着なれないタキシードを着て、そわそわと人を待っていると待ち人が現れた
「に、似合う?//」
「うん、とても似合ってるよ」
「ありがと//」
そういって恥じらう恋人の姿に胸が高まる
「でもさ」
「何?」
何か不満でもあるのだろうか?とてもよく似合っている。凄い奇麗だと思う。
「なんで俺がウエディングドレス着てるの?」
「にしてもホントに九十九君奇麗だね」
「素直に喜べない……」
ちょっとしょげた顔してるのもとても可愛い
「でも、私もタキシード着て男装してるよ?」
「芦花は何着ても似合うよ」
「それいったら九十九君だって似合うよ?」
彼はどっちかといえば童顔系の顔をしているため女装用のメイクが映える
「俺は、かっこいい系の顔に生まれたかった」
「可愛いね」
「ひどいよ!」
ホントにメイクさんに感謝の気持ちでいっぱいだ。
「芦花のウエディングドレス見れると思ってたのに」
「そろそろ撮影始めま~す」
「はーい、行こ。」
「へ~~い」
ちょっと嫌々感が強すぎるからやる気だしてあげなきゃ
「全部終わったら好きにしていいよ」
そう耳打ちしてあげると驚いたような表情をした。
「ろ、芦花!?//」
顔を赤く染めて狼狽えてる九十九君を見て思わず
「何考えたの?エッチ//」
「え!?いや、そういうつもりじゃないって!!」
「ど~だか」
「芦花ぁ~」
「ふふふ、ごめんごめん。緊張取れたでしょ?」
「取れたけどさぁ」
「もういじめないから機嫌治して」
「ほら、カメラさん待ってるよ」
そういってカメラさんの方を指さすと凄いにこにこしながらこちらにカメラを向けていた
「あ、気にせずに続けていただいて大丈夫ですよ」
気にするなは無理がある。
「ごめんなさい、撮影始めますよね?」
「はい、そろそろ始めますがまだ時間あるのでどうぞ」
「ほら、撮影始まるみたいだよ」
「いえ、まだ始めないのでどうぞ」
「あ、こちらが気になるということであればお気になさらず。どうぞ」
何が『どうぞ』なのだろうか
「撮影始めるときには声かけますのでそれまでは私は壁のシミとでも思っていただいていつも通りにしていただいてて大丈夫ですよ」
そう言われてお互いに目を合わせ
「「………………//////」」
完全に自宅のノリで会話していたことに気付いて照れくさくなってきた。
そんな照れくさい空気を全く読まずにパシャリとカメラのシャッター音が響いた
「「!?!?!?!?//////」」
何故シャッターを切ったんだ!?と思っているとカメラさんはぐっとサムズアップしかしてくれなかった。
「なんか大変な一日だったね」
「ほんとにそれ」
冷静になったらなんで男女逆転ウエディングとかいう特集になったのか不思議でしょうがない。
事務所には申し訳ないがそれが売れるのかな?
「でも九十九君………いや、つーちゃんだね。可愛かった」
「誰がつーちゃんだ。誰が」
「ふふふ、つーちゃん。可愛いね」
「可愛いはやめて………俺も男だから言われるならかっこいいがいいんだけど」
「九十九君のかっこいいところは私だけが知ってればいいの」
真実にも、かぐやちゃんにも彩葉にだって知られたくない
「他の誰かが知ってると私、嫉妬しちゃうから」
「それは……」
「嫉妬深い女は嫌い?」
「いや、芦花に愛されてるなって感じるかな」
「じゃあ、九十九君は私を愛してくれてるのかな?」
「本当の芦花は俺だけが知ってればいいとは思うよ」
「本当の私?」
「モデルやインフルエンサーとしてのROKAはたくさんの人が知ってるけど。」
「俺の恋人の綾紬芦花としての可愛いところは俺しか知らないし知らなくていいとは思ってるよ」
「それは………」
「嫉妬深い男は嫌いかね?」
「九十九君にならどんなに独占欲持たれてもいいなって思うよ」
「ねえ、九十九君」
「何?芦花?」
「好き」
「俺もだよ」
「大好き」
「俺もだ」
「愛してる」
「俺だって」
「あなただけの綾紬芦花ですよ」
「素敵な響きだね」
「何でも言うこと聞きますよ」
「じゃあ、今夜は一緒に過ごそうか」
「好きにしていいですよ」
「じゃあ、そうしようかな」
重なる影が夜の暗闇を示すかのように深く染まっていった。
……行くはずだった。
「ムニャムニャ」
な~~~んでこの人はこのタイミングで寝ちゃうかな~~!!
「もう、せっかくいい雰囲気だったのに」
なんか、ムカついたので鼻を摘まむと「ふがっ!」と情けない声が聞こえてきてそれがどこか可笑しかった
「まあ、こういう日があってもいいのかな」
そう思い、彼の腕の中に包まれるようにして目を閉じた
イチャイチャし続けてます。最後のほう恐ろしいくらいくさいセリフしか書いてない、書いてる本人がブラック欲しくなった。つまり、最高に甘い展開が作れたという証明です。