現代ダンジョンで魔法少女になったら男に戻れなくなった 作:TSスキー
「お邪魔します」
「どうぞ、あ、スリッパ出しますね」
自分も『魔法少女』のスキルを持つと打ち明けてきた少女の名前は
ダンジョンの地下一階で変身解除から男への変装まで見られてしまった以上、彼女の話を聞かないわけにはいかなかった。
念のため聞いてみたが、彼女は生まれつき女性でありスキルを発動しても肉体は変わらなかったようだ。
なお、私が元男だったという事情も含めあらかたの情報共有は済ませている。ほんと、なぜ私だけが……。
「どうぞ、ソファとか適当に座っててください」
「ありがとう」
ダンジョンの1階層で鉢合わせた私たちだが、あの場所で落ち着いて話をすることはできないし、かといってこれから話す内容的にその辺の喫茶店でするのも何となく不安だった。
なので15層で手に入れた魔石の売却などを一通り済ませた後、彼女が一人暮らしをするという家にお邪魔する運びとなってしまった。
自宅までの道を案内されるだけとはいえ、いい歳の男が女子高生と一緒に歩くのは周囲の目も気になるだろうということで、今は少女形態のマロン・ノワールの姿で過ごしている。
「コーヒーと紅茶、どっちがお好きですか?」
「じゃあコーヒーで」
道中で彼女のことはある程度知ることができた。
このあたりの高校に通っており学年は2年生、実家は仙台のほうにあるようで東京では一人暮らしをしている。
高校生で一人暮らしなんて両親がよく許したものだ。
彼女曰く、「わたしが一人暮らしをしたいって言ったら、普通に許してくれましたよ」とのこと。
しかも、ダンジョンに一人で潜ってレベル1にまで到達するとか、それすら許す親って放任主義という言葉で表現していいレベルなのか怪しいものである。
「どうぞ」
「ありがとう」
淹れたてで湯気を上らせるマグカップを受け取り、一口だけ口をつける。
そろそろ本題に入りたいところだ、と思っていたところで彼女も同じ気持ちだったらしい。
「先週ダンジョンでレベルアップしたんです、それでスキルシートを見てみたら……これが」
そう言って彼女が差し出してきた『スキル転写シート』には以下のとおり記載されていた。
【レベル】1
【固有スキル】『魔法少女』
能力:以下の固有魔法の使用が可能になる。
……
「私と同じ表記、固有魔法のリスト以外は」
本当に天城真央は私と同じスキルを取得していた。
固有魔法のリスト以外の記載内容もほとんど同じである。
「もう変身はしたことある?」
「一回だけあります……、あ、いまここでしましょうか?」
別に変身姿を見せてほしいという催促をしたわけではないが、彼女は紅茶の入ったマグカップを置くと、リビングの真ん中あたりに立って魔法少女への変身を開始した。
傍から見て初めて気づいたことだが、変身中は周囲の空間ごとカラフルな領域に巻き込んでいるようだ。
光が弾け、カラフルなインクのような色彩が空間を走る。
私服姿だった彼女の衣装が、漫画の原稿を思わせる白とパステルカラーのドレスへ変わっていった。
最後に彼女が武器となるものを右手に抱える。
私の場合はモンブランなどのスイーツをモチーフにした長さ80センチほどの魔法杖だったが、彼女のそれはペン、それも漫画家が使用するようなそれを魔法少女チックにアレンジしたものだった。
『明るい未来に、最高の色を! 笑って泣いて、ときめいて──全部まとめてわたしが描きたい!』
白を基調としたカラフルな衣装に魔法のペン。
彼女の魔法少女としてのモチーフが『漫画』であることは一目で分かった。
『魔法少女キララ・パレット、ここに完成っ!』
魔法のペンを格好よく構えて口上を終えると、彼女は少し恥ずかしそうに先ほどと同じ場所に座り直した。
────自分と同じ恥ずかしさを知っている相手。
そう思った瞬間、ほんの少しだけ警戒心が薄れた気がした。
■■■
「変身までしなくてよかったのに」
「……信用してもらいたくて」
赤面しながら俯く彼女の気持ちは痛いほどによくわかった。
私だって人前で堂々と変身なんてしたことはないし、したいとも全く思わない。
高校二年生という年齢で自分がこれをしているという事実も、より羞恥心を煽るのだろう。
「それで本題なんですが」
こほん、と恥ずかしさに一息つけた彼女は以下のとおりに続けてきた。
「わたしとパーティを組んでダンジョンに潜ってほしいんです」
「……うん?」
魔法少女のスキルを使うにあたってあれだけ恥ずかしそうな顔をしておいて、まだダンジョンに挑戦する気持ちがあるということなのだろうか?
「なぜダンジョンに潜りたいの?」
私がそう質問すると、天城真央はまっすぐな目でこちらを見ながらこう言ってきた。
『どうしても見たい景色があるんです』と。
その見たい景色とやらがどういったものかについては教えてもらえなかったのだが、ダンジョンの深層まで潜りレベルを上げていくのが当面の目標らしい。
どういった目標があるにせよ、彼女の意志の強さは十分に理解した。
2億円くらい貯めてfireしようとかぼんやり考えている私とは違い、彼女には具体的な目標がある。
同じ魔法少女として協力するのもやぶさかではないのだが、正直めんどうくさいというか、こちらに何のメリットがあるというのか。
私の協力するか迷っている表情を察したのだろう、彼女はギリギリこちらに聞こえるか聞こえないくらいの小声でぼそりとこう呟いた。
「協力してもらえないならマロン・ノワールの正体を滝〇ガ〇ソにタレこもうかな……」
「わかった、協力します」
最近の女子高生こわぁ。
Z世代ってみんなこんな感じなの?
日本の未来が心配だわ。
■■■
一緒にダンジョンに潜る、とはいっても彼女の本業は高校生である。
なので当然二人で潜るのは多くても週に2日程度だ。
そう考えればこちらの生活にあたえる影響はそこまで無いように感じてしまう。
スマホのQRコードを出してラインを交換して、次にいつダンジョンで待ち合わせるかをカレンダーを見ながら打ち合わせていく。
「それじゃあ来週の土曜日でお願いします」
「わかった」
話すべきことはすべて話し終えたので、今日はおいとますることにした。
「……固有魔法の中には代償が必要なものがある、気をつけて」
玄関口でもう一度だけ忠告しておこうと思いそう伝えておく。
「わかりました、ただ今のところキララ・パレットの魔法にはとくにそういうのは無さそうなんですよね」
確かに、先ほど確認した限りではそういう魔法はスキルシートの中には無かった。けれどレベルが上がるとそういうものが使えるようになる可能性もあるので、改めて天城に忠告しておいた。
■■■
「……行っちゃった」
天城真央は自宅マンションのベランダから下の道路を眺め、そこを歩いて遠ざかっていくマロン・ノワールの姿が見えなくなるまで見つめつづけた。
彼女はベランダから部屋に戻ると、そのままリビングを抜けて一つの部屋に入る。
電気が着くとその部屋は彼女にとっての書斎、というよりは仕事部屋のような場所であることがすぐに分かる。
部屋の一番奥には大きなモニター付きのデスクトップパソコンに、プロ仕様の本格的なペンタブレットが置かれた机がある。
人間工学に基づいてそうな高機能デスクチェアも含め、この部屋にある家具、電化製品類だけで合計100万円弱はしそうですらある。
彼女は慣れた動作で椅子に腰掛けるとペンタブとパソコンの電源を入れ、作業フォルダから描きかけのイラストを呼び出して続きの作業に入った。
電子ペンがタブレットの上を擦る音だけが響くこと約2時間ほど、驚異的な集中力で水すら飲まずにイラストを仕上げた彼女は、それをSNSの自分のアカウントにアップロードする。
そのイラスト付きの投稿はアップロードしてから30分ほどで1万いいねを突破した。
【もちもちまおー@mochimao_mpjag】
オリジナルの魔法少女NSFWイラストです
差分はFanboxまで
@tjjtmmw
もちまお先生の今月の投稿頻度やばすぎ
@dagtwm
今回も大変えっちです
@dagpwm
フォロワー10万人突破おめでとうございます!
@ygdepjmt
もちまお先生はレベルの高い合格点を超える魔法少女えちえちイラストをオールウェイズ出してくれる
@mgdawg
今更ですがFanbox入りました!
なんか今月だけ投稿本数おかしくないですか?
天城真央は投稿に対するいいね数の増加速度とコメント内容にある程度満足し、スマホを置いて両腕を上げて伸びをした。
「マロン・ノワール、本当に可愛いかったなぁ」
そう呟きながら彼女が思い出すのは、つい先ほどまでこの自宅で対面していた1人の少女である。
元男だったという点については予想外ではあったが、それでも天城にとってのマロン・ノワールという少女の価値は一切揺らがなかった。
彼女がアキバダンジョンの魔法少女について知ったのは4か月ほど前のこと。
最初に噂を聞いたとき、コスプレをしているだけの変な冒険者がいるものだと思っていたのだが、徐々に増えていく目撃証言やわずかに映り込んだ配信の拡大写真などを見て、あまりにも本格的に見えるその魔法少女のことを徐々に意識するようになる。
空想の中にしか存在しない魔法少女が現実に現れたという事実に、それを題材にしたイラストを偏愛し自ら創作する天城が堪えきれるわけがない。
最後の決め手は例のスタンピードのライブ配信だった。
そこに映し出された少女は、天城真央が理想とする魔法少女のそれだった。
見た目、立ち居振る舞い、言動、そして憎まれ口をたたきながらも逃走した冒険者に回復魔法を施す優しさ、すべてが天城の琴線に触れた。ややダークでミステリアスで人を寄せ付けない雰囲気なども性癖のど真ん中に突き刺さった。
そして同時に思う。
もし魔法少女マロン・ノワールに、彼女が到底耐えきれないほどの快楽・屈辱・敗北感を与えたら、どのような嬌声をあげてくれるのだろうか、と。
もし魔法少女マロン・ノワールを、この手で組み伏せて思うがままに弄び、愛することができたら、自分はどれほどの幸福を得ることができるだろうか、と。
そして、ただの少女としてのマロン・ノワールに首輪をつけて屈服させることで、どれほど素晴らしい景色を見ることができるのだろうか、と。
理想の魔法少女の無様な敗北。
気高い顔を歪め、必死に抵抗し、それでも追い詰められていく姿を見たら、自分はきっと、どうしようもなく興奮してしまう。
そんな妄想が脳裏を巡るたび、天城真央はぞくぞくと肩を震わせながら喜悦する。
創作意欲が旺盛な彼女の妄想はとどまるところを知らず、気づけばダンジョン講習を受けて冒険者資格を取得していた。
上記の欲望を実現するためには、少なくともマロン・ノワールを圧倒する力が必要だった。
どう考えてもあの強力な固有スキル持ちに対抗する力など得られるはずもないが、ダンジョンの女神は天城に微笑んだらしい。
結果として、天城真央も『魔法少女』という強力な固有スキルを得るに至った。
残りのタスクは自分自身のレベル上げと、マロン・ノワールの捜索という二つになる。
魔法少女キララ・パレットの能力のうちの一つに『魔法のペンで描いた存在を具現化する』という能力がある。
「ありがとうね、本当にお手柄だよ」
そう呟くと、彼女は作業中のおやつとして小皿に盛ってあったナッツを一つ摘み、"アーマーラットの幼体"の姿をしたそれに与える。
ナッツを齧るそれの姿に微笑んだ彼女は、その後30分ほどマロン・ノワールを凌辱する妄想に耽り、そしてその日中にもう一枚のイラストを描き上げた。
TS魔法少女 vs 魔王系ヒロイン vs ダークライ
高評価ありがとうございます。(敬称略)
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