ジャンル:TCG
コンセプト:主に作者がよく使う遊戯王のデッキなどを参考にしつつ、闇属性系のデッキで優雅に敵を蹂躙する主人公を作る。世界観はTCGが一つの文化として生活に根付いた世界線
主人公:名前未設定。使用デッキは三つほど所持。見た目だけショタ
ヒロイン:未設定。
備考:オリジナルカードゲームの設定に加え、この世界独自のカードデッキに基づいた作法や特殊な文化が存在する。
試作内で言及される「ファーストデッキ」は所有者のメインデッキであり、本気の試合をする際に用いられる。基本的にこの世界の住人はデッキを二つほど所有しており、一部の強者は三つ目のデッキを隠し持つことがある。ファーストのみや目につく位置に三つ目を所持することはバッドマナーとされる。
『決まったぁぁぁぁぁぁッ!!
第七十一回、全日本ソウルレイド大会優勝はぁぁぁぁぁぁッ!!』
司会の張り上げたその声に呼応するように、観客たちが大歓声を上げる。
先ほどまで彼らの視線を釘付けにしていたその壇上には二人の男が立っていた。
片や今にも崩れ落ちそうなほどの絶望した顔で立ち尽くす、顔立ちの整った若い男。
もう片方の初老の男は仮面で表情は見えないながらも毅然とした態度でその場に立っていた。
……この日、日本に新たなチャンピオンが降り立った。
遊戯でありながら、ただの遊び以上の意味と力を持つトレーディングカードゲーム「ソウルレイド・ファンタジア」。
この世界の全てを動かすカードゲームの最強……
新たな日本最強の誕生に、会場は大きく咆哮のごとき歓声を上げた。
……会場に無数の歓声が響く中、とある少年はその新チャンピオンへと宝石のようにきらきらと煌めくような視線を向けていた。
尊敬、羨望、祝福、憧憬
様々な感情が混ざったその視線。
チャンピオンは少年からのそんな視線に気づいたのか、観客席の中に埋もれている少年へと指さすように片腕を掲げて宣言した。
「It`s your turn next!!」
その宣言に、会場は大きく盛り上がる。
観客たちは、その言葉が誰に向けられたものかを知らない。
誰もがその言葉を自分にかけられたものだと思っていた。
しかし、当人たちだけは知っている。
他の誰でもなく、この言葉はチャンピオンによる名指しの挑戦状だと。
熱狂に飲まれる会場の中で、彼らの想いは交錯していた。
………
「――でさ、昨日は……」
「ほい、「魔法剣士フレイル」の攻撃でフィニッシュだぞ」
「ぬああああああぁぁぁぁぁッッ!?!?!?!?俺の焼きそばパンがぁぁぁぁぁッ!?」
「ちょっと!こんなとこにパックの袋の残骸を捨てたの誰よ!」
「あ、このカード交換しない?ちょっとこの前パック剝いたら多めに出ちゃってさ」
「おけ、ちょうどそのカード欲しかったんだ」
代り映えのしない日常。
なんとなくファーストデッキを取り出してカードを眺めているが、特に誰かとファイトするわけでもない。
というより、ここ最近はファイト自体がなかなか戦績がふるわないのだ。
悶々とした気持ちでぼーっとカードを眺めていると、後ろから突然手が伸びてきて目を覆い隠された。
「だ~れだ?」
「……アヤカ、いまさらそれやられても俺が外すわけがないだろ?」
「えへへ、さっすがたっくん!それでこそ私の幼馴染です!」
後ろから聞こえてきた声に即座に返してやると、視界をふさいでいた手が退くと同時に正面へと彼女が現れた。
自信満々といった様子で胸を張っているのは幼馴染兼恋人のアヤカ・タニザキ。
家が隣同士で家族ぐるみの付き合いなのだが……
高校に入学して少し経ったとき、彼女の方から告白されて付き合う関係になった。
幼馴染との恋愛はうまくいかないだとかなんだとかで周りから囃されたりはしたが、特にこれといって仲が拗れることなく順当かつまっとうな付き合いができている。
これについてアヤカは「私たちの絆はファーストデッキよりも強いもん!」と言っていたが、その直後に顔を赤くしていたのはかわいかった。
「そんなたっくんにはご褒美として一日デート権をあげます!」
「それ昨日も貰ったぞ。学校帰りに近くのスーパーまで買い出しついでに行ったじゃん」
デートと言いつつおばさんから頼まれてたらしい買い出しの荷物持ちにさせられたのは記憶に新しい。
まあそれなりに量もあったため、頼られたのはまんざらでもないんだが……
「それはそれだよ!それに……今日はちゃんとデート向きな場所をえらんだんだもん」
少し顔を膨れさせつつ、アヤカは一枚のチラシを見せてきた。
「……カード喫茶「マスカレード」?」
「老舗のカード喫茶だって!レトロチックで落ち着いた雰囲気のお店みたいだから一度行ってみたかったの!」
目をキラキラ輝かせながら力説された。
……まあ彼女がそう思うのも無理はない。
つい最近まではカップルに人気のカフェだとかを彼女の友人の勧めで行ったものの、そのことごとくでカップル狩りの悪質ファイターに絡まれまくったのだ。
なんとか俺がファイトして撃退してはいたが、正直かなりギリギリのところでの勝利が多かった。
情けないことだが、デートのたびにそんなことばかり起きてると俺もアヤカも気疲れしてしまう。
「……ま、たまにはのんびりと楽しみたいよな」
「よし、じゃあ決定だね!ふふ~ん、楽しみだな~♪」
浮かれた様子で軽くスキップしながらアヤカは自分の席へと戻っていく。
そんな彼女の様子に俺は呆れつつも、どこか愛らしいなと心の中で思うのであった。
時は流れて放課後。
俺たちは学校の近くにある商店街に足を踏み入れていた。
ここは大手通りから少し外れた場所にあり、そのためか人はそう多くない。
だが住宅街に近いためか夕飯の買い出しに来た主婦や仕事帰りのサラリーマン、時折お使いに来た子供たちを見かける。
他愛もない雑談をしつつ、俺たちがたどり着いたのは商店街の一角。
ちょうど商店街の中心辺りに位置するその場所にあったのは、なんとも趣のある少しレトロな雰囲気のする洋風の建物だった。
「……ここが?」
「うん、チラシの住所だとここみたい!」
なんとも……いかにもな雰囲気の店舗であった。
少し外壁にツタが張ってはいるものの、しっかりと手入れがされているのか廃墟のようなボロさがない。
若干雰囲気に気圧されている俺の心情などいざ知らず、アヤカは颯爽と店のドアを押し開けた。
――カランカランッ……
「いらっしゃいませ」
「……ん?」
店に入ったとたん、どこかで聞いたことのある声が俺たちを出迎えた。
どこからか小気味のいいジャズが流れてくる店内の奥。
ちょうど片づけをしていたらしいテーブル席から身体を乗り出すようにして姿を見せたのは自分たちと同じぐらいの歳の少年。
店名をイメージさせるマスカレードマスクとタキシードを着たその少年に、俺は見覚えがあった。
「……あれ?もしかして……「」君?」
「おや……?もしや……タクヤさんとアヤカさん?」
間違いない、目の前の少年は同級生……というより、クラスメイトの一人。
「……っと、そうでした。新規のお客様ですね?」
一瞬驚いた様子を見せながらも気を取り直したかのように彼はこちらへと向き直った。
「カード喫茶「マスカレード」へようこそ」
優雅に一礼し、クラスメイトの少年……「」は俺たちを歓迎した。
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