元に居座っており、なんと我々の生きるこの世界はコイツが見ている夢らしい。要は寝てる。そしてコイツが起きたら、見ている夢であるこの世界も消えるので、周りの蕃神どもが太鼓にフルート・オーボエと色々鳴らしつつ派手に踊りまくることで何とか寝かしつけているそう。有名なニャルラトホテプは使者であったり息子であったり。

 

 

 

 で、俺の神秘はコレである。

 

 

 

 ……聞き取れなかったと? ではハッキリ言おう、

 

 俺の神秘はアザトースです。

 

 

 

「敢えて言おう、チートであると」

 

 思ったことが何でも具現化できる。神秘は多分キヴォトス最強組が全員居ても足りないくらいには強い。バケモンである。

 

「なぁんで俺はこんな設定で小説書こうとした? 絶対何処かで「コイツの扱いどうしよう……」っていずれなってただろオイ……」

 

 といえば、某奇妙な冒険の著者たる御大も、各部のラスボスを強くしすぎて「どうやって倒そう……」ってなったことあったかもしれない。でもなってない姿も想像がつくのが、かの御大……

 

「いかんな……あのリアル真祖様を比較対象にするのは……」

 

『どうしました?』

 

「いんや、何でもない」

 

 実感が湧かないと言ったが、実際湧くはずもない。超唐突だぞ唐突。……待てよ? そういや今の時間軸ってどのくらいの時期だ? 結構ヤバいんじゃね? 

 

 ──俺に電流走る。

 

「えぇいかなり死活問題! 魔王サーチ起動!!」

 

検索結果

梔子ユメがアビドス砂漠で干からびた辺り_▼

 

「……この場から速攻離脱する! ホシノとのバッティングだけは全力で回避するぞ!!」

 

『は、はい!?』

 

 めちゃくちゃ変な能力の使い方したが、そうでもしなければここから逃れる事も叶わなかったろう。というかよく閃いたな俺。そもそも何でユメ先輩の姿で砂漠にぶっ倒れてたのかっていう状況把握が出来てなかった。そうだよ、設定で書いたんだからそうだよな。

 

 俺はユメ先輩の死体に取り憑いて、身体を乗っ取った幽霊といったところ。設定にも古事記にもそう書いてあった。

 

 もしグダグダとここで何が出来るかのチェックをしていたら、ホシノが到着してナニカサレていた。ナニカサレなくても発見されるだけでナニカシテしまう可能性があった。

 

 どうしてそんな事になるか分からないというならブルーアーカイブの対策委員会編・第3章を履修せよ、何より説明が面倒くさい。

 

 早急に撤退する。偽装工作として、干からびたユメ先輩人形をポイ捨てすることも考えたが個人的にあまり良くないと思ったので却下した。人の死体生成するとかマジ無理。

 

「しっかし、何処に行くかねぇ……」

 

 ワープはロマンの塊。できるようになったら誰だってやるよマジで。

 

 それはそれとしてホント何処に行こうか。アビドス以外の学園の自治区が良いだろうが……ゲヘナ、トリニティ、アリウス……ミレニアム、ワイルドハント、レッドウィンター、ヴァルキューレ、あと百鬼夜行。ブラックマーケットも良いが、あそこは対策委員会がいずれ立ち寄ることになるから却下かな。

 

 アニメとかでよく見る思考加速を発動。1秒が1時間になるイメージなら足りるだろうか。まぁ良いだろう。

 

 生徒として編入も考えつつ、ブルアカのストーリーになるべく関わりたくないなら、レッドウィンターは最適解だろう。日々革命と闘争に明け暮れる羽目になりそうではあるが。

 

 だが、俺は既にストーリーに介入しているも同然。ユメ先輩の身体を乗っ取っちゃってるからね。だから自重しつつ積極的に本編に関わっていこうと思っている。

 

 まずアリウスは無理。多分すぐ堪忍袋の緒がプッチンしてベアおばを処刑しかねない。

 

 トリニティ……下の次点か? だってヒフミ・アズサとかネーミング以外がほとんどカスしか居ないだろあの学園(ド偏見)。絶対胃痛マッハだろ却下で。

 

 ミレニアムは……宿儺ラーニングならぬ魔王ラーニングで自動学習できるようになったから授業は簡単だな。余裕で平均点取れ……ダメだ勘繰り高いヒマリオに目ェ付けられて確実に何かしら接触を図られるぞ……

 

 ……と来てゲヘナは、うん、厄介者をボコせるパゥワがあれば普通に過ごせるからトップに立てるわアレ。問題児が多いが、ヒナというモフモフの癒しも居るぞ。温泉開発部は脅せばなんとかなる(脳筋)。

 

 というわけでゲヘナに決定。転移先の座標の状況をリアルタイムで覗いて、跳んでも誰にもバレなさそうな場所をリサーチする。丁度良さげな端の方に、死角の多い建物の屋上があった。

 

「……おっ」

 

 体が無重力になる感覚がしたかと思うと、こざっぱりした砂漠から近代的な建物が建ち並ぶ市街地に一瞬で景色が切り替わった。どうやら上手くテレポートできたようだ。

 

「さて……と」

 

 オデ、高所恐怖症(自称)。階段、ツカウ。飛び降りるとか考えらんねぇから。できるだろうけど……ん? 

 

「に、逃げろ逃げろ! こっちだ!」

 

 路地裏に誰か駆け込んで来た。ヘルメットにピッケル、持ち手の長いハンマー……温泉開発部か? 何やったのよ……魔王サーチ。

 

検索結果

ゲヘナ自治区某所で温泉開発と称したテロ行為

道路が爆破・掘削され水道管が破損_▼

 

 あ、コレ確保した方がいいな。高さに感じる恐怖なぞ乗り越えろカネコ! ヒーロー着地を決めてやる! 

 

「待てぇぇぇい!!」

 

 

 

 

 

 

 

「なんで私が……」

 

 ただの情報局員だったのに、何故かテロリストの鎮圧に駆り出されている。大部分は捕獲したけど残りに逃げられたら……調べ上げて捕まえるまで、また徹夜かしら。

 

「に、逃げろ逃げろ! こっちだ!」

 

 路地裏を使って私を巻くつもりね、そうはいかない。

 

「逃れることはできな「待てぇぇぇい!!」……い?」

 

 角を曲がると、逃げてる連中の前に立ち塞がるように、上から誰かが飛び降りてきた……アビドスの制服? しかも銃を携帯していない……

 

「……あー、君ら温泉開発部だね?」

 

「そ、そうだよ! とりあえずそこを退け!」

 

「んー退かん、退かんよ……これでいっか」

 

 ……何も無いところから銃を取り出した彼女はそれを一丁ずつ、両手に持って構えた。手品にしては種も仕掛けも分からない。あのサイズの拳銃を、一体どこから? 

 

「邪魔するんなら容赦しねぇ!」

 

 温泉開発部の方も銃を構えた。私には気付いてないみたいだ。向こうはバッチリ目が合ったから、私に気付いてるようだけど。

 

「そういえば先に聞いておきたかったんだけど、いいかな?」

 

「あぁ? なんだ?」

 

 親指で小さく左の3人を指している。私にやれってことかしら。

 

 

 

 

 

「──弾の貯蔵は十分か?」

 

 

 

 

 

 ===

 

 

 

 

 

「っと、こんなもんか?」

 

「ええ。協力感謝するわ、その……えっと……」

 

「あぁカネコ。降島カネコだよ」

 

 

 

 助けてください(切実)

 

 

 

 どうしてこのタイミングでヒナとバッティングしたんスかね〜ッ。周囲の警戒を怠った結果だな、知ってました。自業自得ッ!! 

 

「……貴方、アビドスの梔子ユメじゃないの?」

 

 どうしてヒナがユメ先輩のこと知ってるんスかね〜ッ……いやマジでなんで? あれか、おじの事 調べてたついでか。え、どうしよ、正直に話してどうにかなるかなぁ……

 

「……事情は言えないけど、半分当たりで半分ハズレ、かな?」

 

「……とりあえずアビドスには連絡を入れておくわね」

 

「やめてください必要な情報を掻い摘んで全部話しますからアビドスに連絡だけはおやめください」

 

 今俺笑えるくらい超早口だったな。ん? 

 

「ちょっと待った、こっちに顔向けなさい」

 

「え?」

 

 ヒナの両ほっぺを掴んでこっちに向ける。すんごい隈が出来とるわコレ。あと凄いほっぺがモチモチしている。

 

「質問を質問で返すけどさ、お前さん今何日間寝てないんだ?」

 

「っ!?」

 

 あまり明らさまに動揺するなよ……可愛く見えるぞ(暗黒微笑)

 

「ちゃ、ちゃんと毎日寝てるわ……」

 

「嘘おっしゃい。毎日ちゃんと寝てるならこんなに隈は出来ないっての。どれどれ……?」

 

 魔王サーチ。ヒナが何日寝てないか教えろ。原因も含めて

 

検索結果

2週間 情報部の所属だが戦闘能力の高さを買われテロリストの鎮圧に毎日駆り出されている_▼

 

「14日間ぶっ通し……だと……?????」

 

「な、なんで分かるの……!?」

 

 いけない、ワーカーホリックが凄すぎる。多分言っても休まぬ。故に寝かさねばならぬ。魔王パワー発動。口元に『蛇の目』、舌に『牙』の印が刻まれ……

 

 

 

「『 眠 れ 』」

 

 

 

「ッぁ……」

 

 神秘を込めた声を聞いたヒナが、そのまま眠りにつく。

 

 呪術廻戦より棘先輩の呪言。言霊を増幅させて、聞いた対象に命令を強制させる高等呪術……らしい(魔王サーチ引用)。

 

 語彙が強すぎたり相手の呪力が自分より多かったりすると喉が逝ったり、はたまた自分に呪言が返ってきたりなどデメリットもある。喉薬をがぶ飲みする羽目になるのだ。

 

 しかし、呪力の代わりに神秘を使っている俺はそんなデメリットも無視できるレベルのアホみたいな神秘量してるのでバンバン使っていきましょう。

 

「っと……ちゃんと寝たな」

 

 立ったまま眠ったヒナが倒れかけたので支える。取り敢えず家まで運んでやるか。とりあえずお姫様抱っこして……

 

「……軽い」

 

 前世で従兄弟にまだちっこいのが2人ほど居たのだが、その子達と大体同じくらいの重みだろうか。体も細いし、ちゃんと食べるべき量を食べることができてないのだろう。

 

検索結果

毎日毎食カロリーバー生活

栄養は足りているが量が足りない

食べないこともザラにある

 

 ……ダメそう。いや、朝飯抜きは俺でもザラにあった。あったけどこれは……ちょっとあんまりだ。

 

「……とりあえず、家まで運ぶか」

 

 ヒナを抱えたままワープを発動。魔王サーチで座標を特定して参照、場所は『ヒナの家の玄関』。靴履いたまま入るわけにもいかんし、直接ベットの前は遠慮した。

 

「っと、ワープ成功……したが……酷くこざっぱりしてるゥーっ⤴︎︎︎」

 

 喉から野生の太子が……部屋がゴミで埋め尽くされているとかはなく、むしろ殆ど飾られてないため、さっき言った通りこざっぱりしている。

 

 自分とヒナの靴を脱がすのは魔王パワーに任せました。超楽。さっさと寝室に失礼してヒナをそーっと寝かす。まぁ、すぐには起きないと思うが。

 

 さて寝かしたのはいいがここからどうするか……ヒナもこの後業務があったかもしれないのに寝かしちゃったしな……あ

 

 

 

「なるほど、仕事を奪えばいいんだな?」

 

 

 

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