木の葉の摩利支天と呼ばれた忍    作:rOOd

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家族とは居場所であり、兄弟とは繋がり。

忍とは戦争の道具であり、秩序のくさび。
 
前者は矜持、後者は大義。

人か忍か・・・・・・どちらを選択しても先には
明日がある。

そう信じて歩むのが人間である。



第一章 波乱万丈のアカデミー
No.1 千手家の朝


      【桜月 早朝】

 

     [木の葉隠れ里 千手屋敷]

 

「ヨシ!できた」

「りつ兄、朝めしできた?」

「テーブルに並べた終わったところだよ縄樹」

 

 俺の名は千手律樹。 

 初代火影の孫で千手本家の長男だが、家族の中

で一つだけ違いがある。

 俺は転生者。

 そして、クソ神さまから転生特典をもらって無

理矢理転生し、はや4年。 

 なんだかんだとアカデミー入学の年齢になって

本日晴れて忍者のたまご・・・・・・忍たまとなる。

 現在我が千手家で一番上は綱手姉さん、縄樹が

双子の弟で両親を失った俺たちは姉弟3人で暮ら

している。

 

「そういえば縄樹、姉さんは?」

 

 俺が台所にいない姉さんを尋ねると苦笑いの

縄樹は頭を掻きながら言いづらそうに答えた。

 

「それが姉ちゃんを起こそうと部屋の中を覗いた

 ら酒臭かった。深酒で爆睡中だよ」

 

 それを聞いた俺は縄樹とともにため息をはく。 

 

「たくっ、今日は俺たちのアカデミー入学式なの

 に〜、姉ちゃんは相変わらずだ」

「まったくだよ、昨日朝帰りで自来也さんが担ぎ

 ながら帰宅した時は呆れたな」

 

 姉さんは木の葉の上忍として多忙を極めている

 第二忍界大戦の勃発が近いから忙しいらしい。

 そのせいで数カ月前からあちこちに派遣された

り、仕事場で寝泊まりしたりしているとか。

 

 そりゃ、とてつもなくストレスが溜まっている

のはわかるけど、俺たちの入学式のためにわざわ

ざ数日休みを取って家に帰ってきたはずだよね?

 なのに、ここ数日は連日連夜飲み歩いているん

だよ。

 

「はぁ〜、姉ちゃん優秀だけどだらしない」

「まったくだ、そんなんだから嫁の貰い手がない

 んだよ」

 

 俺が姉さんの愚痴を口走ったら、縄樹がパクパ

クと口を動かして固まった。

 

「?縄樹?」

 

 俺は縄樹が凝視している後ろを振り向くと怒気

を纏った姉さんが仁王立ちしていた。

 

「・・・・・・・・・姉さんおはよう」

「おはよう、かわいい弟たち。そして私の将来を

 心配してくれてありがとう」

 

 顔は笑っているが、青筋が立てて目から怒髪天

を衝くようなチャクラを感じる・・・・・・。

 自来也さん、よくこんな姉さんに毎度セクハラ

できるな。勇気ある、つーか尊敬するよ。

 

「律樹」

「はい!?」

「こんだけがんばっている私が酒を飲んじゃいけ

 ないかい?あんた鬼だね〜」

 

 そう言うと姉さんは俺の頭を右手で鷲掴みして

ギリギリと音を立てながら持ち上げた。

 

「さ、酒はいいけど、ギャッ、ギャンブッる!

 あた!!アタタタっ!!!?」

「稼ぎ頭の姉に楯突くとは・・・・・・いい度胸だね」

 

 アイアンクローをかまさせ、もがき苦しむ俺の

背後でガタガタと椅子の盾にして震える縄樹。

 

「ね、姉さんギブ〜ギブ!!」 

「・・・・・・これにこりたら、二度と姉に楯突くんじ

 ゃないよ、いいね」

「は、はい!」

 

 ギラッと睨見つけてくる姉さんがパッと手を離

したら、俺は床に尻もちをついた。

 怒りを内側に秘めた笑顔の姉さんが俺と縄樹に

こう言った。

 

「さっさと朝めしを食べて入学式の用意を」

「「は、はい!!」」

 

 俺たちは逆らわない方がいいと目で語り、すぐ

さま、席について朝ごはんを食べ始まる。

 

「まったく、朝から怒るなんて。これじゃ肌があ

 れるわ」

「・・・・・・そこかよ」

「何か言いたげそうだね、律樹?」

「なんにもございません」

 

 俺は話題をズラして怒りを収めるために姉さん

へ質問した。

 

「そういえば姉さん。入学式の後はすぐに任務へ

 戻るの?」

「ああ、そうだよ。なんせ戦争がまた始まるから

 ね。猿飛先生が気を利かせて休めたけど・・・・・・

 またしばらくは家に帰れないよ」

「ふ~ん、でも姉ちゃんの任務って主に医療でし

 ょ?今はそんなに忙しくないんじゃない?」

「縄樹、戦争でもっとも厄介なのは巻き込ませる

 一般人なんだよ」

 

 

 姉さんは縄樹が戦後でそういう後始末の方が大

変を話し始めた。

 戦争で一般人を巻き込めば、戦場の近くにいた

やつが悪いでは済まないし、ことの次第よっては

大名や上役たちから反感を買う。

 だから、戦争前には調査と交渉が不可欠だと。

◇事例として

・中隊による予想戦地周辺の調査。

・地図に載ってない小さい集落や農村の把握

・戦闘可能性地域の住居地の代表にあいさつして

避難マニュアルの説明

 

などと次から次へとあふれ出てくると姉さんに説

明させ、そうかという顔で納得する縄樹を見て俺

は能天気だと思った。

 

「あんたたち、ごめんね。入学式のお祝いができ

 なくて。後で埋め合わせをするから」

「気にしなくていいよ、姉さん」

「そうだよ、姉ちゃん。りつ兄と俺がいれば無敵

 だから大丈夫だよ」

 

 俺たちがそう言うと満面の笑みに変わった姉さ

んはそうかいと言い、頷いた。

 

 朝ごはんを食べ終えて俺たちは正装して3人で

アカデミーに向かった。

 

 途中で商店街の道に通ったが、活気のあるとこ

ろでも重い空気が漂うから幼い俺たちにも戦争の

嫌悪がわかった。

 

「なんか、みんな暗いな縄樹」

「そうだな、戦争が始まるせいか?」

「・・・・・・仕方ないさ、戦争は人から何かを奪うか

 らね。潤うのは上の連中ばかりだよ」

 

 確かに姉さんの言う通りだ。

 商店街の人たちも忍者と商人を兼用している者

がほとんどだし、戦争から帰ってこれても腕や脚

を失うと商人としてやっていくには苦労する。

 でも、それだけならばまだいい。

 問題は心の方か。

 よく忍者は寝ていても殺気で感じれば臨戦態勢

になるように訓練させているというけど、戦地で

はわずかな気配でも勘付かないと死ぬから身内で

あろうと他者であろうと関係なく攻撃してしまう

と耳にする。

 そのせいで妻や子どもを傷つけた者たちが後を

絶たない。

 本当にいたたまれないな。

 

「・・・・・・姉さん」

「なんだ律樹」

「俺たちがアカデミー卒業した時期、戦争はもっ

 と過酷になると思う?」

 

 俺の問いに悲しい目で俺を見る姉さんは数秒の

沈黙の後、こう答えた。

 

「おそらく律樹の言う通りになるよ」

「え?な、なんでだよ姉ちゃん!?」

「忍は戦争の道具だ。同盟を結んだとしても利権

 の小競り合いは続く。その摩擦がどんどんと熱

 を帯びて最後には戦火となり、各国に広がって

 いく・・・・・・それが戦争だよ」

 

 縄樹は信じられないという目で姉さんを見る。

 姉さんは俺たちの頭に手を乗せてこう呟く。

 

「だから、あんたたちは強くなるんだよ」

「うん」

「そんなの当たり前だろ!おれは火影になる男

 だ!!」

 

 縄樹の夢・・・・・・俺たちの爺さん初代火影を超

える火影になること。

 そして、俺の夢は・・・・・・・・・・・・。

 

ーto be continuedー

 

 

 




次回 アカデミー入学
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