ようこそ百合至上主義のハーレムへ 作:ド級のスランプ、ドスランプス
【特別試験契約書】
一.BクラスはAクラスに対し、200ポイント相当分の物品を購入して譲渡する。購入する物品は、Aクラスが自由に指定出来る。
一.Bクラスは、Aクラスにリーダーを教える。Aクラスがリーダー当てに成功した場合、25クラスポイントを試験終了後にBクラスへ譲渡する。
一.上記遂行後、Aクラス生徒全員は龍園翔に、毎月2万プライベートポイントを譲渡する。
どうせ0ポイントになるならリーダー当てられてもノーダメ。じゃあわざと当てさせてそのボーナスを分けっこしちゃえばいいじゃん作戦である。スポットボーナスが無くなるのが欠点だけど、どうせ一人で回れる数なんて限りあるしね。リーダーバレていいなら別だろうけどさ。
「どう? 葛城君。悪くないと思うけど」
そんなわけで私、虎居優里はりゅーたんにパシられております。アイツ……自分はバカンス楽しんでるくせによぉ……!
「……悪くない条件だとは思う。こちらとしてもクラスポイントを増やすメリットは大きい。だが、プライベートポイントの徴収はな……」
「クラスポイントかさ増しするメリットの方が大きいでしょ? 別に私達は自分が200ポイント増やしてもいいし。そうしたらAクラスとの差も殆ど無くなるしね」
「ならば何故そうしない?」
「まだAに上がるのは早いから。それとプライべートポイントが必要な理由があって」
「なんだ?」
「……テストの点数が買えるんだよ。まぁ、Aクラスには必要無いだろうけど。ちなみに一点10万ポイントだって」
まあ本当はりゅーたんの8億ポイント計画のためだけど。ついでに退学キャンセルのため。実際8億稼ぎなんて出来るのかな? ……今後に美味しい特別試験があるかどうか次第か。
「試験ポイントを全て使った後はどうする気だ?」
「そりゃ全員リタイアするよ。リーダーだけは残るけど。別にそんな疑わなくても良くない? ちゃんとリーダー当てに成功したらって契約になってるでしょ?」
「それはいい……が、もう一つ条件を付けくわえてくれ。BクラスからAクラスのリーダー当ての権利を放棄すると」
「りゅーたん信用無いねぇ……りょーかい。他なんかある?」
「契約には入れなくていいが、最後に残るリーダーはAクラスのスポットで待機してくれないか? そちらとしても、本当にサバイバル生活を送るよりはいいだろう?」
「む、それは確かに。りゅーたんに伝えとくよ」
流石人間性が優れてる葛城君。……仲良く出来るかなりゅーたん。暴力行為で失格とかやめてよね。……Aクラスを挑発して失格に追い込むとかもやめて欲しい。禍根が残りまくるよ。
「──ってことでAクラスとの契約は無事完了。にしても、本当にバカンスしてるねぇ……」
「ご苦労。お前も遊んでけ」
「それよりご飯食べたーい。なんか無いの?」
「幾らでもあるぞ」
バーベキューセット……何ポイントだったんだろ? 1ポイントが100円な訳だから……いや、その理屈で言うと簡易トイレが2000円になっちゃうのか。あんま考えても意味ないね。マニュアル見れば書いてあるんだろうけど。
「ザッキー! お肉ちょうだーい!」
「あ、姐さん。お帰りなさい! 焼けるまでちょっと待ってくださいね」
うーんいい子。というかみんな夏休みなのに試験なんて冗談じゃないって大なり小なり思ってたんだろうね。りゅーたんのバカンス宣言のおかげもあって大分楽しそう。ビーチパラソルやらレジャーシートやらまで頼めるあたり、学校としてもバカンス全振りは想定の範囲内っぽいね。ちなみにザッキーが焼いてくれたお肉は美味しかった。素材が良いのかザッキーが上手なのか。
「ひよりん、どう? 楽しんでる?」
「あ、優里さん。私としては……本が欲しいです」
「うーん筋金入り」
流石に買えるものに無かったらしい。まあ野外に持ち込んだら傷むだろうしね。
「まあ偶には運動もしようってことだよ。行こ?」
「わ、私はそういうのは……」
「澪~! 混ぜて~!」
やっぱりビーチバレーって定番なんだね。というかもしかしてみんな水着まで買った? ……いや、船から持ってくる権利とかみたいな感じで売ってるのかな。それなら安そうだし。
そしてひよりんは本当に運動が苦手らしかった。ちょっと拗ねてたのが微笑ましいね。
無人島試験、二日目。
「今日で全員リタイアだ……が、虎居。お前は残れ」
「なんで!?」
リーダーだけ残ったら良くない? 私も船で女の子とイチャイチャしてたいんだけど! 大浴場があるって聞いたよ!!
「お前が考えた作戦だ。お前が交渉しろ」
「う……」
それは……そうかも……!
「はぁ……わかったよ……龍園じゃ信用もされないしね……」
「あぁ?」
「そういうとこだぞ~」
「──あなた達、これは何のつもり?」
「なんだ? Dクラスが何か用か?」
あ、堀北さん……と、綾小路君。とりあえず手振っとこ。気づくかな。
「まさか、ポイントを全部使ったの?」
「ああ。お前らと違って、ケチなポイントを稼ぐために我慢するなんて馬鹿らしいことはしたくないんでな」
あ、振り返してくれた。可愛いね。
「──虎居さん、貴女もこの作戦に賛同しているのかしら?」
「え、私? 別に、リーダーは龍園だし。他にも一応作戦はあるしね」
「おい」
「どうせ交渉に行った時に分かるからいいじゃん。流石にクラス全体で話し合うだろうしさ」
「チッ……まあいい。折角来たんだ。お前らも一緒に遊んでくか? どうだ? 綾小路」
「……いいのか? ならぜひ──」
「結構よ。行きましょう、綾小路君」
か、可哀想……そっか、今の綾小路君茶柱先生に脅されてるんだっけ。これで逆らってサボってました、なんて報告されたら終わりだもんね……
「綾小路君、お肉持ってく……?」
「……ありがとう。帰り道にでも食べさせてもらう」
串焼きぐらいあげても罰は当たらないよね、うん。
「──よし、行くぞ虎居」
「あいあいさー。……どっちから行く?」
「まあ、見つけた方からでいいだろ。どうせ場所知らねぇしな」
「そういやそうだった……」
Aクラスは洞窟って情報(原作知識)あったからすぐだったけど、一之瀬さんクラスとDクラスってどこだっけ? Dが川のそばだったのは覚えてるんだけど。
「……にしてもお前、体力あったのか」
「うん? ……ああ。まぁね〜。ほれほれ、道を作ってあげよう」
とりあえず多分水源があるところだよね? みんな水は節約したいだろうし。その上で畑とかが近くにあればなおよしって感じかな。あと日陰が作れるところ。この島で直射日光浴び続けるのは死ゾ。
「む、可愛い子の気配」
「あ? お前……いや、マジか」
「おーい! 一之瀬さーん!」
あの髪と胸は流石に間違えようがない。ちょっとぐらい胸分けてくれないかな?
「え? ……あ、虎居ちゃん!? どうしたの? 偵察?」
「いやぁリタイアするとこ。でもその前に小銭稼ごうと思って」
「小銭?」
「うん、ちょっとこれ見て〜」
差し出すのは契約書。Aクラスに見せたものと違ってリーダーを教える代わりにポイントを渡すだけの条件のシンプルなやつ。ついでに言われる前にこっちからのリーダー当ての権利の放棄も書いてある。シゴデキなので。
「どう? ノーリスクでそっちは20クラスポイント増やせるし、こっちは30増やせる。試験ポイント全部捨てたウチにしか出来ない作戦だよ」
「ちなみに、リーダーはどっち?」
「りゅーた……龍園。私もほんとはさっさと船に戻りたかったんだけど……」
「俺が持ち込んでも受けないだろう? 一之瀬」
「……まぁ、ね。ちょっと龍園君は素直に信用は出来ないかな」
うーん人望が無い。いや、この場合は評価されすぎてるのかな? まあその為に私を連れて歩いてるんだろうけどさ。
「それで、どう? お互いポイント増えるし、悪くないと思うんだけど」
「うーん……私としては受けたいんだけど、Bクラスと差を縮めたいって人も多いから……」
「そこはほら、節約生活頑張ってもらって……」
「まあそうなんだけど……そっちは試験ポイント使い切ってるんだもんね……」
「そうそう。ね? お願い、帆波」
「う、そ、その眼はズルくない?」
「帆波。私を助けて? お願い」
「う、うー! 分かった、受けるよ! でもボーナスポイントは25ずつで山分けね!」
「ありがとう。愛してるよ帆波。貴女を頼って良かった」
「私、もしかして押しに弱いのかなぁ……」
もしかしないよ。ホストとか行ったら取り返しつかなくなるタイプだよ。
「あとDクラスかぁ……どこだろ」
「フン、そんなに焦って探す必要も無いだろ」
「そのせいで二人で野宿する羽目になってるんだけど〜?」
私一人なら別に夜でも構わないのだけど、りゅーたんは流石に人間だからね。夜に動いて怪我してリタイアなんてなったら堪らないのである。やだよ改めてリーダー変わったって伝えて回るの。信用も無くなるだろうし。
「……なあ虎居。この世で最も強い力はなんだと思う?」
「え、哲学?」
「真面目に答えろ」
「うーん……りゅーたん先に答えてよ」
「テメェ……」
「なに〜? どうせ他に人も居ないしなんて呼ばれても面子も何もないでしょ」
「チッ……最も強い力は、暴力だ。この世界の実力は暴力の強さ。それを覆すなら……死だけだろう」
「……中学生? 税金とか無駄って言っちゃうタイプ? ……冗談冗談。まあ否定はしないどいてあげるけど、前提が1つ抜けてるんじゃない?」
「ほう?」
「暴力を使うなら独占しないと。小さい所で言うならりゅーたんがアルベルト君を従えてるみたいに。大きい所なら……そうだね、国が暴力を独占して治安を維持してるみたいに」
「まぁな。暴力を潰せるのは、より強い暴力だ」
「それを分かってて安心したよ。ま、分かってなければ学校っていう暴力に潰されてただろうけどさ。暴力っていうか……権力?」
「何が言いたい?」
「暴力は手段であって目的じゃないってこと。それを使うなら、適切な時に、しっかりと目的を定めないと。汚い手段を使うのと、汚い手段しか使えないのは違うよ」
「続けろ」
「ええ……? だから私が思うに……りゅーたん風に言うなら、実力っていうのは、ルールを決める権利を持つことだよ。今回の試験でも、結局みんな学校が決めたルールの上で争ってるでしょ?」
「持たざる者は思い上がった権力者を討つだろう?」
「でも持たざる者は端金で自由を売り飛ばすんだよ? ゼロポイント作戦で手に入れた自由を、リーダー当ての権利の為に失ったみたいに」
「フン……まぁ、リーダー当ての権利も結局は使わずに終わるがな」
「私は絶対に勝てる勝負しかしないの〜。大体、どうやってリーダー当てる気だったのさ。1人じゃAとCとDなんて同時に見れないでしょうに」
「使わなかった作戦を喋る趣味はねぇな」
「カッコつけたがりめ」
まあスパイ作戦の事は知ってるんだけどさ。ついでにそれが失敗することも。というか一之瀬さんの所、原作だと露骨に怪しいスパイにリーダー情報バレてるんだよね……
「まあとにかく? 暴力が実力の1つなのは私も否定しないけど、それじゃ敵が増えてくだけだよ。鞭と鞭じゃ民衆も反乱起こすって」
「一之瀬の所みたいに甘く縛れってか?」
「んー……ちょっと違うかな。結局ね、人はその人がやりたい事しかしないんだよ。利益が欲しいとか、暴力から逃げたいとか、理由は色々だろうけど」
「結局、飴を与えろって話か?」
「んや、相手に自分で選んだって思わせろってこと。りゅーたんがAクラスに自分達はクラスポイントを優先したって思わせたみたいに、私がCクラスにお互い得の取引をしたって思わせたみたいに」
「……お前のやりたい事とはなんだ?」
「え、女の子をいっぱい侍らせることだけど……何その聞いて損したって顔」
「聞いて損した」
「うわ酷。じゃありゅーたんこそ何がしたいのさ」
ぶっちゃけ2000万ならどうとでも稼げそうなんだよねりゅーたん。わざわざ8億稼いでクラスみんなをAにするのはなんでなんだろう? 原作知識があっても知らないものは知らないのです。
「決まってるだろ? 勝つ。全てに。それだけだ」
「……ふーん。ま、頑張ろうねりゅーたん。私も裏技とかバグ技とか好きだし。りゅーたんのやり方は嫌いじゃないよ?」
「なんだ気色悪い」
「そこはもっと喜んでよ」
りゅーたんの暴力が実力って考え方自体は別に悪くないと思うんだけど、この学校……というかこの世界、ホワイトルーム生に暴力で勝てる気しないからな……具体的には綾小路君。
だからまあ、勝ちたいなら勝てるルールを作っちゃえばいいのである。リーダー当てをされたら負ける? じゃあ当ててもらってポイントは半分こね! って個別にルールを結んでいけばいい。これだけで今回の試験、200クラスポイント相当のプライベートポイントに加えて75クラスポイントゲットなんだから。ま、もうちょい欲張らせてもらおうとは思ってるけど。
「……りゅーたん、凄い大切な相談があるんだけど」
「なんだ?」
「これは人1人の尊厳に大きく関わる問題であって、それなのに生理的に絶対に避けられず、直面してしまった以上解決するか全てを失うかの2択しかなくて──」
「長ぇよ。早く言え」
「トイレ行きたい」
「……その辺で済ませてこい」
「……女の子はね、男と違って振っておしまいって訳にはいかないんだよ……? 具体的に言うと紙ください!」
「だからカバンに最低限使うものは入れとけって言っただろうが……!」
最悪他のクラスでトイレ借りればって思ってたんだよぉ……まさか野宿するなんて思わないじゃんね。でもよく考えたら原作でりゅーたんは1週間野宿してるんだよな。
ちなみにりゅーたんはちゃんとトイレットペーパーとかも持ち歩いてました。これだけで3年間忠誠を誓うことも辞さないね……
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実際龍園ってトイレどうしてたんだろ…環境汚染ペナルティも確かに無意味だけど…まさか…