ようこそ百合至上主義のハーレムへ 作:ド級のスランプ、ドスランプス
夏休み第二弾! 豪華客船で二週間のクルージング!
「──え。有栖ちゃん船乗れないの?」
「ええ。残念ながら安全性が保障できないそうで。知っての通りの体質ですから」
「私達も先生に言ってみたんだけどね。医者も船に同行するらしいし」
「あー……じゃあ私達は船から降りて、心疾患がある人には耐えられないようなことさせられるわけだ」
「ふふ。やはり虎居さんは頭が回りますね」
いいえ。原作知識です。でも実際露骨に弾かれるの、何かあるって言ってるようなもんじゃない? せめて船で待機にすればいいのにね。即リタイアも不参加もペナルティ一緒なんだし。
「はぁー……絶対めんどくさいやつじゃん。20キロの背嚢背負って、徹夜で行軍とかさせられるのかな……それで最後に攻撃の演習とか……」
「学校は学校でも幹部候補生学校ですよそれは」
邪ロリはなんで知ってるの? アレ攻撃演習の時普通に寝落ちするんだよね。あの頃の経験のおかげで野外でも全然寝れる体質になったけどさ。
「行軍させて脱落者に応じてクラスポイントが減ってくとかありそうじゃない?」
「流石に体力面に偏りすぎでは? ……だから二週間のクルージングなんですかね」
「半々で体力部門と知力部門でなんかやるって? そんなのもう夏休みじゃないじゃんね……」
「というか、知力の試験? やるなら坂柳欲しいんだけど……」
「おや、真澄さんからそんなに情熱的に求められるなんて。まだ明るいのに」
「……明るさは関係ないでしょ」
「え、でも夜はよく私達に『もっと強くして』って……ねぇ?」
「言ってないから!」
顔真っ赤だよ。語るに落ちてるね。
「だ、大体! 坂柳だってこの間のチェス途中で崩れ落ちて降参してたじゃない!」
「あ、あれはもう詰んだ状況で続ける理由が無かっただけで……!」
最近のおもちゃって凄いよね。吸引の強さとかリズムとか、遠隔で操作出来るんだから。やいのやいのしてる二人を見ていると茶が美味いぜ。
「コホン! それで虎居さん、お願いがあるのですが……」
「ん? ああ、勿論。はい。この箱のやつなら新品だから大丈夫だよ」
「……何の話だと思ってます?」
「え、二週間寂しいからおもちゃ貸してくれって──痛い! 杖で叩かないでぇ……」
トライをイジメヌンデ……
「違います! ……私が居ない間、Aクラスを統率するのは葛城君になるでしょう」
「だろうねぇ。他にリーダーやれそうな人も居ないし」
「ということでAクラスを叩きのめしてください」
「いいの? 暇潰しにリーダー争いしてたんでしょ?」
「ええ。虎居さんと遊んでる方が楽しいですし……この間、探していた人も見つけましたしね」
あ、綾小路君をプールで見かけたのか。うーんバタフライエフェクト。まあ体育祭とか別に邪ロリが活躍できるわけでもないしいいか。あ、でもAとDで組むんだっけ? ……邂逅がちょっとだけ早くなりそうだね。
「まあクラス間闘争するなら私よりりゅーたん相手にすることになるだろうけど。やる気満々だし」
「あれはあれで是非とも屈服させたいものです」
うーん邪悪ロリ。この見た目でドSはきっと一部からとんでもない需要があるね。射精管理とか似合いそう。は? 男が挟まってくるな。
「ま、頑張ってみるけど……何やるか次第だからね? 行軍ならAクラスに下剤でも盛るんだけど……」
「……それ、実行するの私じゃないの?」
「橋本君あたりも使えるでしょ……うわ、嫌そうな顔。チャラ男嫌いなんだっけ」
「別に」
一途な人が好きなんだっけ? 一途じゃない人が嫌いなんだっけ? ……あれ、私アウトなんじゃ……? まあ最悪身体を堕としきればいいか。
「よろしくお願いしますね? 虎居さん。ところで……」
「ん?」
「……その箱の物、後で私の部屋に持ってきてくれません?」
2週間ぼっちだもんね。慰めたくもなるか。……2週間学年で1人ぼっち、しかも学年担当の教師も居ない。もうこれイジメじゃない?
豪華客船のクルージング、は一応嘘では無い。なんかレストランやらエステやら色々あるし、しかも全部無料。誰かのせいでポイント無くて苦労しているDクラスのみんななんかはここぞとばかりに色々してた。ついでにマナーが悪すぎて葛城君に怒られてた。品性がね……
「……で、寛いでる我らが王様はこの旅行をどう考えてるの?」
「学校が提供してくれたバカンスだろ? ……クク、そんな顔するなよ」
この豪華客船、普段は何に使ってるんだろうね。金持ち向けの世界ツアーとかかな? バーとかあるあたり少なくとも本来は学生向けじゃないと思う。
「十中八九ただのバカンスじゃあねぇだろうさ。だが何をするかまでは今の段階じゃあ分からねぇな。妄想で敵を作っても仕方ねぇだろ?」
「それはまぁ、そうだねぇ」
流石のりゅーたんもまだ分からないか。というか綾小路君とか坂柳さんでもこの段階じゃ無理だろう。高円寺君はなんかある程度把握してそう。上級生の女子侍らせてるし。……そう考えると私も上級生の女子狙った方が良い? 卒業間近の人とかなら火遊びに付き合ってくれたりするかもだし。
『間も無く島が見えてきます。是非デッキにお集まりください。大変有意義な景色をご覧いただけるでしょう』
お、アナウンス。もうそんな時間経ってたんだね。……いや、案外島が近いだけか? 細かい位置関係は気にしたら負けな気がする。
「行く? りゅーたん」
「当然……その呼び方はやめろ」
「あ、やべ」
思考に気を付けなさい。それはいつか言葉になるから──
いつものメンバー……アルベルト君とか、ひよりんとか、澪とか、ザッキーとかと合流して、デッキへ。なんかAクラスとDクラスがやり合ってたけど、それは無視。
「島の周りを回ってるのかな?」
「地形を覚えておくように、ということでしょうか」
「まさか、島を使ってトライアスロンとか言い出さないっすよね?」
「そしたら私は生理が始まったことにして休むね」
「姐さん、反応に困るっす」
りゅーたんは無言で眺めてる。多分島の地形を頭に入れてるんでしょう。でも多分ルール聞いたらバカンス作戦になるからその知識無駄だよ。
ジャージに着替えて全員集合。持ち物検査までされる徹底ぶり。まあその気になれば小さい物なら下着の中とかに隠して持ち込めるだろうけど。
「ではこれより本年度最初の特別試験を行う」
……Aクラスは動揺しちゃ駄目じゃない? 有栖ちゃんが参加できない時点でお察しでしょ。ああ、いや、動揺してるの葛城君の派閥の一部だけか。ただ一部の声が大きいだけで。
まあとにかく、無人島サバイバル編の開始である。ルール? 原作読んで……じゃダメ?
基本ルール
・各クラスは1週間、無人島での集団生活を行う。
・テント二個、マッチ、簡易トイレ(段ボールにビニール敷くやつ)は支給、その他必要な物は試験専用の300ポイントで購入。(一応生理用品も無制限で支給。男子がくれって言ったらどうなるんだろ?)
・試験専用ポイントは試験終了後、クラスポイントに変換される。
追加ルール
・島の随所に「スポット」と呼ばれる地点があり、占有したクラスのみ使用可能になる。
・スポットはボーナス、8時間毎に更新。
・スポットの占有には、リーダーとなった人物が持つ「キーカード」が必要となる。
・正当な理由なく、リーダーを変更することは不可能
・最終日、他クラスのリーダーを当てる権利が与えられる。当てれば1人につき+50ポイント、外せば-50ポイント。
・リーダーを当てられた場合、-50ポイント
禁止事項・ペナルティ
・体調不良や大怪我によって続行できない者はリタイアし、ペナルティとして-30ポイント
・環境を汚染する行為は-20ポイント
・毎日午前・午後8時に行う点呼に不在の場合、1人につき-5ポイント
・他クラスへの暴力行為、略奪行為、器物破損などを行った場合、そのクラスを即失格に加え対象者のプライベートポイントを全没収
「あー……書くの疲れた。こんな感じだったよね? 違ったらみんなで補足して~」
「ご苦労。さて……お前ら、俺達はどう動くべきだと思う? ……そうだな、金田、言ってみろ」
「……島の環境が分からないので断言は出来ませんが、一先ず飲食物が確保できるスポットを占有するべきでは? 如何に無駄な支出を避けるかの試験かと」
「クク……そうだな。椎名。どう思う?」
「支出は避けるべきでしょうが必要な物に出し惜しみも避けるべきかと。トイレを我慢して体調不良でリタイア、なんて笑い話にもなりませんし」
「フン……伊吹は?」
「大体二人と同意見。リーダー当ては不確定要素が大きすぎるし。やるならそれこそ点呼を無視してスポットを見張るぐらいしないと無理じゃない?」
「なるほどな。よし、お前らの意見は分かった」
「あれ、私は?」
私だけ集められたのに意見求められてないんだけど。
「だが今回は俺に従ってもらう。お前らの意見はマトモすぎるからな」
「ねぇ! 私は!?」
無視も立派な虐めだよ! りゅーたんって呼んじゃったの根に持ってる!?
そして我らがりゅーたんクラスがスポットとして占有したのは……遊ぶのにはとても良さそうな海辺。バカンスかな?
「よしお前ら。欲しい物を適当に選んでおけ。他のクラスにも分かりやすく羨ましがられるようなやつをな」
「え、いいんですか? 龍園さん」
「ああ。この試験は捨てる。全部使い切ろうとマイナスにはならねぇしな。だがまぁ……そうだな、とりあえず100ポイント分までだ。緊急で使うかもしれねぇからな」
「分かりました!」
「それと虎居。こっちに来い」
「え~、私もジェットスキーとか買いたいんだけど」
「殴るぞ」
「やぁん♡こわ~い♡──う゛ぉ゛ぇ゛ぇ……今の聞かなかったことにして……」
「自分でやって後悔するなよ……」
媚び媚びするのも才能が必要だね……
「で? 何の悪だくみ?」
「今回の試験の鍵、何だと思う?」
「そりゃリーダー当てでしょ。節約生活するかはもうリーダーの好み次第だろうけど」
私一人ならやるんだけどね。一週間なら水さえあれば最悪なんとかなるし。
「クク、50点だな」
「む。じゃあなんなのさ」
「決まってる。試験用のポイントにマイナスが無いことだ。ポイントが0になっちまえばリタイアしようが点呼に出なかろうが関係無いんだよ」
「ああ、そういうことね。で、どこに物資売りつけるの? まあAかCの二択だけどさ」
「Aクラス。プライベートポイントに余裕があって、俺達のクラスポイントが増えることは歓迎しない。喜んで飛びついてくるだろうさ」
「それでプライベートポイントせしめつつリーダー当てしてクラスポイントも増やすって?」
「ああ。まあ、後者は努力目標程度だがな」
要するに原作通りだね。身体を張ってサバイバル生活を送るのに最下位で呆然とするりゅーたんは正直見てみたい。生の映画を見てる気持ちになれそう。
「まあ概ね賛成かな。でも、どうせならクラスポイントも確実にしない?」
「クク……ああ、聞かせろ。お前の悪巧みを」
まあ大体原作りゅーたんの流用だけど。一人でサバイバルする根性あるしやってくれるでしょ。
「そうだね、まず──」
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実際坂柳さん二週間何してたんだろ