ジャンル:近未来・ヒーロー
コンセプト:あらゆるヒーロー物の作品が行きつくのかもしれない可能性の未来の話。
主人公:本名未定・能力や容姿、性格などの設定あり
ヒロイン:上記に同じく
備考:作風はかなりダークサイド寄り。日常的に事件が発生するため現代とは異なる常識や認識となっている。
「はぁ、はぁ、はぁっ……!」
薄暗い裏路地を一人の異形が駆ける。
爬虫類の特徴を持つ体はズタボロであり、所々何かで斬られたかのような切り傷が目立っていた。
「クソッ、何なんだアイツは…‼」
異形は悪態をつきつつ、目の前に現れた障害物を凶悪な形状で発達した腕と爪でバラバラに破壊して突き進む。
しかし、その先に待っていたのは……
「なぁっ……⁉い、行き止まりだと⁉」
逃げ場などどこにも見当たらない袋小路。
なにかから逃走していたらしい異形は、追い詰められたその事実に焦りだす。
「くッ、こんな壁ぇぇッ‼」
異形は壁に勢いよく腕を叩きつけるが、いくら殴りひっかこうとも傷がほんの少しだけつくだけで壊れる気配がない。
「壊れろ‼壊れろよ……‼早くしねぇとアイツがっ……⁉」
――カツ、カツ、カツ……
「はぁ……あんまり逃げ回らないで欲しいんだけど。」
「………ッ⁉テ、テメェッ……⁉」
革靴の乾いた足音ともに現れたのは一人の少女……。
学生服の下に着たパーカーのフードを被っているためにその表情はうかがえないが、声の雰囲気からめんどくさがっているかのような様子を見せている。
その横には球状の機械が浮遊しており、その正面についたアイカメラのようなパーツが異形を探るように睨みつけていた。
『――対象をデータベースより検出。容疑者「影山守」、ヴィラン名「ブラックリザード」』
「罪状は?」
『器物破損四件、不法侵入七件、殺人五件、性的暴行二件、その他傷害事件複数』
「あー、やっぱりね。じゃ、さっさと片を付けましょうか」
異形……ブラックリザードは恐怖した。
というのも、彼のような犯罪者……巷ではヴィランと呼ばれる者たちにとって彼女たちは恐怖の象徴。
彼女が懐から取り出したのは何かのデバイスらしい小型の機械。
少女がソレのボタンを操作すると、彼女の体を覆うかのように黒い光が放たれた。
この世界において、ヴィランと呼ばれる犯罪者や人類の敵を相手取る英雄たちが存在する。
「ヒーロー」と呼ばれている彼らだが、その中でも凶悪な犯罪者や人類の天敵と扱われる怪物たちを専門に対処する者たちがいる。
ヒーローのごく一握りの者たちで構成され、民衆の絶対的守護者にしてヴィランにとっての処刑人。
彼ら、彼女はこう呼ばれる。
「……変身完了。執行者「ブラッドローゼ」の名において宣言する」
「これよりヴィラン「ブラックリザード」を「ジャッジ」の権限の元、Aランクヴィランへと認定……処刑を開始する」
黒い光の先から現れた死神……
赤黒いバラの意匠のついたバトルドレスを着たヒーローの執行者「ブラッドローゼ」は静かにそう宣言した。
「……んん、意外とあっけなかった」
『お疲れ様です、ヒーロー「ブラッドローゼ」。回収班と警察への通報も完了いたしました』
「ご苦労さん。……ねえ、この辺で手軽にシャワー浴びれるとこない?
こんな血塗れじゃスイーツ屋さんに出禁にされちゃうんだけど」
『ここから数分ほどの圏内に協会と契約している個室付きの風呂屋があります。
衣服も含め、先方に予約を入れますか?』
「なるはやでお願い。この後友達と待ち合わせなの」
『かしこまりました』
路地裏から姿を現したのは衣服以外が血塗れの少女。
その後ろには赤黒い液体がピンク色の固形物と共に飛散しており、その奥には無残な姿のヴィランだったものが転がっていた。
『ところでブラッドローゼ、明日のご予定についてなのですが……』
「ん?あぁ、例の顔合わせ……だっけ?これから私が配属される事務所の」
『はい。それとあなた様のバディともなる執行者様との対面でもあります』
少女……ブラッドローゼこと「」は隣から話しかけてくるサポートドローン「ブラザー」の言葉に顔をしかめる。
どうやら対面することになる相手に思うことがあるようだ。
「……ねぇ、その執行者ってまともな方の奴?」
『まともの定義にもよりますが……おそらくジャッジに所属する方々の中ではかなり良心的な方であると評価はされております』
「良心的……ねぇ?それってつまりろくでなしなのは変わりないんじゃないの?」
『少なくとも第二席殿や第十四席殿に比べれば素晴らしい評価です』
「日本支部ジャッジの問題児二大巨頭と比べたら誰だってまともじゃん」
遠くからパトカーの音が鳴り響く中、「」は平然と街中を歩いていく。
彼女を目撃した通行人たちは一瞬ぎょっとなるものの、その次には隣で並走するように飛んでいるブラザーの姿を見てなんでもなかったようにふるまっていた。
……まるで、そんな光景が日常であるかのように
「んで、えぇっと……私のバディ候補って奴は誰なの?少なくとも私より序列低い奴と組まされても足手まといでしかないんだけど……」
『ご安心ください。あなた様と組む方はより上位の執行者様です』
「へぇ……じゃあちょっと期待できるかも。第四席さん?第五席?まさか第一席さんとか……」
『第三席殿です』
「……へ?」
ブラザーの返答に対し、「」は思わずぽかんとした様子で間の抜けた声を出していた。
「ごめんブラザー、もう一回誰なのか言ってくれない?」
『ですから、あなた様のバディとなる執行者様は日本支部第三席殿です』
聞き返してなお、「」の思考は止まっていた。
一応、彼女もジャッジの中では新入りの身でありながらも何人かの執行者とは面識がある。
しかし、だ。
「第三席……誰だっけ?」
彼女は一度も、第三席の執行者とは会ったことがなかった。
これは、遠くも遠くの未来。
地球上の全ての生物が異能を持つ混沌とした世界で生きる人類……
彼ら彼女らの安寧を守るため日々奮闘するヒーロー達。
そんなヒーローたちから多少ずれてしまった、人でなしで容赦のない執行者たちの日常の物語である。
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