木の葉の摩利支天と呼ばれた忍    作:rOOd

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№13 千手兄弟の戦い 後編

      【桜月 昼過ぎ】

    [木の葉隠れの里 修練所]

 

「いかん!?」

 

 サトル先生が咄嗟に叫び、助けに入ろうとした

その時――。 

 

「待て、サトル!」

「し、しかし三代目!?」

 

 三代目に腕を掴まれ、サトル先生は思わず振り

返った。

 

「三代目、このままでは縄樹が!」

「冷静になれ。そして、縄樹の顔を見ろ」

 

 三代目にそう言われ、サトル先生は縄樹へ視線

を向けた。

 その顔には、焦りどころか、不敵な笑みさえ浮

かんでいた。

 そして次の瞬間――

 

 縄樹が地面に突き立てた埴山姫神へ命じる。

 

「埴山姫神――」

 

 そして、縄樹は掌を律樹に向けた。

 

「錬土――鋼仙花!」

 

 途端に縄樹の足元の地面が隆起した。

 無数の黒鋼が地面を突き破り、まるで巨大な花

が咲き誇るように広がった。

 

 鋼の槍群は迫り来る龍鱗と激突する。

 

 ドオォォォォンッ!?

 

 鋼槍は龍鱗が次々と叩き落とし、激しい火花を

散らしながら、龍鱗は地面に散らばった。 

 

 だが――それで終わりではない。

 

「捕まえろ!」

 

 砕け散った黒鋼と土砂が再びうねる。

 

「錬土――錬鋼封鎖!」

 

 鋼仙花の中心から無数の土の鎖が射出された。

 土の鎖は律樹の蒼い鎖へ絡みつき、互いを締め

上げる。

 

「縄樹!」

「律樹!」

 

 二人が睨み合う中、鎖同士はギシギシと軋みを

上げた。

そして次の瞬間――。

 

両者の鎖は耐え切れず、同時に砕け散った。

 

「チッ!?」

「やっぱ、互角か!」

 

その時、律樹は策士な笑みを浮かべた。

 

「――まだだ!」

 

 律樹の叫びに呼応するように、『水波能売命』

が蒼く輝き始める。

 

「閻水――龍牙穿弾!」

 

 刹那、二つに分かれた盾が唸りを上げながら高

速回転を始めた。

 龍の牙のような鋭い軌道を描き、水波能売命は

左右から縄樹へ襲いかかる。

 

「来い、埴山姫神!」

 

 縄樹が叫ぶと、地面に突き立っていた埴山姫神

が主のもとへ飛来した。

 

ガギイイイイイン!!

 

 火花を散らしながら、縄樹は埴山姫神を構えて

一枚目の水波能売命を受け止める。

 凄まじい回転力が腕を通して全身を揺さぶった

 

「ぐぎぎっ・・・・・・!」

 

 だが、それで終わりではなかった。 

 

 もう一枚の水波能売命が、死角から縄樹へと迫

っていた――。

 

「これで終わりだ、縄樹!」

「へっ、どうかな!?」

 

直撃すると誰もが思った次の瞬間。

 

「錬土――錬剛流壁!」 

 

 縄樹の前に突如、棘だらけの巨大な金属壁が築

かれ、水波能売命を受け止めた。

 

「――鋭棘千本!」

 

 それと同時に壁面から無数の鋼棘が射出される

 

「なっ!?」

 

四方を埋め尽くす鋼棘の雨。

回避は間に合わない。

だが、律樹は口元を吊り上げた。

 

「まだ終わってない!」

 

 律樹が水波能売命の持ち手を強く握る。

 

「閻水――蛟龍」

 

 次の瞬間、水波能売命から放たれ、地面に散ら

ばっていた無数の龍鱗が一斉に宙へ舞い上がった

 だが、ただ浮遊したわけではない。

 一枚一枚が水の鎖で繋がり、才牙の柄を起点と

して巨大な龍鱗の鞭を形成する。

 

「――龍尾鱗鞭!」

「何っ!?」

 

 縄樹が目を見開く。

 

 ブォンッ!!     

 

 律樹は龍鱗の鞭を大きく振り抜いた。

 鋼棘の群れが次々と叩き落とされ、修練所に火

花と水飛沫が舞う。

 さらに勢いそのままに龍鱗の鞭は錬剛流壁へと

激突した。

 

ドォォォォン!!

 

 天地を揺るがすような轟音。

 巨大な金属壁には無数の亀裂が走り、龍鱗の鞭

もまた耐えきれず砕け散っていく。

 

「くっ・・・・・・!」

「ぐっ・・・・・・!」

 

 二人は同時によろめいた。

 連続使用による莫大な消耗。

 互いのチャクラは、すでに底を突きかけていた

そして――。

 

パリン。

 

水波能売命が蒼い光となって砕け散る。

同時に。

 

ガラガラガラッ!

 

錬剛流壁も崩壊した。

 

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

「ぜぇ・・・・・・ぜぇ・・・・・・」

 

 二人は肩で息をしながら向き合う。

 もはや術を放つだけのチャクラは残っていない。

 

「チャクラ切れか」

 

 三代目が静かに呟いた。

 律樹は苦笑した。

 

「やっぱり長期戦は、まだ無理だな」

 

 縄樹はニヤリと笑う。

 

「ハハハッ、その通りだね。りつ兄」

 

 その言葉に、張り詰めていた観客たちからも思

わず笑いが漏れた。

 

 死力を尽くした激闘。

 互いの全てをぶつけ合った末に――

 

 律樹と縄樹は、ほぼ同時に地面へ倒れ込む。

 勝敗はつかなかった。

 

 だが、それこそが答えだった。

 二人の力は、今この瞬間――互角だったのであ

ると。

 

ーto be continuedー

 

 




次回 上役会議
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